インタレストグラフとは

日頃の業務で何気なく使っている専門用語。でもその言葉の意味、ちゃんと理解して使っていますか?

ソーシャルメディアマーケティングラボが、なんとなく分かっているつもりでも、実はよくわからなくて「もやもや」している?!今さら人に聞くのはちょっと恥ずかしい、ウェブマーケティング用語を分かりやすく解説します。

インタレストグラフとは moyamoya-prof

用語説明

インタレストグラフ(Interest Graph)

趣味や嗜好、興味・関心、主義を共通項として繋がる仕組み、一人のユーザーを中心とした「興味・関心の関係図」のこと。人とモノや情報との関係性が広告や物販、マーケティングなどにダイレクトに結びつくということで注目されている概念。

進み始めたソーシャルグラフとインタレストグラフの融合

従来は、明確な興味・関心によるニーズから利用されることが多いクックパッド、価格ドットコム、@cosme、食べログ、YouTube、ニコニコ動画、ヤフー知恵袋、Wikipediaなどがインタレストグラフ系サービスとして位置づけられ、mixiやFacebookといったソーシャルグラフ系サービスとは分けて考えられていました。しかし、ソーシャルメディアが幅広い人々の日常に深く浸透し始めた今、ソーシャルグラフとインタレストグラフという2つのグラフが一緒に作用し合うソーシャルウェブをどう捉えるかがマーケティングを考える上でも非常に重要になってきています。

リアルな人間関係に近づきつつあるソーシャルウェブ

例えばTwitterでニュースをシェアしたり、リツイートするという行動は、自身が何に興味を持っているかを表明することになり、リアルタイムにインタレストグラフを形成していきますが、ソーシャルグラフに基づいたFacebookにおいても、「いいね!」のような自己確認的な位置づけのライトなアクションが積み重なることで自然とインタレストグラフが形成されていきます。自覚的な興味・関心によって能動的に繋がるだけでなく、既に繋がっているソーシャルグラフの関係性がインタレストグラフによってフィルタリングされるようになり、より影響力のある人がだれなのかがソーシャルメディア上で可視化されてきています。

インタレストグラフの特性を生かしたサービスとして注目を集めているPinterstは、2012年1月~8月のトラフィック誘導が、Yahoo!検索を抜いてGoogleやFacebookに次ぐ4位となりましたが、情報伝達の起点として「Power Pinner」と呼ばれる個人ユーザーが大きな影響力を持ち始めています。こうしたキュレーター的な“人”と繋がることによって、新たな興味・関心が可視化され始めているとも言えるでしょう。

そもそも現実社会において私たちの交友関係は環境や心情的な繋がりのみならず、共通の趣味・嗜好によって繋がっていることも多く、ソーシャルグラフとインタレストグラフの融合は、ソーシャルメディア上の繋がりがよりリアルな人間関係に近づいていることを表しているのかもしれません。

ロケーショングラフも取り込み更に広がるマーケティングの可能性

インタレストグラフを形成する興味・関心が、その人の根源的な欲求に起因するだけでなく、ソーシャルグラフの影響によって変化することで、今後はますます多様化・細分化が進むと考えられますが、そこに属性、時間、場所、購買や閲覧といったウェブ行動履歴などの「ビッグデータ」を合わせて分析することで、より深いコンシューマー・インサイトが獲得出来、新たな需要喚起に繋がることが期待されます。

また、インタレストグラフと「ビッグデータ」によって高度にマッチングされた情報は、ソーシャルグラフの共感によって熱度を増し、さらにモバイルデバイスの進化で精度が高まった位置情報によるロケーショングラフと結びつくことで、よりパーソナライズされたマーケティングを可能にしてくれるのではないでしょうか?

イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