Facebookページインサイトの中で、押さえておくべき検証ポイントを5つに絞ってご紹介します!

 
こんにちは、SMM Labの小川です。
Facebookより提供されている無料のページ解析機能「インサイト」。
前回は、インサイトの画面の見方や言葉の定義等をまとめてご紹介しましたが、今回はその中でも特にどの部分をチェックし、具体的にどのように運用に活かすべきかについてまとめます。
インサイトから取得できるデータをきちんと把握、定期的にチェックし、日々の運用の改善に役立てていくことが、Facebookページ成功の可否を握ると言っても過言ではありません。非常に情報量の多いインサイトの中でもどの数値を押さえておくべきかをしっかり理解し、Facebookページの運営に活かしていきましょう。
前回記事:【保存版】Facebookページ インサイト機能 徹底活用!~画面説明・用語解説編~
 
 
概要ページは毎日チェックしよう

↑インサイトを開いたときに表示される「概要」ページは、できるだけ毎日チェックするようにします。
 
1.概要ページの「ページの投稿」で、日々の投稿の反応を知る(毎日)
まずもっとも大切なことは、一つ一つの投稿に対する反応をきちんと把握しておくことです。それぞれの投稿について話題にしている人がどれくらいいるのか(いいね!コメント、シェアの数)、リンクのクリックや写真の拡大表示などポジティブなアクションを実行したユーザーがどれくらいいるのか、「ニュースフィードからの非表示」などネガティブなアクションを実行したユーザーがどれくらいいるのか、またその結果リーチがどれくらいだったのか、一つ一つの投稿に対して確認するようにします。できる限り毎日チェックし、状況を把握しておくと良いでしょう。

↑「ページの投稿」欄を毎日チェックし、投稿に対する反応を都度確認する
 
2.概要ページの上部に表示されているグラフで、ページ主要数値の推移を把握する(毎日)
Facebookページの主要数値を細かくチェックする癖をつけることもとても大切です。下図の赤枠で囲った部分にて、2日前を起点とした直近1週間分の数値の上昇率・下降率を一目で把握できますので、できる限り毎日チェックしページの健康状態を把握します。特に、「話題にしている人」は、投稿を怠ったり、また反応率の低い投稿が続くとすぐに数字が下降します。この「話題にしている人」数値の上下を毎日しっかりチェック、状態を把握しておくことが大切です。

↑主要数値の上昇率・下降率に注意。特に「話題にしている人」の動向はしっかり把握する。
 
毎週、投稿最適化のPDCAをまわそう
 
3.「投稿レベル」でCSVをダウンロードし、日々の投稿の反応について検証する(毎週)
投稿に対する反応を毎日ただチェックするだけでなく、「なぜその反応になったのか?」について、きちんと理由を検証することが大切です。もちろん、毎日のチェックの中で、「この投稿は、こういうポイントがファンにウケたのだな」、「こういう投稿は反応が良くないのだな」と感覚的につかんでおくことは重要ですが、週に1回くらいの頻度で、それをきちんと書き出して検証することで、グっと論理的なページ運営ができるようになります。
この作業には「投稿レベル」で出力したCSVデータを活用しましょう。

↑投稿レベル、エクセル(.xls)でデータをダウンロードします。但し、エクセル形式でダウンロードしてファイルが壊れてしまう場合は、csv形式でダウンロードしましょう(その場合日本語が文字化けしてしまうので、一度メモ帳などで開いて保存後、再度エクセルから開きなおすことできちんと表示される場合が多いです)。
 
投稿レベルでのCSVデータでは、投稿毎の詳細な数値を確認できます。
<投稿レベルのCSV出力データで確認できる主な項目>
・リーチ数(ニュースフィード/広告/友人からの投稿)
・インプレッション数(ニュースフィード/広告/友人からの投稿)
・投稿への直接的な反応数(いいね!数、コメント数、シェア数)
・投稿内容への種類毎のクリック数(リンク、写真、動画など)
・投稿への否定的なアクション数(ユニークユーザーとアクション数、×ボタンで投稿を削除、投稿を非表示、全投稿を非表示など種類別に)
 
