TikTokマーケティングとは?-OGP

Z世代と呼ばれる若年層を中心に、気軽に動画投稿ができるSNSプラットフォームとして、もはや誰もが知るTikTok。

「TikTok売れ」など、TikTokが消費の起爆剤になるケースが増えていますが、ビジネスに積極的に活用できている企業はまだまだ少ないのが現状かと思います。

そこで今回はTikTokを活用した企業のマーケティング施策について、媒体特性や傾向を解説すると共に、マーケティング手法やそのポイント、事例を紹介していきます。

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1.TikTokとは〜TikTokのユーザーデータと特性〜

TikTokとは、中国のByteDance社が提供しているSNSで、スマートフォン向けの動画を制作・投稿できるプラットフォームです。ユーザーがTikTokアプリ内で、動画の撮影から編集までを全て完結させることができる点が特徴です。

また、TikTokアプリ内には、音楽や加工フィルターなどが多数搭載されています。ユーザーが動画の編集や加工機能を用いて、クリエイターのような動画制作・投稿をしやすい点で人気を獲得しています。

現在のTikTokのユーザー傾向は以下の通りです。

  • 日本における月間アクティブユーザー数は950万人(2019年2月時点)(※1)
  • 全世界における月間アクティブユーザー数10億人以上(2021年9月時点)(※2)
  • 日本国内におけるTikTokユーザーは10代・20代が主体で、平均年齢は34歳。この数字は2019年以降、毎年上昇しています。(※3)

(※1)TikTokはコミュニケーションプラットフォームとして2019年の日本でどう進化するか|ITmediaマーケティング
(※2)10億人の皆様に、ありがとうございます!!!|TikTokブログ
(※3)日本の TikTok ユーザーは平均34歳、博報堂調査が示す実態 : 要点まとめ|DIGIDAY

2017年夏頃に日本に進出したTikTokは、当初は「リップシンク動画やダンス動画を投稿できるアプリ」としてのイメージが強く、10代を中心に広がりを見せました。しかし、ユーザー数の拡大とともに、年齢層や投稿コンテンツにも幅が出てきています。現在は、平均年齢が34歳であり、若年層以外の世代にもリーチできるプラットフォームとして今後より注目を浴びるでしょう。

もはや、TikTokアプリ内でのリップシンクやダンス動画は各種コンテンツの一つでしかなく、現在はVlog・グルメ情報・ペットや動物・お笑い・日常生活に役立つ豆知識・企業の採用広報活動など、さまざまな用途で動画が制作・投稿されるプラットフォームへと変貌を遂げました。

またTikTokは、YouTubeやInstagramなどの動画投稿が盛んに行われる他のSNSプラットフォームにはない、独自のアルゴリズムを組んでおり、拡散力が高いという特徴を持っています。FacebookやInstagramなどのSNSは、自身が既にフォローしているユーザーをタイムラインに表示するのに対して、TikTokはフォローをしていないクリエイターの動画が「おすすめ」欄にて優先的に表示される仕様になっています。そのため、フォロワーが例え0名であっても、投稿すれば必ず100〜500名程度のユーザーに表示されると言われています。

一方で、TikTokはフォロワーと継続的な関係を持つことができる資産としての価値が他のSNSよりも低い点も特徴として挙げられます。したがって、企業のマーケティング活動でTikTokを活用する際には、InstagramやTwitterなどファンとのつながりを資産として持ちやすいSNSプラットフォームに誘導するなど、複数SNSと連動して活用することが鍵になります。なお、TikTok以外の他SNSへのリンクは、プロフィール欄にて設定することが可能です。

2.TikTokはどんなプラットフォームなのか〜2021年のアップデートから紐解く〜

TikTokが2021年に注力してきた取り組みは、大きく以下の3つに分類されます。

①クリエイターにとって活動の幅が広がる機能拡充
②健全で安心なプラットフォーム育成
③企業(広告主)によって利用しやすいプラットフォームへの成長

tiktokの機能拡充・健全安心なプラットフォーム育成・企業が利用しやすいプラットフォームの成長

①クリエイターにとって活動の幅が広がる機能拡充

②健全で安心なプラットフォーム育成

③企業(広告主)にとって利用しやすいプラットフォームへの成長

TikTokを提供するByteDance社のミッションは「創造性を刺激し、喜びをもたらす」ことです。

最も大きなアップデートは、15秒のショートムービー投稿をメインとしていたTikTokが、1分以上の長尺動画を投稿可能にした仕様変更です。当初はリップシンク(口パク)やダンス動画がメインだったTikTokにも、様々な種類の動画が投稿されるようになりました。その結果、若年層以外の30代以上のユーザーもTikTokを活用するようになり、現在もアクティブユーザー数を伸ばし続けています。

