毎日忙しいEC担当者にとって大きな味方となるのが「ECの売上アップ」や「業務改善」に使える各種ツールです。しかし、どのツールを選んだらよいのか、本当に使えるツールは何なのか分からず、お悩みのご担当者様も少なくないのでは?
そこで今回は、注目のD2C企業6社に、実際に利用している「おすすめツール」をアンケートしました!
そもそもD2Cってなに?
「Direct to Consumer」の略であるD2Cは、自ら企画開発した製品を、小売店など中間流通業者を通さずに生活者に対して直接販売するビジネスモデルのこと。
単に直接製品を販売するだけでなく、顧客と直につながりながら、蓄積した顧客データを元に商品開発やコミュニケーションの改善を行い、顧客体験を進化させていくことが特徴です。
また、その主たる販売チャネルは自社のECであり、多くのD2C企業がSNSやその他インターネット広告などデジタル上のコミュニケーションを主軸に売上を作り成長を続けています。
コロナ禍において様々な企業がEC化を求められるなか、D2C企業はいわばECで売上を伸ばし事業をスケールさせていくノウハウを豊富に持っている企業であると言えます。
今回アンケートにご協力いただいた注目D2C企業
今回はそんな注目のD2C企業のご担当者に、日々の業務に欠かせない「おすすめツール」をお聞きしました。
ご協力いただいたのは以下6社のD2C企業です。(順不同)
- GROOVE X 株式会社(家族型ロボットLOVOT(らぼっと)を開発・販売)
- MOON-X株式会社(クラフトビール「CRAFT X」や男性向けスキンケア「SKIN X」、女性向けスキンケア「BITOKA」など複数のブランドを展開)
- DINETTE株式会社(コスメのプライベートブランド「PHOEBE BEAUTY UP」を展開)
- 株式会社SOLIA(ベビー向け国産オーガニックスキンケアの「アロベビー」など複数のブランドを展開)
- 株式会社Sparty(パーソナライズドシャンプー「MEDULLA」、スキンケアブランド「HOTARU PERSONALIZED」など複数のブランドを展開)
- ベースフード株式会社(新しい形の主食であり「BASE BREAD」「BASE PASTA」を販売)
今回アンケートにお答えいただいたD2C企業が登場した過去記事はこちら
▶家族型ロボットLOVOTのGROOVE Xに学ぶ、D2Cマーケティング〜顧客とともに体験価値を作る〜
▶D2Cは原価度外視の初期投資がカギ。DINETTE尾崎氏が語る新しいコスメブランドの形とは?
▶急成長D2Cブランド・Spartyに学ぶ!EC通販企業の新規顧客獲得を飛躍させるLP戦略【セミナーレポート】
▶【施策の中心にはいつもお客様の声】BASE FOODから学ぶ、顧客との繋がりを生かした「運用型マーケティング」のススメ
注目D2C企業が選ぶおすすめツール
①ショップ開設・運営で活用したいおすすめツール
まず始めに、ECのショップ構築や、日々の運営に役立つツールをご紹介します。
【ショップ構築から管理まで・EC運用を総合的に支援】Shopify|Shopify Japan株式会社
<特徴>
Shopifyは「必要な機能がすべて備わっています。不要なものは何もありません」をコピーに掲げ、EC運用していくためのあらゆる機能を提供しているツールです。ECの構築から管理までを簡単に行うことができます。
加えて、同ツールは50以上の言語に対応しており、日本国内だけではなく海外への商品販売も実施が可能。月々9ドル(約1,000円前後)から利用できる「Shopify ライト」から、大企業や取引量の多いストア向けの「Shopifyplus」まで幅広いビジネスに対応した料金プランがあるのも特徴です。
<主な機能>
- ショップ構築
- 顧客管理
- 商品管理
- ストア分析
- マーケティング
- アプリ管理
- コンテンツ管理
※機能一覧についてはこちらをご覧下さい。
<料金>
- 有料(14日間の無料体験あり)
- Shopifyライト(9ドル/月)、ベーシック(29ドル/月)、プレミアム(299/月)、Shopify Plus(2,000ドル/ 月)
【自動化によってミスのない受注→出荷を実現】LOGILESS|株式会社ロジレス
<特徴>
LOGILESSはECビジネスの物流業務効率化のためのEC自動出荷システムです。受注管理システム(OMS)と、倉庫管理システム(WMS)が一元化され、日々の受注〜出荷までの作業を自動化。ミスなくスピーディーな出荷を実現します。
また、企業の要望や状況をもとに、最適な倉庫の提案やシンプルで使いやすい操作など、導入・運用のハードルも低いツールとなっています。
<主な機能>
- 受注管理
- 在庫管理
- 出荷
<料金>
- 有料(詳細は要問い合わせ)
- 無料トライアル有り
【大小規模を問わず企業のEC化を支える】ecforce|株式会社SUPER STUDIO
<特徴>
