AIOとは?

「朝食で手軽に野菜をとりたい。おすすめの商品は?」

こうした質問を、検索窓ではなくChatGPTやGeminiなどの生成AIに投げかける生活者が増えています。では、AIがその質問に答えるとき、自社のブランドは「おすすめ」として名前を挙がるでしょうか。

こうした状況への備えとして注目されているのが「AIO(AI最適化)」です。
本記事では、「AIO(AI最適化)」について、用語の意味やSEOとの関係、AIが情報源を選ぶ仕組み、基本的な施策と注意点を解説します。後半では、消費財ブランドがAIOを考える際の視点として「カテゴリーエントリーポイント(CEPs)」との関係も紹介します。

AIOとは?

AIO(AI Optimization/AI最適化)とは、ChatGPT・Gemini・Perplexity、GoogleのAIによる概要表示機能(AI Overviews)など、生成AIが作る回答の中で、自社のブランドや商品・サービスが正しく言及・引用・推奨されるようにするための取り組みの総称です。

なお「AIO」は、Google検索の機能「AIによる概要(AI Overviews)」の略として使われることもあります。この機能は日本では2024年8月に提供が発表され、2025年9月には対話型の「AIモード」の日本語提供も始まりました。本記事では、生成AI全般を対象とする広い意味でのAIOとして解説します。

※出典:Google Japan Blog「AI による概要 : ウェブにつながる新しい方法」(2024年8月16日)、「Google 検索の AI モードを日本語で提供開始します」(2025年9月9日)

LLMO・GEO・AEOとの違い

AIOと似た言葉にLLMO・GEO・AEOがあります。着目する対象によって呼び方が異なるものの、「AIの回答に選ばれる」という目指す方向性はほぼ同じです。

用語 正式名称 着目している対象
AIO AI Optimization(AI最適化) 生成AI全般(GoogleのAIによる概要を指す場合も)
LLMO Large Language Model Optimization ChatGPTなどの基盤である大規模言語モデル
GEO Generative Engine Optimization AIが回答を生成する検索エンジン
AEO Answer Engine Optimization 質問に直接答える「回答エンジン」

一般的に統一された呼称はまだないため、どの言葉を使うかよりも「何を目指す取り組みなのか」をすり合わせておくことが大切です。

なぜ今、AIOが注目されているのか?

生成AIの利用率が過半数を超え、日常的なツールへ

NTTドコモ モバイル社会研究所の最新調査(2026年4月)によると、日本国内で生成AIを「利用したことがある」と答えた人の割合は51%に達し、前年の27%から約1年でほぼ倍増しました。

すでに過半数の人が生成AIに触れる時代に突入しており、20代などの若年層を中心として、日常的な情報収集や疑問解決の手段として急速に定着しつつあります。

生成AI利用率、過半数に。1年で急増

出典:モバイル社会研究所「生成AI利用率、過半数に。1年で急増」(2026年4月6日)

検索しても「クリックされない」状況が増えている

米国のPew Research Centerが米国の成人900人の閲覧データ(2025年3月)を分析した調査では、Google検索でAIの要約が表示されたときに検索結果のリンクがクリックされた割合は8%で、表示されなかったとき(15%)の約半分でした。要約内の参照元リンクがクリックされた割合は1% にとどまっています。

AI要約

日本にそのまま当てはまるとは限りませんが、AIの回答の中で情報収集や比較検討が完結しやすくなっていることを示すデータといえます。「〇〇におすすめの商品は?」といった質問に対して、AIが挙げた候補に名前がなければ、生活者の検討の土俵にすら上がれない可能性がある。これが、AIOが注目される大きな理由です。

出典:Pew Research Center「Google users are less likely to click on links when an AI summary appears in the results」(2025年7月22日)

SEOとAIOの関係

SEOが「検索結果で上位に表示され、クリックされること」を目指すのに対し、AIOは「AIの回答の中で言及・引用・推奨されること」を目指します。

ただし、AIOはSEOと無関係な新しい取り組みではありません。Googleは公式ドキュメントで、AIによる概要やAIモードに表示されるために「追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません」と明言しています。検索エンジンに正しく評価されるページであることは、AIに引用されるための土台です。

一方で、土台があれば十分というわけではありません。検索で上位にいるブランドが、AIの回答でも同じように挙がるとは限らないためです。特に、生活者がカテゴリ名ではなく自分の状況や目的の言葉で質問したとき、その差は表れやすくなります。SEOで土台を整えたうえで、「AIの回答で自社が実際にどう扱われているか」を確認することが不可欠です。

出典:Google検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」

AIはどうやって情報源を選んでいるのか?

