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膨大な量の「モノ」が溢れる現代では、自分にとって必要な「モノ」を取捨選択することが求められます。そして、アライドアーキテクツの調査(※)によれば、自分にとって最適な「モノ」を購買する際に、UGC(User Generated Contents)は生活者に大きな影響を与えています。

(※)ニューノーマル時代、企業はSNSをどう活用すべき?「新型コロナがもたらした【新しい生活様式】における消費者のSNS利用実態調査」結果発表

これからの企業のSNSマーケティング活動において、「UGC」をいかに戦略的に生み出すかは大変大きなテーマです。そこで今回は、ハッシュタグを活用したX(Twitter)キャンペーン事例まとめ8選を中心に、X(Twitter)でUGCを生み出していく方法をまとめてご紹介します!

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大解剖Twitter×UGC~Twitterでのクチコミ影響度&クチコミが起きる理由を徹底調査~

Twitter上のUGCが生活者の購買行動にどれだけの影響を与えているのか、どんなUGCに心を動かされ、どんな時に自らUGCを投稿しようと思うのかについて、詳しく調査した結果はこちら

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X(Twitter)上でUGCを増やすことが大切な理由

冒頭でもお伝えしたように、企業のSNSマーケティング活動において、UGC生成は非常に大きなテーマになっています。また、そんな中でもUGC生成において重要なのは、生活者が最も頻繁に目にするSNSの一つといえるTwiter上でのUGC生成でしょう。

2020年7月にアライドアーキテクツ株式会社が実施した調査結果によると、最も利用頻度が高いSNSは?という設問において、 X(Twitter)(35%)はLINE(38%)に次ぐ2位でした。

また、ニューノーマル時代と言われる現代を生きる生活者の消費傾向として、70%がSNSを今後「商品やサービスに関する情報収集やクチコミの検索」の目的で、60%が「商品やサービスの申し込みや購買」の目的で使いたいとのことでした。なかでも、X(Twitter)・Instagramユーザーに、よりその傾向が高いことも明らかになっています。

したがって、X(Twitter)におけるUGCは、生活者の購買行動に大きく関与する重要なものであることがわかります。

X(Twitter)上でUGCを増やすための3つの手法

①ファンや既存顧客とのコミュニケーション

X(Twitter)上でUGCが生成されるためには、ユーザーが思わず話題にしたくなるような体験を企業が提供することが求められます。したがって根本的には、ユーザーに喜んでもらえるように、自社商品・サービスを磨いていく必要があるでしょう。

他部門との連携が可能な場合は、写真や動画を撮りたくなるような商品パッケージを開発する、店頭にフォトスポットを用意するなどの工夫で思わず話題にしたくなるような仕掛けを用意することも考えられます。

しかし、上記のように、商品・サービスを磨いていくだけで、生活者が投稿をするとは限りません。そこで、企業が生活者との接点の中で、UGC投稿を呼びかけていくことも大切です。店頭POP、商品の同梱物、メルマガ、公式SNSアカウントなどでユーザーに向かって呼びかけていく動きが求められます。

なお、投稿を呼びかけるだけでなく、投稿するハッシュタグを企業側が指定するなど、ユーザーにとって投稿までのハードルを下げるのも良いでしょう。

また、自社公式X(Twitter)アカウントを持っている場合は、特定のハッシュタグが付いた投稿の中から、素敵な投稿を企業の公式SNSアカウントで紹介することも有効です。

2020年10月に実施したアライドアーキテクツの調査によると、ユーザーの過半数(約57%)は、企業SNSアカウントによるUGCの紹介投稿、好意的に受け止める傾向があることもわかっており、積極的にファンとのコミュニケーション活動を増やしていくと良いと考えられます。

しかし、ユーザーの投稿を事前の許可なくむやみに引用したりしてはいけません。トラブルに発展してしまう可能性もありますので、事前に投稿者から許可を得るようにしましょう。

上記は他の手法に比べて、費用をかけずに着実にUGCを増やすことができるメリットがあります。しかしその一方で、UGC生成に時間がかかること、またユーザーに投稿してもらうための自社の工夫が欠かせないために人的リソース面がかかってしまう点がデメリットです。

②ハッシュタグキャンペーン

予算をかけられるようであれば、X(Twitter)でのハッシュタグ投稿を呼びかけるキャンペーンを開催することは非常に有効です。

キャンペーン開催期間中に、メディアへの露出やX(Twitter)広告・リツイートキャンペーンなども活用すれば、より多くの生活者がキャンペーンに参加することになり、短期間でX(Twitter)上に多くのUGC生成を見込むことができます。

