日頃の業務で何気なく使っている専門用語。でもその言葉の意味、ちゃんと理解して使っていますか?
ソーシャルメディアマーケティングラボが、なんとなく分かっているつもりでも、実はよくわからなくて「もやもや」している?!今さら人に聞くのはちょっと恥ずかしい、ウェブマーケティング用語を分かりやすく解説します。
用語説明
パレートの法則(Pareto’s law)
全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという経験則のこと。
イタリアの経済学者・社会学者であるヴィルフレド・パレート(Vilfredo Federico Damaso Pareto)が、1986年に論文の中で発表した。(パレートは「社会全体の所得の多くは一部の高額所得者が占めているが、それは国や時代の制度の問題ではなく、一種の社会的自然現象である」と主張。)
この考え方は、所得配分や経済においてだけでなく、品質管理、在庫管理、売上管理、マーケティングなど様々な分野に当てはまるとされており、
- ・ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している。
- ・売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。
- ・商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している。
などと言われている。
なぜ売れているか?のコンシューマーインサイト獲得がカギ
パレートの法則をマーケティングに当てはめると、
- ・全商品の上位20%の商品が売上げの80%を占める
- ・全顧客の上位20%の顧客が売上げの80%を占める
といったことになります。(kotobank.jpより)
つまり、自社のマーケティングにおいて、予算や時間配分を上位20%の商品や顧客に集中させることで、より集中的・効率的に施策を実施することができるというものです。
この考え方に基づけば
- ・限りある「売り場面積」「棚の数」「在庫」などは、より効率的な販売を行うために「多くの人に求められる売れる商品」を選別して置くべき
- ・限りある人手や予算は、より多くの買い物をしてくれる「優良顧客」のLTV(ライフタイムバリュー)向上に割くべき
といった戦略が導かれます。
もちろん、この考え方自体はマーケティング戦略を考えるにあたってとても大切な観点であると言えます。しかしながら、「売れている商品」「買ってくれている顧客」の「結果論」だけに基づいているようでは、今後もコンシューマーの欲求を満たし、常に選ばれ続ける商品・企業であり続けることは困難ということがお分かりでしょう。
大切なことは、あくまで「なぜそれが売れているのか」「なぜその顧客がリピートしてくれているのか」の理由を追求し、真のコンシューマーインサイトを追い求め続ける姿勢です。
そのために、「ビッグデータ」を十分に活用、データから顧客の消費行動の背景にある心理を読み解いたり、「ソーシャルリスニング」を行って顧客の声を真摯に拾い続けるなど、今だからこそ利用できる方法やツールの活用を視野に入れることが必要です。コンシューマーインサイトに迫る様々な方法が増えた今、改めて「愚直にサービスの改善を続ける姿勢」が求められているのでしょう。
ソーシャル時代にはロングテール化が進む?!
また、インターネット、GoogleやYahoo!といった検索サービス、そしてソーシャルメディアの登場により、マスメディア中心の時代にはなかなか人々の目に届かなかった「ニッチな商品」も、ユーザーから「見つけてもらう」ことが可能になりました。これにより、より「ロングテール」部分に光があたる可能性が増え、今後重要性は増してくるものとも考えられます。「売れているもの」=ヘッド部分、「ニッチなもの」=テール部分、それぞれに対するマーケティング戦略を考えること、そして改めてマス・インターネット・ソーシャルそれぞれの役割を考え直し、適切に活用、組み合わせを行うことも大切なのではないでしょうか?
イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