日頃の業務で何気なく使っている専門用語。でもその言葉の意味、ちゃんと理解して使っていますか?
ソーシャルメディアマーケティングラボが、なんとなく分かっているつもりでも、実はよくわからなくて「もやもや」している?!今さら人に聞くのはちょっと恥ずかしい、ウェブマーケティング用語を分かりやすく解説します。
用語説明
SMO(Social Media Optimizaton)/ソーシャルメディア最適化
Webサイトのアクセス向上策の一つで、ブログや掲示板(BBS)、SNSといったユーザが情報を発信するサイト等、ソーシャルメディア全般での認知度や評判を高め、サイトへのアクセスや評価を向上させること。Ogilvy Public Relations社のRohit Bhargava氏が2006年に同社のブログにおいて提唱した。
クチコミ重視時代のマーケティングで重要度を増す「SMO」対策
何か商品・サービスを購入しようとしたときに、多くの人がインターネットの「検索エンジン」サービスを利用しますが、その際に、企業の公式サイトだけでなく、ブログや掲示板、SNS等での一般ユーザーによる「クチコミ情報」をあわせて見る行動が当たり前となっていることは周知の事実です。
それにより、検索エンジン対策を考える際に、ただ単純に「SEO(=Search Engine Optimization)」対策によって自社サイト情報ができるだけ検索結果上位に表示されるよう工夫するだけでなく、自社の情報がユーザーによりソーシャルメディア上でどのように語られているか、またそれがユーザーに「どのような形で見えているか」、「検索エンジンで検索した際にどのような形でヒットするか」等を考えることが大変重要となっています。
キーワードで検索した際に、公式の情報だけでなく、多くの良質なクチコミ記事がヒットすれば、間違いなく購入への後押しになるでしょう。その一方で、まったくクチコミ情報が出てこなかったり、ネガティブなクチコミ情報ばかり出てくる場合は、購入意向を下げる結果につながります。
また、ここ数年のFacebookやTwitterの普及に伴い、検索エンジン等で自主的に情報を取りにいくだけでなく、友達から受動的に情報がもたらされ、それにより様々な価値判断を行う機会も大きく増えています。
自社が様々なソーシャルメディアにおいてどう語られているかをきちんとモニタリングし対策すること、つまりSMOは、クチコミ重視時代のマーケティングにおいて非常に重要であると言えます。
「SMO」=「クチコミをコントロールすること」ではない!
この点に着目し、関係性を明示せず、裏でお金を支払って良いクチコミ記事を書いてもらう等のいわゆる「ステルス・マーケティング」が社会的な問題になりました。
本来SMOとは、「意図的によいクチコミを増やすよう対策すること」ではなく、「自然にクチコミしてもらえるよう、適切に対策すること」です。そのためには、まずはユーザーとの真摯なコミュニケーション・対話を実施し、自社が「情報の発信者」であるユーザーに信頼されること、共感されることが第一歩となります。
その上で、
- 自社サイト上で常に新しい情報発信をし、ユーザーのクチコミを促すこと
- 自社サイト上にソーシャルボタンを適切に配置し、シェアしやすい環境を整えること
- モニターキャンペーン等を開催し、関係性をきちんと明示したうえで、自社が話題となる戦略を立案し、実行すること
その意味でSMOとは、ただ単に「テクニカルな対策」を取ることを意味するのではなく、本来の自社の価値を見つめ直し、正しく発信していく努力を行う作業、また、改めて「ユーザーや消費者とのつながり」を問い直す作業であるとも言えるでしょう。
イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