広告CPM/CPCの高騰、薬機法や景表法等各法律の厳格化、クッキー規制によるターゲティング・計測の正確性への影響、生活者のニーズや行動の多様化など、今日のダイレクトマーケティングを取り巻く環境は様々な変化と困難の連続です。「従来のやり方のままでは広告の効率を維持しきれない」と感じている方も多いのではないでしょうか?
こうした中、広告からの遷移先である「LP(ランディングページ)」のコンバージョン効率を上げることで広告効率を改善することが各社の急務となっています。
そこで今回は、通販・ダイレクトマーケティングのLPで、実際にCVRの向上につながっているトレンドのパターン3選をご紹介します。
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トレンド①ファーストビューを動画で表現する
広告からランディングして一番最初に目に入るファーストビュー。
LPでもっとも重要な要素の一つと言われており、このファーストビューのデザインや盛り込む要素をさまざまなA/Bテストしている企業様が多いのではないでしょうか。
ファーストビューには、これまで静止画(もしくは静止画に多少のアニメーションを施したもの)を使うケースが大半で、
- 広告からの入り口として、まずは広告のメッセージとファーストビューのメッセージを合わせることで離脱を防ぐこと
- 魅力的なキャッチコピーやデザインで、下にスクロールして読み進めたくなるような、フックを作ること
などの工夫をすることが多かったと思いますが、最近はファーストビューそのものをフルで動画にすることで冒頭から商品の理解を促進し、よりスムーズにコンバージョンに促すLPが増えています。
事例:DMJえがお生活
<従来のファーストビュー>
<動画を活用したファーストビュー>
健康食品やサプリメント、化粧品等を販売するDMJえがお生活は、LP上のコンテンツを40秒ほどの動画にギュっと凝縮してファーストビューに置くことで、ファーストビューに静止画を掲載していた従来のLPと比較してCVRを平均1.25倍(最大1.7倍)向上させることに成功しました。
動画の内容は、従来よりLPに掲載していた静止画コンテンツをスライドショー風に組み合わせたもの。アニメーション加工等を施すことによって40秒程度の動画に仕上げています。ユーザーが長いLPをスクロールし文字を読み込むストレスなく、受動的に動画を見るだけでも商品のメリットが理解できるよう工夫しています。
動画を通してユーザーの商品への理解や納得感を高めることで、初回購入段階から期間の長いコースへの申し込みを増やすことにも成功。「お試しコース」ではなく期間の長い「3か月コース」に申込むユーザー数が、従来のLP経由と比較して16%も増加したそうです。
商品のLPは縦にだいぶ長いものも多いですが、ユーザーは実際には多くを読み飛ばしていたり、ポイントとなる場所だけ見ている傾向にあります。
ファーストビューに、短い時間で商品の特徴や魅力が理解できる動画コンテンツを置くことで端的にユーザーの商品理解を促し、ユーザーがより深く理解したい特徴についてはスクロールして該当箇所を読み込んでもらう…という流れを作れるのではないでしょうか。
トレンド②UGCをテキストレビュー形式でも活用する
LPのコンテンツに欠かせない要素が口コミ。ネットで商品購入を検討する際、生活者のクチコミやレビューをチェックする人は、全体の88.5%にも及んでいます。
そのため、LP上においても、多くの企業がユーザーのInstagram投稿をキャプチャして貼ったり、あるいはツールを活用してSNS投稿を直接埋め込んだりなど、UGCをコンテンツとして盛り込んでいる様子がうかがえます。
ただ、これまでのLP上におけるUGCコンテンツの活用は、主に写真+コメントを活用したものが多かったのではないでしょうか?
