CPMの高騰や企業の広告施策をとりまく様々な法律規制の強化、生活者のニーズや行動様式の多様化など激しい変化の中で日々の業務にあたっているダイレクトマーケティング担当者。今回の記事では、そんな彼らが取り組む施策のうち、広告から遷移する「LP(ランディングページ)」への取り組みについてアンケート調査を実施。その実態についてご紹介します。
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「LPの最適化=LPO」が注目されている背景
LPO(=Landing Page Optimization)はその名の通り、広告からの遷移先であるLP(ランディングページ)を最適化する施策の総称。広告クリエイティブに対し、ターゲットにあった訴求軸で改善を加えていくように、広告から遷移するLPについても、ユーザーの特性やニーズに合わせて改善し、適切な形を目指すことを目的としています。
昨今の広告CPM/CPCの高騰に加え、2023年は景品表示法、薬機法などの法規制がより強化されたこともあり、広告クリエイティブ表現の差別化がますます厳しくなっています。こうしたことから、広告クリエイティブだけではなく、広告からの遷移先=LP(ランディングページ)の改善施策の重要性が高くなっており、LPOに取り組む企業が増加しているのです。
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LPO施策はインハウスで取り組むものの、「スキル不足」「打ち手の枯渇」に悩んでいる
そんなLPO施策ですが、アライドアーキテクツ株式会社の調査によると、「基本的にインハウスで進めている(37.4%)」「LP運用のパートナーはいるが社内でも運用をしている(22.6%)」と、インハウスで施策に取り組む企業が多いことが分かっています。
LPO施策をインハウスで取り組むことのメリットとしては、
- ノウハウを社内に蓄積することができる
- コストの削減
といったことが挙げられます。LPのインハウスで得られたノウハウを他の施策にも生かしていくなど、マーケティングの全体像の中で活用していくことができるのが最も大きな利点であると言えるでしょう。
一方で、LPO施策の課題として、「LPの運用・改善に必要なスキルをもつ人材が足りない(45.1%)」、「新たな改善の案が出ない、打ち手が枯渇している(30.6%)」という回答も見られています。
このことから、LP施策をインハウスで行っているものの、最適化施策においてはその人材やスキルの不足を感じていたり、改善施策が頭打ちになってしまっている閉塞感を覚えている担当者も少なくないようです。
今注力したいのは「ファーストビューの最適化」
そんな中、現在LPO施策に取り組んでいるマーケティング担当者が注力している「打ち手」にはどんなものがあるのでしょうか。
今回のアンケートによると、最も注目されているのは「ファーストビューの最適化(49.8%)」でした。
ファーストビューとは、広告からランディングして一番最初に目に入る場所を指す言葉です。広告を経由してLPに訪れたユーザーに対する第一印象となるもので、その範囲は訪れたページをスクロールすることなく表示される範囲となっています。
一般的に、ユーザーはサイトを訪れてから3秒で
- そのページが自分に関係のあるものか(ターゲットが適切か)
- 自分がそのページを読むメリットや利益(訴求に共感するか)
を判断している、と言われています。つまり、ページに来訪したユーザーをコンバージョンさせるためには、このファーストビューの関門をくぐり抜けることが大切なのです。
例えば最近では、ファーストビューに動画を活用することで、サイト来訪ユーザーの負担を減らしながら理解を促進させるといった工夫を行う企業もみられるようになっています。
このように、ファーストビューに一工夫を加え、ユーザーを効率的にコンバージョンまで導く施策はLPOの中でも基本的で大切な施策の一つなのです。
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LPを最適化するのに欠かせない「訴求磨き」
また、ファーストビューに続いて2番目に注力していると回答に上がったのは、「訴求の最適化(39.1%)」でした。
訴求内容はもちろんファーストビューにも関わってきますが、LP内において来訪ユーザーにメッセージを明確に伝え、説得力を持たせるコミュニケーションを行うことがコンバージョンを生むためには大切です。
こうした「訴求を磨いていく」ためには、どのようなことを意識していく必要があるのでしょうか。
「選ばれる」ブランド訴求の磨き方にするために、実践していることを教えてくださいという質問に対しては、「顧客アンケートや返送用はがき、コールセンターなどでお客様の声を取得している(45.1%)」という回答が最も多い結果となっています。また3位には「N1・グループのインタビューなどを実施して、深いお客様の声を取得している(25.5%)」も入ってきています。
前段で述べた通り、昨今は顧客とのコミュニケーションにおける他社との差別化がどんどん難しくなってきているという背景があります。
こうした差別化が難しい時代に、数多くある商品、ブランドの中から自分たちを選んでもらうためには、顧客に機能面だけでなくどのような価値・体験を提供できるかを正しく伝えることが大切です。
これはLPOの訴求磨きにおいても言えることであり、アンケートの結果の通り、実際の顧客の声に対する理解を深め、それをLPに反映させていくことでLP上における適切なコミュニケーションが実現できるようになり、顧客体験の向上につながります。そして、それが新規顧客の創出につながっていくのです。
今回はLPOについて実際の担当者のリアルな声をお届けしました。
ぜひ今後の施策にご参考ください。