これらのデータを「投稿検証シート」に加工し、一つ一つの投稿内容について詳しく検証するようにします。
<投稿検証シート例>

↑あくまで例です。クリックすると大きくなります。
 
例えば上記のように、一番左側に投稿内容のキャプチャを置き、真ん中部分(青枠の部分)にCSVデータから引っ張ってきた数値を入力します。そしてその右側に、その投稿の属性を項目別に分類していくようにします(赤枠の部分)。
この赤枠部分(投稿の属性)には、例えば以下のような項目が考えられます。
<投稿の属性>
・投稿時間
・投稿文の文字数(長/中/短くらいの3段階でもよいでしょう)
・投稿内容タイプ(商品紹介/スタッフ紹介/ニュース 等 自社の投稿内容に合わせて)
・投稿形式(写真/動画/リンクなど)
・投稿担当者
上記以外にも、例えば投稿文章のトーン(カジュアル、フォーマルなど)、投稿文の行間の空け方などもあるでしょう。一つ一つの投稿を、このように項目別に分類したうえで、投稿の反応率が良いもの/悪いもの、リーチ数が多いもの/少ないもの、否定的なコメントが多いもの/少ないものなどで、項目に応じた特徴がないか調べます。そして、この検証結果に基づき、次の投稿をチューニングし再度結果を検証しましょう。このプロセスを繰り返していくことで、投稿を論理的に最適化していくことができます。
(参考1)SMMLabセミナーレポート:ソーシャルメディアで愛される企業になる秘訣 ~Facebookページタイムライン化後のコミュニケーション戦略~
http://smmlab.jp/?p=9331
⇒こちらの記事でご紹介しているゴルフダイジェスト・オンライン(GDO) Facebookページの運営方法が参考になります。
(参考2)【企業担当者に聞くSMM最前線】リクナビNEXT~ファン11万人超えのFacebookページ裏側にある緻密なPDCAサイクルとは? 株式会社リクルート HRカンパニー 原田芳江氏
http://smmlab.jp/?p=6545
⇒リクナビNEXT Facebookページでも「日々の検証と改善の積み重ね」が行われています。
 
4.「ページにいいね!した人」「リーチした人」「ページを話題にしている人」の属性(性別/年齢/場所等)を把握する(毎週)
最適なページ運営をするにあたり、ユーザーのデモグラフィックデータ(属性)を把握しておくことも大切です。尚、「ページにいいね!した人(ページのファン)」のユーザー属性だけでなく、「リーチした人(実際にはどんな人にページの投稿が届いているのか」、「ページを話題にしている人(実際にはどんな人がページを話題にしてくれているのか)」のユーザー属性も見ることができます。
これにより、例えば、ページのファン全体としては25~34歳の男性が多い一方で、実際にページを話題にしている人は35~44歳の男性が多いことが分かるかもしれません。ユーザー属性の中でも、特に「ページを話題にしている人」を注意してみるようにし、その属性にあったコンテンツの投稿を心がけるようにしましょう。また、Facebook広告を出稿している場合も、「ページを話題にしている人」に合わせてチューニングしていくと、ファン獲得後のページ運営効率UPの可能性が高まります。ただ、もちろんページとして、ターゲットとしたい属性もあるでしょう。自社のターゲットと、ページを話題にしている人の属性が異なる場合は、なぜターゲットとしたい属性には反応されていないかを、改めて考える必要があります。

↑ユーザー属性を把握する。特に「ページを話題にしている人」の属性に注目。
 
また、毎週画面上でチェックするだけでなく、もう一手間かけて数値をエクセルに入力し、下図のようにグラフ化して推移をチェックしておくと、より状況の把握がしやすくなります。
<デモグラ推移シート例>

↑あくまで例です。クリックすると大きくなります。
 
 
月次で全体的なページ運営について振り返り、今後の対策を立てよう
 
5.「ページレベル」でCSVをダウンロードし主要指標の推移を把握、今後の対策を立てる(毎月)
そして最後に、「ページレベル」で出力したCSVデータを活用して定期的にページの健康度、成長度をチェックします。できれば2週間に1回、最低でも月に1回はチェックするようにしましょう。
ページレベルでのCSVデータでは、ページに関する詳細な数値を1日単位で確認できます。尚、実際にこのページレベルのCSVデータをダウンロードしてみると、項目数が700以上に渡っていることが分かります。もちろんこれら全ての数値を追う必要はありません。その中から、自社に最適な数値を選び出し、定点観測していくことが大切です。
 
<投稿レベルのCSV出力データで確認できる主な項目>
・1日あたりのページいいね数やいいね取り消し数(どこでいいねしたかの場所も含め)
・ページについて話題にした人の数(どこでどのように話題にしたかも含め)
・ページの訪問数やPV数、インプレッション数(どこで何を見たかも含め)
・投稿への反応数やクリック数
・ページにいいね!した人や話題にした人の位置情報
これらのデータを利用して以下のような「月次成績シート」を作成し、主要数値をチェックします。

↑あくまで例です。クリックすると大きくなります。
 
例えば上記のように、左側に主要項目を書き出し、その一週間毎(あるいは二週間毎、一カ月毎等、各社の状況に合わせて)の数値をエクセルの関数を活用してCSVデータから引っ張ってきます。
全700以上の項目の中からどの値を抜き出すかについては、各社のページ運営の目的や、またこの検証にかけられる時間がどれくらいあるかにもよるでしょう。但し、基本的に以下の項目については推移を把握、きちんと対策することが大切です。
 
