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【ad:tech東京2012レポート(4)】爆速ヤフー、アドビ、GAPが語る これからのマーケティングにおける3つのキーワード

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投稿日: 2012年11月8日

世界最大級のデジタルマーケティングイベント「ad:tech tokyo 2012」2日目キーノートの内容をレポートします!


こんにちは、SMM Labの小川です。

10月30~31日に東京国際フォーラムで開催された日本最大級の国際的デジタルマーケティングカンファレンス、第4回「ad:tech Tokyo(アドテック東京)」。

2日目には、クロージングノートを含む4つのキーノートが開催されました。今回はその中から、「爆速」で注目を集めるヤフーJAPAN代表の宮坂氏、アドビ・システムズ社 スコット・ハリス氏、GAP社 トリシア・ニコルズ氏の講演内容をレポートします。

それぞれ、ヤフーの宮坂氏は「スマートフォン」、アドビのハリス氏は「ビッグデータ」、GAPのニコルズ氏は「ローカル」をキーワードに、これからのマーケティングで求められることについて語りました。

 

「BAKUSOKU」が変える日本のデジタルマーケティング
ヤフー株式会社 代表取締役社長 / 最高経営責任者 宮坂学氏

 

2日間のカンファレンスを締め括るクロージングノートに登場したヤフーJAPAN代表の宮坂氏は、これからのヤフーを「第二の創業」として、「爆速」で成長させていく決意を語りました。

 

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スマホファースト 「第二の創業」へ

 

ヤフーJAPANは現在、月間538億PVを誇るサイトです。

Windows95が発売され、インターネットが世の中に普及するときにヤフーも設立されました。まさにその時にヤフーは「インターネットの大陸」に乗り出したわけです。それから16年間、ITバブルの崩壊やリーマンショックなど、決して順風満帆とは言えない面もありながらも、ここまで来ました。

そして2007年にiPhoneが発売され、世界は一変します。ヤフーもこれからの「スマートインターネット大陸」に乗り出していかなければならないと感じました。2012年3月には、ついにスマホがフィーチャーフォンからのPVを上回りました。

これからは、スマートフォンを制する者がインターネットを制するようになります。まさにヤフーは今、「パソコン・インターネット」の会社から「スマートフォンの会社」にシフトしなければなりません。

その為に、経営陣も一新し、これからは「第二の創業」として、「スマホファースト」に「爆速」で取り組んでいきます。

 

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今までのヤフーは「バランス」を重視していました。ただ、このような歴史的な転換点においては、「アンバランス」ではないといけないと考えています。

これからのヤフーは、明確にスマートフォン1st、パソコン2ndです。

今までのPCの世界では色々な想像がつきますが、スマートフォンはまだまだ未知の世界です。その為、常に歩きながら考えること、そして適切に状況を把握し、意思決定の速度を上げて瞬時に判断していくことが必要です。組織の中で権限を委譲、承認プロセスを短くし、「間違ってもいいから決める」「とにかく爆速でやる」を実行していきます。

 

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一方で、ヤフーには創業以来変わらないことがあります。それは「ユーザーファースト」であるということです。使ってくださるお客様がいるからこそ、ヤフーがあります。これからもヤフーは、人々や社会、企業など、あらゆるものを解決していく「課題解決エンジン」でありたいと思っています。これから変わっていくヤフーにおいても、この点が変わることはありません。

 

3つの成長戦略


これからの「第二の創業」にあたり、ヤフーは2019年までに必ず営業利益を2倍にすることを目標にしています。そして、それを実現させるために3つの成長戦略を設けています。

 

 

・ポータルサイト3.0へ

最初は他社サイトへのリンク集まとめサイト=ポータルサイト1.0として開始。その後は、他社サイトへのリンク集としてだけでなく、Yahoo!ニュースやYahoo!天気、Yahoo!オークション等のヤフージャパンとしてのサービスを100以上立ち上げ=ポータルサイト2.0としてサービスをご提供してきました。

ただ、100以上あるサービスの中でも、実際のところは上位20のサービスがトラフィックや売り上げの大部分を創出している状態です。その為、今後も上位のサービスはNo.1サイトとして大事にしていきますが、それ以外のものについては、ヤフーよりもっと優れたものがあれば提携も行っていきます(例えばCookpadや食べログなど)。

各サービスに「ヤフー番付」を付け、「リバイバルして続けるのか」「他社との提携も含めて検討するのか」「やめるのか」の選択と集中を仕組み化して進めていきます。

 

・異業種との最強タッグ

新しい価値をつくりイノベーションを起こすために、「インターネット業界のヤフー」とそれ以外のものを組み合わせることもやってみたいと考えています。

例えば、ヤフーはオンライン中心の会社ですが、オフラインでポイントに強いカルチュアコンビニエンスクラブ(CCC)や、BtoB通販で最強のアスクル、キャリアにおけるスマホNo.1のソフトバンクグループとのタッグが挙げられます。

