クチコミマーケティングとは?最新の種類と成功ポイントを解説【2021年最新ガイド】_OGP

口コミ(クチコミ)を活用したマーケティング手法にはどんな種類があるの?成功するためのポイントや注意点は?今回は、2021年最新のクチコミマーケティング手法を一挙に紹介、ポイントもあわせて解説します。

1.クチコミマーケティングとは?【用語解説/意味・定義の説明】

クチコミマーケティングとは、生活者によるクチコミを通じて、商品やサービス、ブランドの認知度を高めたり、売上を伸ばしたりすることを目指すマーケティング手法です。

商品やサービスのターゲット層の間で話題にのぼりクチコミが生まれるように、企業はさまざまな手法を通じてクチコミマーケティングに取り組んでいます。

2.クチコミマーケティングが求められる背景

情報が溢れかえる現代、企業がCMやウェブサイトなどを通じて一方的にメッセージを発信しても、なかなか生活者には届かず、信頼されづらくなっています。

その一方で、商品を購入するときの情報源として重要視されているのが、実際に利用した人の体験談やクチコミです。Amazonレビューなどプラットフォームが提供するレビュー機能、アットコスメや食べログなどのクチコミサイトに加え、SNSが発達した現在は、誰でも簡単に「実際に商品を使ってみた感想」「そのお店に訪れた際の体験談」を見ることができます。そうした生活者のリアルなクチコミは、企業によるフィルターを通さない「生」の情報として、生活者の購買に大きな影響を与えているのです。

実際に、「生活者の63%が購入前に商品のクチコミをSNSで検索している(以下のデータ①)、「SNSユーザーの半数以上がSNSの情報をきっかけに商品を購入したことがある(データ②)」など、クチコミの重要性はさまざまなデータによって裏付けられています。

データ①:生活者の63%が購入前に商品のクチコミをSNS上で検索している。

Facebook & Instagram Advertising With UGC : A Practitioner’s Guide 図
出典:Olapic『Facebook & Instagram Advertising With UGC : A Practitioner’s Guide』

データ②:SNSユーザーの半数以上がSNSの情報をきっかけに商品を購入したことがある。

このような状況下、逆に検索をした際にクチコミがまったくない商品は人気がない商品とみなされる可能性もあります。よって、多くの企業が良質なクチコミが定期的に生成されるように取り組んでいるのです。

クチコミの大切さについて、データをもとにより詳しく解説した記事はこちら
【UGCはなぜ大切なのか?】ニューノーマル時代のマーケティングに企業がUGCを活用すべき理由

3.クチコミマーケティングのメリット

このようなクチコミマーケティングで得られるメリットをより詳細に分類すると、主に以下の3点に集約されます。

3.1 情報を探している顕在層の購買の背中を押す/商品の継続購入の後押しとなる

1点目は、商品に関する情報を探している顕在層に対して、クチコミは購買決定の後押しとなることです。他社も含めて複数の候補商品がある際に、よいクチコミの存在は「この商品に決める」大きな理由となるでしょう。また、商品を初めて買う場合だけでなく、「この商品を継続的に使うかどうか」判断する際にもクチコミは大きな力となります。

3.2 それまで商品を知らなかった人への認知が広まる/需要を喚起できる

2点目は、商品の顕在層のみならず、それまでその商品を知らなかった人や、買おうと思ったことがなかったような人に対しても、クチコミを通じて新たな需要を喚起できることです。誰しもが、自分の信頼する友人がSNS上でお勧めしていた商品が思わず気になって情報を調べたり、購入してみた経験があるのではないでしょうか。クチコミには、そうした思わぬ購買を生み出す力があります。

3.3 上手く情報が拡散すれば、投資に対して大きな効果が得られる

3点目は、クチコミが拡散されることにより、投資以上の大きな効果が得られる可能性があることです。クチコミがクチコミを呼ぶ状態を作れれば、単なる広告出稿以上の大きな成果につながるでしょう。

4.クチコミマーケティングの注意点

一方で、クチコミマーケティングには注意点もあります。

4.1 ステルスマーケティング(ステマ)問題

まず一つ目は、企業が何らかの働きかけを行ってクチコミ生成を促そうとする際に切っても切り離せない問題、「ステルスマーケティング(ステマ)」です。

ステルスマーケティングとは、第三者的な立場を偽装して、特定の企業や商品について宣伝と気付かれないように宣伝したり、商品に関するクチコミの発信・伝播を図る行為のことです。企業が金品などを提供して情報発信が行われたにも関わらず、企業とその発信を行った者の関係性が明示されないため、情報を見た人をだます側面があると問題視されています。

企業が何らかの手法を用いて生活者にクチコミの投稿や発信を呼びかけ、それに生活者が答える場合、必ずその関係性の明示を行うことが大切です。

4.2 企業からクチコミの内容を押し付けない

また、関係性を明示したとしても、企業が生活者に無理やり言わせたクチコミは意味がないどころか、情報を見た人からの反感を買い企業への信頼性を損ねる可能性もあります。クチコミを検索した際に、「ほとんど同じ文言のクチコミがたくさん出てきた」という経験がある方もいるのではないでしょうか?

