2020年話題になったSNSキャンペーン事例まとめ11選

2020年も、様々なSNSプラットフォームでたくさんのキャンペーンが行われました。SNSキャンペーンがユーザーにとって馴染みのあるものになる一方で、数多あるキャンペーンの中でいかに自社のキャンペーンを成功させるかについて、お悩みのご担当者様も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、2020年に行われたSNSキャンペーンから注目したい11個の事例をご紹介するとともに、2021年のSNSをキャンペーンを成功させるために必要な3つの要素について解説していきたいと思います。

ユニークな発想でユーザーの心を掴んだキャンペーン事例

SNSキャンペーンが一般的なものとなりユーザーのキャンペーン参加障壁が下がる一方、日々多数の企業キャンペーンが実施されているため、企業はいかに自分たちのキャンペーンにユーザーを惹きつけるかが大切となっています。

こうしたキャンペーン慣れしたユーザーに、興味関心をもってもらうキャンペーン手法のひとつに、企画やクリエイティブの工夫があります。
まずは、企画やクリエイティブを工夫し、SNSユーザーが思わず参加したくなるキャンペーンを行った事例をご紹介します。

事例1:【Twitter】#一番速くスワイプできたら100万円|サントリーフーズ株式会社

今年5月に発売された「ZONe」(サントリーフーズ)は、500ml入りという大容量や「デジタル世代に向けた超没入エナジードリンク」という新しいコンセプトが話題のエナジードリンクです。
そんなZONeのプロモーション施策の1つとして行われたのが、Twitterを活用した「#一番速くスワイプできたら100万円」キャンペーンです。

このキャンペーンでは、人気YouTuber芸人フワちゃんとコラボ。スマホの画面をスワイプして正しいZONeのアイコンを探し出すというオリジナルゲームを提供し、そのスコアによってインセンティブを渡しました。

ゲームの参加にはTwitterアカウントからのログインが必要となるため、参加ユーザーのTwitterアカウント情報の取得も可能。さらに商品のコンセプトである「IMMERSIVE=没入」をゲームで体験することでブランドコンセプトをわかりやすく訴求したキャンペーンです。

▼キャンペーン投稿
https://twitter.com/zone_energy_jp/status/1262295056397955072

▼キャンペーン概要
・対象のキャンペーンTweetの画面からゲームに参加できるサイトに遷移
・Twitterアカウントを連携してログインし、ゲームに参加
・指令に従って画面をスワイプして、正しいZONeのアイコンを見つける
・各ステージ10秒の制限時間があり、クリアすると次のステージへ
・最終的にスワイプした総数が自分のスコアとなり、ランキングに反映
・ランキング1位のユーザーには優勝賞金100万円
・規定スコアを達成したユーザーには先着14万名様に商品の引き換えクーポンとフワちゃんのスマホ壁紙をプレゼント

事例2:【Instagram】新人ヤマトくん フォロー&いいねキャンペーン|ヤマト運輸株式会社

また、キャンペーンで投稿するクリエイティブを工夫し、ユーザーの興味関心を高めることもキャンペーンを成功に導く効果的な手法の1つです。
ヤマト運輸株式会社が行った「新人ヤマトくん フォロー&いいねキャンペーン」もその1つ。

このキャンペーンでは、投稿にオリジナルムービーを使用しています。実際に同社で働くドライバーの実話を元に作られたこの動画は、新人ドライバーが先輩やお客さんに支えられながら成長していくというもの。

ドライバーの実話をもとに作られているストーリーはユーザーの興味をひき、親近感を醸成。また、キャンペーンのプレゼントは動画内にでてくる新人ドライバーが運ぶ箱の中身、という設定にし、その発表を動画の最後に持ってくることで、動画の完全視聴を促すことにも繋がっています。

実際、4000件以上のいいねを集め、また動画を視聴したユーザーからのコメントも約170件寄せられるなど、大きな反響を得たキャンペーンとなりました。

▼キャンペーン投稿
https://www.instagram.com/p/CG1FU6DjWWe/

▼キャンペーン概要
ヤマトグループ公式のInstagramアカウントをフォロー
・対象の投稿にいいねをして参加完了
・プレゼントは動画内で新人ドライバーが運んでいる荷物の中身

