企業のSNS担当者・プロモーション担当者向けに、バレンタインに照準を合わせた最新のSNSキャンペーン・投稿・広告事例を集めてご紹介します。
ぜひ、自社のマーケティング施策の参考にしてみてください。
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バレンタインプロモーション 近年のキーワードは「多様化」
「バレンタイン」は、「クリスマス」「お正月」「ハロウィン」などと並んで、多くの生活者にとって身近なイベントです。
企業のSNS・プロモーション担当者は、季節のイベントと自社商品・サービスをうまく絡めることでSNS投稿や広告、プレスリリース等の「切り口」にできます。
そこで本記事では、各企業が近年どのような切り口から「バレンタイン」を生活者に向けて訴求しようとしているのか、さまざまな事例を集めて見ていきます。
2022年〜2023年にかけての傾向を大まかにまとめると、次のようなキーワードが浮かび上がってきます。
バレンタインギフトを準備する側にとっては「ラグジュアリー路線」か、「プチプラ&カジュアル路線」かの選択肢に加え、「手づくり路線」もあります。
そして「本命/義理」という軸に加え、近年の顕著な傾向である「自分用」という軸、さらに「『推し』に対する愛情表現」という新たな軸も登場し、ますます多様化が進んでいることが伺えます。
もはやバレンタインとは、「女性が好きな男性にチョコレートを贈る日」という定義から拡大が進み「(広い意味での)愛情表現の日」になったとも言えます。
チョコレートに限らずさまざまな商材を「愛情表現」という軸で切り取ることで、バレンタインに絡めて訴求できる余地が広がったとも言えるでしょう。
「うちの商品・サービスは、あまりチョコレートに関係ないから…」などと思わず「バレンタインの準備期間」「バレンタイン当日」などさまざまなシチュエーションを想定してアイデアを練ってみると良いでしょう。
自社のことを生活者に想起してもらう一つのきっかけとして、大きな視点でバレンタインというイベントを捉えてみてください。
バレンタインのSNSキャンペーン事例
ここからは、企業による最新のバレンタイン向けSNSキャンペーンの事例を紹介します。
①2023年 ロイズのInstagram写真投稿キャンペーン
チョコレートメーカー「ロイズ」が2023年のバレンタインシーズンに実施しているInstagram写真投稿キャンペーンです。
参加方法は、ロイズのInstagramアカウント(@royce_jp)をフォローし、キャンペーン告知投稿に「いいね」をして、指定ハッシュタグ(「#ロイズとバレンタイン2023」と「#おいしいロイズ」)を付けてロイズのチョコレートの写真を投稿。すると抽選で5名にロイズのチョコレートが当たるというキャンペーンです。
指定ハッシュタグ「#ロイズとバレンタイン2023」と「#おいしいロイズ」は同社がInstagramキャンペーンを実施する際の定番タグとなっているようで、特に「#おいしいロイズ」でInstagram内を検索すると、ロイズのファンが投稿したおしゃれで美味しそうなチョコレートの写真が6000件近くヒットします。
UGCの蓄積によって「おいしいチョコレートといえばロイズ」といったポジティブなブランド想起につながります。地道にキャンペーン施策を継続して得られた成果だと言えます。
②2023年 リンツ LINEキャンペーン
チョコレートメーカー「リンツ」が2023年のバレンタインシーズンに実施しているキャンペーンです。
キャンペーン参加者は、スマホで診断コンテンツにトライし、リンツのチョコレートの中から自分に合ったフレーバーを見つけることができます。その後、リンツのLINE公式アカウントと友だちになるとチョコレートの引き換えクーポンを受け取ることができ、リンツの店頭へ行けば実際にチョコレートを受け取ることができます。チョコレートは2粒もらえて、「1人で楽しんでも、周囲とシェアしてもOK」と呼びかけています。
- 「診断コンテンツ」…ブランド認知・理解獲得
- LINE友達登録…1対1の顧客接点を作る
- インセンティブの店頭引き換え…来店促進
- インセンティブのシェア訴求…クチコミ効果
1つのキャンペーンの中に「診断コンテンツ」「LINE友達登録」「来店」など複数のアクションを盛り込み、先々のマーケティング展開につながるよう、非常によく練り上げられたキャンペーンだと言えます。
③2023年 高島屋 Instagramキャンペーン
