“ココカラファイン記事 OGP"

新型コロナウイルスの感染拡大により人々の生活様式や消費行動が大きく変化する中、企業の販促・プロモーション活動も大きくアップデートする必要に迫られています。各社はこの激動の変化の時代を、どのように乗り越えようとしているのでしょうか?

今回は、全国にドラッグストア・調剤薬局を展開する株式会社ココカラファインヘルスケア 取締役 ドラッグ事業本部 商品・店舗企画部 部長の森 志信氏に、コロナ禍による同社の販促・プロモーション戦略の変化と、今後力を入れていく施策についてインタビューしました。

※本記事は2021年3月16日(火)にアライドアーキテクツ株式会社が開催したセミナー「デジタル販促×SNS最前線#2 withコロナ時代の2021年にリテール・メーカーが挑戦するSNSを活用したデジタル販促戦略とは?」の内容を編集したものです。

2020年、コロナ禍により全国の店舗で売上に変化あり

-2020年、新型コロナウイルスの影響でココカラファインにはどのような変化がありましたか?

ココカラファインは日本全国にドラッグストア・調剤薬局を1,300店舗以上展開しております。新型コロナにより外出自粛やテレワークが推進されたことを受けて、都市型・駅前型・インバウンドに強い店舗での売上が苦戦した一方で、郊外・住宅型店舗の売上は好調に推移しました。

森 志信氏
株式会社ココカラファインヘルスケア 取締役 ドラッグ事業本部 商品・店舗企画部 部長 森 志信氏

また、巣ごもり需要からECの売上も増加しました。新規のお客様が増えたというよりも、今まで既存のお客様によるEC利用頻度が上がったことが特徴的でした。店舗側ではお客様の来店頻度が減少する代わりに、一回あたりの買い物単価が上がる変化が見られました。

店頭での接点が減少しても、いつもお客様の一番近くにいるために

-コロナ禍による生活者の変化を受けて、ココカラファインではどのような対応を行いましたか?

ココカラファインは、全国のドラッグストア・調剤薬局の拠点や介護事業を通じて、地域におけるヘルスケアのインフラになることを目指しております。

本来の私たちの強みは店頭にてお客様に直接リーチできることですが、コロナ禍によりお客様の来店頻度が減ることでコミュニケーション機会がどうしても少なくなってしまうことが課題でした。そのような中でも「どうしたらいつもお客様のそばにいる存在になれるだろうか?」と考え、さまざまな取り組みを行ってきました。

まず一つは、お客様がご自身の生活スタイルにあわせてオンライン、オフラインのいずれでも快適にお買い物いただけるインフラの整備です。お客様がネットでご購入いただいたものを全国どこの店頭でも受け取ることができるサービス「BOPIS」の拡大や、一部店舗へのAmazonの宅配ロッカー「Amazon hub」の設置、クックパッドマートの生鮮宅配ボックス「マートステーション」の設置を行い、ココカラファインの店舗においてECでお買い物した商品をお受け取りいただける環境を構築しました。特にココカラファインのECサイトで購入いただいた商品に関しては調剤含めて基本全店にて受け取ることができます。

また、販促プロモーション活動の面においては、お客様に直接リーチができるオウンドメディア、特に自社アプリ会員率の向上に注力しました。さらに、LINEやTwitterなどの媒体も活用し自社だけではタッチできないお客様との接点作りや、さまざまなメーカー様と一緒にキャンペーンをすることでより多くのお客様に私たちのことを知っていただき、来店いただく機会を作ることにもチャレンジしました。

“他メーカーとの共同施策”
ココカラファインが注力中のデジタル販促施策。アプリ会員率の向上に加えて、メーカーと共同でのLINEやTwitter施策にも取り組んでいる。

-お客様に直接リーチできる場所として、ココカラファインのSNSではどのような発信を行っていますか?

ココカラファインの公式Twitterアカウントでは、商品や店頭イベント情報の告知だけでなく、お客様の「ココカラファインへのイメージ」を醸成する場としてお悩み相談コンテンツや日々のヘルスケアに役立つ情報の提供もしております。また、リーチできる母数を増やすため、定期的にフォロー&リツイートキャンペーンも行っています。

SNSを通じて「物販」以外の場でもお客様と接点を持つことによって、「ココカラファインってこんなこともやっているんだ」と知っていただき、クチコミしていただける状況を創りだしていきたいと考えています。

メーカーとリテールが一緒に販促を

-ニューノーマル時代におけるココカラファインのこれからの展望を教えてください。

従来は店頭を起点に、お客様がご来店いただいてからレジでお買い物をしていただくまで、どの通路を通って、どこで足を止め、何をお買い上げいただくか、そのためのPOPやサイネージ、有線放送の最適化など店内での購買行動のPDCAに注力してきました。

現在はデジタルに注力しアプリ会員が増えるに連れて、来店されていないお客様に対しての行動も可視化が進んでおります。アプリ内のどの画面がいつ見られて、何を配信したらどのようなアクションが起きるのか、また逆に何は見られていないのか等まで分かるようになってきています。それによってお客様への買い物動機付けが24時間可能になり、究極はお客様一人一人に応じた販促が様々な角度で行うことができるようになります。

私たちはもともと個人のカウンセリングを得意としておりますので、今後はこうしたお客様の購買行動データも活用しながら、ニューノーマルでより多様化したお客様一人一人のライフスタイルに合うご提案をしていきたいですね。

“様々なチャネル”
ココカラファインのオンライン/オフラインのさまざまなチャネルを通じて、お客様が快適に楽しくお買いものいただける仕組みづくりに取り組んでいる。

また、これらの取り組みを私たちだけでなくメーカー様と共同して行っていきたいと考えています。メーカー様に、私たちが持つ自社アプリ、オウンドメディア、SNS、店頭などあらゆる場を活用いただき、少ない費用で確度の高い販促を一緒に行っていける仕組みを作っていきたいです。

その一つの施策として、2021年3月から、ココカラファインでは「echoes Coupon ドラッグストアサンプリング」を導入しました。こちらは、メーカー様がTwitterキャンペーンツール「echoes」を活用してTwitter上でのフォロー&リツイートキャンペーンを開催、その当選賞品をココカラファインの店頭で配布いただけるというものです。

メーカー様にとっては「ココカラファインの店頭をご利用いただくことで配送コストを削減できる」、ココカラファインにとっては「キャンペーン賞品の受け取りをきっかけに、お客様にご来店いただく機会が作れる」、またお客様にとっても「信頼できるメーカーからの当選賞品を、いつも利用している身近な店舗で好きな時に受け取ることができる」、三方よしの仕組みになっています。

“ドラッグストアサンプリング”

ココカラファインが導入 echoes Couponドラッグストアサンプリングの詳細はこちら
echoes Coupon ドラッグストアサンプリング

私たち小売は、お取引先であるメーカー様がいてこそ商売が成り立っています。これからも、こうした新しい仕組みや、私たちがオンライン、オフライン上に持つさまざまなお客様との接点を通じて、メーカー・小売が一緒に販促活動を行う機会を積極的に増やしていきたいです。そして、このようなアップデートした販促活動が、お客様にとっての新たな価値提供につながると信じています。