多くのUGCを生み出すために必要な工夫としては、楽しみながら気軽に参加できる企画にする、キャンペーンの応募条件と当選商品(インセンティブ)を分かりやすくする、企業からの指定ハッシュタグの数を3つ程度に絞りわかりやすくする、記入ミスが起きないようにシンプルなハッシュタグにする(漢字やカタカナ・アルファベットを混ぜない等)、などが考えられます。

また、ステルスマーケティングにならないよう、応募条件(広告主との関係性を明示するハッシュタグを付けるなど)をきちんと定めることも、とても大切です。

▼ステルスマーケティングとは?をおさらいした記事はこちらから!
https://smmlab.jp/article/what-is-stealth-marketing/

キャンペーンは、UGCを数多く生み出せる手法ですが、その一方でキャンペーン企画・開催〜当選者選定・商品発送までの運用コストがかかります。その場合、キャンペーンツールを活用すれば、運用面でかかる工数を最大限に抑えながら、UGC数を最大化させることができます。

▼参考:X(Twitter)の持続・発展的な成果につなげる!X(Twitter)キャンペーンツール
echoes on Twitter(https://service.aainc.co.jp/product/echoes/

③インフルエンサー施策

一般生活者ではなく、既に知名度や影響力のあるインフルエンサーを起用し、商品に関する投稿を依頼することも有効です。影響力のあるUGCを短期間にたくさん生成することが可能になります。

ただし注意点としては、生活者が求めている情報は、企業目線ではない本当の感想です。UGCは闇雲に数を増やすことが重要なのではなく、信頼できる情報であるという点が非常に重要です。したがって、そのUGCが信頼されるためには、商品やサービスの感想が、インフルエンサー自身の、嘘のない言葉で語られている必要があります。

インフルエンサーを起用する際には、影響力やターゲットへのリーチ力を考慮するだけでなく、商品や企業・ブランドに本当の意味で共感してくれている方を起用すること、そしてコンテンツ制作は原則インフルエンサーやモニターに任せ、その方自身の言葉で表現してもらうと良いでしょう。もし、企業側が内容を誘導しているような印象を持たれてしまった場合は、企業やインフルエンサー自身のマイナスイメージに繋がります。

また、ステルスマーケティングにならないよう、広告主とUGC投稿者の関係性の明示も忘れずに行いましょう。

▼インフルエンサーマーケティング事例についてまとめた記事はこちら
インフルエンサーマーケティングの成功事例11選&ポイント解説【施策目的別】

X(Twitter)上のUGC生成に成功したキャンペーン事例8選

X(Twitter)上でUGCを生成する手法は、先に述べた通りいくつかありますが、今回はその中でも、X(Twitter)キャンペーンを活用することでUGC生成に成功した事例を8つご紹介します!キャンペーン企画案としても参考になりますと幸いです。

「ミツカン」商品パッケージリニューアルX(Twitter)キャンペーン|株式会社Mizkan

<キャンペーン概要>
家庭にあるしょうゆと合わせて煮込むだけで、味も色も決まった煮物をカンタンに作ることができるみりんタイプの調味料「煮物カンタン みりんタイプ」のパッケージリニューアルにあわせて、商品理解の促進を目的にX(Twitter)上でのプロモーションを実施しました。

<キャンペーン参加フロー>
①X(Twitter)で該当アカウント(@@mizkan_official)をフォロー。
②4つの指定ハッシュタグの中から、指定ハッシュタグ(自分がミツカンのみりんを使って作ってみたい料理)をつけて投稿することで、参加完了。
③指定ハッシュタグごとに、料理のレシピが自動リプライで送付される。当選した場合は、後日DMにて当選通知が送られてくる。

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<ここがポイント!>
本キャンペーンでは、ハッシュタグの内容を「#ご飯がすすむ大皿料理」「#一工夫加えたお弁当」など、同商品がどのような目的の料理に使えるかにしました。それにより、ユーザーに「同商品がさまざまな料理レパートリーに活用できること」を自然に訴求しました。

また、さらに、ユーザーが選んだハッシュタグの内容に合わせてリプライの内容を変更し「具体的な料理の写真」からレシピに誘導することで、ユーザーの商品理解をさらに深く促進しました。

また、本キャンペーンは、その場で当落がわかるインスタントウィン形式のリツイートキャンペーンと同時開催・連動することで、商品の認知拡大と商品理解の促進することができました。結果として期間中のハッシュタグ投稿数が約74,000件と、X(Twitter)上でのUGC数を大幅に増やすことに成功しました。

Windows10乗り換えキャンペーン|株式会社サードウェーブ

<キャンペーン概要>
Windows7のサポートが終了することが世界的に話題になった際に、ドスパラがWindows10への乗り換えをサポートしたキャンペーン。該当ツイートをフォロー&リツイートすると、その場で当落がわかるインスタントウィン形式のキャンペーンのWチャンスとして、ハッシュタグキャンペーンを実施しました。