百貨店の「高島屋」が2023年のバレンタインシーズンに実施しているキャンペーンです。
特設Webコンテンツにアクセスすると、好きな花で飾り付けたバーチャル上のチョコレートボックスを作ることができます。どんな花を選ぶかによって、生成されるメッセージは変わります。出来上がったバーチャルチョコレートボックス&メッセージはSNSにシェアOK。想いを寄せる相手に向けたメッセージカードとして活用できます。「家族・恋人・友達・推しなど、さまざまな大切な人に想いを伝えて」と訴求。また、高島屋の公式Instagramアカウントをフォローしたうえで、生成画像をInstagramに指定ハッシュタグ「#花チョコ」で投稿すると、生成画像と同じデザインのチョコレートボックスが抽選で当たります。
- Webが入り口…百貨店に普段から馴染み・親しみがない人でも参加できる
- バーチャルコンテンツ生成…パーソナライズで、より「自分ごと化」できる
- 「推し活」も絡める…バレンタインの定義を拡張し「多様性」を伝える
- 抽選でリアルなチョコレートボックスが当たる…リアルとバーチャルの融合
このような目新しいポイントが盛り込まれた企画だと言えます。
④2022年 大阪王将 Twitter・Instagramキャンペーン
餃子チェーン店「大阪王将」が2022年のバレンタインシーズンに実施したキャンペーンです。
大阪王将のTwitter・Instagram公式アカウントをフォローし、キャンペーン告知投稿に「いいね」「シェア」するだけの簡単なアクションで、抽選で20名に大阪王将冷凍餃子セットが当たるという内容です。「日頃の餃子愛」や「大阪王将への愛」を投稿すると当選確率アップ。
「チョコレートならぬ、餃子に特大の愛を包みました」のコピーとともに、バレンタインシーズンも同社の看板商品である餃子を訴求。少し意表をついた食品ジャンルであっても、アイデア次第でバレンタインに絡めて自社をアピールできる、という事例です。
⑤2022年 メンズスキンケアR_homme Twitterキャンペーン
株式会社ランクアップが展開するメンズスキンケアブランド「R_homme(アールオム)」が2022年のバレンタインシーズンに実施したTwitterキャンペーンです。
キャンペーン告知投稿をリツイートし、指定ハッシュタグ「#アールオムバレンタイン」を付けて、「バレンタインの面白エピソード」などのお題に沿った川柳を投稿すると、抽選で同ブランドのメンズスキンケア製品が当たる企画です。
- 媒体はTwitterに絞る…テキスト投稿との親和性
- 川柳のお題は「面白エピソード」に絞る…投稿の難易度を下げる
Twitterの媒体特性を考慮したうえでキャンペーン企画が組み立てられている事例です。
【過去事例をもっと見る!2022年版はこちら】
▶バレンタインのSNS投稿&キャンペーン&広告事例13選!【2022年度版】
バレンタインのSNS投稿事例
バレンタインに絡めたSNS投稿事例を紹介します。
①2022年 ブラックサンダーのTwitter投稿
チョコレート菓子「ブラックサンダー」の公式Twitterアカウントが、2022年のバレンタインシーズンに投稿した内容です。
⚡️絶賛発売中のバレンタイン限定商品をご紹介⚡️
— ブラックサンダーさん _ 2023【公式】 (@Black_Thunder_) January 17, 2022
質じゃなく数で戦ってもいいんです。
“数で”戦ってもいい
#大量ブラックサンダーボックス
安心してください500本付きです(‘-‘*)‼#それもありでしょバレンタイン pic.twitter.com/oMQuzOzQVN
「ブラックサンダー」と言えば、身近なコンビニ・スーパーのお菓子棚で買える「プチプラ」「カジュアル」なお菓子のイメージです。
そこで同ブランドは、生活者の間に浸透しているイメージを汲み、「質じゃなく“数”で戦ってもいいんです。」と「プチプラ&カジュアル路線」に振り切った訴求を行いました。
「自社は生活者からどう見られているか?」「自社ブランドが生活者に選ばれる理由は?」を踏まえたうえで、生活者のイメージに寄り添うメッセージ発信をした事例だと言えます。
②2022年 ワコールのTwitter投稿
インナーウェアブランド「ワコール」が2022年のバレンタインシーズンに行ったTwitter投稿です。
もうすぐバレンタイン🍫🥂
— ワコールブランド (@wacoal_now) February 5, 2020
今年はチョコの代わりに #ワコールメン のパンツはいかがですか?