また、2022年1月から、動画へのギフティングが可能となるTikTok Video Gifting(ギフティング)機能を開始しました。クリエイターが今まで以上にクリエイティビティを発揮することと、ユーザーがより一層クリエイターを応援する気持ちを届けることができるようになる仕組みを作りました。

加えて、TikTokはより安全で健全なプラットフォームへと成長させることを怠ってはいません。行政と連携して新型コロナウイルスへの対策を啓発するキャンペーンを行ったり、国際連盟に加入したりすることで、より安心・安全なプラットフォームへと日々進歩しています。

そんな安心・安全なプラットフォームは、TikTokを活用するユーザーだけではなく、広告主にとっても重要です。2020年7月にローンチしたTikTok For Businessも、アクティブユーザー数の増加に伴い、広告配信を行うプラットフォームとしても同時に成長を遂げてきました。2021年のTikTokは、広告商品のアップデートにも力を入れました。

これらの機能開発やアップデートによって、TikTokはますますクリエイティビティが刺激されるSNSプラットフォームとなり、その独自性を強めています。

3.TikTokマーケティングで実施できる施策

3.1 TikTok公式アカウント運用

YouTubeやInstagramのオーガニック投稿に比べて一つ一つの動画の尺が短く、また、次の動画にすぐに移るUIになっているため、動画を視聴してもらいやすいSNSプラットフォームであるといえます。

現在多くの企業が、TikTokの公式アカウントを作成し、運用を行っています。

TikTokではビジネスアカウントを作ることで

  • 投稿動画の分析
  • インサイト分析
  • プロフィール情報の追加
  • 商用楽曲ライブラリーの利用

ができるようになります。
上記項目の詳細に関しては、TikTok for Businessにも掲載されています。

また、TikTokで企業公式アカウントを運用する場合、動画を投稿することになります。
下記も確認することで、動画を活用したマーケティングのポイントをおさらいしましょう。

TikTokなど、SNSでの動画活用について詳しく知りたい方へ
動画マーケティングとは?基本から成功ポイントまでを徹底解説【事例あり】

TikTokアカウント運用の事例を知りたい方はこちら
TikTok企業アカウント運用事例6選!活用のポイントを解説

3.2 TikTokキャンペーン

TikTokは編集機能が充実していることで、ユーザーが手軽に投稿しやすい特性があります。したがって、音楽やエフェクトを活用し、ユーザーが参加する形式のキャンペーンが実施されやすい傾向にあります。

また、独自のアルゴリズムにより、自社アカウントのフォロワー以外にも動画が表示されやすい仕様になっているため、企業のマーケティング活動の中でも、ユーザー投稿型のキャンペーンと相性が良いことで知られています。

上記の特性を生かして企画されたTikTokキャンペーンの事例として、下記が挙げられます。

  • 株式会社丸亀製麺
  • 大塚製薬株式会社(ポカリスウェット)
  • UCC上島珈琲株式会社
  • AGC株式会社
  • 株式会社資生堂

各キャンペーンの詳細は、下記で紹介する記事にてご覧ください。

3.3 TikTok広告

TikTokでの広告出稿は、目的に応じて下記5種類に分かれます。
1)予約型の純広告
 1-1)Top View・起動画面広告
 1-2)インフィード広告
 1-3)ブランドエフェクト
 1-4)ハッシュタグチャレンジ
2)運用型広告

では、上記5種類の出稿方法について、それぞれを簡単に解説します。

1-1)Top View・起動画面広告

TopView・起動画面広告は、ユーザーがTikTokを起動して最初に表示される広告です。
1日2社限定になります。
見逃されにくい特徴があるため、多くのユーザーから認知を得たい際に出稿する広告です。

1-2)インフィード広告

インフィード広告は、おすすめ欄でユーザー投稿の間に表示される広告です。
通常のTikTokのコンテンツに溶け込むため、自然に広告を見てもらえます。

なお、インフィード広告はさらに

  • OneDayMax
  • Reach&Frequency
  • BrandAuction (運用型広告、詳細は後述)

の3つに分かれます。

TikTokで出稿できるインフィード広告の予算・相場・予算を詳しく知りたい方へ
【3分でわかる】TikTok広告の基本を解説!コツやメリットとは?

