「THIS JOURNEY 1% FINISHED」 
私たちの旅は、まだ1%しか終わっていない。

 

Facebookアジアパシフィック担当副社長エリック・ジョンソン氏は、Facebookを、「グローバルに発信する事が出来、必要な時に必要な人と、よりパーソナルな会話で繋がる事が出来るパワフルなプラットフォームだ」としながらも、まだまだ発展途上であり、テクノロジー的にもデザイン的にも、あらゆる部分で進化し続ける必要があると「fMC Tokyo 2012」のオープニング・キーノートで語りました。

 



こんにちは、SMMLabの藤田です。
去る3月16日、米国以外では初となる、企業のマーケティング担当者向けカンファレンス「fMC Tokyo」が開催されました。SMMLabでもレポートした2月29日の「fMC」のサテライト版ということでしたが、新機能の紹介だけに終始するのではなく、Facebookが目指すマーケティングの思想や方針に、より深い理解を求める内容でした。

当日の様子については、すでにニュースとしてまとめられていますので、以下の記事もご参照下さい。
・Facebookの日本のログインユーザー数は1000万、社員採用も本格化
http://jp.techcrunch.com/archives/jp20120316facebook-10millon-login-users-in-japan/
・ユーザー体験を損なわずに広告収入を上げる、見えてきたフェイスブックの戦略
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120316/386807/
・「Facebookにとって日本は魅力的な市場」「新機能は全員に便利」、報道陣と一問一答
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20120316/386841/
・Facebookが日本向けのマーケティングイベント–国内月間ユーザーは1000万人に
http://japan.cnet.com/news/business/35015251/
・fMC Tokyo 2012 レポート
http://fb.dev-plus.jp/event/fmc-tokyo-report/
・「もしFacebookが匿名だったら?」 日本グロースマネージャー 児玉太郎氏が語る未来と人材採用・拠点移管 【増田(@maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51735136.html
・【Togetter】(検索結果無編集) Facebookマーケティングカンファレンス東京 #fmctokyo
http://togetter.com/li/273689
 
SMMLabでは、Facebookのマーケティングに対するビジョンと具体的なマーケティングの示唆となりそうなエッセンスをご紹介したいと思います。
 

午前中のキーノート・セッションには、続いて広告担当エンジニアリングディレクターのマーク・ラブキン氏が登場。ラブキン氏は、広告チームの第一期エンジニアとして、Facebook広告の初期設計に関わった人物です。このセッションではFacebookページの進化とFacebook広告の目指す姿が紹介されました。

 


 
・Facebookは当初履歴書のようなものだったが、2006年にニュースフィードが誕生し、自分が一番関心のあることがまとめて読める、カスタマイズされた新聞のようなものになった。
・2007年に広告システムが大きく進化したが、その時、年齢や性別、住まいや学歴でターゲティング出来るようにしたのは、「人とブランドをつなげたい」と思ったから。
・元来広告はアートでありカルチャーとして、人々に受け入れられてきた。よりビジュアル的要素が強まった「タイムライン」で広告の美しさを再現し、よりパーソナルに消費者と繋がることで、広告もソーシャル・エクスペリエンスとして生活の情報と同等に取り扱いたい。
・Facebookでの広告は、大きなボールを転がして、誰でもいいから数多く当たれば良いという「ボーリング」のようなものではなく、小さいボールのような情報が人々の間をバウンドする「ピンボール」である。
 

 
・ユーザーが人に伝えたくなるような会話のきっかけを発信してほしい。「友達との会話で話題になったことは55%記憶に残る」というニールセンの調査もある。
・Facebookページの新しいデザイン“タイムライン”は、人々とブランドをつなげ、企業が消費者同士の会話に参加出来るようにする。
・Facebook広告は、人々とブランドの会話を盛り上げる手助けをしたい。
 
 
 

グローバル・マーケティング・コミュニケーションのディレクター、フェザー・フリーランド氏は「マスコミの発達で薄れてしまった、店主と顧客の会話と関係性を取り戻したい。」と、Facebookが目指すマーケティング・ビジョンを語りました。

