推し活キャンペーンまとめ
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「推し活」や「推し消費」に注目したい理由とは?これらをマーケティング施策に取り入れてアプローチするためにはどうすればいいのか?
今回は「推し活」「推し消費」をテーマにしたマーケティングの施策事例をご紹介します。

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そもそも「推し活」ってなに?

「推し活」とは、芸能人(アイドル、俳優、芸人など)やスポーツ選手、アニメキャラクターなど二次元の存在から、動物、建築物にいたるまで、ジャンルを問わずに自分が好きな存在を応援する活動を総称して呼ばれている言葉です。

昨今は「推し」という言葉が一般化し、またオタク文化についてポジティブなイメージを伴うようになってきたこともあり、こうした「推し活」に伴う消費購買行動が積極的に行われています。

多様化する推し活

ひとくちに「推し活」と言ってもその内容は実に多様性に富んでいます。

例えば、比較的イメージのしやすいコンサートや握手会などへの参加、作品の購入だけにとどまらず、推しを連想させる商品(推しのイメージカラー)の購入や、推し不在の推しの誕生日祝いの実施など、様々な角度から「推し活」は楽しまれているのです。

<推し活の具体例>

▶︎推しに触れる

  • コンサート、握手会、イベント、試合観戦などへの参加
  • コラボカフェや展示会(非公式含む)への参加
  • 推しの鑑賞(MVや出演番組など)
  • 推しに所縁のある場所を訪れる

▶︎推しを支える

  • ファンクラブへの加入
  • 推しのグッズ制作、デコレーション
  • 作品や公式グッズの購入
  • SNSでの拡散を含む自発的プロモーション

▶︎同じ推しをもつ仲間との交流

  • オフ会の実施、参加
  • SNSなどでのコミュニティ形成
  • 推し不在の推しの誕生日祝いの実施

推し活市場に注目したいワケ

▶︎推し活市場は盛況

矢野経済研究所の調査によると、アニメやアイドルといった「推し活」と親和性の高い分野の市場規模は、いずれも2021年から2022年度にかけて伸びると予測されており、推し活市場が活気付いていることがわかります。

▶︎Z世代へのアプローチとして効果的

特に、「推し活」や「推し消費」といった行動はZ世代への効果的なアプローチとして注目されています。

Z世代というのは1990年後期から2010年代に生まれた世代をさす消費区分のこと。これからの労働や消費を担う世代であり、さらに彼らは独自の価値観をもつことから、Z世代を対象としたマーケティング施策の重要性は高まっています。

Z世代マーケティングのポイントをおさらいした記事はこちらです。
Z世代マーケティングで成功するには?事例5選+ポイント解説

Z世代に特化したマーケティング機関「SHIBUYA109 lab.」が行なった調査ではZ世代の8割が何かしらの「推し活」「ヲタ活」をしており、年間平均で45,000円以上をこうした行動に使っているという結果も出ています。

Z世代が、消費購買の意思決定においてその商品やサービスを利用することの「意味」や「意義」を意識する傾向が高いと言われていることからも、「推し」に関連する消費購買行動は、彼らと親和性が高く、これらを軸にしたマーケティング施策や商品開発と相性が良いと言われているのです。

「推し活」「推し消費」をテーマにしたマーケティング事例

では実際に「推し活」や「推し消費」をテーマにした施策にはどんなものがあるのでしょうか?いくつかの事例をご紹介していきます。

まず、アプローチのひとつとしてあるのが「推し」とのコラボです。

ファンにとって「推し」の活躍の場が増えるのは嬉しいこと。ファンには推しとコラボしたキャンペーンへの参加、商品の購入によって推しの活躍を支えたいという心理があります。
コラボ企画はこうしたファンの熱量を味方につけ、「推し」をきっかけとして、自社の商品やサービスについて知ってもらい、応援してもらうきっかけ作りになります。

事例①LINEMO VOYZBOYとLINE通話しよっキャンペーン

ソフトバンクが提供する携帯電話のオンライン専用新料金ブランド「LINEMO」のTwitterアカウント(@LINEMO_official)で行われたのは、アイドルグループVOYZBOYとコラボしたキャンペーンです。

このキャンペーンでは、推しメンバーのハッシュタグを選んでツイートすると、VOYZBOYのメンバーとLINE通話している気分が味わえる動画が返信されます。コロナ以降ファンとの「オンライン通話イベント」を行うアイドルが増えるなか、今回のキャンペーンでは推しとの通話を擬似体験できるようなクリエイティブを活用し、VOYZBOYのファンの興味をひきつけて、キャンペーンツイートを効率的に拡散。認知獲得に成功しています。