「学習済みの知識」で答えるか、「Webを調べて」答えるか

生成AIの答え方は、大きく2つに分けられます。

  • 学習済みの知識で答える:AIが事前に学習したデータをもとに回答する
  • Webを検索して答える:質問を受けてからWeb上の情報を参照して回答する(ChatGPTの検索機能や、GoogleのAIによる概要・AIモードなど)

「学習済みの知識」において名前が挙がるかどうかは、長い時間をかけてWeb上に蓄積された「そのブランドがどう語られてきたか」 に左右されます。「Webを検索して答える」場合は 、最新の情報が掲載され、質問に的確に答えているページが参照されやすくなります。

AIに参照されやすいページの特徴

参照先を選ぶ詳細なロジックは公開されていませんが、Googleの公式ガイダンスや研究、実務上の知見からは、次のような傾向が読み取れます。

  • 質問にすぐ答えている(見出しの直後に結論がある、要点がリストや表で整理されている)
  • 誰が書いたかが明確で、信頼できる(GoogleのE-E-A-T=経験・専門性・権威性・信頼性)
  • 根拠が示されている(統計データや出典がある)
  • 情報が新しい(更新日が明記され、内容が最新)
AIに参照されやすいページの特徴

「GEO」を提唱した研究でも、出典や統計データを加えたコンテンツは生成AIの回答での可視性が向上した一方、従来のキーワードの詰め込みはほとんど効果がなかったと報告されています(実験環境での結果)。

出典:Aggarwal, P. et al.「GEO: Generative Engine Optimization」(KDD 2024)

AIO対策の基本的な施策

いずれも特別なテクニックではなく、「生活者にとって役に立ち、AIにも正しく伝わる」ことを目指すものです。

① 問いと答えが対になる構成にする

見出しで問いを立て、直後の1〜2文で答えます。生活者が実際に抱く疑問をFAQとして整理するのも有効です。お客様相談窓口に寄せられる質問や、SNS・レビューで見られる疑問は、テーマを考えるうえでのヒントになります。

② 「誰が言っているのか」を明確にし、正しく伝える

執筆者や運営企業の情報を明記し、商品の開発背景などそのブランドだからこそ語れる経験や専門性を伝えます。あわせて、表示内容と一致した構造化データを実装するなど、検索エンジンに内容が正しく伝わる状態を整えます。

③ 一次情報を発信する

自社調査のデータや開発の裏側、利用者の声など、他のサイトにはない情報を発信します。一般論を並べた記事よりも、独自の情報を持つページのほうが参照する価値が高いと考えられています。

④ 第三者から語られる状態をつくる

AIは、ブランド自身の発信だけでなく、メディアの記事や口コミ、SNSの投稿など、第三者がそのブランドをどう語っているかも含めて情報を集めていると考えられます。メディア露出に加え、生活者による自然なUGCやレビューが生まれる状態をつくることは、AI時代にも価値を持ち続けるといえるでしょう。

⑤ 情報を更新し、定期的に計測する

AIの回答は日々変化します。コンテンツを最新の状態に保ちつつ、AIの回答で自社がどう扱われているかを定期的に確認しましょう。

AIO対策の基本的な施策

AIOの成果はどう測る?