<キャンペーン参加フロー>
①X(Twitter)で該当アカウント(@dospara_web)をフォロー。
②該当キャンペーンツイートをリツイートして、リツイートキャンペーンへの応募完了。
③その場で当落がわかるリプライが送付される。
④リプライにあるカンバセーショナルカードを用いて、指定のハッシュタグ投稿をすることで、ハッシュタグキャンペーンへの応募完了。

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<ここがポイント!>
参加ハードルが低く、拡散力に強みがあるインスタントウィン形式のフォロー&リツイートキャンペーンと組み合わせて、ハッシュタグキャンペーンを実施しました。指定ハッシュタグは、ユーザーが思わず投稿したくなるようなお題にしました。余白がある指定ハッシュタグにしたことが、熱量の高いファンを多く抱える同社のX(Twitter)フォロワーの心をくすぐり、7日間連続でハッシュタグがトレンド入りしました。

毎日開催でフォロワーの熱量が高まった最終日に自社商品名が入った指定ハッシュタグがトレンド入りしたことで、自社商品名を大きくアピールすることにも成功しました。

おうちで!「#パンのふり」キャンペーン|株式会社ダスキン

<キャンペーン概要>
新発売商品である「パンのふりしたむぎゅっとドーナツ」を購入した方向けに、自宅での食卓の様子をハッシュタグ付きで写真投稿してもらうことでUGC生成を狙ったキャンペーン。投稿してもらった写真の中から、ミスタードーナツの広告に使用する形式にし、クリエイティブ作成コストを削減しながら、ユーザーの興味をより惹く形式で開催しました。

<キャンペーン参加フロー>
①公式アカウント「@misterdonut_jp」をフォロー
②「#パンのふり」のハッシュタグをつけて、自分で撮影した「パンのふりしたむぎゅっとドーナツ」の写真を投稿することで応募完了。

<ここがポイント!>
新商品の認知拡大・商品理解・商品購入の全てを促進したキャンペーン。実際の投稿を見ると、生活者から味の感想だけではなく、どのように調理したか、何と一緒に食べると美味しいかなど多くの声が上がっていることで、具体的に商品が食卓にあがっているシーンを写真付きで、訴求することに成功しました。

「#ひかりの京都」X(Twitter)キャンペーン|東海旅客鉄道株式会社(JR東海)

<キャンペーン概要>
「そうだ京都、行こう」をテーマに、京都への旅行やお出かけを促進するハッシュタグ投稿キャンペーン。美しい京都の“希望の灯り”が映った写真を投稿してもらうことで、人々がもう一度京都に魅力を感じ、JR東海を使って訪れてくれることを狙いました。

<キャンペーン参加フロー>
①X(Twitter)で該当アカウント(@@souda_kyouto)をフォロー。
②「ひかりの京都」キャンペーン実施社寺のいずれかで写真を撮影する。
③「#ひかりの京都」をつけてX(Twitter)に投稿することで、応募完了。

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キャンペーンサイト:https://souda-kyoto.jp/other/hikari/#

<ここがポイント!>
コロナ禍で観光産業は厳しい状況が続く中、「京都が元気を取り戻す日」と「疫病の収束」を願い開催されました。投稿対象の写真に対して、お寺と撮影シーン(竹灯籠が映っている)を指定することで、投稿される写真のクオリティを担保したり、投稿しやすく工夫したりしました。

#きなこもち再発売 プレゼントキャンペーン|チロルチョコ株式会社

<キャンペーン概要>
チロルチョコの定番商品としても馴染みがあったきなこもち味が、6ヶ月の生産中止期間をへて、再発売されることが決まった際のキャンペーン。リツイートキャンペーンに、ハッシュタグ投稿を組み合わせることで、当選確率をアップさせるという座組にすることで、キャンペーンツイートの拡散とユーザー起点のUGC生成を同時に狙いました。

<キャンペーン参加フロー>
①X(Twitter)で該当アカウント(@TIROL_jp)をフォロー。
②キャンペーンツイートをリツイートすることで応募完了。
③なお、「#きなこもち再発売」「 #おかえりきなこもち」をつけて、コメント or 投稿をすることで当選確率がアップ。

<ここがポイント!>
その場で当落がわかるインスタントウィン型ではなく、後日当選者を発表する型のリツイートキャンペーンの場合は、本キャンペーンのように、当選確率をアップさせる座組にすることが可能です。拡散力の強いリツイートキャンペーンとUGC生成を組み合わせたパターンです。