事例3:【Twitter】#禁断の雪見トースト|株式会社ロッテ

大手製菓メーカーのロッテが実施したTwitterキャンペーンは「#禁断の雪見トースト」。
SNSを中心にじわじわと流行している、雪見だいふくをトーストに乗せて食べるというレシピを利用し、Twitterユーザーの興味をひくキャンペーンに成功しています。

このキャンペーンでは、まずキャンペーンページ上で、画像を使って「雪見トースト」の作り方を紹介。同時に、Twitter上に「なぜ、人は雪見をトーストにのせるのか?」、ユーザーそれぞれが考える理由を大喜利形式で募集し、「#禁断の雪見トースト」をつけたツイートを促すものです。

SNS上の流行をうまく活用し、ユーザーが思わず参加したくなるキャンペーンで多くのユーザーの参加を促しているこのキャンペーンでは、同時に「#禁断の雪見トースト」のUGC生成にも成功しています。特に、実際にトーストを作ったユーザーの写真も数多く見られるなど、ユーザーの積極的な参加姿勢が伝わるキャンペーンです。

▼キャンペーン投稿
https://twitter.com/yukimi_lotte/status/1315562853768720386

▼キャンペーン概要
雪見だいふく公式Twitterアカウントをフォロー
・「あなたが考える雪見をトーストにのせてしまう理由」を記載のうえ、指定ハッシュタグ「#禁断の雪見トースト」をつけてツイート
・抽選で100名のユーザーに雪見だいふく5個をプレゼント

事例4:【Instagram】#映えドミノ プレゼントキャンペーン|株式会社ドミノ・ピザジャパン

ユーモアのある投稿で人気のアカウント、ドミノ・ピザ公式のInstagramアカウントで行われたのは「#映えドミノ」プレゼントキャンペーンです。

同社の商品を使った「インスタ映え」する写真やイラストの投稿を促す同キャンペーン。「宅配ピザ×インスタ映え」という意外性のあるテーマは話題となり、「#映えドミノ」をつけた投稿がInstagram上に多数発生しています。

また、投稿自体のクオリティも高く、中にはピザが入っている箱を使って装飾された「ドミノシューズ」や、プロ顔負けのイラストなど、単純なピザの写真ではない趣向を凝らした投稿も見受けられます。キャンペーンを通して、ユーザーに楽しい体験を提供し、ブランド好意度の醸成にも繋がっている事例です。

▼キャンペーン投稿
https://www.instagram.com/p/CDdHYTQj-I6/

▼#映えドミノ投稿一覧
https://www.instagram.com/explore/tags/%E6%98%A0%E3%81%88%E3%83%88%E3%82%99%E3%83%9F%E3%83%8E/

▼キャンペーン概要
ドミノ・ピザ公式のInstagramアカウントをフォロー
・「#映えドミノ」をつけ、公式アカウントをメンションして、ドミノピザと共にインスタ映えする写真やイラストを投稿
・寄せられた投稿の中から1位から佳作まで合計12名の投稿者に順位に応じた枚数のピザ無料券をプレゼント

コラボや参加方法など、キャンペーンの座組みに工夫が見られるキャンペーン事例

SNS上で人気の著名人とのコラボレーションや、企業間コラボ、キャンペーンの参加方法に一手間加えるなど、キャンペーンの座組みを工夫することも、ユーザーのキャンペーンに対する興味関心を強くすることができます。

事例5:【TikTok】「プチアガールチャレンジ」|株式会社ブルボン

@bourbon.jp

How To篇 ねおちゃんのデビュー曲「プチアガール」チャレンジ実施中!#ねお#チアガール#ブボン#プチリーズ#発売24周年#プチBIGチャレンジ

♬ プチアガール (feat. Moe Shop) – ねお

株式会社ブルボンの人気商品プチシリーズの24周年キャンペーンの一環として行われたのが「プチアガールチャレンジ」キャンペーンです。

このプロモーションでは、イメージキャラクターとしてTwitterアカウントのフォロワー50万フォロワー超え、YouTubeのチャンネル登録が100万人近い人気を誇る、モデルでYoutuberのねおを起用。商品とタイアップした彼女の歌手デビュー曲、「プチアガール」のオリジナルダンス動画の投稿を呼びかけました。