最近は、写真+コメントに加えて、よくECサイトで見られるような、スターレート付&テキスト形式のレビュー投稿を活用することでCVR向上につなげる事例が出てきています。
事例:三ツ星ファーム
株式会社イングリウッドが展開する冷凍のおかず定期便サービス「三ツ星ファーム」は、新規顧客獲得向けLP上にInstagram投稿とテキスト形式のレビューを活用し、CVR1.86倍を実現しました。
強みの一つである「メニューの多さ」を訴求するためにはInstagram投稿を活用。
一方、家族構成やライフスタイル別にどのように商品が使われているのか、価値を感じてもらえているのかの訴求には、テキスト形式のレビューを活用しています。
さらに、これらUGCのLPにおける掲載位置や、UGCの上に表示するバナー、UGCの表示デザインの検証~運用を順に実施することで、高い成果につなげています。
ひと口にUGCと言っても、さまざまな種類があります。LPを訪れるユーザーの層や、LP内のどの場所にUGCを置くかによっても、どのような種類の「UGC」でユーザーに対して「どんな作用」を期待するのかが異なるでしょう。
LPに「ただUGCを載せればよい」のではなく、どんな見せ方でどう載せるのが良いのかを工夫することで、CVRは大きく変わってくると言えます。
トレンド③LP全体に動画の要素を盛り込む
さまざまな情報が溢れている現代。
LPを訪問したユーザーに負担をかけることなく、いかにスムーズに情報を届けられるかがCVR向上のカギと言えます。
その工夫の一つとして、従来は静止画だったコンテンツに動的なアニメーションなどを施すことでより情報を届けやすくし、CVR向上につなげることが可能です。
事例:ZENB
ミツカングループで、黄えんどう豆100%の新主食「ゼンブヌードル」「ゼンブマメロニ」「ゼンブミール」などを販売するZENBは、LP上の複数の静止画コンテンツを動画化することで、CVR1.47倍向上させることに成功しました。
1から動画コンテンツを企画・制作するのではなく、既存の静止画コンテンツのテキスト部分にアニメーションを加えたり、料理の写真に湯気のエフェクトを加えたりする動画を制作。動画化することで情報がユーザーにより届きやすくなり、CVRの向上を実現しています。
ボタンの位置や色の変更、コンテンツの入れ替えなど、さまざまなLPO施策に取り組んできた方にとっての新たな打ち手の一つとして、既存の静止画コンテンツの動的化は有効な手段だと言えるでしょう。
本事例の詳細はこちら:
▶ZENB JAPAN、LP上の静止画コンテンツを動画化しCVR1.47倍を実現
まとめ:LPのCVRを改善する上で大切な2つのこととは
今回は、直近でCVR改善につながっている手法3つをご紹介しました。
ただし、LPのCVRを改善する上で大切なのはこうした手法を追うことだけではありません。基本である以下2点を、常に忘れずに実行し続けることが何よりも大切です。
①スピード感をもってPDCAが回せる体制を持つこと
全ての結果はユーザーの行動に現れます。Google Analyticsやヒートマップ、その他分析ツール等を用いて、LPを設計した時の仮説通りにユーザーが反応して行動してくれているかを確認しましょう。
ユーザーが想定通りに動いていない箇所が見つけられたら、なぜそうなのかの仮説を立てて改善し、検証します。そのプロセスを繰り返し続けることが必要です。
②そもそも顧客のインサイトに沿った設計になっているかに常に立ち返ること
どんなにトレンドの手法を取り入れても、そして細かなPDCAを繰り返しても、そもそもの訴求が顧客のインサイトに沿ったものになっていなければ、大きな改善は望めません。
そのため、ユーザーインタビューやアンケート調査などを実施して顧客の理解に努め、訴求そのものを磨き続けていく努力が必要です。
先ほどの事例でもご紹介した「三ツ星ファーム」は、詳細な顧客インサイトを取得するため、利用状況・特性認知・特徴魅力などを把握するためのアンケートを設計し、定期顧客から収集して分析。その結果をもとにLPを制作することで、CVR1.3倍・CPA27%の改善に成功しています。
本事例の詳細はこちら:
▶【CVR1.3倍・CPA27%の改善】三ツ星ファームのLP制作・運用事例
企業のダイレクトマーケティングに特化したCVR最適化プラットフォーム「Letro」は、食品、化粧品、ジム、通信教育など600を超える企業の累計15万超のWEBサイト・LPの改善を見てきた実績をもとに、UGCや動画などのコンテンツの量産から運用、その結果をもとにしたマーケティング施策の設計から訴求作りまでワンストップで支援しています。
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