事例②ロクシタン #おそ松たんキャンペーン

アイドルグループ「Snow Man」が主演した映画「おそ松さん」とコラボしたキャンペーンを実施したのはロクシタンです。
ベストセラーの保湿バーム「シアバター」に、好きな色やメッセージを入れて、世界に一つだけの「シア」がつくれる人気のカスタマイズ製品「マイシア」のリニューアルに伴って行われたこのキャンペーン。個性豊かな6人のキャラクターが人気の「おそ松さん」に、自分の個性を反映させられる商品である「マイシア」のコンセプトと重ねた企画となっています。また、推し活ではカスタマイズ製品に推しの要素(イメージカラーやイニシャルなど)を入れた商品を作って購入する行動も取られることから、推し活との相性も良い製品となっています。
このように商品コンセプトをうまく活かしながらファンの心理を捉え、たくさんのファンを抱える存在とコラボしたことで話題化している事例です。

事例③エスビー食品 「キミの推しスパは!?」キャンペーン

エスビー食品が実施した「キミの推しスパは!?」キャンペーン。メインキャラクターにグローバルボーイズグループの「INI」を起用し、同社の人気商品である「まぜるだけのスパゲッティソース」シリーズのプロモーションを行いました。

このプロモーションはINIのメンバー11人がそれぞれの「推しスパ(好きなパスタソース)」を紹介する形式を採用し、テレビCM放映やブランドサイトの公開、Twitterキャンペーンからメンバーの写真がデザインされたコラボパッケージ商品の限定販売など幅広い施策が行われています。
また、このコラボに関連した「#エスビーまぜスパ」「#アンバサダーはINI」などのハッシュタグはTwitterキャンペーンの実施前からトレンド入りするなど、熱量の高いファンの力を味方につけて話題化に成功した事例となっています。

Twitterにトレンド入りするためには?を解説した記事はこちら
Twitterトレンド入りの仕組み・条件まとめ。ビジネスに活かすコツとは?

また、自分たちの商品やサービスを、推し活に活用できることや、相性がよいことをPRすることで成果に繋げることもできます。

事例④カラオケパセラ 推し会パック&動画堪能パック

関東を中心に展開しているカラオケチェーン「カラオケパセラ」では、カラオケボックスという個室空間を利用し、推し活の一つであるオフ会やイベント、推しの誕生日お祝いなどを行う専用のプランを用意しています。

推し会パックでは推しのイメージカラーを使った推しカラードリンクや、推しカラーハニートーストなど、同店を利用して同じ推しをもつ仲間が集えるようなプランを提供。また、動画堪能パックはDVDや動画鑑賞に適した部屋を優先的に借りることができ、6時間など長時間の視聴にも対応するなど、推しのDVD鑑賞やライブ配信鑑賞を楽しめるプランとなっています。

自分たちの商品やサービスを推し活に利用してもらえる工夫をしている事例です。

事例⑤REGZA あなたの推しアイドル教えてください!キャンペーン

東芝が展開するテレビ、レコーダーブランド「REGZA」のTwitterアカウント(@regza_official)で行われたキャンペーンは、キャンペーン指定ツイートを引用して好きなアイドルを記載するというものです。

このキャンペーンは「REGZA」が提供している 好きなタレントやジャンルの番組やシーンを自動で検索してくれるサービス「みるコレ」の10周年を記念して行われたもの。「みるコレ」が推し活をより充実したものにしてくれるサービスであるとPRするため、参加ユーザーの「推しアイドル」への愛をツイートしてもらうという、参加障壁の低いキャンペーンによって、推し活と相性の良い「みるコレ」のPRを行なっています。


事例⑥TOWER RECORDS タワレコ 推し活グッズ

大手CDショップチェーンのTOWER RECORDSでは推し活グッズの販売に力を入れています。TOWER RECORDSが展開している推し活グッズはうちわ用グッズやステーショナリー、収納グッズまで幅広いラインナップ。全国にあるTOWER RECORDSの店舗やオンラインストアで購入することができます。
また、同社ではグッズの利用方法やおすすめ活用方法を発信するTwitterアカウント、タワーレコード 推し活グッズ(@TOWER_Oshikatsuも運用。動画クリエイティブを利用しながら、タワレコの推し活グッズをPRしています。さらに、毎月4日を「#タワレコ推しの日」に設定し、推し活グッズの割引や、1日限定のTwitterハッシュタグキャンペーンを実施するなど、推し活グッズのPRに力を入れています。


多様な活動が行われている推し活では、大々的な推し要素がなくとも、「推しの色」「推しをモチーフにしたキャラクター」に関する商品を購入することで生活の中に推しの要素を取り入れる推し活も人気を集めています。