規模を問わずあらゆるビジネスのEC化を支えるECプラットフォームであるecforce。単品通販からブランドサイトでの商品販売、モールでの商品販売など様々なビジネスに適したショップを開設することができます。また、費用対効果を最大化する機能も完備。顧客単位でのLTVを最大化するCRM機能の利用も可能です。
<主な機能>
- ECショップ管理
- 商品管理
- 販売機能(広告管理)
- 顧客管理
- 分析管理
- システム管理
- API連携
<料金>
- STANDARD PLAN(初期費用:148,000円、月額費用:49,800円)
- EXPERT PLAN(初期費用:248,000円、月額費用:99,800円)
- MIGRATION PLAN(初期費用:要見積もり、月額費用:99,800円)
SUPER STUDIO社へのインタビュー記事はこちら
▶成功するD2C企業は何が違うのか?D2C支援SaaSベンダーインタビュー【SUPER STUDIO編】
②効果測定やサイト改善行うためにおすすめのツール
ECサイトの運営では集客施策などの効果測定や改善施策設計も大切です。続いてご紹介するのは効果測定やサイト改善やでおすすめのツールです。
【顧客行動を把握・分析して顧客体験を最適化】Marketo Engage|アドビ株式会社
<特徴>
エンゲージメント・マーケティング・アプリケーションとして全世界で5000社の導入企業(※)を誇るMarketo Engage。
企業が顧客一人ひとりに最適化したコミュニケーションを行うことを補うための様々な機能を備えているツールです。LTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)の重要性が高まるなか、Marketo Engageは認知から再購入まで多様なファネルの顧客行動を把握・分析し、パーソナライズされた顧客体験の提供を手助けしてくれます。
「LTV」について改めて知りたい方はこちらをご参考ください。
▶「LTV」とは?~今さら人に聞けないマーケティング用語をおさらい!
<主な機能>
- マーケティングオートメーション
- メールマーケティング
- モバイルマーケティング
- ソーシャルマーケティング
- デジタル広告
- webパーソナライゼーション
- アカウントベースマーケティング
- マーケティングアナリティクス
- プレティクティブコンテンツ
- プレディクティブオーディエンス
- Marketo Sales Connect
<料金>
- 有料
- 施策規模により、「SELECT」「PRIME」「ULTIMATE」「ENTERPRISE」のパッケージがある
- 詳細は要問い合わせ
※)参考:Marketo Engage公式HP
【横断的なデータ集約・分析を無料で実施】Googleデータポータル(データスタジオ)|Google LLC
<特徴>
Googleデータポータル(データスタジオ)は無料で使えるBI(ビジネス・インテリジェンス)ツール(※)です。予算、売上、Webサイトのアクセス状況や広告のパフォーマンス、CRMなどの企業に蓄積されたデータを「ダッシュボード」に集約。多角的なデータ分析を行い、レポートを作成することが可能です。
社内の部門やチームを横断してデータをリアルタイムに利用し、業務改善につなげることができます。
<主な機能>
- データ集約(データコネクタ)
- データの変換・視覚化
- データ分析
- レポート作成
- 社内共有・共同作業
<料金>
- 無料
- 大規模ビジネス向け有料プラン有り(詳細は要問い合わせ)
※BIツールとは:ビジネスインテリジェンスツールの略。企業が保有している大量のデータを集約して分析、その後のスムーズな意思決定を助けるためのツール。
【データを可視化して信頼性の高い判断へ】Power BI|日本マイクロソフト株式会社
<特徴>
Microsoft社が提供しているBIツールがPower BIです。データのビジュアル化をコンセプトに掲げた同ツールでは、多様なデータをモデル化・可視化し、KPIやブランドに合わせてパーソナライズされたレポートを作成することができます。複数チャネルでの売上を一元管理したり、施策効果やLTV・解約率などをリアルタイムでみたりすることが可能。経営判断の迅速化にもつながるツールです。
<主な機能>
- 各種データ処理
- レポート作成
- レポート共有
- レポート自動更新
<料金>
- 有料
- Power BI Pro(1,090円/ユーザー・月単位)、Power BI Premium(2,170円/ユーザー・月単位or545,030円/容量・月単位)
- 無料デモ版あり
【多角的にウェブサイトの運営の効果を分析し改善施策につなげる】SiTest|株式会社グラッドキューブ
<特徴>