 


 
・昔は地元の商店と顧客の間には、会話によるロイヤリティがあったが、マスコミの発達で、そのつながりが消えてしまい、企業は遠くから大きな声で話しかけないといけなくなった。
・ブランドとユーザーの関係に「会話」と「ロイヤリティ」を取り戻したい。その為にはブランドも個人と同じように「Who I am」を語る必要がある。ストーリーを語ることで、ブランドのアイデンティティーが伝わる。広告は上手くいくが限定的、長期的にみればストーリーのほうがずっと上手くいく。
・だから、Facebookマーケティングのすべてはページから始まる。ブランドのアイデンティティーを、人々に興味を持たれる形で表現し発信する。ブランドのストーリーを友達に伝えてくれるファンを作る。そしてそのファンとの関係を「Always ON」(いつも繋がっている状態)にすることがFacebookページでやるべきこと。
・そのために新しく「メッセージ」と「オファー」という機能を追加した。
「メッセージ」は一対一の関係を作る重要なもの。「オファー」は割引クーポンをファンに配れる。ファンは自分の友達にそのクーポンを配ることも出来る。既存のファンが新しいファンを連れてきてくれる。
・ブランドのストーリーをより多くの人に効果的に届けるために、今回新しい広告メニューとしてリーチジェネレーターとFacebookプレミアムが開発された。
・リーチジェネレーターは、ページのファンの75%に一日一回記事を届ける事を保証するシステム。発信した記事を確実にファンに届けることで、エンゲージを高め、友達に伝えたくなる。企業のメッセージも友達にシェアされる事で単なる広告ではなくなる。
※リーチジェネレーターはファン数に応じた月額課金。ファンが多いということは配信数が多いということなので、それによって金額が高くなる。日本での導入時期をフェザーさんに直接聞いてみたところ、ファン数50万人以上のFacebookページから順次案内して行くので、配信の母数になるベースをコミットの高いファンで構築して待っていてほしいとの事でした。
・Facebookプレミアムは従来の広告スペースだけでなく、ニュースフィードやモバイルでも掲載されるシステム。ニュースフィードに掲載される事でCTRは5〜10倍になる。様々な場所に表示される事で、ファンのシェアしたい気持ちを逃さない。
 

 
・Facebookのアクティブユーザー4億2500万人のうち83%がモバイルユーザー。エンゲージメントの高いコンテンツをモバイルに配信出来れば、大きな効果が期待出来る。
・15年ぶりに3Dとなって公開される映画「タイタニック」の予告ムービーは、Facebookプレミアムにより、1700万人のファンに届けられ、7億人の友達にリーチした。
※今回アメリカでは紹介されていた「ログアウト画面」への掲載は紹介されませんでした。その点もフェザーさんに聞いてみたところ、アメリカでは4月から提供開始予定ですが、日本での開始時期が未定なので今回は発表を見送ったそうです。
※リーチジェネレーターとFacebookプレミアムの詳細は以下の記事をご参照下さい。
【速報】リーチ16%を打開する?!Facebookの新しい広告Premium Ads詳細!fMCまとめ
 
 
午前中のキーノート・セッションは、アメリカ「fMC」での発表を踏襲しながらも、「なぜタイムラインが必要なのか」、「なぜ企業・ブランドがストーリーを語るべきなのか」を日本向けにより深く解説した内容でした。日本でのFacebookの現状についての他、新デザイン「タイムライン」の概要や、新しいインサイトの活用など、Facebookマーケティングの戦略的な利用方法のセッションについては、次回ご紹介します!
 
■【fMC Tokyo 2012レポート】
・Facebookが目指すマーケティングの本質とは?(1)http://smmlab.jp/?p=6302
・Facebookが目指すマーケティングの本質とは?(2)http://smmlab.jp/?p=6322
・Facebookが目指すマーケティングの本質とは?(3)http://smmlab.jp/?p=6364
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【速報】デザイン変更だけじゃない!Facebookページのタイムライン導入情報詳細!fMCまとめ
http://smmlab.jp/?p=5660
 
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http://smmlab.jp/?p=5684