生活者が求めているのは、実際にその商品やサービスを利用した人のリアルな声です。企業から押し付けられた表面上のクチコミでは、期待する効果は得られないでしょう。

4.3 クチコミを二次活用する場合はユーザーの許諾取得を

企業が生活者のクチコミを自社のウェブサイトやECページのレビューなどに二次活用する場合は、必ずそのクチコミを投稿したユーザーからの許諾を取得することが必要です。あらかじめ二次活用することを前提にクチコミ/モニター投稿/レビューなどを収集する、自然発生したクチコミを利用する場合は必ず個別にユーザーに連絡を入れて許可を得てから掲載するなどの対応を行いましょう。

4.4 薬機法や著作権・肖像権などに注意

さらに、企業が生活者のクチコミを二次活用する場合、薬機法や著作権・肖像権など法律に違反しないクチコミであるかの確認も欠かせません。

生活者のクチコミであったとしても、それを企業が二次活用する場合は、企業はその内容に対して法律上の責任を負います。薬機法に抵触する表現が用いられていないか、またその生活者の投稿内容が他の第三者の著作物や肖像権を侵害するものでないかなどをしっかり確認する必要があります。

薬機法について詳しく解説した記事はこちら
【2021年版】薬機法とは?規制内容と対策を徹底解説

5. クチコミマーケティングの種類と事例紹介

では、クチコミマーケティングにはどのような種類があるのでしょうか?代表的な手法を事例と共にご紹介します。

5.1 SNSキャンペーン

TwitterやInstagramなどにおいてキャンペーンを実施することで、クチコミの投稿や拡散を促す方法です。「アカウントをフォローし、リツイートすることで参加」「特定のハッシュタグと共に投稿することで参加」などさまざまなやり方があります。

SNS上に情報が一度にたくさん拡散されることによって、多くのSNSユーザーに商品の認知を広めたり、商品の理解を促したりすることが可能です。またそれをきっかけにしてさらなるクチコミの生成が期待できます。

「洋服の青山」は、Twitter公式アカウントをフォローしキャンペーン告知ツイートをリツイートした方に「指定の日にちに全店舗で先着10名様に4,900円のノンアイロンワイシャツを10円で売ります」というキャンペーンを実施。実際に購入いただいた方には、Twitter上に「#洋服の青山のノンアイロン」のハッシュタグを付けて、着心地や1回洗濯してみてどうだったかの口コミを投稿いただくように依頼しました。その結果、多くのお客様が来店、開店前に列ができるほどの大変大きな反響となり、Twitter上にもリアルなクチコミをたくさん生み出すことに成功しました。

洋服の青山キャンペーンツイート
洋服の青山【公式】Twitterアカウントをフォローし対象の投稿をリツイート、その画面を店頭で提示した先着10名に、4,900円のノンアイロンシャツを10円で販売した(日にち限定企画)。

その後、更なるヒット商品に育てるべく、毎月24日を「NON IRONMAXの日」と定めて販売促進活動を推進。毎月「NON IRONMAXの日」にあわせて、RTキャンペーン、ハッシュタグオートリプライキャンペーン、クチコミ投稿キャンペーンと3つの構成でTwitterキャンペーンを実施することにより、Twitterキャンペーンを実施した「NON IRONMAXの日」を含む週と、その前週の売上を比較すると平均約130%の売上増加を実現しました。

株式会社Mizkanは、みりんタイプの調味料「煮物カンタン みりんタイプ」のパッケージリニューアルに際しTwitter上でキャンペーンを実施。キャンペーン参加時に選ぶ指定ハッシュタグの内容を「#ご飯がすすむ大皿料理」「#一工夫加えたお弁当」など、同商品がどのような目的の料理に使えるかにすることで、ユーザーに「同商品がさまざまな料理レパートリーに活用できるものであること」を自然に訴求することで、74,000件もの同商品関連ツイート投稿を生み出すことに成功しました。