また、チロルチョコ株式会社では、ユーザーとの双方向コミュニケーションの場として、X(Twitter)上でキャンペーンを開催しています。コロナ禍で日本を明るくしたいと願い始めた「#おかしつなぎ」キャンペーンは、、多くのユーザーの共感を呼び、瞬く間に全国70社を超えるお菓子メーカーが参加する一大ムーブメントになりました。

きのこの山、たけのこの里国民総選挙キャンペーン|株式会社明治

<キャンペーン概要>
同社の定番商品である「きのこの山」「たけのこの里」において、それぞれのX(Twitter)アカウントを作成し、指定のハッシュタグをつけて投稿してもらうことで、それぞれのファンのUGCをX(Twitter)上に多く生み出したキャンペーン。もともとSNS上で論争となっていた話題を公式キャンペーン化した人気投票企画の第二弾が本キャンペーンです。

<キャンペーン参加フロー>
①新きのこ党・新たけのこ党どちらかの公式X(Twitter)アカウントをフォロー。
②指定のハッシュタグをつけて、応援コメントを投稿することで応募完了。

<ここがポイント!>
ユーザー投票型のキャンペーンとして有名な本キャンペーン。キャンペーンを盛り上げるために、さまざまな工夫を凝らしていました。特設LPにリアルタイムで得票数を表示したり、投票期間中にあった祝日に触れたりするオーガニック投稿をしたり、キャンペーン用のX(Twitter)アカウントでは、劣勢だったきのこの山アカウントから「ピンチなので、リツイートを頼む!」といった手作り感がありリアルタイム性の高い投稿を行うことで、キャンペーン全体の盛り上がりを高めることに成功しました。

アイリスオーヤマ60周年記念キャンペーン|アイリスオーヤマ株式会社

<キャンペーン概要>
アイリスオーヤマの60周年を記念したキャンペーン。自社商品に関するクイズが出題され、その答えをハッシュタグツイートすることで、セラミックカラーパン13点セットが抽選で2名様に当選となります。

<キャンペーン参加フロー>
①X(Twitter)で該当アカウント(@irisplaza)をフォロー。
②クイズの答えを、ハッシュタグをつけて投稿することで応募完了。

<ここがポイント!>
キャンペーンの特設サイトにて自社商品の特徴に関するクイズを出題しました。最大の特徴である耐久性への理解が深まる「耐摩擦試験の回数」が答えになっており、該当商品の魅力を自然と訴求することに成功しました。

「#キット想いとどく」受験生応援キャンペーン|ネスレ日本株式会社

<キャンペーン概要>
商品名が、福岡の言葉で「きっと勝つとぉ」に似ていることから、九州を中心に2002年ごろから受験生の間にクチコミで広まり始め、今では「受験生を応援するお菓子」として多くの方に親しまれているキットカット。例年、受験シーズンにキャンペーンを開催しており、多くのUGCが生まれています。

<キャンペーン参加フロー>
①X(Twitter)で該当アカウント(@KITKATJapan)をフォロー。
②「 #キット想いとどく」「#キットカットで応援」をつけて、受験生へのメッセージを投稿することで応募完了。

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キャンペーン特設サイト:https://nestle.jp/brand/kit/juken2020/cheer-campaign/

<ここがポイント!>
毎年、受験生を応援する親御さんをはじめとするご家族からのツイートが多数見られ、受験生応援といえばキットカットを印象付けています。また、応募ツイートをする際に、多くの投稿でキットカットの写真が一緒に投稿されていたことから、購買促進にも繋がっていると考えられます。

まとめ

今回の記事では、X(Twitter)上でUGCを生成するためのポイントをお伝えしました。

企画性のあるハッシュタグキャンペーンを中心にご紹介しましたが、根本的には生活者が思わず写真や動画を投稿したくなるように、商品やサービスを磨いていくことが企業には求められます。その上で手法として、今回のようなX(Twitter)キャンペーン事例があることをお伝えできればと思います。

今後も企画性のあるキャンペーンが継続して実施されることが考えられますが、全ての顧客接点で一貫して、ユーザにとってプラスになるような体験を生み出していくことが最も重要だといえるでしょう。

この記事の著者

外賀陽春

外賀陽春

フリーランス。2018年4月から2年半アライドアーキテクツに所属。在籍期間中は、InstgramのUGC創出やX(Twitter)プロモーション施策を中心に、200社以上の幅広い業態業種の企業支援に従事。現在は、スタートアップ企業でのSNSアカウント運用、SNS広告運用や、esportsチームSCARZにおいてファンベースの思想を取り入れた新規事業開発にも従事。
X(Twitter):https://twitter.com/ZYoshunGekaZ