CPFとは

日頃の業務で何気なく使っている専門用語。でもその言葉の意味、ちゃんと理解して使っていますか?

ソーシャルメディアマーケティングラボが、なんとなく分かっているつもりでも、実はよくわからなくて「もやもや」している?!今さら人に聞くのはちょっと恥ずかしい、ウェブマーケティング用語を分かりやすく解説します。

CPFとは
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用語説明

CPF(Cost per Fan)=ファン獲得単価

CPCやCPAなどと同様の広告単価の1種で、主にFacebookにおいて、Facebookページのファンを獲得するのに費やしたコストの総額を、獲得したファン数で割った、ファン一人あたりの獲得単価。
Facebookマーケティングでは、Facebookページの「いいね!」=ファンを多く獲得することを、KPIの1つとして置く企業も多いため、いかにCPFを低く抑えるかが施策の効果指標として重視されやすい。

Facebookページの「ファン」獲得に対するコストの考え方を変える必要がある

8月7日(米国時間)、Facebookのプラットフォームポリシーが変更され、ユーザーのページへのいいねやソーシャルプラグインをクリックすることに特典を与えることが禁止になりました。

この変更によって、Facebookページにおける「ファン」獲得法は再考が必要となるでしょう。そのためには、改めてFacebookのマーケティング活用の最終的なゴール(KGI)が何かを考えなおした上で「ファン」を獲得する意義を再定義し、CPFの捉え方も変えていく必要があると考えられます。

KGI達成のための影響度を考慮したコスト配分を考える

例えば、自社サイトでのコンバージョンをKGIとすると、単純に考えても以下の様な4つの要素がKGI達成に影響しているはずです。
(1)ページのいいね数×(2)リーチ率×(3)投稿のCTR×(4)自社サイトでのCVR
この4つの要素はそれぞれを施策によって変化させることが可能であり、掛け算によって結果が大きく左右されます。どの要素に注力するかによって、「コスト」の考え方が変わってくるはずです。

(1)ページヘのいいね数

ページヘのいいね数=ファン数は、その後のページ投稿のリーチの母数になります。インセンティブを付与したいいねの獲得が出来なくなる11月5日以降は、主にFacebook広告が獲得手段となりますので、一時的にCPFが高くなるかもしれません。
しかし、ターゲティングやクリエイティブの工夫によって、CPFを下げることは可能であり、「いいね」のモチベーションが純化することで、その後の反応率が高まり、(2)リーチ率や(3)投稿のCTRが向上すると考えられます。
ターゲティングやクリエイティブのチューニングしやすいFacebook広告は、質の良いファンを獲得する必要経費としてコストを見積もるべきでしょう。

(2)リーチ率

しっかりターゲティングしたユーザーにファンになってもらうことで、自然と投稿への「いいね!」やコメント、シェアなどのユーザーアクションが増え、バイラル効果でのリーチが向上するはずです。また、純度の高いファンからの反応が多い投稿にポストアドをかけることで、ページヘの親和性が高いユーザーにリーチ出来るので、新規ファンの獲得への効果も高まることでしょう。
ですからリーチ率を高めるために、質の良い投稿の制作にコストをかけるという考え方も出来ます。

(3)投稿のCTR

投稿の質を上げ反応率が高まり、リーチが拡大したら、今度はFacebookページからの自社サイトへの誘導を工夫する必要があります。先日、ニュースフィード表示のアルゴリズム変更として、画像にリンクを付けた投稿ではなく、リンクフォーマットの投稿の表示を優遇することが発表されました。

これまではユーザーの目を引く画像に、リンク先URLのクリックを促すテキストを書き添えるのが常套手段でしたが、今後はリンクフォーマットで表示されるOGPの設定に注意する必要があります。
つまり、投稿のCTRを上げるために、OGPで指定する画像やテキストをよりキャッチーにするコストをかけるという考え方も出来るということです。

また、そもそもリンクする先にユーザーにとって魅力的なコンテンツを用意することが重要です。そのためにはプレゼントキャンペーンやコンテストなどのプロモーション施策にコストをかけることも検討すべきでしょう。

(4)自社サイトでのCVR

Facebookページをマーケティングツールと考えた時、Facebook上のみで完結する施策だけでは、ビジネスゴールを達成するのはなかなか難しいのではないでしょうか?
せっかくFacebookページでファンと深く濃い関係を構築したとしても、最終的な目的地点である自社サイトがその受け皿となりづらい状態では勿体無いでしょう。
Facebookページでエンゲージメントを醸成したファンに、自社サイトでも同じように愛着を感じてもらえるような、サイトの最適化改善にコストをかけるということも大切なポイントになるのではないでしょうか。

単なるFacebookページファンの獲得ではなく、継続的な関係によってLTVを向上出来る可能性が高い顧客候補の獲得を目指すと考えると、CPFはコストの総額だけでなく、どのポイントにどのくらい投資するかのコスト配分も大切になるのではないでしょうか。

イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