動画コマースとは

動画コマースとは、ECサイト上などで商品に関する動画を視聴して、そのまま購入ができる通販の仕組みです。近年、動画コマースはEC業界の新たなトレンドとして注目を集めつつあります。
この記事では動画コマースが注目されている理由や、最新事例、ビジネスの成果につなげるコツ、動画コマース運営に活用できるツールを紹介します。
EC業界の最新トレンドをキャッチアップして、今後の施策立案にお役立てください。

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動画コマースとは?

動画コマースの定義と特徴

動画コマースとは、ECサイト上などで商品に関する動画を視聴し、その動画から直接、または簡単な手順で商品を購入できる通販の仕組みを指します。動画を活用することで、文字や写真だけでは伝えにくい商品の特徴や詳細を、さまざまな角度や実際の使用シーンを通じて視覚的に伝えることができます。

一部の動画コマースでは、動画内の特定の部分をタップすることで直接購入に遷移する機能が組み込まれています。その一方、動画はあくまで「視聴のみ」を目的としている場合もありますが、その場合でも「動画を見る→そのまま同一サイト上でその商品を購入する」というユーザーにとっての導線が明確かつ分かりやすく設計されていることが一般的です。

例えばベビー用品ブランド「DADWAY」のECサイトでは、購入ページのファーストビュー部分に動画を大きく設置。商品の具体的な使用シーンがよく分かるようになっています。

動画コマースとライブコマースの違い

EC業界で動画を活用した販促施策というと、「ライブコマース」を思い浮かべる方も多いはず。動画コマースと、ライブコマースはどう違うのでしょうか?

動画コマース
  • 生放送ではない
  • あらかじめ作成した商品説明動画などをECサイト内などに掲載しておき、顧客に対して定常的に見せる
ライブコマース
  • 生放送である
  • チャットなどで視聴者とリアルタイムで会話をしながら、購入へ誘導する

ライブコマースは、特に中国のEC業界で発展が目覚ましいと言えます。たとえば、著名なインフルエンサー(KOL=Key Opinion Leader)がSNS上でライブ配信を実施すると、一度の放送でコスメなどを数億円、数百億円という単位で爆発的に売上げる事例が続出。

一方、日本のライブコマース事情は、ユニクロ、無印、しまむら、ニトリなど大手小売事業者を中心に既に取り組みが始まっているものの、まだ生活者の間でそれほど「ライブコマース」という言葉自体の認知度が高くないと言えます。インターネットリサーチ会社「マイボイスコム」による、ライブコマースについての調査結果(2021年)によると、認知度は2割というデータが明らかになっています。

動画コマースがいま、EC事業者から注目されている理由

動画コマースはEC事業者にとって多くのメリットをもたらします。メリットについて解説します。

動画は購入意欲を高める

動画は、視覚・聴覚に訴えながら、視聴者にわかりやすく情報を提供します。商品・サービスの実際の使用方法や特徴を確認し、イメージしやすくなるので、購入意欲をより刺激されるでしょう。

情報量が多く、魅力が伝わりやすい

動画は、静止画やテキストよりも、短時間で多くの情報を伝えることが可能です。
商品の詳細や使用方法、利点などを視覚的に示すことで、商品の長所を効果的に伝えることができます。

記憶に残りやすい

動画は視覚・聴覚の両方を刺激するため、視聴者の記憶に残りやすくなります。たとえば「視聴覚」による情報のインプットは、「文字を読む」よりも2倍効果的というデータも。視聴者は動画を見た後も、その内容を長く覚えていることが多いと言えるでしょう。

サイトの滞在時間が伸びる

サイト内に動画コンテンツがあると、訪問者はより長く滞在する傾向も。滞在時間の長さはSEOの観点からも有利であり、サイトのランキング向上に寄与します。

コンテンツをリッチにすることで他社との差別化になる

生活者は独自性のあるコンテンツを高く評価し、そのサイトを信頼して選ぶ傾向があります。自社独自の動画コンテンツを提供することで、他のECサイトとの差別化を図ることができるでしょう。