主に次のような指標を組み合わせて見ていきます。

  • AIの回答での出現:想定される質問に対して、自社ブランドが挙げられるか
  • 引用元としての参照:自社サイトが回答の根拠として参照・リンクされているか
  • AI経由の流入:AIサービスからWebサイトへの流入
  • 指名検索数:ブランド名での検索数の推移

注意したいのは、同じ質問をしても、AIの回答は毎回同じとは限らない点です。2026年に発表された研究でも、AI検索の回答は実行のたびに、また質問の仕方や時期によって変わりうるため、一度きりの観測では不十分で、繰り返し計測すべきだと指摘されています。実務では、生活者が使いそうな聞き方で同じ質問を複数回投げかけ、自社が挙がる頻度を記録するといった工夫が有効です。

出典:Schulte, J. et al.「Don’t Measure Once: Measuring Visibility in AI Search (GEO)」(2026年)

AIOに取り組む際の注意点

  • 操作的な手法は逆効果:中身の薄いページを大量に生成したり、掲示板やコメント欄に自社名を書き込んだりする行為は、Googleのスパムポリシー(大量生成されたコンテンツの不正使用、ユーザー生成スパム)に抵触するおそれがあります。やらせのレビューも生活者の信頼を損ないます。
  • 成果が出るまでに時間がかかる:特に学習済みの知識での扱われ方は、長期間蓄積された情報に左右されます。中長期の取り組みとして計画しましょう。
  • AIの仕組みは変わり続ける:特定のテクニックに頼りすぎず、「役に立つ情報を、正しく伝わる形で届ける」という基本を軸に据えることが、変化への確かな備えになります。

出典:Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」

消費財ブランドのAIOは「どんな場面で聞かれるか」から考える

食品・飲料・日用品・化粧品などの消費財ブランドがAIOに取り組む際は、もう一つ押さえておきたい視点があります。それが、「生活者はどんな場面で、どんな聞き方でAIに質問するのか」 です。

生活者はブランド名ではなく「場面」や「目的」で聞く

生活者がAIに質問するとき、最初からブランド名を入れるとは限りません。

  • 「忙しい朝でも手軽に野菜をとれるものは?」
  • 「汗をかいても崩れにくいファンデーションは?」
  • 「料理のアレンジに使える調味料のおすすめは?」
  • 「運動のあとに手軽にたんぱく質をとれるものは?」

このように、自分の状況や目的を起点に質問することが多いのではないでしょうか。会話するように質問できるAIでは、検索窓にキーワードを入れるとき以上に、こうした「場面」が言葉として表れやすいと考えられます。

その「場面」こそがCEPs(カテゴリーエントリーポイント)

こうしたブランド想起のきっかけとなる場面を、マーケティングではCEPs(カテゴリーエントリーポイント) と呼びます。生活者が商品・サービスを選ぶ際に、ブランドを想起する「きっかけ」や「目的」「利用シーン」のことで、バイロン・シャープ氏らが提唱して広まった考え方です。

関連記事:CEPs(カテゴリーエントリーポイント)とは?

生活者の質問の起点がCEPs(利用場面や目的)に基づいているとすれば、AIOの成果も「CEPsごとに、AIに推奨されているか」という単位で見ることが有効です。

CEPsごとに見ると「取りこぼし」が見えてくる

CEPsごとにAIの回答を確認すると、例えば次のような状況が見えてくることがあります。

  • カテゴリ名を指定して聞くと自社が挙がるのに、生活者の言葉(場面)で聞くと挙がらない
  • SNSや口コミでは自社がよく語られている場面なのに、AIの回答には反映されていない
  • カテゴリ全体として、AIがどのブランドも挙げていない「空白」の場面がある

一つ目は、カテゴリの中では知られているのに、その場面では思い出されていない状態です。二つ目は、生活者からは支持されているのに、AIで情報収集する人の選択肢からは外れている「取りこぼし」です。こうした場面が見つかれば、どのCEPsに向けて、どんなコンテンツを用意すべきかの優先順位をつけやすくなります。

CEPsごとに見ると「取りこぼし」

CEPs起点でAIOに取り組むステップ

     1.生活者の声からCEPsを洗い出す:SNSの投稿やレビューなどのVOC(顧客の声)から、自社・競合がどんな場面で語られているかを把握する

     2.CEPsごとにAIの回答を確認する:生活者の聞き方(場面)と、カテゴリ名を指定した聞き方の両方ででAIに繰り返し質問し、自社が推奨されるか、AIがどんな情報源を参照しているかを記録する

     3.取り組むCEPsを決め、コンテンツを企画する:取りこぼしている場面などを優先し、その場面で役立つ情報とブランドの便益・根拠をセットで届けるコンテンツを企画する

