Facebookに限らずソーシャルメディアは、企業やブランドにとって今まで直接接する事が出来なかった消費者との対話を可能にしました。潜在的な顧客候補を獲得するチャンスが広がったわけですが、多様化するソーシャルメディアのどこに「ファン候補」がいるのかを知らなければ、最適なコミュニケーションを設計する事はできません。

 
こんにちは、SMMLabの藤田です。あなたは自社の製品やブランドを好きになってくれそうな人が、どんなソーシャルメディアを活用しているか、ご存知ですか? FacebookページやTwitterに、どんな投稿をするか、何曜日の何時にするかなどの運用を最適化するためには、そもそもあなたがコミュニケーションしたい相手がどのソーシャルメディアをどんな風に活用しているかを知っておく事が必要です。
 

そこで今日は、Social Media Examinerに掲載された、「comScore」、「Nielsen」、「PQ Media」の最新調査データによるユーザー動向から、ターゲットオーディエンスをいかに見つけてエンゲージするかのヒントを5つご紹介します。
参照記事:5 Social Media Tips for Finding and Engaging Your Target Audience: New Research
http://www.socialmediaexaminer.com/5-social-media-tips-for-finding-and-engaging-your-target-audience-new-research/
 

【1】あなたの顧客がインターネットのどこで時間を費やしているかを知る


comScoreの「2012 U.S. Digital Future in Focus report」によると、2011年12月時点で米国のインターネットユーザーの90%がなんらかのソーシャルネットワーキングサイトを訪れ、ネットでの滞在時間の16.6%を過ごしており、年々増加しています。この傾向が続けば、SNSでの滞在時間は近々AOLやYahoo!などのインターネットポータルサイトを追い抜くだろうとされています。


ニールセンが最近リリースした「State of the Media: U.S. Digital Consumption Report, Q3-Q4 2011」では、インターネットユーザーはソーシャルネットワーキングサイトで自分の時間の21.3%を費やしており、ポータルサイトでの消費時間の割合が更に低く報告されています。


PQ Mediaは、平均的なアメリカのインターネットユーザーの、1ヶ月当たりの滞在時間約33時間のうち、8時間がソーシャルメディアに費やされているとしています。
それぞれの調査方法が異なるため、結果に違いがありますが、3つのレポート全てで、ソーシャルネットワークに費やした時間の量と割合は上昇傾向を示しています。
このことからも、マスメディアを使った従来のマーケティングや、メールなどによるダイレクトマーケティングの他に、積極的なソーシャルメディアマーケティングの取り組みが必要なことが分かります。
 
 

【2】ファンが深く共鳴するコンテンツは何かを知る

 
ニールセンの調査では、タブレットとスマートフォンの所有者の大多数が、テレビ番組を見ながら自分のメールをチェックしたり、SNSにアクセスしたりと、ますますマルチタスクになっていることが分かりました。

テレビを見ながらアクセスしたウェブサイトの上位はFacebookとYouTubeです。テレビ番組を見ながら動画サイトにアクセスするというのは興味深い行動です。

このデータをヒントに、人気テレビ番組や話題の映画、注目のスポーツイベントについての人々の会話に、ブランドとして参加してみたらどうでしょう? 人々の興味関心を理解するだけでなく、共感や共鳴を得る話題を提供することで、「ファン」を増やす事が出来るのではないでしょうか?
 
 

【3】消費者が最も多くの時間を過ごすFacebookに注力する

 
Facebookは月間アクティブユーザーの観点から最大のソーシャルメディアサイトとして知られていますが、comScoreの調査では、Facebookが別の二つの観点でも最も注力すべきSNSであることが分かりました。
第一に、Facebookが滞在時間と関与度において、ナンバーワンであることです。(Googleは月間ユニークユーザー数でFacebookを上回っているため、グラフ上は1位となっていますが、ユーザーの関与度を加味するとFacebookが優位です)

第二に、他のソーシャルメディア·プラットフォームと比較した場合、Facebookは滞在時間の比率を飛躍的に高めています。

Facebookに続くSNSとしてはTwitterやLinkedInの上昇があげられますが、その他にもGoogle +とPinterestの隆盛が注目されます。ただ、Twitterや​​Google +のようなソーシャルサイトは、モバイル·デバイスや、サードパーティ製のアプリケーション、異なる形態のコンテンツから影響を受けていることにも留意すべきです。

