「WOM」とは? 日頃の業務で何気なく使っている専門用語。でもその言葉の意味、ちゃんと理解して使っていますか?

ソーシャルメディアマーケティングラボが、なんとなく分かっているつもりでも、実はよくわからなくて「もやもや」 している?!今さら人に聞くのはちょっと恥ずかしい、ウェブマーケティング用語を分かりやすく解説します。

WOM moyamoya-prof

用語説明

WOM(ワム=クチコミ)

“Word of Mouth”の略語でいわゆる「クチコミ」のこと。クチコミの「コミ」は「コミュニケーション」の略で、1962年頃からジャーナリストの大宅壮一が使い始めた造語。 「マスコミ(マス・コミュニケーション)」と対比する形で使われることが多いため、「マスコミ」をもじって「“口”コミ」になったとも言われる。

クチコミは商品やサービスに関する評価・評判などの情報が、知人同士のコミュニケーションを通じて人づてに伝達されていくため、比較的公平で信頼できる情報として受け止められやすく、消費行動に大きく影響すると考えられている。クチコミをコミュニケーション手段として利用するマーケティング手法を「WOMマーケティング」(WOMM)と呼び、一般的にクチコミ・マーケティングと訳す。

米国ではクチコミ・マーケティングを推進する非営利業界団体WOMMA(Word of Mouth Marketing Association:ウォンマ)が2004年に設立され、定期的にカンファレンスやセミナーを開催しているが、日本でも2009年にクチコミ情報をマーケティング活動に活用する企業や個人で組織された任意団体「WOMマーケティング協議会」(WOMJ)が発足。健全な口コミマーケティング運用のために提唱している「WOMJガイドライン」で、「関係性明示」、「社会啓発」、「消費者行動偽装の禁止」を原則としている。

参考:「WOMJガイドライン」

ますます賢くなる消費者と真正面から向き合うコミュニケーションへ

主婦の井戸端会議に代表されるように、日常のコミュニティ(近所、学校、会社)でのクチコミは昔から行なわれていましたが、ブログやソーシャルメディアの普及によってオンライン上での展開が容易となったことで、消費者間の会話は時間や距離の制約を超え、質、量、波及力が高まっているため、企業のマーケティング活動においてもクチコミ活用がますます重要になってきています。

そのため自然発生して拡散するクチコミを利用するだけでなく、情報拡散の元となるクチコミを意図的に創りだそうとする取り組みも増えていますが、クチコミは販促活動や広告とは異なり、消費者の自発的な活動であるため、内容や広がり方などを思惑通りに制御することはなかなかできません。

さらに昨今の消費者は情報に対する猜疑心が強く、ステルス・マーケティングのような不誠実な企業姿勢に厳しくなっているため、より一層誠実なコミュニケーションが必要な時代となりました。そのため、マーケターは発信すべき自らの企業価値をわかりやすく定義し、優れたコンテンツをつくり、それを伝達しやすいストーリーをつくり、消費者の反応を数値的していくことが尚一層求められるようになっています。

参考記事:ステルス・マーケティングとは?

WOM(クチコミ)マーケティング 4つのルールと5つのポイント

アメリカのクチコミ・マーケティング推進団体であるWOMマーケティング協会(WOMMA)の設立に携わり、 現在は名誉会長を務めるアンディ・セルノヴィッツ 氏は著書『WOMマーケティング入門』で、WOMマーケティングのルールを4つあげています。

  • 注目を集める:話題にする「理由」を提供するよう心がける
  • 広めやすくする:伝えたいメッセージを極力シンプルにし、多くの人に知ってもらう
  • 顧客を満足させる:満足している顧客が最高の広告塔
  • 信頼と尊敬を得る:何事においてもモラルを忘れず、常に誠実であること

さらに上記ルールを元にWOMマーケティングを実行する際のポイントは「5つのT」

  • トーカー(Talker):話題にしてくれる人を見つける
  • トピック(Topic):話題にする理由を提供する
  • ツール(Tool):トピックを素早く広範囲に広める
  • テイキング・パート(Taking Part):話題になっている場に参加をする
  • トラッキング(Tracking):話題の内容を調べて把握する

参照:WOMマーケティング入門
アンディ・セルノヴィッツ (著), Andy Sernovitz (著), セス・ゴーディン(序文) (著), ガイ・カワサキ(序文) (著), 花塚恵 (翻訳)

ソーシャルメディアが既存メディアでは伝えにくいことを補完するニッチ(隙間)メディアの役割を遥かに越える存在となりつつある中で、企業は消費者に一方的にメッセージを伝えるのではなく、身近な友人に対して話すような態度で繰り返し語りかけ、価値観のレベルで消費者が自ら伝えたくなるようなコミュニケーションを目指さなくてはなりません。

WOMMAの最新カンファレンスで、「ブランドを構築するためのコミュニケーション環境やコンテンツ、メッセージが、どれだけ共有されやすいものになっているかが今後より重要になる」と語られていたように、ソーシャルメディアでいかに「共感」を醸成できるか、連鎖・伝搬しやすく出来るかが、これからのクチコミ・マーケティングの成功のポイントだと言えるでしょう。

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イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ
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