LINE広告 いろは

日本国内の月間MAU数8,900万人、日本の人口の77%以上(※)が利用している日本最大級のコミュニケーションアプリLINE。そんなLINEアプリや派生サービスに広告を配信することができるのがLINE広告です。

今回は「LINE広告を活用してみたい!」「活用しているけれどよく分からない!」そんな広告ご担当者様に、LINE広告の特徴と概要、そして運用改善の鍵を握る「動画クリエイティブ」についてご紹介していきます。

※)参考:LINE Business Guide 2022年1月-6月期|LINE株式会社

圧倒的なリーチ力が特徴のLINE広告

LINE広告の大きな特徴、それは何と言ってもリーチ力の高さです。

LINEの国内MAU数は8,900万人。日本の人口の約7割に当たるユーザーを抱えています。さらにアプリの利用率も非常に高く、どの世代をみても6割以上のユーザーが毎日サービスを利用していると答えています(※1)。

LINE MAU DAU
画像引用:LINE Business Guide 2022年月1月-6月期|LINE株式会社

ユーザー層のカバー率の高さも特徴です。特に40歳以上のユーザーも多く、幅広い商品・サービスの訴求のターゲットユーザーにリーチできる媒体だと言えます。

LINE デモグラフィック
画像引用:LINE Business Guide 2022年1月-6月期|LINE株式会社

また近年は若年層を中心に、インターネットの利用をスマートフォンのみで行う傾向があります。その結果、デジタル上のマーケティング施策を実施する上で、スマートフォンを介してのみ接触できるユーザーが増えているのです。

アクティブな利用者 LINE
画像引用:LINE Business Guide 2022年1月-6月期|LINE株式会社

こうした状況の中でも、LINEはその存在感を発揮しています。2021年7月にマクロミルが実施したインターネット調査では、80%以上の回答者が普段スマートフォンで利用しているサービスとしてLINEを挙げています。 中には、スマートフォンでLINEのみを利用していると回答しているユーザーもおり、LINEでのみ接触が可能なユーザーが存在することがうかがえます。

利用しているSNS
画像引用:LINE Business Guide 2022年1月-6月期|LINE株式会社

これらのデータからみても、LINE広告の最大の魅力は国内ユーザーに対してのリーチ力の高さだと言えます。

LINE広告を構成する3つの要素

LINE広告は「広告配信面」「クリエイティブ」「広告配信機能」の3つの要素から成り立っており、それぞれの掛け合わせによって目的に応じた広告施策を行うことができます。

ⅰ)広告配信面

LINE広告では、LINEアプリ及び、そこから派生したLINE NEWSやLINEマンガ、LINE BLOGなどのファミリーアプリに広告を配信することができます。

2022年1月現在、配信先は以下の11種類です。
・トークリスト
・LINE NEWS
・LINE VOOM
・ウォレット
・LINEマンガ
・LINE BLOG
・LINEポイントクラブ
・LINEショッピング
・LINEチラシ
・LINEマイカード
・LINE広告ネットワーク

LINE広告 配信先
LINE広告の広告配信面の掲載イメージ
画像参照:LINE広告|LINE for Businessの画像よりアライドアーキテクツが作成

LINEは提供サービスが多岐に渡るため、ユーザー層や広告接触態度が配信面ごとに異なるという特徴があります。

例えば、「トークリスト」は、LINEアプリ内で最もアクティブ率が高いトーク画面の最上部に広告が表示されるため、大規模なプロモーションに最適です。

さらに、LINE NEWSのユーザーは購入意欲が高くインフルエンサー要素を持ち合わせているという特性があるため、新商品の発売情報や即時性のあるコンテンツとの相性が良いと言われています。

LINE NEWSのユーザー
画像引用:LINE Business Guide 2020年月7月-12月期|LINE株式会社

また、LINE広告ネットワークは、LINEのもつオーディエンスデータを活用し、LINEが提携している3rd partyアプリへの広告配信を行うものです。 LINE広告ネットワーク内の重複をのぞいたユーザーに、大規模で多種多様な広告配信をすることが可能です。

LINE広告ネットワークのイメージ
LINE広告ネットワークの特徴
画像引用:画像引用:LINE Business Guide 2020年1月-6月期|LINE株式会社

ⅱ)クリエイティブ

LINE Ads Platfromでは配信面によって対応可能なクリエイティブフォーマットが異なります。2022年1月現在使われている広告クリエイティブのフォーマットは、以下の5つです。

