鎌倉パスタ

ブランディングと集客の強力なツールとして、Instagramは多くの企業にとって欠かせない存在になっています。しかしトレンドの変化や新機能の追加など、常に進化を遂げるプラットフォームでユーザーの目を引き、印象深く捉えてもらうには、他社との差別化が不可欠です。

では「読まれる」コンテンツとは、どのようなポイントを押さえるべきなのでしょうか?

今回は「株式会社鎌倉パスタ」の販売販促部・片山 純佳氏にその秘訣をお聞きしました。ファンとのコミュニケーションを深めるための戦略設計から、Instagramコンテンツ設計のポイントまで、大きな手応えを得られた成功事例を交えながら詳しく解説していただきました。

Instagramを効果的に活用してビジネスの成果につなげたい方や、コンテンツ企画やアイデア出しに日頃から悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。

※本記事は2023年10月11日(水)にアライドアーキテクツ株式会社が開催したセミナー「Instagramの保存率約2.4倍に!鎌倉パスタが語る、「読まれる」Instagramコンテンツ設計のコツとは」の内容を編集したものです。

Instagramはユーザーとのコミュニケーションの場

ー まず、鎌倉パスタの経営理念やブランドについてご紹介いただけますか?

弊社は「わたしたちはお客様にとって最高のひとときを創造します」という経営理念のもと、「いい時、創ろう」というタグラインを掲げて活動しています。お客様のニーズを先読みし、迅速に対応することで、単にパスタを食べて満足するだけでなく、リラックスして心も満たされる時間を提供しています。現在「生麺専門 鎌倉パスタ」をはじめとする5つのブランドを展開しており、全国に184店舗の「鎌倉パスタ」、9店舗の「ぎをん椿庵」があります。他にも「てっぱんのスパゲッティ」や「kamakurapastaFresca」、新業態の「おだしもん」なども運営しています。

当社の特徴はツルツル、もちもちの生パスタです。乾麺では味わえない食感にこだわっています。また、和の空間を大切にしており、ゆったりとくつろげるお座敷を提供しています。一部の店舗では焼きたてのパンやピザなどのメニューもあり、店舗によって異なるメニュー展開を行っています。

こだわり

ー Instagramでも店舗の特徴をしっかり伝えられていると感じます。Instagramの運用はどのようなきっかけで始められたのか、X(Twitter)との比較も含めて教えていただけますか?

Instagramは、X(Twitter)をスタートした際に「インスタもやるべきだ」という考えで運営を開始しました。Instagramは画像を重視する媒体ですので、テキスト中心のX(Twitter)よりも、画像でシズル感を表現できる点が良いです。社内に数多く保有している画像素材を日々の投稿クリエイティブに活かしています。

X(Twitter)/Instagram

ー 食を扱う業界にとって、シズル感は重要ですね。他の企業様も、たとえば画像に湯気のエフェクトを加えるだけで、クリック率や離脱率に大きな影響があると言っています。InstagramとX(Twitter)で、運用目的や内容の出し分けはどのように考えられていますか?

X(Twitter)は幅広い層に向けたブランド認知やキャンペーンを行う媒体として運営しており、キャンペーン紹介や新商品告知、SNSの告知などを行っています。

一方Instagramは商品の詳細を知ってもらい、コミュニケーションを図るための投稿を心がけています。商品のこだわり紹介や、キャッチャーなコメント、コミュニケーションを重視しています。

X(Twitter)投稿/Instagram投稿

重視している4つのKPI

ー 多くのInstagram担当者が、運用上のKPIについてどのような指標を見ればいいか迷っています。御社で重要視しているKPIを教えてください。

継続的に見ているKPIは大きく分けて4つです。

「フォロワー数」「コメント数」「フォロワーリーチ割合(リーチアカウントのうち、フォロワーがどのぐらいいるかの割合)」、そして「保存率」です。
1ヶ月のリーチアカウントの総数の中で、フォロワー外とフォロワーの割合を見ています。

フォロワー外とフォロワーの割合

ー 親密度、つまりフォロワーと仲が良いかどうか、というところを重要視されているのですね。コメント数が増えると仲が良いということですし、リーチの中にフォロワーさんが一定割合いらっしゃると、フォローしてくれた人と仲良くなれている証拠だと言えます。また、投稿がユーザーに保存されていることは、良い投稿内容を提供できていることを示しますね。継続的に追っている「フォロワーリーチ割合」が上昇している背景は何ですか?具体的にどのような取り組みが奏功して、成果が伸びているのでしょうか。