「プチシリーズ」自体が若年層から人気の商品であり、ターゲット層の利用が多いTikTokと、ターゲット層から人気を誇るカリスマインフルエンサーのコラボキャンペーンは、SNSを中心に話題化。彼女と親交のある著名人の投稿も集まったことで大きなムーブメントとなりました。

▼キャンペーン投稿
https://vt.tiktok.com/ZSX5qeLD/

▼ユーザー投稿動画一覧
https://vt.tiktok.com/ZSX5SURn/

▼キャンペーン概要
ブルボン公式TikTokアカウントで投稿された「プチアガール」の曲のダンスを真似し、「#プチアガール」や「 #プチ BIGチャレンジ」などのハッシュタグをつけて投稿

事例6:【Twitter】#企業公式コラボ 夏のボーナスキャンペーン

企業公式コラボ 夏のボーナスキャンペーン キャプチャ

企業間コラボキャンペーンとして、7月~9月にわたり計3回行われたのが「#企業公式コラボ 夏のボーナスキャンペーン」です。

7月に実施した第1弾では、キャラメルコーン【東ハト公式】(株式会社東ハト)、bibigo_ビビゴ公式(CJ FOODS JAPAN株式会社)、サッポロポテト公式(カルビー株式会社)、dマガジン 公式アカウント(株式会社NTTドコモ)、ハウス食品グループ(ハウス食品グループ本社株式会社)、【 讃岐 】はなまるうどん(株式会社 はなまる)、ニトリデコホーム(株式会社ニトリ)、みんなのFX|トレイダーズ証券(トレイダーズ証券株式会社)の8企業の公式アカウントが参加しました。

Twitterのオートリプライ昨日を活用したインスタントウィン形式を使用したこのキャンペーンでは、キャンペーン対象ツイートをリツイートするとすぐにリプライツイートが届き、そのツイートからキャンペーン特設ページへ遷移すると当落をその場で確かめることができます。さらにキャンペーンページ上には、他の参加企業アカウントが掲載されているため、そのまま他公式アカウントキャンペーンに参加することが可能になります。

業種や業態は様々ですが、各アカウントのキャンペーン情報をまとめた特設ページは開催期間中5日間で約350,000PV、キャンペーンの総リツイート数は約607,000リツイート、総ユニークユーザー数も約116,000ユーザーに及ぶなど、大盛況のうちに終わりました。

企業間コラボによって複数アカウントが集まることにより、今まで接点のなかったフォロワーに対して自社アカウントのフォローを促すきっかけにもなり、1社で行うキャンペーンよりも効率的にキャンペーン参加者を集めることができている事例です。

▼キャンペーン概要
・参加企業公式Twitterアカウントをフォローし、対象のリツイート
・オートリプライでその場でユーザー宛てに通知
・キャンペーン特設ページに遷移するとその場で当落を表示
・キャンペーン特設ページでは他参加企業アカウントが掲載されており、そのまま他公式アカウントキャンペーンに参加することが可能

事例7:【Twitter】#みんなのレゴユニコーン チャレンジ|レゴジャパン株式会社・株式会社朝日新聞社

また、SNSとその他メディアとのコラボレーションによって、キャンペーンの効果を高めることも可能です。

レゴ・ジャパン株式会社と、株式会社朝日新聞社が行った「#みんなのレゴユニコーンチャレンジ」は、Twitter×新聞広告のメディアミックスが実現したキャンペーンです。

このキャンペーンではレゴブロックを使って「ユニコーン」をテーマにした作品の写真のツイートを呼びかけ、その応募作品の一部が朝日新聞全国版朝刊の全面広告で紹介。「お子さまの作品が新聞広告になるかも!?」とのキャッチコピーでキャンペーン参加を促し、子供達の作ったたくさんのレゴ作品のUGCを生成しました。

また、応募作品はレゴ・ジャパン公式のTwitterアカウント上でモーメント機能を活用してまとめられているほか、普段の投稿でも紹介し、参加したフォロワーとのコミュニケーション活性化にも繋げています。

▼キャンペーン投稿
レゴ ジャパン公式の投稿
https://twitter.com/LEGO_Group_JP/status/1313793016214118402
WORKO!の投稿
https://twitter.com/OfficeWorko/status/1313669421093679104