     4.発信し、再び計測する:公式サイトやSNS、外部メディアで発信し、AIの回答での扱われ方の変化を確認する

大切なのは、コンテンツを「AIに引用されるため」だけのものにしないことです。その場面にいる生活者にとって本当に役立つ情報であることが、結果としてAIにも参照される価値につながります。

まとめ:AIOで、生活者の「場面」に選ばれるブランドを目指そう

AIO(AI最適化)とは、生成AIの回答の中で、自社のブランドや商品・サービスが正しく言及・引用・推奨されるようにするための取り組みです。AIの回答の中で情報収集や比較検討が完結しやすくなるなか、「AIの回答に名前が挙がるかどうか」はブランドにとって無視できないテーマになりつつあります。

一方で、AIOは特別なテクニックではありません。SEOの基本を土台に、生活者に役立つ情報を根拠とともに届けること。そして、生活者に自然に語られるブランドであり続けること。これが、AI時代にも変わらない王道といえるでしょう。

特に消費財ブランドは、「生活者がどんな場面でAIに質問するのか」というCEPsの視点を持つことで、どこに取りこぼしがあり、何から取り組むべきかが見えやすくなります。ぜひ、あなたが担当するブランドについても、主要なCEPsごとに「AIにおすすめを聞いたら、自社の名前は挙がるか」を確かめてみてください。

自社ブランドは、AIに「おすすめ」されていますか

  • 「生活者がAIに質問したとき、自社ブランドが挙がるのか知りたい」
  • 「SNSでは語られているのに、AIに推奨されていない場面を見つけたい」
  • 「CEPsごとに、どんなコンテンツを用意すべきか整理したい」

このようなお悩みをお持ちの方は、顧客の声を起点にマーケティングAXを支援するアライドアーキテクツにご相談ください。

データプラットフォーム「Kaname.ax®」で生活者の声(VOC)からCEPsを特定し、CEPsごとに「AIの回答で自社が挙がるか」を繰り返し実測します。場面ごとの判定、AIが根拠にしているページ、優先して取り組むべき場面までをレポートし、コンテンツ制作・サイト実装、施策後の再計測まで同じチームで一貫してご支援します。

▼ Kaname.ax®の詳細はこちら
https://service.aainc.co.jp/kaname-ax

よくある質問(FAQ)

Q. AIOとLLMO、GEOはどの言葉を使えばいいですか?
A. いずれも「生成AIの回答に選ばれること」を目指す考え方で、方向性はほぼ同じです。統一された呼称はまだないため、社内外で認識をすり合わせたうえで、伝わりやすい言葉を使うのがよいでしょう。

Q. 自社がAIにどう扱われているかは、どうすれば確認できますか?
A. まずは、生活者が使いそうな聞き方でChatGPTやGemini、GoogleのAIモードなどに質問してみるのが第一歩です。回答は毎回変わりうるため、同じ質問を複数回投げかけ、自社が挙がる頻度を記録するなど、繰り返し確認することが大切です。

Q. AIOに取り組むなら、SEOはもう必要ないのでしょうか?
A. いいえ、SEOは引き続き重要です。Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるために特別な最適化は必要ないとしています。検索エンジンに正しく評価されるページであることが、AIに引用されるための土台になります。そのうえで、AIの回答の中で自社が実際にどう扱われているかもあわせて確認することが大切です。

Q. AIO対策でやってはいけないことはありますか?
A. 次のような操作的な手法は避けましょう。
・中身の薄いページを大量に作る
・掲示板やコメント欄に自社名を書き込む
・やらせのレビューを投稿する
これらはGoogleのスパムポリシーに触れるおそれがあり、生活者の信頼も損ないます。生活者に役立つ情報を根拠とともに届けることが、確かな対策です。

Q. 消費財ブランドは、AIOを何から始めればよいですか?
A. まずは、生活者がどんな場面でAIに質問しそうかを洗い出すことから始めましょう。たとえば「忙しい朝に野菜をとりたい」といったCEPs(カテゴリーエントリーポイント)です。次に、その場面の聞き方で実際にAIに繰り返し質問し、自社が挙がるかを記録します。取りこぼしている場面が見つかれば、どこから手を付けるべきかが見えてきます。