ミツカンTwitterキャンペーン
同社の公式Twitterアカウントをフォロー&挑戦したい料理を指定ハッシュタグでツイートすると抽選で同社の人気商品の詰め合わせがあたるキャンペーンを開催した。

5.2 モニター施策

自社のウェブサイトやSNS、特定のモニター募集サービスなどを活用し、商品モニターを集めてクチコミの投稿を促す方法です。あらかじめ感想を投稿やフィードバックすることを条件に応募されるため、着実に投稿数を集められるメリットがあります。

株式会社八天堂は、モニター施策(ファンサイト)を通じて、生活者に実際に商品を食べてもらい、感想をインスタグラムやブログに投稿してもらう取り組みを行っています。モニターから投稿してもらう際に、必ず「#hattendo_fan」というタグをつけるよう依頼していたところ、そのハッシュタグが徐々に浸透し、今ではモニターではない一般のファンもこのタグをつけて投稿する流れが生まれています。そのタグが付いた投稿をインスタグラム公式アカウントのプロフィールページのハイライトにまとめることで、さらなるクチコミ投稿の促進にもつなげています。

八天堂UGC

5.3 インフルエンサー施策

インフルエンサーを起用し商品に関する感想やレビューなどのクチコミ投稿を依頼する方法です。ファンに対して大きな影響力を持つインフルエンサーに、自身のオリジナルの切り口や表現方法で商品を紹介してもらうことで、ファンに対して商品の認知や理解を促進したり、新たな魅力を伝えることができます。さらに、ファンがそのインフルエンサーを応援/指示するいいね!やシェアなどを行うことで、よりその情報が広範囲に拡がります

人気のファッションブランド「fifth」では、日頃から積極的にインフルエンサーを起用しています。例えば、プチプラファッションを使ったコーディネート紹介で人気のファッションライバー・ももちさんとのコラボ企画を実施、新作アイテムの中からももちさんがオススメ商品をピックアップし、気に入ったポイントを熱く語る動画などを公開。動画を見た人限定のクーポンURLも提供し、直接販売の促進にまで繋げています。

過去に何度もタイアップ企画を実施し、ブランドとの親和性や信頼関係があるインフルエンサーを起用したこの動画は、公開1週間足らずで26万回再生を超えた。

インフルエンサーマーケティングについて詳しくはこちら
インフルエンサーマーケティングの成功事例11選&ポイント解説【施策目的別】

5.4 クチコミを自社LP/EC/メールマガジン/広告クリエイティブなどに二次活用

クチコミを生成するだけでなく、自社のLPやEC、メールマガジン、広告クリエイティブなどに二次活用することで、CVRやCTR、CPAの改善につなげる方法です。中でも、写真を用いて訴求できるInstagram上のUGC(User Generated Contents:ユーザー生成コンテンツ)を二次活用することで成果を出す事例がたくさん生まれています。

UGCとは?事例や成功ポイントを解説した記事はこちら
UGCとは?マーケティングにおける活用手法・事例・注意点を徹底解説!

サンスター株式会社は、通販事業における主力商品である青汁「緑でサラナ」のモニター募集ページやCRM内への引き上げページにInstagramのUGCを掲載することで、CVRがおよそ1.1倍〜1.3倍に向上、単月あたり1,000万円強の売り上げ貢献という成果に繋げています。

サンスターUGC
(左)「緑でサラナ」の初回購入用のランディングページに掲載されているUGC
(右)「緑でサラナ」の定期購入への引き上げページに掲載されているUGC

メンズコスメブランド「BULK HOMME」は、SNS広告のクリエイティブにUGCを活用することで、CTR165%、CVR407%改善、CPAを約1/3に削減する成果を上げています。以下左側のブランドイメージを訴求するクリエイティブではなく、実際にユーザーが使っている様子の写真を用いたクリエイティブにすることで、顧客の自分ごと化を促進し、大幅な広告効果の改善につながりました。

BULK HOMMEクリエイティブ

5.5 カスタマーレビュー

自社の商品を購入した顧客に対し、レビューの投稿を促す方法です。商品お届け時にハガキを同梱し商品の感想を聞かせてもらえるよう依頼する、CRMツールやレビュー収集ツールなどを利用し、購入から一定期間後にレビュー投稿依頼を促すメールを送信するなど、さまざまな方法があります。実際に商品を購入した顧客のレビューを自社のLPやECサイトに掲載することで、商品を検討中の顧客の背中を押し、コンバージョンレート(CVR)の改善に繋げることができます。