▼応募作品まとめ
https://twitter.com/i/events/1318072573482078209?s=20

▼キャンペーン概要
・レゴジャパン公式Twitterアカウントと、朝日新聞のWORKO!公式Twitterアカウントをフォロー
・「#みんなのレゴユニコーン」のハッシュタグをつけて、レゴ作品の写真をツイート
・応募作品の一部を朝日新聞全国版朝刊・全面広告にて紹介

事例8:【Twitter&Instagram】夏の豆乳総選挙|キッコーマン飲料株式会社

同じキャンペーン企画を複数のSNSアカウントで実施すれば、それぞれのSNSをアクティブに使うユーザーにリーチし、キャンペーンをより盛り上げていくことができます。

キッコーマン飲料株式会社が行ったのは、キッコーマン豆乳公式のInstagramTwitterアカウントにおける「夏の豆乳大選挙」キャンペーンです。

同社の豆乳で作る夏にぴったりの冷たいデザートである「アイス」と「プリン」についてどちらを支持するかをSNSで投票してもらうこの企画は、Instagram、Twitter双方で話題化。キャンペーンに参加するだけでなく、自主的にハッシュタグをつけて自作のデザートの投稿をするユーザーも現れるなど盛り上がりをみせました。

またInstagramでは、対象の投稿をストーリーズでシェアする形での応募も可能であり、タイムラインへのリポストを躊躇するユーザーに対してキャンペーン参加ハードルを下げることにも成功しています。

▼キャンペーン投稿(Instagram)
アイスの投稿
https://www.instagram.com/p/CCSwywFDVmE/
プリンの投稿
https://www.instagram.com/p/CCSyEEQDKdQ/

▼キャンペーン投稿(Twitter)
https://twitter.com/kikkoman_tounyu/status/1271260936540762113

▼キャンペーン概要(Instagram)
・キッコーマン豆乳公式Instagramアカウントをフォロー
・豆乳アイス、豆乳プリンそれぞれの投稿のうち、投票したい投稿を選び、指定ハッシュタグとキッコーマン豆乳公式アカウントにメンションをつけて、投稿をシェア
・シェアはタイムラインへのリポスト、ストーリーズどちらでも可能
・応募者の中から抽選で夏のキッコーマン豆乳グッズを100名にプレゼント

▼キャンペーン概要(Twitter)
・キッコーマン豆乳公式Twitterアカウントをフォロー
・対象のキャンペーンツイートから、投票したいハッシュタグを選んでハッシュタグツイート
・抽選でキッコーマン豆乳グッズを400名にプレゼント

キャンペーンを通して拡散やフォロワー獲得以外の成果に繋げている事例

SNSキャンペーンは公式アカウントのフォロワー獲得や、商品やブランド認知獲得のための拡散を目的として行われる場合が多いですが、それ以外の成果に繋げている事例もあります。

事例9 4週連続フォロー&コメントキャンペーン|カゴメ株式会社

カゴメ株式会社の公式Instagramアカウントで実施されたのは「フォロー&コメント」キャンペーンです。
4週連続、週1回のペース野菜にまつわるクイズが投稿され、その投稿に正解をコメントすることで応募ができるこのキャンペーン。

キャンペーンを通して、日本人が1日に不足しているとされる野菜摂取量60gの摂取を促す「野菜をとろうあと60g」という同社のメッセージを、クイズという楽しい企画で訴求しています。また、4週連続企画とすることで、ユーザーに毎週の投稿への期待感を持たせたり、投稿クリエイティブ内では同社の運営する情報サイト「VEGEDAY」の検索を促す工夫も実施。

こうした工夫は、同社のブランドメッセージやこだわりを親近感をもって効率的にユーザーに伝え、キャンペーンによるブランド理解促進やブランド好意度の醸成につながっています。

▼キャンペーン投稿
第1週 https://www.instagram.com/p/B8Fr8fLhDsc/
第2週 https://www.instagram.com/p/B8XtgjEhPly/
第3週 https://www.instagram.com/p/B8pvH-IjvRm/
第4週 https://www.instagram.com/p/B8-VcZhDvbV/

