Instagramキャンペーン事例7選

企業が実施するInstagramキャンペーンに関して「企画・運営のミッションを担っているけれど、何から手をつけてよいのかわからない」「キャンペーンを既に実施しているけれど、今後にもっと成果を伸ばしていきたい」といった悩みを抱える担当者も多いのではないでしょうか?

この記事では、企業が実施するInstagramキャンペーンについて、成功のコツや最新事例、注意点を解説します。Instagramの規約上、やってはいけないポイントもわかりやすくお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

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企業によるInstagramキャンペーンとは

Instagramキャンペーンとは、企業がInstagram上で行うプロモーション施策の一つです。

ユーザーには「いいね」をする、コメントを投稿する、指定のハッシュタグを付けて投稿するなどの応募条件が設けられています。そのようなユーザーのアクションを基に、応募者を特定し、抽選を行います。

当選者にはダイレクトメッセージ(DM)を用いて、当選の連絡が行われるのが一般的な流れとなっています。

企業がInstagramキャンペーンを実施するべき理由

アライドアーキテクツが2022年1月に実施した全国の16〜59歳の男女1102名を対象としたアンケート調査から、Instagramに関する興味深いデータが明らかになりました。

まず、生活者が企業のSNSアカウントを閲覧・フォローするきっかけとして、キャンペーンとの接触が最も多いことが判明しました。特にInstagramでは45.1%という高い数値が示されています。

さらに、日頃から商品やサービス情報の検索・取得にInstagramを利用している人が44.8%もいることがわかりました。

また、企業のSNSアカウントは、購入や来店のきっかけとして大きな役割を果たしています。全体の約7〜8割の方が、SNSアカウントが購入や来店のきっかけとなった経験があると答えています。

これらのデータは、企業がInstagramキャンペーンを実施する多くのメリットを示唆していると言えるでしょう。具体的なメリットとして、以下5点が挙げられます。

(1)SNS上で生活者と接点が生まれる

キャンペーンを実施することで、これまで接点がなかった生活者との新しい接触のチャンスが増えます。

魅力的なクリエイティブでプレゼントキャンペーンを告知し、投稿すると、そのプレゼントがフックとなり、Instagram上で多くの生活者の注目を集めやすくなります。

最近のInstagramは、「おすすめ」コンテンツがユーザーの閲覧履歴や行動に基づいてタイムラインや「発見タブ」に表示される仕様になっています。

そのため、必ずしもフォロー関係になくても、懸賞情報を普段からSNSでよくチェックするユーザーには、投稿が目に留まりやすくなるでしょう。

(2)認知拡大

キャンペーンを通じて生活者との接点を持つことができれば、その後は自社のInstagramアカウントで商品やサービスの情報を継続的に発信することで、日常的に生活者へのアピールが可能になります。

これまで自社や商品・サービスを知らなかったユーザーからも認知を獲得することができ、ブランドや商品への関心を高め、接触頻度の増加が期待できます。

(3)来店・購買のきっかけを作れる

生活者に常に認知してもらい、思い出してもらえる機会が増えることで、自然と商品・サービスへの関心を高めることができます。

興味を持ってもらったり、好意・親しみを感じてもらうことで、来店や購入のきっかけとなる可能性が高まるでしょう。

(4)エンゲージメントを高め、Instagram上でリーチを増やせる

Instagramで投稿のリーチ数を高めるためには、いいねやコメントをたくさんもらうことが重要です。しかし、フォロワー一人一人と会話を深める取り組みには時間も人手も必要で、多くの企業にとってはアカウント運用の負荷が増大してしまいます。

そこで、「いいね」や「コメント投稿」を条件にしたキャンペーンを行うと、たくさんのフォロワーと簡単にコミュニケーションできるようになります。

その結果として投稿のエンゲージメントが高まり、Instagram上でリーチ拡大を図ることが可能です。

(5)UGCを増やすことができる

Instagramでユーザーが、あなたの会社の商品・サービスについて写真投稿を行うと、その投稿を二次利用できたり(例:ECサイトやチラシ、POPへの掲載など。ただし投稿者の許諾必須)、投稿者のフォロワーに商品を知ってもらえるメリットがあります。

写真投稿を条件にしたキャンペーンを実施することで、より多くのユーザーからの投稿、すなわちUGC獲得を望むことができます。

Instagramキャンペーンの種類

Instagramキャンペーンには大きく分けて、以下4種類のキャンペーン形式があります。

キャンペーン手法 いいね
キャンペーン
コメント
キャンペーン
ハッシュタグ
キャンペーン
インスタント
ウィン
キャンペーン
よくある参加方法 フォロー&いいね フォロー&コメント フォロー&
ハッシュタグ投稿
+@メンション
フォロー&
ハッシュタグ投稿
+インスタントウィン
主なターゲット 新規客 既存/新規客 既存客 既存/新規客
参加ハードル
フォロワー獲得
フォロワーの質
UGC獲得 ×
運用負荷