ウェブサイトにおける顧客体験の改善を行うことを目的としたSiTest。ヒートマップやクリック/タップなどの動きを確認できる録画再生機能、レポート機能、テスト機能、ウェブ広告連携機能などを備え、ウェブサイト運営の効果の可視化や効率化、改善施策を行うことができるツールです。
<主な機能>
- ヒートマップ解析
- 録画再生機能
- テスト機能
- EPO(エントリーフォーム最適化)
- レポート機能
- データ比較
- アクセス解析
- ウェブ広告連携
<料金>
- 有料
- 費用詳細は要問い合わせ
サイト改善についての基本ポイントと事例を紹介した記事はこちら
▶LPOとは?対策すべき基本ポイントと企業事例を紹介
③広告施策で活用したいおすすめのツール
ECサイトへの集客にはデジタル広告の活用も効果的です。広告施策を支えるためのツールも様々です。
【全ての流入施策の効果測定・分析】ADEBiS|株式会社イルグルム
<特徴>
広告測定プラットフォームとして高い人気を誇るADEBiS。WEBサイトへの流入施策についてそれぞれの流入元や流入経路、どんなCVが生まれているのかを計測し、施策分析・改善施策設計を行うことができるツールです。
広告プラットフォームや流入施策が多様化・複雑化する中で、それぞれの施策の効果を分析しながら全体の改善につなげることができます。
サポートセンターや導入支援プログラム、トレーニングやユーザー会の実施など、運用への支援体制も充実しています。
<主な機能>
- 流入施策計測
- レポート
- コンバージョンフロー可視化
- 広告最適化
- 購買情報・CRM情報とのデータ紐付け
- インプレッション計測
- LP最適化
- カスタマージャーニー分析
- アンケート
- データエクスポート
<料金>
- 有料(初期費用は無料)
- ライト、スタンダード、個別見積もりから選択可
- 料金詳細は要問い合わせ
【UGCを活用してECの売上向上を実現】Letro|アライドアーキテクツ株式会社
<特徴>
Letroはユーザーが発信したコンテンツであるUGC(※)をフル活用し、売上向上やCVR改善を行うことができるツールです。指定ハッシュタグでUGCを収集し、許諾申請を一括で送信することが可能。広告LPなどウェブサイトへのクチコミとしてのUGC掲載や、広告・SNSクリエイティブへのUGC活用を行うことができます。
短期間で勝ちパターンを発見するパターン検証・自動最適化機能も備えており、UGCを活用した施策での成果向上へつなげることができます。
<主な機能>
- UGC収集・利用許諾申請
- ウェブサイトへのUGC掲載
- 広告・SNSクリエイティブへのUGC活用
- UGC生成支援
<料金>
- 有料
- 初期費用+月額費用
- 基本プラン、UGC生成プラン、ソリューションプランから選択可能
④社内コミュニケーション・業務改善でのおすすめツール
デジタル施策はスピード感をもってPDCAを回し、改善を行なっていくのがポイント。そんな日々の業務やコミュニケーションの効率化を支えるツールを活用して、スムーズな業務遂行を実現しましょう。
【社内外のコミュニケーションを効率化】Slack|Slack Technologies Inc.
<特徴>
チームのコミュニケーション改善ツールであるSlack。グループチャットやダイレクトメッセージ、音声・ビデオ通話などオンライン上で行うコミュニケーションを手助けしてくれるツールです。
Googleドライブや、Office365など外部アプリと連携し、データの共有やコミュニケーション業務の効率化を促すことができます。また、独自の暗号化キーでデータのアクセスを可視化・コントロールし、安全に利用できることも特徴。
無料で利用できるプランもあります。
<主な機能>
- スレッド(チャンネル)
- 社外組織連携( Slackコネクト)
- メッセージ
- 音声通話、ビデオ通話
- 外部ソフトウェア・アプリ連携(Slackインテグレーション)
- 定形タスク自動化(ワークフロービルダー)
- 会話検索
- ファイル共有
<料金>
- 無料プランあり
- 有料はプロ(6.67ドル/ 月)、ビジネスプラス(12.50ドル/ 月)、Enterprise Grid(要問い合わせ)
【業務で使う様々なツールを一括で管理】Notion|Notion Labs
<特徴>
米・サンフランシスコに拠点を置くNotionLabsが提供しているNotionは、タスク管理やメモ作成、保存、データベースなど様々な機能を一括で共有できるツールです。
それぞれの作業ごとにツールを使うのではなく、一つのツールで管理することができるため、業務の改善化につながります。
2021年度中には、日本語版も提供が開始されていると言われており、注目が集まっています。
<主な機能>
- タスク管理
- ToDoリスト作成
- プロジェクト管理
- メモ
- データ管理
- カレンダー
- ガンチャート
- 簡易Webサイト作成
- 図鑑作成
- 読書リスト作成
- 持ち物リスト作成
<料金>
- 無料版あり(Personal)
