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近年、世界中でD2C(Direct to Consumer)と呼ばれるビジネスモデルが注目されています。D2Cとは、小売とテクノロジーを掛け合わせ、ユーザーに対して製品を直接販売するビジネスモデルのこと。スタートアップ企業に限らず、国内大手消費財メーカーも、従来はシェア獲得できなかった市場に参入する目的でD2C企業の買収を進めています。

今回の記事では、D2Cブランドの立ち上げ・運営に関心を持つマーケターに向けて、日本のファッション・アパレルD2Cブランドの成功事例12選を紹介します。
D2Cビジネスを成長させるヒントを、ぜひ参考にしてみてください。

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UGC活用事例10選

D2Cブランド×UGC 成功事例集10選

UGC活用でCVRや売上が飛躍的に向上した事例をご紹介します。活用背景や成果につながるポイントをご覧いただけます。

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①リピート率はアパレル平均の2倍
kay me(ケイミー)|kay me株式会社

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▼公式サイトURL
https://kayme.com/jp/

自宅で洗えるストレッチ素材のスーツやワンピースなどを展開するブランド「kay me(ケイミー)」。
「働く女性が、エレガントなスタイルを叶えつつ楽でいられる服のブランドを」という創業者の想いからスタートしました。
手入れが楽で、伸縮する素材と糸だけで洋服を創ることにこだわり、アイテムの90%は東京都内で熟練の職人の手で生産されています。
注目すべきは、「試着便」のサービスです。30万円分もの服・靴を、購入前に無料で好きな場所へ配送。手持ちのアイテムとコーディネートを確認してから、購入するか返送するか判断できます。
仕事や子育てで忙しく、なかなか店頭へ試着に行けない女性からも「サイズや素材感などWeb上で分からない点を見てから決められる」「家族の反応を参考にしてから決められる」などと好評で、リピート率はアパレル平均の2倍以上を維持。さらに、全国各地の実店舗数もコロナ禍の1年間で2倍に増加しています。(※1)

②知名度ゼロからわずか2年で全社売上10億円
CHOCOA|ジェンヌ(JENNE)

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▼公式サイトURL
https://chocoa.me/

妊娠・授乳中の女性に向けたアパレルブランドです。
マタニティウエアは着る期間・デザインが限られ、買いたがらない女性も多いことから、もっとファッション性を楽しんでもらえるブランドを立ち上げたい、との想いから2019年にECからスタート。
創業者はアパレル経験やインフルエンサーのような知名度ゼロの状態から始めたとのことですが、SNSやカスタマーサポートを通して顧客満足に熱心に向き合い、わずか2年で売上高10億円(※同社の他ブランドも合わせて)を達成。(※2)2021年夏には都内に実店舗を出店したほか、今後は全国各地でのポップアップストアも予定されています。

③ECローンチ初日売り上げ9200万円
アニュアンス|株式会社DOT ONE

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▼公式サイトURL
https://anuans.com/shop/default.aspx

Instagramから生まれた、女性向けアパレルブランドです。
Instagramで約20万ものフォロワーを抱えるインフルエンサー・中村麻美氏がクリエイティブディレクターを務め、2021年1月のオンライン販売開始直後からアクセスが殺到。初日だけで9200万円の売上を達成しました。(※3)その後、東京・大阪に4つの実店舗も出店。
その後も全国各地のファッションビルなどから出店のオファーが続く人気アパレルブランドに成長しています。

④SNSフォロワーを中心に初日売り上げ4000万円
CREDONA|株式会社DOT ONE

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▼公式サイトURL
https://credona.jp/shop/default.aspx

前述の「アニュアンス」と同じ運営会社が手掛ける、女性向けファッションブランドです。
アパレルブランド「Ungrid」の販売員からインフルエンサーとなったYURI氏がクリエイティブディレクターを務めています。
YURI氏のInstagramフォロワー数は約4万9千人(2020年9月時点)、20代後半〜30代の女性を中心に支持を集め、ブランド立ち上げ当初は広告費を掛けず、YURI氏のフォロワーを中心に売り上げたそうです。その結果、オンライン販売初日に売上4,000万円を達成しました。(※4)

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⑤ブランドの世界観を五感で楽しむ工夫で成長率2倍をキープ 
アルティーダ ウード(ARTIDA OUD)|株式会社サザビーリーグ

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▼公式サイトURL
https://www.artidaoud.com/