サイト訪問者の平均滞在時間を見ると、Facebookが1ヶ月当たり約7時間とダントツの1位となっており、60分以上はTumblrとPinterestのみとなっています。

Facebookへの注目の高さは、ディスプレイ広告のインプレッション数にも現れています。

Facebookの広告はYahoo!の2倍以上、Googleの8倍以上ものをインプレッションを獲得しています。
以上のデータから、ソーシャルメディアマーケティングは、まずFacebookに取り組むのが賢明であると考えられますが、ファン層によってはTumblrやPinterestにも注目しておくべきです。また、顧客がLinkedInやTwitterをどのくらい利用しているかも考慮したほうがいいでしょう。
 
 

【4】動画コンテンツに取り組む時期が来ていることを知る

 

comScoreによると、アメリカの人口の約3分の1にあたる人々が毎日オンラインで動画を見ており、視聴数は2010年に比べ43%以上上昇、100万回を越えています。

ほとんどの視聴はYouTubeによってですが、NetflixやHuluのようなサイトによって、ユーザーの視聴時間が約5〜6分に伸びている傾向があります。これは魅力的な動画であれば、じっくりと見てもらえる可能性があるということです。
また、人々がビデオを見る方法は、携帯電話、ノートPCやゲーム機の出現で変化しています。これらの違いは、特にアジア、ラテンアメリカ、中東で顕著となっています。
たとえば、ニールセンのアジア/太平洋地域を対象とした調査では、北米にくらべてモバイルデバイスでビデオを見る人が2倍近いことが分かりました。しかし、欧州ではモバイルデバイスでの視聴は全世界平均の約半分となっています。

これらのデータから、積極的な動画活用が推奨されますが、中小企業ではまだまだ活用されていないようです。500以上の動画コンテンツが280万人以上に視聴されているホールフーズの例をぜひ参考にしてください。ハウツーやちょっと面白いラブストーリーなどの人気動画が、決してプロの技術で作られたものではないことが分かると思います。

 
 

【5】モバイルの重要性を理解する

 
PQ Mediaは、ビジネスエンドユーザーの60%にあたる100万人のアメリカユーザーが、スマートフォンでインターネットにアクセスすると発表しました。また、comScoreは、すべてのインターネットトラフィックの8%がモバイルデバイスによるとしています。
モバイルデバイスを介してソーシャルネットワークに費やした時間(約5%)は比較的低いですが、重要だと考えるべきです。例えば、Facebookは2011年12月に423万人ものユニーク訪問者が、モバイルデバイスを介してアクセスしているとしています。
ニールセンは、性別によるソーシャルネットワーキングサイトへのアクセス方法の違いを比較しています。1位はどちらもPCでしたが、2位のモバイルフォンでは男性よりも女性の方が高い割合を示しています。

モバイルデバイスは、小売の状況を変えつつあります。買い物客はスマートフォン上のソーシャルメディアチャンネルを通じて、友人からリアルタイムにオススメ情報を取得し、価格を比較し、レビューを読んでいるのです。マーケティング担当者はこれを考慮して、コンテンツを作成したり、顧客とのつながりを考えなくてはいけません。
あなたのウェブサイトはモバイルに最適化されていますか? モバイルに適したコンテンツになっていますか? アジア/太平洋地域のユーザーを顧客としたいなら、モバイル対応は非常に重要な戦略です。
 
 
以上、Social Media Examinerの“5 Social Media Tips for Finding and Engaging Your Target Audience: New Research”を抄訳でご紹介しました。5つのヒントが提案されていますが、特に注目すべきキーワードはFacebook、動画、モバイルの3つです。中では「動画」に関して、どのように取り組んだらいいかお悩みの方も多いのではないでしょうか?SMMLabでは今後、動画を効果的にSMMに取り入れる方法もご紹介して行きたいと思います。動画の作成や活用について、疑問やお悩みがありましたら、ぜひコメントでお聞かせ下さい。
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