・Card(動画、静止画)
・Square(動画、静止画)
・Vertical(動画)
・Carousel(静止画)
・Small Image(静止画)


中でも、配信面の対応幅が広い「Card」「Square」はぜひおさえておきたいフォーマットです。

「Card」「Square」
長方形クリエイティブである、「Card」と、正方形クリエイティブである「Square」はLINE広告の中でも対応配信面が多く、オーソドックスなクリエイティブフォーマットである。
画像引用: LINE Business Guide 2020年7月-12月期

広告の仕様は日々変更される可能性があります。クリエイティブ制作にとりかかる前に、都度確認をすることが大切です。

クリエイティブごとの配信面一覧
クリエイティブごとの配信面一覧。配信仕様は変更することもあるので都度確認が必要。
参照: LINE Business Guide 2022年1〜6月期版を元にアライドアーキテクツが作成

ⅲ)広告配信機能

広告のキャンペーン目的やターゲティングの設定など、適切な広告配信を行うためにあるのが「広告配信機能」です。

<キャンペーン目的>
広告によってどんな効果をもたらしたいのか、その目的にあたるものが「キャンペーン目的」です。
LINE広告では複数のキャンペーン目的から施策に最適なものを選ぶことができます。

まず、指定のウェブサイトへのアクセスを増やしたい場合に使うのが「ウェブサイトへの遷移」。例えば、新商品やサービスの認知獲得や、販促キャンペーンの集客に使われます。

遷移させた指定のウェブサイトにて特定のアクションを促すために使うのは「ウェブサイトのコンバージョン」です。ECサイトでの商品購入や、商品トライアルの申し込み、会員登録の促進などダイレクト型の施策の場合に使われるキャンペーン目的です。

広告で扱う商材がアプリである場合は、「アプリのダウンロード」「アプリのエンゲージメント」の2種類のキャンペーン目的があります。「ダウンロード」は新規のアプリダウンロード数を増やしたい場合。「エンゲージメント」はすでにアプリを利用しているユーザーに対して、起動回数を増やしたい場合に使うことができます。

また、LINEに特化したものとして、LINEの公式アカウントの「友だち追加」目的の配信、そのほか「動画の再生」「商品フィードからの購入」を目的とした広告配信も可能です。

<ターゲティング>
そして、広告を誰に配信するのか=ターゲティングの設定も欠かせません

LINE Ads Platformのターゲティングでメインとなるのは「デモグラフィックターゲティング」「オーディエンスターゲティング」の2つです。

デモグラフィックターゲティングとは、ユーザーがLINEに登録した情報や、LINE内での行動によって得られたデータを元にターゲティングする方法です。
広告の対象となるユーザーの属性や興味について仮説をたて、その仮説に沿ったターゲティングを実施することで広告効率を高めることができます。

それに対してオーディエンスターゲティングは、広告主の持つウェブやアプリでの行動データなどを紐づけてターゲティングを行う方法です。 「商品の購買データ」、「ウェブのトラフィック」、「モバイルアプリイベント」、「LINEアカウントの友だち」などのデータを基に広告を配信することができます。 オーディエンスデータから、類似するLINEユーザーを新たに探し出して配信する類似拡張配信も可能です。

オーディエンスデータをもとにターゲティングを行なった配信例
オーディエンスデータをもとにターゲティングを行なった配信例。
画像引用: クロスターゲティング|LINE DATE SOLUTION

クロスターゲティングで広がる広告活用施策

LINE社では現在、LINEの各サービスから得られたデータを横断的に活用する「クロスプラットフォーム構想」を推し進めています。 この構想の1つとしてLINE広告で提供が開始された機能が「クロスターゲティング」です(※2)。

クロスターゲティングを使えば、LINE公式アカウントでのユーザーのアクションデータや、LINEポイントADで取得したデータをもとに、LINE広告のターゲティング配信ができます。

具体的には、LINE公式アカウントのメッセージ未開封ユーザーに絞って広告を配信し、効率的にリーチを広げることができます。
また、自社のLINEアカウントとECサイトとのID連携を行なっている場合には、購入金額や頻度の高いユーザーデータから類似拡張を行い、より購入可能性が高いユーザーへの広告配信も可能です。