動画コマースの最新事例

ここからは動画コマースの事例を紹介します。

動画活用によってモール前年比売上2倍「カナック企画」

▼動画の一例はこちら

子供向けの鉄道グッズを販売するEC「カナレール」の運営元である、株式会社カナック企画では、動画活用によってモールにおける前年比売上が2倍になりました。

公式ECサイトのみならず、Instagram、プレスリリース、大手モール(楽天市場)など、商品の販売前から購入まで全てのタッチポイントに動画を活用したことが成果の一因になったようです。

高価格帯の美容機器を丁寧に訴求「株式会社MTG」

MEGLY
出典:MEGLY

株式会社MTGは、高価格帯の美容機器「MEGLY」を訴求するために、商品特徴や使用方法を詳しく説明するWebサイトを展開しています。
このサイトには、商品の詳細や価格、使用方法などの情報が豊富に掲載されており、生活者が購入を検討するうえで参考になる内容となっています。
さらに、YouTubeのチュートリアル動画をサイトに埋め込むことで、商品の使用方法を実際に見ることができるため、購買意欲を高める効果が期待できます。
高価格帯の商材で生活者が購入を即断できないケースでは、特に動画活用がおすすめです。商品の魅力や使用方法をより分かりやすく伝えることができ、生活者の信頼や興味を引きつけることができるでしょう。

無形商材(通信講座)について申し込み前に分かりやすく訴求「ユーキャン」

ユーキャン
出典:ユーキャン

通信講座で知られるユーキャンは、動画による講義で学習に取り組むコースを提供しています。
コースの申し込みサイトでは、その動画講義の一部をサンプルとして見せています。受講検討者に「実際にどのように学ぶのか」という点を分かりやすく伝えて、申し込みを後押ししていると言えます。

スマートロックという新たなコンセプトの製品を、トップページ着地時から動画をフル活用して訴求「Qrio Lock」

「Qrio Lock(キュリオロック)」は、スマートフォンを使用して鍵を操作できるスマートロックです。モノをインターネットにつないで、生活をより便利にする製品です。

このスマートロックは、比較的新しいコンセプトの製品であり、多くの人々がその使用方法や機能に慣れていない可能性があります。

そこでQrio Lockのウェブサイトは、製品の特長や使用方法を効果的に伝えるために動画を活用しています。

動画を使用することで、生活者は製品の操作方法や特長を直感的に理解でき、購入意欲が高まると考えられます。

動画コマースを成功させるコツ

動画コマースを成功させるためには、次のようなポイントを押さえる必要があります。

ペルソナ設定とインサイト発掘

動画コマースで使用するコンテンツ(動画の本編)作成では、「どのようなユーザーに情報を届けたいか?」というペルソナ設定が重要です。
ECサイトのSEO対策を行って自然流入を狙う際、サイト内コンテンツのテーマやキーワード選定を行うことが不可欠ですが、「誰に届けたいのか」を明確にしなければ、適切なキーワード選びができません。
企業側の考える「理想的な顧客像」と、実際のユーザーの行動(ユーザーインサイト)を照らし合わせ、ペルソナ像をブラッシュアップしていくことで、より効率的な動画コマース運用が実現するでしょう。

SNSと連携させる

SEO対策以外にも、各種SNSアカウントと連携して情報発信を行い、流入を狙う施策が効果的です。
商品説明動画などを制作したら、ぜひSNS上にも投稿しましょう。動画は、流れの速いSNSのタイムライン上でもユーザーの目を引きやすく、内容も印象に残りやすいと言えます。
日ごろからSNSアカウントを活用してユーザーとコミュニケーションを取り、その接点をきっかけにECサイトへの訪問を促しましょう。

収益を意識する

集客や、顧客とのコミュニケーションも重要ですが、最終的には「売上にどう繋げるか?」という点が最も重要です。

たとえば、高い流入数を持つSEOキーワードが判明した場合でも、商品購入に直接関与しないキーワードならば、EC上の収益に結びつきにくいと言えます。収益を意識しなければ、単にコンテンツを生産するだけの活動になりかねません。よって、収益を中心にしたコンテンツ戦略が不可欠です。