コツコツと継続的に投稿をしながら、プロフィールの文章を見直したり、ハイライトをこまめに作成しています。

2023年6月にフォロワー数が急増したのは、店内テーブルにポップを置き始めたためです。LINE、Twitter、Instagramをまとめたハガキサイズのポップを6月からテーブルに設置したことで、フォロワーが増えました。

ー 店頭ポップでInstagramに誘導するというのは、良い取り組みですね。「鎌倉パスタ」に興味を抱き、目的を持って来店されたお客様なら、継続して関心を引きやすいのではないでしょうか。続いて、KGIについてもお伺いしたいです。

KGIでは、まずブランド認知度向上を目指しています。ブランド認知度が向上したら、次に目的来店を創出し、ロイヤルファンになってもらい、クチコミでさらにブランド認知度を高めるというサイクルを目指しています。

「ブランド認知度」を向上させるためのKPIは、「フォロワー数」と「リーチ割合」です。
「目的来店の創出」には、「保存数」をKPIとして設定し、「ロイヤルファン増加」のためには「いいね」と「コメント数」を重視しています。

KGI/KPI

ー Instagram投稿を「保存する」行動が、目的を持った来店のきっかけになるというのは、納得です。ちなみに「ロイヤルファン」とは、どのように定義づけをされていますか?

ロイヤルファンとはリピート回数も重要ですが、弊社では、特定の商品や体験を求めて来店されるお客様も、ロイヤルファンと位置付けています。

ー 「目的来店」を重視されているんですね。Instagramでたとえば季節限定新商品などを紹介することが、「目的来店」を促しているのではないでしょうか。現在の運用KPIの成果についても教えていただけますか?

重要度順に言うと

1.「エンゲージメント数(いいね数、保存数、コメント数の総数)」
2. 「インプレッション数」
3. 「リーチ割合」
4. 「フォロワー数」

です。これらのKPIのうち、「インプレッション数」は大幅に増加し、ブランド認知の機会が増えました。また「リーチ割合」も増え、「フォロワー数」も1年弱で約4000人増加しました。

フォロワー数

またInstagram上で期間限定商品の告知に力を入れた結果、期間限定商品の売上構成比率に占める割合の上昇にも貢献できました。2017年夏、期間限定商品の売上構成比は2.2%でしたが、2023年の夏期間は3.2%に増加しました。

なお、店舗でのアンケートによると、SNS広告を見て来店したお客様の割合が8月は2.97%、9月は5.75%と出ており、Instagramの有用性が数字で示されていると言えます。

保存率2.4倍 投稿内容設計のコツ

ー 実際にどのような投稿の反響が良かったのか、コンテンツ設計の具体的なポイントをお聞きできますか。

カルーセル形式で複数のパスタを紹介する投稿を始めたところ、保存率が0.54%から1.31%に上がりました。

保存率

保存率が上がりやすいのは、このようなまとめ系やランキング系の投稿です。

まず訴求内容は、Instagram運用担当である私自身が、ユーザー視点に立って「知りたい」と思う情報を選定しています。たとえば「プチダイエット中 おすすめパスタ5選」の投稿では、来店してメニューブックを見ただけでは分かりづらいカロリーや、細かな栄養素に関する情報を、保存しておいて必要なときに見返したくなるようにまとめました。特に夏はダイエットを意識する時期なので、ダイエットを意識しながらも、気兼ねなく食べられるパスタを紹介することが重要です。そのような発想から、まとめ投稿を作成しました。

ー 編集の工夫についても、ポイントを教えてください。

白文字を使っておしゃれに見せる工夫をしています。また、背景を白や透明よりも、少しトーンを落としたグレーの透明色で、シンプルな「プチダイエット中おすすめパスタ5選」と分かりやすいタイトルを設定しています。投稿のパスタ1つ1つに商品名を明記し、カロリーだけでなくタンパク質や脂質の情報も入れています。

ー 白文字を使うのは鉄板ルールですね。また、カルーセルの最後の画像にも、「いいね」と「保存」を促すアイコンを表示した工夫が見られます。「保存してね」と明確にアクションを促すことも大きな差を生みそうですね。テキストやキャプション文の工夫についても教えていただけますか?