事例10【TikTok】#TikTokスポーツライフキャンペーン|株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン(協賛)

自社主催ではなくメディア主導のキャンペーンに協賛して潜在層にアプローチし、ブランドリフトにも成功したのが「#TikTokスポーツライフキャンペーン」に参加した株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン(以下GDO社)です。

「#TikTokスポーツライフ」は、自宅で楽しめるスポーツを紹介する動画、プレー動画、観戦動画など、動画を通してユーザーのスポーツライフを応援するために行われたTikTokのキャンペーン。GDO社は、TikTokスポンサーシップコラボパッケージのひとつとしてこのキャンペーンに協賛し、まだゴルフに馴染みがない潜在層への認知獲得と、同社のアプリであるGDOスコアのインストールを促すことに成功しました。

このキャンペーンの成功のポイントは、GDO社による広告色をなるべく抑えたTikTokユーザーが親しみやすい動画投稿と、使いやすいスタンプ提供が、メディア主導のキャンペーンに馴染んだことにあります。

結果、TikTok上には、ゴルフのプレー動画だけではなく、ゴルフボールを使って遊ぶ動画や、ゴルフのマナーを教えるものなどゴルフにまつわる様々な動画が生まれ、ブランド認知や広告想起などのブランドリフトにつながりました(※)。

▼キャンペーンで投稿された動画
https://vt.tiktok.com/ZS4eJFuY/

▼キャンペーン概要
・様々なお手本動画を参考にしながら、「#TikTokスポーツライフ」をつけてスポーツにまつわる動画を投稿
・優秀な動画にはGDO社をはじめとして協賛各社から提供された賞品をプレゼント

事例11【Instagram】「メイクドリルLIVE」フォロー&コメントキャンペーン|株式会社伊勢半

キャンペーンを活用して、InstagramライブとそのアーカイブであるIGTV動画の視聴促進を行なっているのは、heroine make/ヒロインメイク(株式会社伊勢半)のInstagramアカウントです。

同アカウントでは、定期的に人気美容家によるメイク講座のInstagramライブを行い、毎回テーマに沿って同社の商品を活用したメイク術を伝えています。このInstagramライブとIGTVのアーカイブ動画の視聴を促し、商品理解やブランド理解につなげるために実施しているのが「メイクドリルLIVE フォロー&コメントキャンペーン」です。

アカウントをフォローし、InstagramライブやIGTVのアーカイブを視聴して、キャンペーン投稿のコメント欄に感想を記入するというシンプルな参加方法にすることで、効率的に動画視聴をさせることに成功しているこのキャンペーン。

視聴させるだけでなく、熱量の高いユーザーからのコメントが多く寄せられ、Instagramライブを通したフォロワーとの関係構築にもつながっている事例です。

▼キャンペーン投稿
https://www.instagram.com/p/CB5fYEKj_76/
https://www.instagram.com/heroinemake/
https://www.instagram.com/p/CDY4W_8jW62/

▼キャンペーン概要
・heroine make/ヒロインメイク(公式)のInstagramアカウントをフォロー
・Instagramライブおよびそのアーカイブ動画を視聴
・キャンペーン投稿のコメント欄に、メイク講座の感想をコメントして応募
・抽選で同社の商品をプレゼント

事例から紐解く、2021年SNSキャンペーンを成功に導く3つのポイント

最後に、2020年に話題になったキャンペーン事例をヒントに、2021年SNSキャンペーンを成功に導く3つのポイントについて簡単にご紹介したいと思います。

SNSキャンペーンを成功に導く3つのポイント

ポイント①プラットフォームごとの特徴をしっかり理解する

各SNSプラットフォームは、それぞれが目指している姿や実現したい世界感を持っており、日々そのための機能開発やアップデートを行なっています。
特に2020年は、新型コロナウイルス感染症の拡大もあり、各プラットフォームがそれぞれ機能開発・アップデートを重ねて、よりその特徴が色濃くなった1年でした。

コロナ禍を経て、各SNSプラットフォームがどんな機能を強化してきたのかについてまとめた記事はこちらです。
【媒体別解説】4大SNSプラットフォームはコロナ禍にどう立ち向かっているのか