女性向けジュエリーブランドで、「ロンハーマン」「Afternoon Tea」「agete」などライフスタイルブランドを展開する株式会社サザビーリーグが手掛けています。
インド産のカラーストーンや伊勢湾のアコヤ貝など、産地の特色を活かしたジュエリーを手頃な価格で販売。オンライン販売を主とし、中間コストを可能な限り除くことで、ハイクオリティな商品を適正価格で提供するとしています。
また、届いた商品にオリジナルのオーガニックパフュームが同梱され、ブランドの世界観を五感で楽しめる工夫も。
2018年のブランド設立以降、売上高の伸び率は約2倍成長をキープ(※5)しています。

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⑥創業3年で月商1億円
COHINA(コヒナ)|newn(ニューン)

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▼公式サイトURL
https://cohina.net/

小柄な女性に向けたファッションブランドです。「裾丈・袖丈が短い」というだけではなく、小柄な女性が着用して美しく見えることを追求し、ボタンやひだの間隔まで、まるでオーダーメイドのような仕上がりにこだわっています。
365日毎日欠かさずインスタライブを開催し、顧客にアイテム詳細・着用イメージを分かりやすく伝え、その場で質問&回答に対応。身長別スナップ写真も豊富に提供し、顧客が自分ごと化して商品選びに満足できるよう、丁寧な取り組みが続けられています。
その結果、創業から3年で月商1億円の規模に成長(※6)を遂げています。

⑦ECサイト会員数10万人を達成
ROOM|株式会社サードオフィス

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▼公式サイトURL
https://room-601.com/

2017年12月、D2Cビジネスとしては比較的早い時期にローンチしたEC専業のアクセサリーブランドです。
「わたしらしいアクセサリーで部屋を埋め尽くしたい。」というコンセプトの下、プチプラブランドとして人気を集めています。
D2Cビジネスモデルにより、生産過程のコストをカットしつつ少量ロットでの生産が可能であり、アイテム数を拡大しても価格帯を抑えられます。これを公式サイト内で顧客に対しても発信しています。
ブランド立ち上げから約1年半でアクセサリー販売数4万個(※7)を記録、ECサイトの会員数は2021年3月に10万人を達成(※8)しました。

ROOMでは、顧客とのコミュニケーションにLINE公式アカウントも活用しています。その成功の舞台裏はこちら
「LINE Direct Day」イベントレポート

⑧設立3年で月商1.5億
ペアマノン|株式会社オープンアンドナチュラル

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▼公式サイトURL
https://pairmanon.com/

「家族みんなでリンクコーデを楽しめるプチプラ子供服」がコンセプトのブランドです。
ベビー・子供服以外に、同じデザインの大人向け衣料も提供。
まずは小ロットで確実に売り切れる量を販売し、その売上データ(顧客の反応)を元に必要な量だけ発注する体制を磨き上げているとのこと。また、質素なオフィス・最小限の人員で、ECによくある定型業務は自動化し、ローコストオペレーションを徹底、手頃な商品価格帯を実現しています。
その結果、設立3年で売上・組織ともに急拡大し月商1.5億円を達成(※9)、大手オンラインモールの子供服のランキングにも常連入りする人気ぶりです。

⑨モンゴルの貧困問題と向き合うビジネスモデルで成功
HushTug|ラズホールディングス株式会社

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▼公式サイトURL
https://shop.hushtug.net/

高品質でシンプルな革製品を、手頃な価格で提供するレザーブランドです。
創業者はモンゴルへ単身移住した経験を持ち「モンゴルから世界に通用するブランドを創りたい」「モンゴルに新しい産業を創ることに挑戦したい」という理念から始まっています。
製品には、高品質なモンゴルレザーを使用し、自社運営の工房もモンゴルにあります。
「革工房の運営」「商品の企画・開発」「販売」をすべて自社で手掛けることで、材料費・人件費以外のコストを可能な限りカット。
ブランド運営を通して、モンゴルが抱える貧困などの社会問題と向き合い、技術の発展・雇用の拡大を目指しています。
このビジネスモデルが成功し、販売開始から8ヶ月で月商840万円を達成(※10)しました。

⑩メンズ向けオーダースーツで年商10億を達成
FABLIC TOKYO|株式会社FABRIC TOKYO

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▼公式サイトURL
https://fabric-tokyo.com/

メンズ向けシャツ・スーツなど、オーダーメイドのビジネスウェアを提供するブランドです。
創業者がサラリーマン時代、オーダースーツを作って感動したことが原体験に。新たなビジネスモデルを構築できないかと模索している時、渋谷でスーツ姿のビジネスマン100人に街頭インタビューを敢行し、「8割以上の人が体型にコンプレックスを持っている」、その一方で「オーダースーツを作ったことがある人は1割以下」と発見。そのギャップを埋めるべく、ブランドを立ち上げに至りました。
2019年には、年商10億円を達成(※11)。全国各地に「ショールーム型店舗(売らない店舗)」を構え、店頭で採寸するといつでもどこでもEC経由で製品をオーダーできます。

