「クッキー」とは? 日頃の業務で何気なく使っている専門用語。でもその言葉の意味、ちゃんと理解して使っていますか?

 
ソーシャルメディアマーケティングラボが、なんとなく分かっているつもりでも、実はよくわからなくて「もやもや」 している?!今さら人に聞くのはちょっと恥ずかしい、ウェブマーケティング用語を分かりやすく解説します。

今さら聞けないウェブマーケティング用語 「クッキー」
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用語説明:【クッキー(Cookie)】

 
利用者がウェブサイトを利用したときに、Webブラウザを通じて利用者のコンピューターに一時的にデータを書き込んで保存しておく仕組み、もしくはその仕組みで使われる情報(データ)のこと。
クッキー発行の主な目的は、「同じ情報を再度入力する時間を節約するため」であり、記録として書き込まれる情報としては、訪問日時や回数のほかユーザーID、パスワードなど、そのウェブサイトで自ら入力した内容が含まれる。ユーザーの識別が可能になるため、認証システムや、WWWによるサービスをユーザごとにカスタマイズするパーソナライズシステムの要素技術として利用されている。
Netscape Communications社が同社のブラウザにクッキーを組み込んだのが始まりで、多くのブラウザがサポートしているため、事実上業界標準となっている。
 
解説
 

プライバシー保護の観点から慎重な配慮が必要

 
クッキーは、ユーザーにとっては一度記録された情報の再入力が不要であり、サイト運営者にとっては訪問者の情報が自動的に把握できるということで大変便利な機能ですが、プライバシー保護の観点からは様々な課題が指摘されています。
まずクッキーは、Webブラウザごとに保存されるため識別されるのはWebブラウザであり、基本的には個人は特定されませんが、ユーザーIDやパスワード、住所や氏名、メールアドレスや電話番号など、ユーザー自身が入力した情報も記録されるため、個人情報と紐付けることが難しくありません。
そのため、総務省が平成24年11月より開催している「パーソナルデータの利用・流通に関する研究会」では、特定の個人を識別することができる「個人情報」だけでなく、広く「個人に関する情報」を「パーソナルデータ」と定義し、クッキーがPC、スマートフォン等の識別情報(端末ID等)やIPアドレスなどと同様に、保護されるべき「パーソナルデータ」の範囲に含まれるべきかどうか議論の対象となっています。
企業が今後、「ビッグデータ」の利活用を円滑に進めるためには、パーソナルデータを適正に取り扱い、ユーザーからの信頼性を確保、強化することは必要不可欠ですので、クッキーの利用についても慎重な配慮が必要となるでしょう。
参考:「パーソナルデータの利用・流通に関する研究会」論点整理
http://www.soumu.go.jp/main_content/000216994.pdf
 
 
 

ユーザーの意図に反したクッキー利用で信頼を損なわないために

 
クッキーはユーザーの利便性を向上させるだけでなく、精度の高いターゲティングで費用対効果の良い広告配信を可能にしています。今後ますます利用が進むと考えられている「行動ターゲティング広告」は、興味や属性を推測しユーザーが好むであろう、より適していると思われるページ・広告を表示させるために、ユーザーのアクセス行動を追跡するサードパーティクッキーを利用するのが主流です。
しかし、ユーザーがアクセスしているWebサイトとは別のサーバー(主に広告配信サイト)から発行するサードパーティクッキーは、ユーザーが無意識のうちに必要以上の情報を多数収集できてしまうこと、その情報をユーザーが意図しない不適切な用途にも利用できてしまうことが、大きな問題となっています。
「ビッグデータ時代のライフログ―ICT社会の“人の記憶”」によると、サードパーティクッキーを利用しているウェブサイトは77%、サードパーティクッキーのトラッキングデータを、広告やマーケティングに利用しているウェブサイトは58%にものぼります。しかし、こうしたサードパーティクッキーを広告やマーケティングに利用しているウェブサイト50社のうち、86%はクッキー情報を第三者に提供していることをサイト上に記載しておらず、68%は行動ターゲティング広告に利用していることを記載していないそうです。
参考:『ビッグデータ時代のライフログ―ICT社会の“人の記憶”』
曽根原 登、宍戸 常寿 著
http://amzn.to/129pLwS
 
 
 

行動ターゲティング広告の適正な活用を目指して

 
「自分がどのWebサイトを利用しているのか」を、よくわからない会社が収集していることに拒否反応を持つユーザーは多いでしょう。無分別で強引なトラッキングでユーザーに不安感や不快感、否定的な印象を持たれてしまうと、行動ターゲティング広告にネガティブな印象を持つだけなく、アクセスしたウェブサイトを運営する企業に対しても拒絶感を抱きかねません。そしてユーザーの警戒心が必要以上に強くなると、企業がオンライン上の個人データを収集するのが難しくなることが懸念されます。
昨今こうした行動追跡を望まないユーザーの増加に伴い、DNT(Do Not Track)という技術が開発されていますが、現状では追跡と見なすアクティビティを拒否する要求を、信号として発信するだけであり、要求に応じるかどうかは発行元のモラルによっています。しかしアメリカではDNT順守に関する法律が、1~2年以内に制定される見通しとなっていて、施行されればユーザーからのトラッキング拒否に違反した企業は罰せられるようになります。
総務省の調査では日本のネット利用者の45%が、行動ターゲティング広告が実現されていることを知らないという結果が出ており、企業にはユーザーの不安を取り除くような取り組みが求められています。もし自社のサイトで広告バナーなどを使用する場合は、サードパーティクッキーが使われているかどうか、使われているのであれば、どういった用途なのかということをきちんと説明し、不必要なサードパーティクッキーを許可してしまわないよう注意喚起に努める必要があります。
 
 
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イラスト:速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、
デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。
広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ
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