フォロー&いいね

特徴 参加のハードルが低い、フォロワーの規模を拡大しやすい。
メリット 多くのユーザーが参加しやすい。
デメリット フォロワー数は増えやすいが、ターゲット外のユーザーでブランドそのものへの関心が低いフォロワーが多くなると、エンゲージメント率が下がる可能性あり。その結果、リーチが伸びない場合も考えられる。

フォロー&コメント

特徴 参加ハードルが低すぎず、高すぎず、バランスの良い施策。
メリット エンゲージメントの高いユーザーと繋がることができ、コメントから顧客の声を収集可能。
デメリット 参加ハードルがあるので、「フォロー&いいねキャンペーン」と比較してフォロワーの獲得数はやや減る。写真・動画などのメディアコンテンツは集められない。

フォロー&ハッシュタグ

特徴 写真投稿が必要であるため、参加ハードルが高い。
メリット 既存顧客からのUGCを集めやすい。
デメリット ハードルが高くて応募数が少なくなる可能性があるため、告知チャネルを増やすなど、キャンペーン告知の工夫が必要。

インスタントウィン

特徴 インスタントウィンのシステム(外部ツール)を取り入れて連携させることで、当選がすぐに分かる。
メリット ユーザーにとって気軽に参加しやすい。インスタントウィンキャンペーンはTwitterやLINEでも人気の施策である。
デメリット 別途、インスタントウィンのシステムを導入する必要あり。Instagramでのインスタントウィンキャンペーンの実績はまだ少ないが、今後増える可能性あり。

Instagramキャンペーン企画の際に知っておきたい規約と禁止事項

Instagramキャンペーンで「やってはいけないこと」について理解しましょう。

「Instagramコミュニティガイドライン」を理解しよう

2023年8月29日時点で、Instagramのコミュニティガイドラインには次のように明記されています。

「いいね!」やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、現金や現金同等物の提供を申し出たりしないでください。誤解を招く偽のユーザーレビューや評価の提供、勧誘、取引に関与したり、これらの行為を促進、奨励、助長、承認したりするようなコンテンツを投稿しないでください。
[引用元]コミュニティガイドライン

この中で注目すべきポイントは、「『いいね!』やフォロー、コメントを含むやり取りの見返りに、現金や現金同等物の提供申し出たりしないでください」という箇所です。

企業がキャンペーン企画の際に留意すべきポイント

現金・金券・現金同等物を景品にするのは避ける

現金や金券(図書カード、ギフトカードなど)、現金同等物を景品として選ぶのは避けましょう。コミュニティガイドラインに抵触する可能性があります。景品としては、自社の商品や、自社ブランドと関連のある商品がおすすめです。他社の商品でも問題ありませんが、Instagramコミュニティガイドラインを遵守できる範囲内(多様なオーディエンスに配慮し、有害なコンテンツに該当しないもの)で選ぶようにしましょう。

Instagram上でのやり取りの見返りと言える形式は避ける

Instagramでは、「いいね!」、フォロー、シェアといったエンゲージメントを人為的に集める行為を禁じており、そのような関わりと引き換えに直接的に現金や現金同等物で対価を与えることはNGです。

一方で、プロモーションにおいては抽選や選考形式でのインセンティブの付与が認められていますが、特に「関わりの見返り」であると捉えられる「Instagram上で〇〇した方に全員プレゼント」のような形式は、プロモーションにおいてもこのガイドラインに抵触する可能性があると考えられるため、避けるようにしましょう。

【2023年最新】Instagramキャンペーン事例

最新のInstagramキャンペーン事例を紹介します。

フォロー&いいね

サンスター健康道場

敬老の日をテーマにした「敬老の日に大切な方へ健康を贈ろう」というキャンペーンです。このキャンペーンの目的は、感謝の気持ちを伝えることです。提供される健康道場バラエティセットには、4種類の野菜・果物ジュースが含まれており、健康習慣をサポートする商品の詰め合わせとなっています。

・参加条件
1.サンスター健康道場のInstagramまたはTwitterアカウントをフォローする。
2.サンスター健康道場のInstagram投稿に「いいね!」するか、Twitter投稿を「リツイート」する。

敬老の日のような、季節のイベントをテーマにしたキャンペーンは、多くのユーザーからの共感を引き出しやすいと言えます。健康に関連する商品を提供することは、ブランドのイメージを向上させ、信頼性を高める効果があります。さらに、参加条件がシンプルであるため、多くのユーザーが気軽にキャンペーンに参加することができます。