1-3)ブランドエフェクト

ブランドエフェクトは、TikTokの機能を活用して企業独自のデジタルエフェクトを制作し、かつ、そのエフェクトをユーザーに体験してもらう広告です。

例えば、化粧品のTikTok広告を、ブランドエフェクト形式で出稿するとします。
その場合、複数の「色」をTikTok上のエフェクトで再現し、実際にその化粧品を自分で使っているかのような体験をすることができます。

TikTokのエフェクトを活用することで、商品の機能性を “体感的”に提供することで、リッチなブランド体験を提供することが可能になります。

参考:10万人のブランド体験を生み出す TikTokの「Branded Effect(ブランドエフェクト)」を活用する5つのポイントを初実証|TikTok For Business

1-4)ハッシュタグチャレンジ

ハッシュタグチャレンジはユーザー参加型の広告で、エンゲージメントが高い点が特徴です。

企業がハッシュタグチャレンジを作成し、その後、広告やTikTok内のクリエイター(インフルエンサー)を活用して、ハッシュタグチャレンジを告知します。

次に、ユーザーがクリエイターの投稿や専用ページなどを見て、同様のハッシュタグチャレンジについて、ユーザーがコンテンツ(動画)を作成し、投稿します。

ユーザーが自発的にコンテンツを作成し投稿するため、高品質なUGCを多く生み出し、かつ、ユーザー起点で拡散できる点がポイントです。

TikTokのオンライン運用型広告

TikTokには、オンライン広告の知識が浅い初心者の方から、知識が豊富な方まで誰もが簡単に使えるツールで広告配信ができ、少ない予算からでも出稿できるオンライン運用型広告メニューもあります。

TikTok、BuzzVideo及びPangleを介した多数のアプリへの広告配信を全てオンライン上で実施できるセルフサービスの広告で、アカウント開設から広告配信まで実施でき、広告素材もオンライン上で簡単に制作することも可能です。

TikTok運用型広告のフォーマット

  • 9:16縦型動画
  • 1:1スクエア動画
  • 16:9横型動画

の3種類を選択することができます。運用型広告は、「おすすめ」欄に掲載されるインフィード広告のみになります。上記の中で、最もフィードに馴染みやすい9:16縦型動画が最もおすすめの形式になります。

TikTok広告で成果を出すポイント

TikTokユーザーは、TikTokの「おすすめ」欄でフォローをしていないユーザーの動画を見ることに慣れているため、他のSNSプラットフォームに比べて「自分がフォローしていないアカウントの投稿」を見ることに抵抗感が少なく、最後まで試聴してもらいやすい環境にあります。

一方で、「TiikTokユーザー白書」によれば、TikTokユーザーは広告に嫌悪感を抱いている割合が高いため、活用する動画や発信するメッセージも広告色を抑え、リアル感をもってもらえるようなコミュニケーションを心がける必要があります。

TikTok広告で成果を出すためには、できるだけユーザー目線でTikTok動画を作るようにしましょう。

以上がTikTok広告に関するご紹介です。
なお、各広告の特徴をご紹介しましたが、より具体的に予算感・具体的な事例を知りたい方は下記をご覧ください。

TikTokで出稿できるインフィード広告の予算・相場・予算を詳しく知りたい方へ
【3分でわかる】TikTok広告の基本を解説!コツやメリットとは?

いかがでしたか?
今回はTikTokマーケティングについて解説しました。

TikTokは、若年層だけではなく今後はより広い世代へのリーチが可能になります。現に、30歳になる筆者も、グルメ・旅行・料理・お笑い・ガジェットなど様々な情報を、日々TikTokから受け取っています。

使用可能な音楽も世代が広く、私よりも年上の世代で流行っていた音楽が再度ブームになるケースも多く見受けられ、より幅広い年齢層に使われるプラットフォームへと進化しています。また、それに伴い、TikTokを活用したマーケティング施策の幅もますます広がっていきそうです!

ぜひ、2022年のTikTokマーケティング施策設計にお役立てください。

この記事の著者

外賀陽春

外賀陽春

フリーランス。2018年4月から2年半アライドアーキテクツに所属。在籍期間中は、InstgramのUGC創出やTwitterプロモーション施策を中心に、200社以上の幅広い業態業種の企業支援に従事。現在は、スタートアップ企業でのSNSアカウント運用、SNS広告運用や、esportsチームSCARZにおいてファンベースの思想を取り入れた新規事業開発にも従事。
Twitter:https://twitter.com/ZYoshunGekaZ

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