日頃の業務で何気なく使っている専門用語。でもその言葉の意味、ちゃんと理解して使っていますか?
ソーシャルメディアマーケティングラボが、なんとなく分かっているつもりでも、実はよくわからなくて「もやもや」している?!今さら人に聞くのはちょっと恥ずかしい、ウェブマーケティング用語を分かりやすく解説します。
用語説明
CMO(Chief Marketing Officer=最高マーケティング責任者)
企業におけるマーケティングに最高責任者のこと。 日本でいち早くCMOの重要性に注目した一橋大学商学研究科の神岡太郎教授は、その著書『CMOマーケティング最高責任者』の中で、CMOの主な役割として以下の3点を上げている。
1. マーケティング活動の最適化と効率化(マーケティングROIの最大化)を図り、そのための機能統合を進める
2. 経営とマーケティングの融合を進める(各単位のマーケティング業務と経営戦略、IT業務とを有機的に連動させる)
3. 企業マーケティングのアカウンタビリティを担う ※参照:『CMOマーケティング最高責任者―グローバル市場に挑む戦略リーダーの役割』
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経済産業省の調べによると、米国ではフォーチュン500社の62%がCMOを設置していると言われているが、日本では時価総額上位300社の内わずか0.3%※である。
※出典:「成長戦略と経営者への期待」P.17
http://www.wici-global.com/symposium2013/doc/K_nishiyama.pdf
マーケティングが企業競争力の源泉となる時代のキーマン
日本は現在、長引くデフレからの脱却のため、国内外での市場開拓が大きな課題となっています。しかし、消費者嗜好の多様化や国内では少子高齢化による消費人口の減少などによって、消費構造自体が大きく変化しており、企業はこれまでのマーケティングだけではこの変化に対応できなくなりつつあります。
そこで、変化する消費者とその行動を理解し、拡散・拡大する顧客接点を統合して、全社的にマーケティングを最適化するCMOという存在が注目されるようになりました。
ただ、日本では長らく「モノづくり」を一番の強みとしてきた技術主導型の企業が多く、そもそも「マーケティング」自体の定義が曖昧であったり、役割が限定的で過少評価されることが少なくありません。
本来であれば顧客との関係を構築するという、経営の根幹に関わるマーケティングの本質が、正しく理解されてこなかったために、モノが売れなくなった今、日本企業の多くは競争力が低下し、経営戦略を根本から見直す必要に迫られていると言えます。
消費者理解の総合力を高め、マーケティング主導型経営で脱デフレを目指す
多様化が進み、変化が激しい現在の顧客動向を正しく理解し、深いインサイトを得るには、もはや「ビッグデータ」の活用が不可欠です。マーケターの経験やセンス、勘といった属人的な仮説や先入観にとらわれない、データ主導のマーケティングを組織間の壁を超えて横串で展開し、全社一丸となって競争力の高い価値を作り出すことが、企業の成長を左右する時代となっているのです。
このようにマーケティング戦略が拡張していけば、経営戦略と一体化するのは必然であり、経営判断を支えるマーケティングの意思決定者として、CMOの存在は日本でもますます重要となっていくと考えられます。
昨年末、ブランド再生を目指す資生堂が、創業140年超で初めて社外から社長に招いたのは、日本コカ・コーラの元社長である魚谷雅彦氏でした。魚谷氏は新卒でライオン株式会社に入社して以来、一貫してマーケティング畑で活躍し、日本人として28年ぶりに日本コカ・コーラの社長職についた伝説のマーケターです。老舗の資生堂が、魚谷氏のマーケティング主導型経営でどう生まれ変わるのか。そこに、日本の企業風土に適したCMOの在り方のヒントがあるのではないでしょうか。
イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