キリンビール

キリンビール

「フォロー&いいねキャンペーン」として、抽選で30名に限定醸造の新商品「SPRING VALLEY」を含む3種飲み比べ6缶セットが当たる企画を実施しました。

・参加条件
1.@kirin_brewery をフォローする。
2.この投稿に「いいね」をする。
3.20歳以上で日本国内在住の方のみ応募可能。

キリンビールは、新商品の「SPRING VALLEY サマークラフトエール<香>」のプロモーションの一環で、このキャンペーンを実施。
Instagramのフォローといいねを活用して、ブランドの認知度を高めるとともに、新商品の試飲の機会を提供しています。
限定醸造の新商品を中心に、他の人気商品との飲み比べセットを提供することで、消費者の興味を引きつけようという試みです。

フォロー&コメント

キッズリパブリック(イオン)

フォロー&コメントで抽選で3名にベビーカーをプレゼントするキャンペーンです。

・参加条件
1.キッズリパブリック公式Instagramアカウント【 @kidsrepublic_jp 】をフォローする。
2.投稿に「いいね」をする。
3.質問『ベビーカーを選ぶ決め手はなんですか?』に対して、番号でコメントする。

ベビーカーという賞品は、子育て中のママやこれから出産を迎えるママたちに大変魅力的です。参加条件がシンプルなため、多くのユーザーが気軽にキャンペーンに参加できます。ユーザーはコメント欄に番号を書き込むだけで自分の意見(ベビーカーを選ぶ決め手)をブランドに伝えられます。参加ハードルができるだけ低くなるよう、工夫された事例だと言えるでしょう。

ミサワホーム

『みんなで決めるオーナーさま愛称CP』として、ミサワホーム住宅のユーザーの愛称募集を実施しました。
人気の調理家電(マルチスチームホットプレート)を抽選で5名にプレゼントする、という企画です。

・参加条件
1.ミサワホーム公式アカウント【 @misawahomes 】をフォローする。
2.@misawahomes の投稿に「絵文字(ハート/クローバー/星)」のいずれかをコメントで応募。
3.DMを受け取れる設定になっていること。
4.Instagramアカウントを非公開設定している場合は応募対象外。
5.当選者には、DMでお知らせ、商品のお届け先情報を聞く。
6.賞品のお届けは日本国内のみ。

住宅オーナーの愛称を決めるキャンペーンを通じて、ブランドとオーナーとの絆を深める試みです。
人気の調理家電をプレゼントとして提供することで、多くのフォロワーの参加を促しています。
コメント欄に絵文字を投稿することで、どの愛称案を支持するか簡単に意思表示できるような工夫が凝らされており、参加者にとってわかりやすい応募方法だと言えるでしょう。

フォロー&ハッシュタグ

ロート製薬

「#ロートコスメ部」ハッシュタグ投稿キャンペーンの第2弾として実施されたものです。第1弾の成功を受けての続編とのこと。このキャンペーンでは、ロート製薬の商品が抽選で3名にプレゼントされます。

・参加条件
1.ロート製薬公式Instagramアカウント【 @rohto_official 】をフォロー。
2.「#ロートコスメ部」のハッシュタグを付けて、ロート製薬の商品を投稿。
3.Instagramの設定を「公開」にする。

ハッシュタグを使って写真投稿を募ることから、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を集める意図が明確に伺えます。ユーザーが自らの購入・愛用商品を投稿するアクションは、その商品への関心や愛着をさらに深める効果があると言えます。

ただし、「非公開アカウント(鍵アカウント)」からの投稿はInstagram上で広がりにくい(非公開アカウントのフォロワーしか閲覧できない)ため、キャンペーン参加を希望するユーザーには「公開アカウント」への切り替えを呼びかけています。

とちぎきぶん(運営:栃木県)

「#とちぎきぶん」キャンペーンと題して、栃木を楽しんでいる瞬間の写真投稿でプレゼントが当たる企画です。
プレゼントとテーマが毎月変わります。

・参加条件
1.@tochigi_kibunをフォロー。
2.ご自身のアカウントで、栃木に関連する写真を「#とちぎきぶん」をつけてアップロード。
3.「#とちぎのグルメ」も入れて投稿すると、当選確率アップ。
4.応募は、日本国内にお住まいの方に限る。
5.キャンペーン期間中は何回でも応募可能だが、賞品は1人1点まで。

栃木県が運営するInstagramアカウント「とちぎきぶん」は、県民や訪問者に栃木の魅力を再認識してもらうためのキャンペーンを実施しています。
写真投稿を通じて、栃木の魅力や日常の楽しみを共有することで、UGCを通して地域の魅力を広める試みをしています。
毎月異なるテーマやプレゼントを提供することで、参加者の興味を持続的に引きつけ、キャンペーンの活性化を図っています。