 

・未踏領域への挑戦

この15年は「インターネットでできるようになることが増えてきた歴史」と言えるものですが、今後ももっともっとできることが増えていくだろうと考えています。これからもインターネットの可能性に挑戦し、海外企業との連携(プロジェクトDEJIMA)も進めていきます。

 

マーケティング領域においても「脱皮」を

 

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また、ヤフーは企業の「マーケティング領域」においても「脱皮」を進めていきます。

ヤフージャパンには、「メディア/媒体社」としての顔以外に、「年間数百億円を広告宣伝費に投じる日本トップクラスの広告主」と「企業に対するマーケティングソリューション提供社」という2つの別の顔があります。

 

・日本トップクラスの広告主として

まず広告主としては、自ら「まずやる宣言」をし、日本における最大のモルモットとなることを約束します。

現在、ヤフーは、バナー広告、リスティング広告、アフィリエイト広告、テレビ、雑誌、ラジオ、タイアップスポンサーシップ、メール広告など様々な広告を出稿しています。これらの実験→フィードバック→発信のサイクルを爆速でまわし、私たちが取り組んだことを様々なメディアでお届けしていきたいと考えています。その為に、新たな組織として「Yahoo Marketing Innovation Office(通称YMO)」を設けました。

 

・マーケティングソリューション提供社として

インターネットテクノロジーを活用し、事業者のマーケティング活動における課題解決エンジンになりたいと思っています。

 

1.プロモーション広告

これまでリスティング広告といわれていた「インタレストマッチ」の広告を、ヤフーが持つ「検索」「ニュース」「メール」「ログイン」「買い物」「オークション出品」などの膨大なアクティビティデータと組み合わせることで、面白いターゲティングができるようになるのではと考えています。

ただ、いくらターゲティングがユニークでも「リーチ」が取れなければスケールはしていきません。

ですので、リーチとユニークなデータをかけあわせて独自のアドネットワークにしていきたいと思っています。こちらは、YDN(ヤフー・ディスプレイ・アドネットワーク)として2013年1月末にはスタートする予定です。

 

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2.プレミアム広告

これまでディスプレイ広告といわれていたものも、「リッチ広告クリエイティブ」を実践することで、記憶に残る広告・ブランドを伝える広告としての高みを極めて行きたいと思っています。

その為に大切なのは「パフォーマンス」「メジャーメント」「クリエイティビティ」です。ヤフーは、この点について「自前主義」と決別し、パートナーと最強タッグを組んで改善に挑戦していきます。

パフォーマンスについては、仏Criteoと提携して第三者配信広告を開始します。メジャーメントについては、米BrightTagと提携してウェブサイトのタグマネジメントを改善、クリエイティビティについては米MediaMindと提携し、ディスプレイ広告やビデオ広告で「伝える力」を改善していきます。

 

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ヤフーは今脱皮しなければなりません。脱皮は痛みを伴いますが、でもとても楽しいものです。今ひょっとすると日本のデジタルマーケティングは変わらないといけないのかもしれません。その課題を解決するには時間がかかるかもしれませんが、ヤフーは、「課題解決エンジン」として、次の世代に新しいデジタルマーケティングの世界を残していきたいと考えています。

 

 

デジタル時代のマーケティング:今こそマーケターが変えるべきもの
アドビ システムズ社 スコット・ハリス氏


データ解析ツールを提供するアドビシステムズ社のスコット・ハリス氏は、これからのビッグデータ時代においてマーケターに何が求められているのかについて語りました。

 

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デジタル時代のマーケターに求められること

 

これからのマーケティングは、確実に「デジタル時代のマーケティング」となり、企業はそれに伴って様々な変革が求められています。

今までのマーケティングは、クリエイティブに寄り過ぎており、経営層から認められてこなかったという調査があります。CEOの80%はマーケターに対して懐疑的であり、70%はマーケターはビジネスに成果をもたらしていないと考えているというのです。

これからのデジタル時代におけるマーケターは、「データ」を最大限に活用、無駄を省き、マーケティングは「コスト」ではなく「投資」であることを経営層に示していくべきだと考えます。つまり、マーケティングとは「お金を無駄に使っている」ものではなく、「お金や利益をもたらしているもの」と示していくべきなのです。そのためには、マーケティング活動が、ビジネスにおいてどのようなインパクトがあるのかを、きちんとデータで示していくことが大切です。

 

全てのマーケティングプロセスを計測せよ

 

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現在アドビシステムズ社ではマーケティング予算の74%をデジタル分野に投じており、この割合を過去数年急速に増やしてきました。

デジタルの世界では、全てをはっきりと計測することができます。お客様のインサイトを論理的に得ることができ、成功体験を反復したり、改善を繰り返すことができます。また成果としてのROIも計ることが可能です。