バレンタインにピッタリなハート柄の「#すそピタパンツ」がオススメ♡
※バレンタイン用パッケージは一部お取り扱いのない店舗がございます
▶https://t.co/jJRk7C1bbG pic.twitter.com/5aINYUvFl8
「男性に向けて贈るギフト」という切り口で、ハート柄のメンズインナーを訴求。
「バレンタインギフト=チョコレート」という概念にとらわれず、「自社にはギフトにおすすめの、こんなアイテムもあります」と、季節のイベントにうまく絡めて訴求を行った事例だと言えます。
「今年はチョコの代わりに●●はいかがですか?」というコピーの「●●」の部分にいろいろなアイテムを当てはめてみると、また新たなアイデアが湧いてきそうです。
③2022年 ホットプレートのBRUNO(ブルーノ) Instagram投稿
ホットプレートやトースターなど、おしゃれなデザインの家電で知られる「BRUNO(ブルーノ)」のInstagram公式アカウントの投稿です。
バレンタインにお菓子を手作りしたい人に向けて、「オーブン不要!」という切り口で「ブラウニー」「フォンダンショコラ」などおすすめレシピ4選を紹介。BRUNOのトースターで作ることができ、簡単かつおしゃれに仕上がるお菓子レシピを挙げています。
レシピ紹介を見ていくうちに「おしゃれなお菓子を簡単に作れるBRUNO」というイメージがわき、コンテンツに触れた結果ブランドへの理解・好感につながる、という事例です。
④2022年 HOPPIN’ GARAGE(サッポロビール)Instagram投稿
HOPPIN’ GARAGEとは、サッポロビールが展開するクラフトビールのD2Cブランドです。そのHOPPIN’ GARAGEが2022年のバレンタインシーズンに行ったInstagram投稿です。
「バレンタインはチョコの代わりに●●を贈ろう」という切り口で、「お酒」というアイデアも考えられます。そしてHOPPIN’ GARAGEでは「大人のチョコミント」という、スイーツ感覚で楽しめるひと味変わったビールの銘柄も扱っています。
ただしこの投稿では、可愛らしいパッケージとリンクさせた「ネイルデザインのアイデア」を発信。
ダイレクトに「チョコの代わりにビールを贈ろう」という訴求ではなく、パッケージに絡めるなど少し意表を突く形で「バレンタインの楽しみ方」を表現した事例だと言えます。
バレンタインの広告事例
バレンタイン向けの広告事例を紹介します。
①2022年 ロッテ ガーナ 縦長動画広告
ロッテのチョコレートブランド「ガーナ」は2022年のバレンタインシーズンに、ロッテ公式YouTubeチャンネルおよび各SNS上で、8種類の縦長動画広告を展開しました。
メインコピーは「バレンタインのせいにして。」です。
バレンタインの楽しみ方が多様化する世間の潮流を踏まえ「バレンタインという記念日を、“自分のやりたいことにトライする” “言いたいことを表現する”といったポジティブな行動のきっかけにしてほしい」というメッセージが込められているとのことです。
②2022年 旭化成 クックパー 新聞・Web動画広告
調理に使うクッキングシートやアルミホイルなどのブランドとして知られる「クックパー」。2022年のバレンタインシーズンに新聞広告およびWeb動画広告を展開しました。
クックパーブランド独自の調査によって、調理とは、「献立づくり」や「食材の買い出し」「後かたづけ」など、レシピには書かれていない作業が64%を占めている、という事実が明らかに。レシピには書かれていない「行間」の部分にこそ、調理を行う人の戸惑いや誰かを想う気持ちが隠れていることにフォーカス。「悩んだり、省いたり、工夫したり、脱線したり。その全てが料理で、そして愛だと思うのです。」というメッセージを添えて「#真実のレシピ」と名付け、料理をするすべての人への応援の想いを表現しています。
③スターバックスコーヒー YouTube広告
海外のスターバックスコーヒーが、今から10年前に公開したYouTube広告です。
内容は、スターバックスのカップに、同社専用のスマホアプリをかざすとARでバレンタインのメッセージが飛び出すという、今見てもグッドアイデアなものです。
現時点で日本においてはこのサービスには対応していないようですが、海外のWebマーケティングにおいてもバレンタインは注力すべき大きな商機だと位置づけられていることが伺えます。
SNSキャンペーンの「勝ちパターン」を知ろう
この記事では、バレンタインに絡めたSNSキャンペーンや投稿・広告事例をまとめて紹介しました。
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