- 有料版はPersonal Plo(4ドル/月)、Tem(8ドル/月)
⑤SNS活用でおすすめのツール
D2C企業の多くがSNSを活用したマーケティング施策に着手しています。既存顧客だけでなく見込み顧客や新規顧客との接点創出にもつながるSNSマーケティングの実施には以下のようなツールの活用がおすすめです。
SNSマーケティングとは?特徴や媒体別の活用ポイントを解説しました。
▶SNSマーケティングとは?特徴・施策・媒体別活用ポイントを徹底解説【2021年度版完全ガイド】
【あらゆるSNS業務の効率化を行う】Social Insight|株式会社ユーザーローカル
<特徴>
SNS業務を効率化する分析・運用ツールであるSocial InsightはInstagram、Facebook、Twitter、LINE、TikTokなど8種類のプラットフォームに対応。直感的な操作で、SNSアカウント分析から、キャンペーンの実施までSNS運用にまつわる様々な業務を管理・効率化できるツールです。
また、問い合わせサポートやカスタマーサクセス、ナレッジ共有や勉強会など、ツールを使いこなすためのサポート体制も充実しているのも特徴です。
<主な機能>
- クチコミ分析(傾聴)
- SNSアカウント分析
- 投稿予約・管理
- SNSキャンペーン
<料金>
- 有料(詳細は要問い合わせ)
【Instagramのデータ分析・レポートを行い自社アカウントの健康診断を実施SiN!S|テテマーチ株式会社
<特徴>
Instagramに特化し、自社アカウント分析から競合アカウントのデータ収集・分析、レポート作成などを行うことができるSiN!S。
自社アカウントのフォロワーの推移や、どういった投稿がエンゲージメントが高いのかといった自社アカウントの運用状況のチェックに適しています。
ショッピング機能の拡充によってプラットフォームのEC化が進むInstagramでは、自社アカウントのエンゲージメント向上がEC化施策の改善にもつながるため、Instagramのショッピング機能を活用する際には注目のツールです。
Instagramのショッピング機能を活用してEC売上をのばすためのポイント解説
▶【InstagramでEC売上をアップ!】ショッピング機能を効率的に活用するための5つのポイント
<主な機能>
- インサイトデータのPC管理
- レポート自動生成
- CSVダウンロード
- データ分析
- ハッシュタグベンチマーク
<料金>
- 無料で使えるLITEプランあり
- 有料はSTARTER(10,000円/月)とPROFESSIONAL(50,000円/月)
⑥クリエイティブ制作でおすすめのツール
広告クリエイティブ、SNS投稿クリエイティブなど、ユーザーへの自社ECへの喚起を促す施策には「クリエイティブ」がとても大切。クリエイティブ制作を助けるツールを活用してよいクオリティの高い施策が実施可能です。
【SNS投稿からプレゼンテーションまで。幅広いグラフィックデザインが誰でもできる】CANVA|Canva Pty, Ltd
<特徴>
Canvaはオンラインで使える無料のグラフィックデザインツールです。パソコンのブラウザやスマートフォンやタブレットといったモバイル端末のアプリにも対応し、クオリティの高い豊富なテンプレートによって誰でも簡単にグラフィックデザインを行うことができます。
また作成に必要な写真、イラスト、フォントなどの素材も充実しており、写真の加工やフィルター機能も利用可能です。
<主な機能>
- テンプレートを活用したデザイン
- 写真加工
- テキスト追加
- スタンプ
<料金>
- 無料プラン有り
- 有料はプロ(9.99ドル/月)と企業(30ドル/月)
【バラエティ豊富なテンプレートで簡単に動画制作ができる】LetroStudio|アライドアーキテクツ株式会社
<特徴>
未経験でも簡単に動画制作ができるLetroStudio。様々なプラットフォームにおいて動画化が進む中、インハウスで動画活用制作を可能にするツールです。
静止画では表現しきれない商品の使用感やテクスチャを伝え、CV改善につながる動画クリエイティブを制作することができます。
多様な動画テンプレートが用意されており、直感的に動画編集を行うことができます。また導入企業には専任のコンサルタントがつき、運用やツールの活発な利用を支援してくれます。
動画広告で成果を上げている・D2Cブランド「BELTA」の事例インタビュー記事です
▶動画広告でCPO11%改善!D2Cブランド「BELTA」が語る新規顧客獲得のインハウス広告運用
<主な機能>
- 動画テンプレート
- 動画編集機能
- 動くスタンプ
<料金>
- 有料
- 初期費用+月額料金(詳細は要問い合わせ)
いかがでしたか?今回は注目D2C企業がおすすめするEC運用業務に役立つツール15選をご紹介しました。D2C企業のみならずとも、日々の業務に活用できるツールがたくさんあります。ぜひご参考ください!