「ダイエット中」と書くと、本格的なダイエットをしている人の視点では「今は食べない」と捉えがちなので、「プチ」という言葉を使って、「軽くダイエットを意識している」といった人にパスタを食べてもらえるトーンに工夫しています。

保存率高い投稿

ー リーチが伸びる投稿についても教えてください。

リーチが高いのは、パン、ピザ、フォカッチャに関する投稿です。特に「おすすめパン」のようなまとめ系の投稿はリーチが高くなります。

パンは食材の色味的に、茶色に偏りがちなので、フレームや文字をカラフルにして、バリエーションの豊富さを視覚的に伝えています。

テキストでは、お客様に直接おすすめするような話し言葉を使い、柔らかく伝わるように手書き感のあるフォントを使用しています。

また「おすすめのパン」の投稿では、新規顧客だけでなくロイヤルカスタマーへのアプローチも意図しています。「あなたのおすすめは何ですか?」と聞くことで、コメント欄でのクチコミ効果を狙っています。

リーチの高い投稿

ー コメント数が伸びた投稿についても教えてください。

画像1枚の投稿で、どちらのパスタが好みか、直感的に判断してもらえるようなレイアウトをしています。料理の色味を赤(トマト)と緑(バジル)など、分かりやすい対照的な色で表現し、テキストは短く「どっちのパスタの気分ですか?」とコメントを促しています。ハッシュタグにも「コメントしてね」や「コメント歓迎」といった言葉を入れています。また、商品名を表す絵文字を指定し、お客様が絵文字の投稿だけで簡単にコメントできるよう工夫しています。

コメント数が伸びた投稿

ー リール動画の再生数が伸びた投稿についても教えていただけますか?

リール動画では、タイトルは分かりやすくシンプルにしています。期間限定商品の動画は、特に再生回数が伸びやすいです。またカバー画像にもこだわり、動きのある動画を意識して作成しています。

再生回数が伸びた投稿

運営を効率化できるツールを活用し、投稿量を担保するのも重要

ー 最後に、投稿の企画内容や考え方についてお伺いしたいです。ファネル図に沿って企画内容を検討されていると思いますが、この図について詳しく教えていただけますか?

弊社の投稿は大きく2つのカテゴリーに分かれています。

1つ目は未フォロワー・潜在的なフォロワーを含む、新規フォロワー向けの投稿です。

もう1つは、すでに定着している既存フォロワーや、積極的にコメントをしてくれる好意的なユーザー向けの投稿です。

人気の投稿

ー まとめ系の投稿は、新規の方でも楽しめるフランクな内容ですね。その一方で、個別商品にフォーカスする投稿は、ブランド好意度の高い方に切り込む内容になると思います。このようなカテゴリーをバランスよく企画することが重要ですね。日頃、どのくらいの投稿頻度を意識されていますか?

毎日投稿することを心がけています。しかし、毎日リール動画を投稿するのは正直厳しいので、週に1〜2回リール動画を投稿することを目標にしています。残りの日は、静止画のフィード投稿をしています。ストーリーズに関しては、特に推したい商品があれば、フィード投稿やリール動画を引用してストーリーズに投稿し、ハイライトに保存する運用をしています。

ー ストーリーズは毎日、ユーザーの目に触れるべき媒体なので、フィード投稿を引用して活用するのは、良い運用方法ですね。なお、多くの企業様から「毎日投稿するのは社内体制上、難しい」といったお声も聞きます。御社が毎日の投稿を実現できている社内体制の工夫についても教えていただけますか?

Instagramの運営は、ほとんど私1人で行っています。たまに社内で助けを借りることもありますが、企画から投稿作成、予約まで、基本的に1人体制です。毎日の投稿が可能な理由は、動画制作ツール「LetroStudio」を活用しているからです。投稿量を担保するためにこのツールを使っています。運営を効率化できるツールを取り入れることも、重要なコツのひとつだと考えています。

LetroStudioは、誰でも簡単に15分で静止画や動画が作れる動画制作ツールです。
Instagramの投稿(フィード/ストーリーズ/リール)にぴったりのテンプレートやスタンプも幅広く揃えております。無料トライアルも実施中ですので、ぜひこの機会に操作感をお確かめください。

この記事の著者

景山 真理

景山 真理

フリーランスのライター。EC店舗、タウン情報誌制作会社、マーケティング支援企業などへの勤務経験を経て、Webメディア・紙媒体で活動しています。専門領域はデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、ECのセールスメルマガ、デジタルトランスフォーメーション。
Website:Mari Kageyama Writing Works