なお、コンテンツ戦略をブラッシュアップしていく取り組みは、効果を実感するまでに時間がかかるため、長期的な取り組みが必要です。

動画コマースを成功させるためには、収益を中心とした戦略的なアプローチと長期的な取り組みが不可欠だと言えるでしょう。

動画コマースの留意点

動画コマースに取り組む際に、あらかじめ理解しておくべき点についても解説します。

動画制作コストがかかる

動画制作はテキストや画像のみの制作と比べて、多くのコスト(時間・費用)を伴います。

たとえば、SNSに投稿するような短時間の商品説明動画を外部の会社に委託して制作する場合、その相場は数万〜数十万円は見積もっておく必要があります。高いクオリティや長い再生時間を求めると、そのコストは100万円以上になる場合も。

「まずは小規模に、コストをそれほど掛けずにトライしたい」と考えている場合には、

  • インハウスでスマートフォンを使って撮影する
  • 操作が簡単な動画制作ツールを活用する

といった取り組みから始めるのも一つの方法だと言えます。

Webサイトの読み込み速度が遅くなる可能性がある

動画の掲載方法(ファイル形式など)によっては、Webサイトの読み込み速度が遅くなるリスクがあります。
サイトの表示速度が遅いと、ユーザーの離脱が増える可能性があり、SEOにも影響します。
対策として、動画ファイルを直接埋め込むのではなく、YouTubeの埋め込みリンクを使用する、またはGif・Apng化して軽量化する方法が考えられます。

動画制作・SNS連携を手軽にするツール

企業が動画コンテンツを効果的に制作・活用するためのツールを紹介します。

動画制作を簡単に始められるツール「LetroStudio」

LetroStudio
出典:LetroStudio

アライドアーキテクツが提供する動画制作ツール「LetroStudio」は、初心者でも手軽に動画を制作可能で、効果的な動画コンテンツの作成に役立ちます。
時間とコストを節約しながら、ブランドの訴求力を高めることができます。

【特徴】

  • ドラッグ&ドロップによる簡単な動画制作
  • 豊富なテンプレートとエフェクト
  • SNS・広告・ECサイト向けの動画最適化
  • チームでの共同編集機能

Instagram上の動画コンテンツを簡単にサイトへ引き込める「Letro」

Letro
[出典]Letro

アライドアーキテクツが提供する運用型UGCツール「Letro」は、ECの売上向上成果を見込めます。
Instagram上の投稿や商品購入者によるレビューなどのUGCを生成・収集。ECサイト・LPや広告などのさまざまなチャネルに掲載できます。
そして、UGCの効果を計測し、成果の評価までできます。
専任担当による支援も受けることができ、短期間で成果に繋がるUGCを戦略的かつ継続的に生成する取り組みを後押しします。

【特徴】

  • Instagramの投稿や商品購入者レビューなどのUGCを生成・収集
  • UGCの最適化と活用
  • 顧客獲得効率の最大化を支援
  • UGC生成から最適化の“運用サイクル”で売上向上

ビジネスの成果につながる動画コマースを実現させよう

昨今のECサイトにとって、動画活用は欠かせない施策となっています。
強力な情報伝達力を発揮する動画は、生活者購入意欲を刺激し、サイトの滞在時間を伸ばす効果があり、競合他社と差別化を図るための強力なツールとしての役割を果たします。

コスト面・工数面ともに、効率の良い運用を実現するためには、動画制作ツールや、UGCツールを活用してインハウスで取り組むことを推奨します。

動画コマース成功のポイントや留意点をしっかりと押さえ、最適なツールを活用して、ビジネスの成果を最大化しましょう。

この記事の著者

景山 真理

景山 真理

フリーランスのライター。EC店舗、タウン情報誌制作会社、マーケティング支援企業などへの勤務経験を経て、Webメディア・紙媒体で活動しています。専門領域はデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、ECのセールスメルマガ、デジタルトランスフォーメーション。
Website:Mari Kageyama Writing Works

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