<月次で推移を把握するべき主要項目と考えうる対策>
・ファン数(いいね数)
・ファンの友達数
ファン数の伸びと、ファンの友達数の伸びをチェックします。ファンの友達数をファン数で割り、「ファン一人あたりの友達数」として推移を追っていくと、影響力の範囲がどれだけ伸びているかを把握しやすくなります。
ファン数が伸び悩んでいるときは、一度インサイトの「いいね!」ページに立ち返りましょう。そして、ファン属性や、具体的にいつから新規いいね!が伸び悩んでいるのかをチェックし、その頃の投稿に立ち返って内容を検証します。またいいね!がどこで押されていることが多いのか、またどの場所ではあまり押されないのかをチェック、今一度ソーシャルプラグインのボタン置き場所や、広告出稿方法等の再検討しましょう。

↑日毎の新規いいね!の推移と、いいね!の場所を確認する。
 
・話題にしている人数
⇒話題にしている人数の絶対値だけでなく、「ページのファン数全体」に対する「話題にしている人の割合」で推移を追っていくと、ページのアクティブ率を把握しやすくなります。
・ウォール投稿数
・投稿への反応数(いいね!、コメント、シェア)
・投稿の平均クチコミ率(エンゲージメント率)
⇒期間中のウォール投稿合計数から1日当たりの平均投稿数を算出し、投稿数が多すぎたり少なすぎたりしていないか、また投稿が多い期と少ない期等、時期によるばらつきがないかをチェックします。また、投稿の平均クチコミ率の推移をチェックするだけでなく、投稿への反応内容が、いいね!なのか、コメント、シェアなのかの内訳も含めてチェックすることで、ファンからの「反応」の「質」の推移を定量的に把握することも大切です。
話題にしている人数が伸び悩んでいる場合は、「ウォール投稿数」、「投稿への反応数(いいね、コメント、シェア)」、「投稿の平均クチコミ率」のどれに原因がありそうかを検証します。投稿の平均クチコミ率は維持できているのに、話題にしている人数が少ない場合は、そもそも投稿の数が以前に比べて少なかったのかもしれません。その場合は、運用体制を再度見直す必要があります。また、「平均クチコミ率」が落ちている場合には、投稿内容を再検証する必要があります。一度インサイトの「話題にしている人」ページに立ち返り、ページを話題にしている人の属性や、「話題にしている方法」の推移をチェックすることも大切です。
 
・リーチ数
・インプレッション数
⇒最終的にどれくらいの人にリーチしたか、またどれだけのインプレッションが出たかの数値をチェックします。また、リーチに関しては、その内訳がオーガニックなのか、クチコミなのか、有料なのかの内訳も含めて確認します。
オーガニックリーチが伸び悩んでいる場合は、「エッジランク」が低下している恐れがあります。インサイトの「リーチ」ページ、「頻度別ユニークユーザ数」でも合わせてチェックしましょう。複数回リーチしているユーザーが少ない場合は、Facebook広告の「Promoted Post」(*既存ファンへのリーチを拡大するタイプの広告)を出稿することも検討します。クチコミリーチが伸び悩んでいる場合は、投稿への反応率が低かったり、また反応してもらったとしても、その方法がコメントやシェアではなく、いいね!だけである等が原因として考えられます。積極的にコメントやシェアをしてもらえる投稿内容を、徹底的に追及することが大切です。

↑リーチの方法と、頻度別ユニークユーザー数をチェックする。
 
 
無理のない範囲で「論理的」な運営を心がけること、そして何より気持ちを込めて運営することが大切
 
以上、今回はFacebookページ管理者がインサイトを活用して、毎日、毎週、毎月何をするべきかについてまとめました。決められた頻度で、ポイントを絞って数値検証することで、「ただ何となく」の運営から、「論理的」な運営に切り替えることが可能です。このペースはあくまでも目安にすぎませんし、実際には他業務と兼務していて手が回らない等の事情もあると思いますので、無理のないように、できる範囲で実施してみてください。また、Facebookページのレポートや解析ツールを提供している会社もありますので、上手に活用することも一つの方法です。
そしてもう一つ、とても大切なことは、インサイトに表れてくる数値も、全てはページの向こうにいるファン一人一人のアクションの積み重ねであることを意識しておくことではないかと思います。「反応率」「リーチ数」などというと、リスティング広告等と同じ世界で、とにかく色々な要素の組み合わせで「効率性を上げること」を追求するイメージになってしまいますが、Facebookページにおける「論理的な運営」はこれとは全く異なるものです。
「反応率」が良い投稿は、ファンが「いいね!」と感情を動かされたものです。「リーチ」が伸び悩んでいるページは、ファンにあまり価値を感じてもらえていないページです。インサイト一つ一つの数値の裏には、ファンの感情があることを忘れてはいけません。Facebookページにおける「論理的な運営」とは、ファンの気持ちに徹底的に寄り添い、何が喜んでもらえるのか、心地よく感じてもらえるのかを検証していくことです。
ページの先にはファンがいることをしっかりと意識して、日々大切に、気持ちを込めて運営していきましょう。
 
■Facebookページのレポート作成もお受けします!FacebookマーケティングならMONIPLA
http://fan-app.monipla.jp/promotion/
 
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