メンズ向け香水を販売する株式会社ソシアは、定期顧客のテキストレビュー・星評価を収集して自社LPに掲載することで、新規で購入を検討している顧客の購入意向を上げることに成功しています。

従来よりInstagramに投稿されたUGCをLPに掲載することで、施策前に比較しCVRが1.24倍に向上する成果を上げていましたが、さらに定期顧客のテキストレビュー・星評価もセットで掲載することで改善率が向上、CVRは1.95倍になりました。

株式会社ソシア事例
メンズ向け香水という商品の特性上、Instagramでは掲載されにくい声の中に購入判断のヒントとなる情報があると考え、定期客のテキストレビュー・星評価を追加掲載。Instagram投稿とセットで掲載することでCVRは施策前の1.95倍にまで向上した。

6.クチコミマーケティングを成功させるポイント

では、このようなクチコミマーケティングを成功させるポイントは何なのでしょうか?

6-1. 思わずクチコミしたくなるような商品設計/企画

生活者がついクチコミしたくなるような商品設計や企画は何なのか、ユーザー視点になって考えることが大切です。

チロルチョコが企画した超巨大チロルチョコ型クッションプレゼントのキャンペーンは、SNS上で大変大きな話題となりました。みんながお馴染みの小さなチロルチョコの10万倍もの大きさがある巨大クッションは、視覚的に大きなインパクトがあり、思わずクチコミして周りの人に知らせたくなります

チロルチョコキャンペーンツイート

チロルチョコの社長に、同社のマーケティングや商品企画についてインタビューした記事はこちら
「商品を出すだけでは売れない時代に、SNSは力になる」-チロルチョコが語る、これからのマーケティングに大切なこと

また、コーヒーのサブスクリプションサービスを提供するPostCoffeeは、毎月配送する商品におまけをつけ、発送回数により届く内容を変えたり、配送ボックスも毎月のように刷新するなどの工夫を行っています。こうした「ちょっとした驚き」を提供することで、お客様からの自然なクチコミの生成につなげています。

Post Coffee

6-2. クチコミ投稿のハードルを上げすぎない/内容を指定しすぎない

SNSキャンペーンやモニター施策、レビュー収集によりクチコミ投稿を増やそうと企画する際に大切なのは、投稿のハードルを上げすぎないことです。どのような写真が必要か、何のハッシュタグを付けるかなど、さまざまな条件を設定しすぎてしまうと、参加者数やクチコミ投稿率に影響します。

気軽に参加できる設計にしておくこと、また内容を指定しすぎないことにより、より多くの人に新たな視点でのクチコミを生成してもらうことができます。

6-3. クチコミを二次活用することでさらに効果をアップ

せっかく生成されたクチコミは、企業の自社LPやECサイト、メールマガジンなどのコンテンツに二次活用しましょう。オウンドメディアに、訪問者にとって参考となるクチコミを掲載しておくことで、他のクチコミサイトなどへの離脱を防ぎCVRの向上等につなげることができます。

他にも、商品の購入完了ページに他商品のクチコミを掲載することでついで買いを促したり、SNS公式アカウントの投稿にクチコミを掲載することでエンゲージメントを高めたりなど、さまざまな場面でクチコミを二次活用し、さらなる効果アップにつなげる事例が増えています

こちらの記事に、さまざまなクチコミ二次活用事例をまとめました!
ECの売上UPに効く、UGC活用アイデア&事例7選【新規にもリピートにも効果的!】

6-4. ファンとの積極的なコミュニケーション

そして何よりも大切なのは、日頃からクチコミを喜んで行ってもらえるような顧客コミュニケーションを心がけることです。ブランドが顧客に寄り添う姿勢、丁寧なコミュニケーションを心がける姿はブランドヘの信頼感、愛着につながり、クチコミが生まれやすくなります。

さらに、そのようなオーガニックのクチコミが多いブランドであれば、SNSキャンペーンやモニター施策など、企業が仕掛けてクチコミマーケティングを行う場合も、参加者が集まりやすく、熱量の高いクチコミが発生しやすいでしょう。

SNS、ファンコミュニティ、ファンミーティングなど、さまざまな施策を通じて顧客とのコミュニケーションを行っている事例をまとめた記事はこちら
ファンとの積極的なコミュニケーションに取り組んでいる施策事例10選

以上、今回はクチコミマーケティングの手法と事例、成功ポイントや注意点をまとめてご紹介しました。皆さまの参考にしていただければ幸いです。

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