インスタントウィン

ほっかほっか亭

オードブル詰め合わせ「キッズトリオ」を1点無料で獲得できるクーポンが、100名にその場で当たるインスタントウィンキャンペーンです。

・参加条件
1.ほっかほっか亭公式Instagramアカウント【 @hokkahokka_tei 】をフォロー。
2.「#キッズトリオ」のハッシュタグを付けて投稿。
3.Instagramの設定を「公開」にする。
4.プロフィール欄のリンクをタップし、Instagramログイン後に抽選。
5.当選するとシリアルコードが表示され、それを「ほっかアプリ」で入力してクーポンを獲得。

オードブルセットの引換券(クーポン)という賞品は、多くのユーザーにとって魅力的でしょう。ハッシュタグ投稿も参加条件に含めていて、UGC(ユーザー生成コンテンツ)の獲得を目指していることが伺えます。さらに、参加してその場ですぐ抽選結果が分かる「インスタントウィン」形式は、ユーザーの参加ハードルを下げ、参加する楽しさも提供する要素となっています。

Instagramキャンペーンの成果を伸ばす工夫

Instagramキャンペーンの成果を伸ばすためのポイントを解説します。

KPI・KGIを決める

キャンペーンの目的を明確にするためには、KPI(Key Performance Indicator)とKGI(Key Goal Indicator)を設定することが重要です。
たとえば「いいね数」「コメント数」「ハッシュタグ投稿数」「新規フォロワー獲得数」などが考えられるでしょう。
これにより、キャンペーンの成果(ユーザーの関心度)を定量的に評価することができます。

集客チャネルを増やす

Instagram上で告知して終わりではなく、さまざまな集客チャネルを活用することで、より多くのユーザーにアプローチすることができます。
大手メーカーの場合には、食品や飲料などの商品パッケージにキャンペーン実施について表示している事例も見受けられます。
他には、自社ウェブサイトや店頭POP、ポスターなどを活用することで、Instagram以外からも集客することが可能です。

投稿クリエイティブの工夫

​​投稿の内容やデザインを工夫することで、ユーザーの注目を引きつけることができます。
また、季節やトレンドに合わせた投稿をすることで、より多くのユーザーの関心を引くことができます。

応募者とコミュニケーションをとる

キャンペーンに参加したユーザーとのコミュニケーションを大切にすることで、ブランドのファンを増やすことができます。
例えば、コメントやメッセージでのやり取りを通じて、ユーザーとの関係をダイレクトに深めることができ、一方通行ではない、双方向のコミュニケーションが実現します。

購入・来店につながる仕組みを考える

キャンペーンを成功させるためには、ユーザーが商品を手に取るか、店舗を訪れるインセンティブを提供することも鍵となります。このアプローチにより、キャンペーンの効果を直接的な売上へと変換することが可能です。

たとえば、ほっかほっか亭のインスタントウィンキャンペーンが好例だと言えるでしょう。キャンペーンでクーポンを提供し、当選者がそのクーポンを利用するために店舗を訪れるような仕組みを取り入れることで、来店率を高めることができます。

定期的に実施する

キャンペーンを定期的に行うことは、ブランドの認知度を向上させるだけでなく、ユーザーとの関係を強化する手段としても効果的です。一度のキャンペーンで終わってしまうと、その後のユーザーとの接触機会が減少し、ブランドの印象が薄れてしまう可能性があります。継続的なキャンペーン実施により、ユーザーとの関係を持続的に保ち、ブランドの存在感を維持することが重要です。

施策を継続的に運用するためのポイント

Instagramキャンペーンの成功のために、まずは企画を実施する企業自体がキャンペーンの意義をしっかりと理解することが大切です。

さらに、Instagramのコミュニティガイドラインを把握し、それに基づいて企画を進めることが必要です。

重要なのは、一度のキャンペーンで終わらせず、継続的に取り組むこと。KPIを設定し、PDCAサイクルを回しながら、来店や購入に繋がる戦略を継続的に考えることが求められます。

限られたリソースの中で効率的に運用を続けるためには、インスタントウィンやUGC収集ツール、動画編集ツールなどの便利なツールの活用も考慮すると良いでしょう。各種ツールの力を借りることで、少ない人手でも、負担を軽減しながらキャンペーンを継続的に行うことができますので、ぜひ検討してみてください。

この記事の著者

景山 真理

景山 真理

フリーランスのライター。EC店舗、タウン情報誌制作会社、マーケティング支援企業などへの勤務経験を経て、Webメディア・紙媒体で活動しています。専門領域はデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、ECのセールスメルマガ、デジタルトランスフォーメーション。
Website:Mari Kageyama Writing Works

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