このようなサービスを横断したデータ活用は、LINEというプラットフォームの特性を活かし、LINE広告施策の可能性を広げていくものだと言えるでしょう。

成果をあげるLINE広告施策に欠かせないのは「クリエイティブ」

では、LINE広告を活用し、施策効果を高めて行くためにはどうすれば良いのでしょうか。その重要な要素の1つとなるのが「クリエイティブ」です。

例えば、どれだけ商品に適したターゲティングの設定や効果的な配信面での広告配信を行なっても、クリエイティブが魅力的でなければ、その先のユーザーのアクションに結びつけることは難しくなります。

つまり、広告施策を成功に導くうえで、良質なクリエイティブの制作は避けて通れない道だと言えます。
LINE広告における効果的なクリエイティブ制作のポイントは以下の通りです。

ⅰ)モバイルサイズを意識したクリエイティブにする

LINEやLINE各種ファミリーサービスは、いずれもスマートフォンで利用されるアプリです。そのため、スマートフォンの小さな画面の中でもユーザーの目を引くような「視認性の高い」デザインやレイアウトにすることが重要です。

ⅱ)配信面の特徴をおさえて複数パターンを制作する

LINE広告には前述の通り9つの配信面がありますが、どれか特定の面を選んで配信することはできません。また、配信面ごとにクリエイティブの対応サイズも異なりますし、ユーザー属性にも違いがあります。 そのためそれぞれの配信面の特徴をおさえ、複数のサイズ・訴求軸のクリエイティブを用意することが必要です。

ⅲ)効果検証に基づき、クリエイティブ数を確保する

また運用型広告では、クリエイティブは日々の成果を見ながらブラッシュアップしていくことが大切です。LINE広告においてもこれは例外ではなく、配信面ごとの特徴を抑えたクリエイティブを制作しながら、都度クリエイティブ改善にも取り組んでいきましょう。

これからのLINE広告、成功の鍵をにぎる「「カジュアル動画」

デジタルマーケティングで近年注目されているのが、動画を活用したマーケティング施策です。

動画を活用したマーケティング施策の基礎から成功ポイントまでじっくり解説
動画マーケティングとは?基本から成功ポイントまでを徹底解説【事例あり】

LINE広告でも、ほぼ全ての配信面で動画をクリエイティブとして利用することができ、動画フォーマットの活用をLINE社も推奨しています。

動画クリエイティブには視認性が高い、LINE広告の配信面の中でも大きめの枠に表示される可能性が高いといったメリットがあります。一方で、制作コストや時間がかかるといったデメリットもあります。

こうしたメリットやデメリットを踏まえ、いま徐々に注目を集めているのが「カジュアル動画」です。

カジュアル動画とは、クラウドサービスやツールを活用して手軽に作ることができる動画クリエイティブのことです。
インハウスで制作できることから、制作コストや時間のカットにもつながり、クリエイティブの量産が必要な運用型広告においても活用可能性が高いと言えます

しかし、カジュアル動画が注目なのはこうしたコスト面の理由からだけではありません。カジュアル動画に注目すべき1番大きな理由は「メディアに馴染む」クリエイティブであることです。

LINE広告は、スマートフォン上で接触するものです。よって先に述べた通り、ユーザーがスマートフォン上でその広告をみるという点を加味したクリエイティブにしなくてはいけません。

このユーザーの接触態度という点から考えると、自分たちで撮影したような動画を共有しあうようなLINEというメッセージングアプリにおいて、テレビCMのようなリッチな動画クリエイティブはユーザーの違和感を作り出してしまう可能性があります。

つまり、LINE広告においては、テレビCMのようなリッチな動画クリエイティブよりも、ユーザーにとってより自然なカジュアル動画の方が効果が高いと言えるでしょう。

メディアに馴染み、かつ手軽にクリエイティブの量を確保し、改善が回しやすい、「カジュアル動画」はまさにLINEをはじめとしたSNS広告にはうってつけの動画クリエイティブなのです。

カジュアル動画の価値とその施策の可能性についてのインタビューはこちらからどうぞ
コスト削減だけではない!手軽に作れる「カジュアル動画」を活用すべき本当の理由

いかがでしたか?今回はLINE広告施策について最新の媒体情報をもとにその基本をおさらいしてきました。メディアの機能や仕様は日々アップデートされますので、定期的にチェックしていきたいですね。

また、ユーザーに対する違和感が少なく、視認性も高く、比較的クリエイティブの量産も可能な「カジュアル動画」は、今後LINE広告クリエイティブにおいてもますます注目されるクリエイティブになりそうです。LINE広告とあわせて、カジュアル動画を活用した施策にもぜひご注目ください!