これからのビッグデータ時代において、マーケターとして何かを成し遂げるときの根幹は「データ」であります。一つのキャンペーンにおいても、ローンチ前からリリース後、終了フェーズに至るまで全ての数値をリアルタイムで測定しなければなりません。そして、数値に基づいたテストを繰り返して無駄を発見し、改善を重ねていくことが重要です。ソーシャルメディアが果たすコンバージョンへのパス=アトリビューション効果についてもきちんと測定し、効果を最大化できるよう調整していく必要があります。

 

「データ」と「クリエイティビティ」を両立

 

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ではこれからのマーケティングに求められるのは「データ」のみであり、従来より重要視されてきた「クリエイティビティ」は必要ないのでしょうか?もちろんそんなことはありません。クリエイティビティを追求し、人の気持ちや感情に訴えるコンテンツを追求することも非常に大切です。

今までは、「データ」か「クリエイティブ」かのいずれかに寄ってしまう傾向にあったのではないでしょうか。しかしながら、これからのマーケティングにおいては、それらを両立させることが重要なのです。

マーケティングクラウドの中から、企業はいかにストーリーを見つけ出していけるか。そしてストーリーを積み上げることにより効率性を追求していけるか。「右脳」と「左脳」をバランスさせることこそが、これからのマーケターに求められるものであると言えるでしょう。

 

 

How Gap Puts Consumers First
GAP Inc. トリシア・ニコルズ氏


米国GAPにおいてカスタマーエンゲージメントのグローバル・リードを務めるトリシア・ニコルズ氏は、創業42年を迎えた老舗ブランド「GAP」が、どのようにして日本、そして世界で顧客と長期的な関係を構築しているかについて語りました。

 

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GAPが創業以来大切にしていること

 

GAPは、1969年当時、「体にフィットするジーンズ」を売っているお店がないことに着目、それを広めていくために創業されました。それから43年が経過しますが、GAPには創業以来変わらずに大切にしている3つのコアバリューがあります。

 

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1.optimism
人々と一緒に多くのことをやっていこうという精神

2.democracy
人々の声を共有する姿勢

3.individualism
似たものがどうしがつながっていく世界

これらのコアバリューを、インターネット上や、リアルを含む様々なキャンペーンでも体現しているのです。

 

GAPを成長させた4つのキーワード

 

また、GAPが今まで成長してきたポイントは4つのキーワードにまとめることができます。

 

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1.テクノロジー
新たなテクノロジーやサービスモデルへの市場の期待が高まっています。ザッポスが「通販」を変えたり、Instagramが「個人にとっての写真」を変えたように、GAPも新たなテクノロジーを重視しています。

2.コラボレーション
GAPは他社とのコラボレーションを積極的に行っています。コラボレーションすることにより、ブランドを深めることができるからです。

3.グローバルフレームワーク
世界的なブランドとして、グローバルフレームワークでコンシューマーとの絆を深めていきます。

4.ローカライゼーション
グローバル企業でありながらもローカルとの繋がりも大切にしていきます。ローカルで顧客との絆を深めることでブランドそのものも深めていくことができます。

 

2012年に展開したキャンペーン事例

 

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夏のキャンペーンの主役は「Tシャツ」です。この夏、ニューヨークでは、ツイートで上げてもらったTシャツの写真を街中の看板に掲げるプロモーションをしました。

 

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他には、ロンドンで「バス」にTシャツをプリントするキャンペーンを展開したり、日本では原宿店に素晴らしいディスプレイを施しました。このように、それぞれの地域の特徴を捉え、「ローカライズ」させたキャンペーンを展開しています。

 

 

日本では、「GAP CREATIVE LABEL」として様々な層に支持される8組のアーティストと、GAPの商品を通じてコラボレーションしました。こちらの動画は、「少女時代」などのふりつけで人気の仲宗根梨乃さんとコラボレーションし、SEKAINO OWARIの楽曲を載せたミュージックビデオです。

このような取り組みにより、それぞれのアーティストを支持するコアなファンや、その周辺にいる方々と会話を始めることができます。また、GAPへの親和性を感じてもらい、ソーシャルを通じてその先の友人たちとも繋がることができるのです。

 

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こちらは、お店に来ていただいた方にNFC機能がついたリストバンドをお渡しし、その状態でスタッフとハイタッチしてもらうとリアルタイムでFacebookのいいね!に反映されるというキャンペーンです。

この取り組みにより、ソーシャル上でキャンペーン期間に「GAP」がメンションされた数を4倍に増やすことができました。また、キャンペーン終了後もその数は急激に元に戻ることは無く、その前の1.5倍の数を保つことができました。

 

他にもiOSとPassbookを活用したキャンペーンや、ARキャンペーンなどが紹介されました。

 

■関連記事

【ad:tech東京2012レポート】
・Facebookとユニリーバが語るこれからのマーケティングに大切なこと
http://smmlab.jp/?p=13817

・ソーシャルメディアによってマーケティングはどう変わっているのか?
http://smmlab.jp/?p=13888

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【ad:tech東京2011レポート】

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