こうした推し活を行う生活者の意識に寄り添い、推し活要素を与える商品を提供したり、アピールすることで成果に繋げることも可能です。

事例⑦セブンネットショッピング 推し活倶楽部

株式会社セブンネットが運営しているエンタメに特化したウェブサイトが「推し活倶楽部」です。こちらのサイトでは、セブンネットで購入できる推し活グッズの紹介の他、推し活に役立つ情報を発信する「推し活応援コラム」などを掲載しています。

また、セブンネットではスマホ限定でサイトの①サイトマップ②検索一覧画面③商品画面を全10色から選んでカスタマイズできるサービスも展開しています。
日頃利用するネットショップのページを推しの色にカスタマイズすることで、日常に推しの要素を取り入れ、楽しくサービスを利用してもらうことに成功している事例です。

事例⑧パティスリーLeitry #推し活 応援フォロー&RT キャンペーン

冷凍洋菓子のOEMメーカーである株式会社レートリーでは楽天市場などで冷凍洋菓子ショップパティスリーLeitryを運営。同社の運営するTwitterアカウント(@Leitry_crepe)で行われたのが「#推し活応援フォロー&RTキャンペーン」です。
このキャンペーンでPRしているのは、同社のカラーホイップと冷凍クレープの生地。10種類のフレーバーと色のホイップと冷凍クレープ生地を組み合わせることで、推し色のクレープが作れることを提案しました。当選したユーザーからは商品を使って作った「推し色クレープ」の報告ツイートが寄せられるなど、満足度が高いキャンペーンであったことがわかります。既存の商品を、推し活文脈にうまく当てはめてPRしている事例です。


事例⑨メリーチョコレート #推しと、私と、チョコレート

メリーチョコレートが発表した2023年の新ブランドは「推しと、私と、チョコレート」です。

このブランドでは8色の推し色チョコレートの「 #推しごとチョコレート」と推しへの愛の沼に浸かれる「#推しぴ沼チョコレート」チョコレートの2種類を展開。SNSやブランドサイトにて商品の活用方法を発信し、推し活を楽しむ生活者の購入を促しています。

また、バレンタインには「 #推しが推し過ぎてバレンタイン献上する」というハッシュタグを利用した推しへの愛を叫ぶSNS投稿を呼びかけました。このハッシュタグは盛り上がりを見せ、SNS上で推し活を楽しむUGCの生成に成功。推し活をより充実させるチョコレートブランドとしての認知を獲得しています。


事例⑩SEA BREEZE カラーバリエーション豊富な推し色ボトル

デオドラント製品ブランド「SEA BREEZE」のデオ&ウォーターの魅力のひとつは豊富な香りとカラーバリエーションのボトル。それぞれの香りごとに8色のボトルを展開しています。
SEA BREEZEはこのカラーバリエーションの豊富さを「推し活」を軸にしてPR。11月4日(いい推しの日)にはTwitterにて、推し活にぴったりな商品であることを紹介し、商品の購買層である若年層に向けた訴求を行いました。


「推し活」マーケティングを成功に導く3つのポイント

ポイント①コラボの際はファンの思う「推しの魅力」を大切に

推しとのコラボを企画する時に一番気をつけなくてはいけないのは、それがファンののぞむ施策になっているか否かを見極めることです。当たり前のことですが、ファンの推しを思う感情は味方にすれば大きな追い風になる一方で、ファンの反感を買ってしまうと大きな炎上にも繋がる場合があります。そのため、コラボを決める際には、そのファンの思う「推しの魅力」について十分に調べ、コラボに活かすことが重要です。

ポイント②誰かと共有したいと思うようなメッセージや施策にする

昨今ブームになっている推し活の大きな特徴のひとつに、「SNSでの発信」や「ファン同士の交流」など、1人で楽しむのではなく誰かと共有することを楽しむ層が多いということがあります。これは推し活の中心世代であるZ世代がデジタルネイティブであることなどにも起因しており、誰かと共感しあうことで推し活により充実感を覚えるという傾向があるのです。
そのため、推し活に絡めた商品開発やマーケティング施策設計を行う際には、それを誰かに共有したり、誰かと一緒に楽しみたいと思わせるようなものにすると良いでしょう。

ポイント③自分たちの商品と「推し活」の接点をみつける

推し活の活動内容は様々であり、施策事例からも見られる通り企業が推し活を軸にマーケティングを行うヒントはたくさんあります。そのため推し活をテーマにした商品やサービス開発が難しい場合であっても施策を諦める必要はありません。自分たちの既存の商品やサービスをもう一度見直し、推し活と相性の良いものや接点がもてそうなものを探し出すことで、成果に繋げることが可能となるのです。

いかがでしたか?今回は「推し活」をテーマにしたマーケティング施策の事例をご紹介しました。ファンの熱量を味方につける「推し活」マーケティング。ぜひ2023年のマーケティング施策のひとつとしてご検討ください!

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