⑪OLの悩みからたった1人でスタート、最高日商2,000万円
BELLE MACARON|株式会社ashlyn(アシュリン)

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▼公式サイトURL
https://www.bellemacaron.shop/

「1日中優しい着け心地」をコンセプトにした女性用インナーウェアブランドです。
創業者自身がOL時代に実感した「ラクと可愛いを同時に叶える下着を楽しみたい」という想いを原点に、たった1人でブランド運営をスタート。
TwitterやECサイト上で運営者の想いを丁寧に発信し、SNS上の口コミも味方に付けたことで、最高日商2,000万円、リピート率も70%を超えています。(※12)
また、自宅で無料試着サービスや、LINE経由でのサイズ相談受付など、顧客に寄り添う地道な施策を続けて現在では「入荷2ヶ月待ち、幻のブラ」と多数のメディアで紹介されています。

⑫アイテム数を絞っても月商1,000万
RYO TAKASHIMA|株式会社GWT COMMUNICATIONS

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▼公式サイトURL
https://ryo-takashima.com/

インフルエンサーと、長年のアパレルEC経験を持つ“ECのプロ”がタッグを組んで生まれたファッションブランドです。
商品は原則、先行受注のみ。InstagramなどSNSをフル活用し、受注のあった製品だけを定価で販売するビジネスモデルです。幅広いラインナップにするのではなく、敢えて商品点数を絞り込み、写真や動画、ライブ配信などをメディアを総動員して1つの商品に込めたこだわりをさまざまな角度から発信。ファンを惹きつけ、飽きさせない工夫を継続的に積み重ねることを重視しています。その結果、月商は1,000万円を超えるブランドに成長(※13)しました。

ブランドの世界観をコアに、顧客満足度と徹底的に向き合う

ひと口に「成功したアパレルD2C」と言っても、ファッション系インフルエンサーを軸にしたブランドと、必ずしもアパレル経験者が立ち上げていないブランドもあります。
共通するポイントは、「ブランドの世界観」「コンセプト」が明確であること。「こんなライフスタイルを実現したい」「こんな悩みを解決したい」「社会課題を解決したい」など、創業者の原体験をコアにしつつ、顧客満足度を丁寧に育んできたブランドこそ、ユーザーの継続的な支持を得て成功につながっていると言えます。
今回ご紹介した12の事例をぜひ、D2Cモデル構築の際にご参考ください。

(※1)コロナ禍の1年で店舗数を200%にした理由~「D2Cブランドkay me」2021年春、更に3店舗オープン! (2021年3月5日) – エキサイトニュース
(※2)知名度ゼロから2年で売上高10億円 金沢発D2C「ジェンヌ」が表参道の一等地に出店 – WWDJAPAN
(※3)D2Cブランド「アニュアンス」が初日売り上げ9200万円、「エイミー」のドットワンが運営 – WWDJAPAN
(※4)D2Cの新ブランド「クレドナ」、初日で4000万円を売り上げる – WWDJAPAN
(※5)約2倍成長をキープ サザビーリーグのD2Cジュエリーが継続成長するワケ – WWDJAPAN
(※6)D2Cとは顧客と直接取引するビジネスモデル!特徴や事例を紹介|ECzine(イーシージン)
(※7)アクセサリーのD2Cブランドは今後も増えていく?3ブランドの事例から学べること
(※8)【ROOM】会員数10万人を記念して、限定マスクを先着200名様にプレゼント!|サードオフィスのプレスリリース

(※9)D2Cブランドで月商1.5億円達成するまでにCOOとしてやったこと|樋口幸太郎|note
(※10)【D2C】ブランド販売開始から約8ヶ月で月商840万円を超えるまでにやった全記録|HushTug College|note

(※11)年商10億円のオーダースーツD2Cブランド「FABRIC TOKYO」の成長の裏側。リアルにお店をだしたら「客単価2倍」になった理由、接客時間の短い人がリピーターになる理由|アプリマーケティング研究所
(※12)高くて売れなかった下着が、日商2,000万円に。OLがひとりで立ち上げた「24hブラ」の社長が語る、SNSの「クチコミの魔法」と、売上が30%アップした「24hサポート」の話|アプリマーケティング研究所
(※13)人気インフルエンサーとECのプロが語る「アパレルビジネスのこれから」 (PR) – WWDJAPAN

この記事の著者

景山 真理

景山 真理

フリーランスのライター。EC店舗、タウン情報誌制作会社、マーケティング支援企業などへの勤務経験を経て、Webメディア・紙媒体で活動しています。専門領域はデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、ECのセールスメルマガ、デジタルトランスフォーメーション。
Website:Mari Kageyama Writing Works