よくある割引クーポンでも、Facebookページとあわせてうまく活用することで、“顧客を育てるクーポン”にパワーアップさせることができます。「ただの割引券」ではないクーポンで、顧客とさらによい関係を築いていきませんか。
こんにちは、SMMLab ゲストライターの柴です。
「割引クーポン」ときくと、「一度購入しても、リピートにつながりにくい。」というイメージが浮かぶこともあるのではないでしょうか。しかし、割引クーポンをFacebookページとあわせてうまく活用すれば、顧客を育てることもできるのです。
ル・クルーゼ ジャポン(以下、ル・クルーゼ)のFacebookページでは、昨年冬にオンラインショップで使える5%オフキャンペーンを実施していました。
このキャンペーンはFacebookクーポンではなく、キャンペーン支援アプリのモニプラを使ったもので、応募者の全員を当選にするという形式で行われたものです。
今回はこの事例から、割引クーポンで“顧客を育てる”ポイントなどをお伝えしていきます。
【ル・クルーゼ】公式オンラインショップ限定 Facebookクーポン
・概要:応募者全員にオンラインショップで使える、会員価格よりさらに5%オフクーポンをプレゼント
・URL:http://fbapp.monipla.jp/campaign/detail/17352
売上だけじゃない!Facebook上で割引クーポンを配ることのメリット
割引クーポンの一番のメリットは、当然、売上に直結するということでしょう。
実際このル・クルーゼのキャンペーンは、売上面で想定以上の結果を出しているとのことです。
しかし、それだけでは「Facebook上で」割引クーポンを配る理由として、弱いかもしれません。ここでは、Facebook上で割引クーポンキャンペーンを行なうことのメリットをお伝えしていきます。
Facebookページで、顧客体験を向上させる
本キャンペーンでは、クーポン入手にあたってFacebookページへの「いいね!」を必須条件としていました。
ただの「割引クーポン」であれば、一度買ってそれっきりになってしまうかもしれませんが、Facebookページのファンになることで、その後もル・クルーゼとの接点が持てるようになったのです。
一方、ル・クルーゼのFacebookページでは、商品であるル・クルーゼを使ったレシピを投稿しています。これらの情報は、今までハードルが高いと思っていた料理を作る喜びや、新しい料理との出会いをファンに提供しています。
▲手作りが難しそうなパンや、普段の食事よりワンランク上の凝った料理も、
ル・クルーゼだからこそ手軽に作れることがわかる。
割引クーポンを使って商品を購入した人は、その後もFacebookページを通じて、ル・クルーゼをもっと楽しむことができるようになります。つまり、顧客体験を向上させることができるのです。
プレゼントよりも“育つ”ポテンシャルの高いファンが集まる
では、続いて「ファンを集める」という観点から見る、本キャンペーンのメリットについて考えていきましょう。
ファンを集めるキャンペーンのなかで最もポピュラーなものは、抽選でプレゼントが当たる、というプレゼントキャンペーンです。プレゼントキャンペーンは一度に多くのファンを集めることができる一方、賞品目当ての薄いファンが集まってしまうという一面もあります。
それに比べて割引クーポンは、商品サービスを購入する意向がある濃いファンだけを集めることができるのです。
なお、ル・クルーゼでは、このクーポンキャンペーンをmixiページやTwitterでも告知していました。
このような取り組みからロイヤルカスタマー、もしくはロイヤルカスタマーに育つポテンシャルの高い人たちを、Facebookページに呼び込むことができたのです。
Facebookページの既存ファンとの関係性を育む
当たり前といえばそうなのですが、既にル・クルーゼ好きな人が多く集っているFacebookページにおいて、割引クーポンは純粋に喜ばれます。
クーポン案内の投稿には、ファンからの「いいね!」やコメントの書き込みが見受けられますし、シェアも発生しています。
また、ル・クルーゼに憧れていた未購入者にとって、オンラインショップ×クーポンという組み合わせは「はじめてのル・クルーゼ」を叶えるチャンスになります。
既存顧客も新規顧客も含め、ファンとの関係性を育む機会になったことは間違いないのではないでしょうか。
日々の運用とセットになって初めて〝顧客を育てるクーポン″ができあがる
Facebook上での割引クーポンキャンペーンが、単なる割引クーポン以上の価値を持つのは、Facebookページの投稿、そしてその先のファンとの交流があってこそです。
ル・クルーゼでは、ファンからのコメントには一人ひとりに対して返信を行っています。
このようにファン一人ひとりに向き合った運用は、直接やり取りをしたファンとの絆を深めるのはもちろんのこと、投稿を見ている他のファンとの関係性にも、プラスの影響を与えていることでしょう。
▲クリスマスの投稿。一人ひとりにきめ細やかな返信をしながらも、
購入予定者(上部赤枠内)にはおすすめの商品を案内(下部赤枠内)。
その他にも、ル・クルーゼのFacebookページでは投稿を通じて随時新商品の案内などを行なっています。
商品紹介投稿をするだけでなく、上キャプチャのようにコメント欄のなかでおすすめの商品を案内しているところも見逃せないポイントです。
▲つい目移りしてしまうような、新商品の紹介や、様々な商品を使った料理写真の投稿。
このように、ル・クルーゼをもっと好きになってもらえるようなコミュニケーションをはかることで、結果的に二個めの鍋や他アイテムの検討・購入につながるはずです。
毎回の投稿にシェアが集まるFacebookページからは、自然と「他の人にすすめる」アクションをとるファンが増えている様子が見てとれるのです。
その後のフォローもできるからこそ“顧客が育つ”Facebook上で行う割引クーポン。
“一度きり”で終わりになりがちな割引クーポンを卒業して、新たにチャレンジしてみませんか。
<ライター紹介>
柴 佳織 (Kaori Shiba)
企業のFacebookページのコンサルティングから、解析・運用支援などを行う。また、Facebookマーケティングのライターや講師も務めている。
・Facebookプロモーション国内事例集 http://fbsample.blog.fc2.com/
・Facebookプロモーション国内事例集(FBページ)https://www.facebook.com/case.japan
・インサイトスコープ 数字から見えるFacebookのムコウ側 http://www.insight-scope.com/