こうした変化が多かった2020年を経て、変化したプラットフォームの特徴や特性をしっかりと押さえることはキャンペーンの成功には不可欠です。

例えば事例8で紹介した「夏の豆乳大選挙キャンペーン」(キッコーマン飲料株式会社)では、TwitterとInstagramそれぞれでキャンペーン参加方法を設定。さらにユーザーの会話の活性化を目指すTwitterの世界観を体現するような、ユーザーからの自主的なレシピ投稿などのハッシュタグツイートを増やすことに成功しています。

また、事例11で紹介したhiroin make/ヒロインメイク(公式)のキャンペーンでは、動画に対応した機能の強化を行なっているInstagramのライブ配信機能とIGTV機能をうまく活用し、施策全体で商品理解やファンとの関係構築につなげています。

2021年のSNSキャンペーンでは、プラットフォームに対する理解を深め、それぞれに適したキャンペーン設計をおこなう重要性がますます加速するでしょう。

ポイント②ユーザーを理解してユーザー視点を持つ

プラットフォームごとに特性があると同時に、ユーザーがSNSを利用する目的や心理状態、好むコンテンツもプラットフォームごとに異なります。
良いキャンペーンを行うためには、こうしたユーザーの特徴を理解し、ユーザーの視点にたったキャンペーン設計を行うことが大切です。

事例3の「#禁断の雪見トースト」キャンペーン(株式会社ロッテ)では、SNS上で話題になっていた雪見だいふくをトーストにのせて食べるという食べ方をキャンペーンに活用し、Twitterユーザーがキャンペーンに思わず参加したくなるキャンペーン設計を行なっています。

また、事例10で紹介した「 #TikTokスポーツチャレンジ」(株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン)は、TikTokユーザーが親近感を覚えるような動画内容や撮影方法が工夫され、キャンペーン用に提供されたスタンプも、広告色を抑えてユーザーが使いたくなるようなデザインにすることでブランドリフトに成功しています。

生活者のSNS全体に対する接触態度が変化し、同時にそれぞれのSNSごとにユーザー心理も変わっていくなかで、2021年のSNSキャンペーン設計ではより一層、「ユーザー視点」が求められてくるだろうと言えます。

ユーザーのSNSに対する接触態度がわかる!SNSをきっかけとしたユーザーの購買行動・口コミ行動を徹底調査した記事はこちらです。
【2020年最新版】5大SNSユーザーによる「SNSをきっかけとした購買行動・口コミ行動調査結果」公開!(Twitter、Instagram、Facebook、LINE、YouTube)

ポイント③キャンペーンの目的をより明確化する

日々たくさんの企業がSNSキャンペーンを実施している中で、「何のためにキャンペーンを行うのか」が明確化されないままでは、キャンペーン自体が曖昧なものになってしまいます。

事例6で紹介した「#夏のボーナスキャンペーン」では、Twitterのオートリプライ機能を活用し、複数企業での共同企画とすることで、参加ユーザー数の最大化と、同時開催している他企業のキャンペーンへの送客という2つの目的を達成しています。

そして事例4の#映えドミノプレゼントキャンペーン(株式会社ドミノ・ピザジャパン)や事例7の#みんなのレゴユニコーン チャレンジ(レゴジャパン株式会社・株式会社朝日新聞)では、投稿テーマやキャンペーンのキャッチコピーを工夫することで、多くのUGCを発生させ、そのUGCを使ってSNSアカウントでのフォロワーとのコミュニケーションの活性化を実現しています。

これらの事例のように、どんな成果を求めてキャンペーンを行うのかを明確にすることで、実施すべきキャンペーンの企画や仕組み、選ぶプラットフォームなど最適なキャンペーン設計が実現します。
これからのキャンペーン設計には、あらためてこの「目的の明確化」を意識することが重要でしょう。

SNSキャンペーンについて、よくある10の質問について詳しく解説している記事はこちらです。
SNSキャンペーンについて、よくある質問10個に答えてみた!【マーケティング施策の「あるある」一問一答】

いかがでしたか?
今回は2020年度に実施されたSNSキャンペーンから注目すべき11個の事例と、それらから考察される2021年のSNSキャンペーンを成功に導く3つの要素についてご紹介しました。

ぜひ来年度のSNSキャンペーン施策を行う際の参考にしてみてください!