ブロガーと取り組んだ共創的事例を3つご紹介いたします!


【ユーザーを巻き込む!コンテンツマーケティング:後編】ブロガーと取り組んだ共創的事例3選
こんにちは、SMMLabの赤松です。
「コンテンツマーケティング」が注目される今だからこそ、見直されている『ブログ』をピックアップ!
前編では、座談会や撮影会といったFace to Faceのイベントを上手く活用することで、ブロガーの協力を得て良質なコンテンツを共創している事例をご紹介しました。
【ユーザーを巻き込む!コンテンツマーケティング:前編】ブロガーと取り組むメリットと共創的事例
今回は、後編として、一般的なブロガーと一緒に、新しいコンテンツを生み出している事例を3つご紹介いたします。
 

■株式会社ebip(コスメ) :フォトコンテスト

ファンサイトURL:http://monipla.jp/ebipfun/
自社サイトURL:https://ebip.jp/
株式会社ebip :フォトコンテスト
無添加で素材にこだわった製品を販売している株式会社ebip。人気商品の久米島の海洋深層水をベースにした洗顔石鹸『くちゃ石けん 美シーサー(うつくしーさー)』を使ったフォトコンテストを紹介します。
 
■イベント内容
同社の人気商品、洗顔石鹸『くちゃ石けん 美シーサー(うつくしーさー)』はふわふわもこもこの濃密な泡が特徴。この泡を利用したイベントを開催。その名も「泡パック選手権」。もこもこ泡を作って顔全体に乗せた写真を募集する楽しい企画でした。
株式会社ebip :フォトコンテスト

「泡パック選手権」のイベントページ

 
工夫したところは、写真を投稿してもらうだけで終わらせず、モニター写真を利用した人気投票を実施し、2段階の企画にしたこと。
投票の結果、最優秀賞を獲得したモニターには、さらにインセンティブを用意(「シアンスナチュレルセット」をプレゼント)。ユーザーにとっては、想像しやすく、参加しやすいイベントとなったようです。
株式会社ebip :フォトコンテスト

モニター写真を投稿コンテストに活用

 
■成果
このイベントを企画した目的は、下記の3点。
1. 「泡パックと言えば美シーサー」、「美シーサーと言えば泡パック」という認知の獲得
2. お客様目線での泡パック画像や感想の取得
3. お客様と一緒に楽しめるイベントの開催

いずれも事前に想定した成果を達成。特に、参加ユーザーのブログからは、楽しんだ様子が伝わってきたとのこと。
さらに、泡パックの写真や詳細をブログに書いてもらうことで、ネットで検索した際、インパクトがあり、商品の印象付けにつながっているようです。どの写真も上手に“もこもこ”泡立てられてて、自分もやってみたい!と思った人も多そうですね。
 
■二次活用
「2. お客様目線での泡パック画像や感想の取得」という目的が達成されたことで、魅力的な画像素材が集まり、それを自社サイトに二次活用することで良質なコンテンツに仕立てています。また、口コミとともに紹介することで、商品の魅力がより伝わってきますね。
ebip「泡パック選手権」ebip「泡パック選手権」
 

自社サイトの二次活用

 
同社ではその後も「動画で泡アートコンテスト」など、動画を活用した楽しいイベントを開催していますが、動画を利用すると、画像とはまた違ったターゲット層にアプローチすることが出来るようです。
利用しているファンサイトモール「モニプラ ファンブログ」のファンは若い世代の方が多いですが、丁寧に商品を紹介してくれるとのこと。ブロガーが自身で体験したことを丁寧に伝えているブログは説得力や信頼性があり、企業の代わりに商品の魅力を消費者目線で伝えてくれます。なにより、同社の楽しめるイベントがファンに響いているのが伝わってきます。楽しそうな雰囲気には、人が集まってきますよね。今後もどんな企画が登場するか、楽しみですね!
 
 

■正田醤油株式会社(食品):新商品開発

ファンサイトURL:http://monipla.jp/shoda/
自社サイトURL:http://www.shoda.co.jp/
正田醤油
 
モニプラ ファンブログの『ファン・サイト・オブ・ザ・イヤー2013』では、「キクミミ賞」を受賞した正田醤油株式会社。ブロガーの声を反映させた商品開発や改良を複数行っています。商品開発~発売まで時間が短い同社にとっては、スピード感をもってアンケートを集められるのがメリットのようです。今回はその一例として、『おからびじん 白ごまドレッシング』での取組みをご紹介します。
 
■イベント内容
商品開発の試食モニター募集時、イベント内容は伏せて実施しています。新商品発売前のため、情報をブログにアップしたり、知人に口外するのも禁止。ファンにとってはその秘匿感が「商品開発に参加している」という当事者意識につながるようで、責任ある姿勢(回答)で参加してもらえるようです。
正田醤油 イベント

内容を伏せたイベントページ

 
イベント実施に際して工夫した点は、A/Bと2つのイベントを開催したこと。参加者を2グループに分けることで、ユーザー属性を分けてアンケートをとり、傾向分析に活用する目的だったそう。
また、試食アンケートで工夫した点は、サンプルと一緒に『モニターメモ』として紙のアンケートを同封したこと。実際に、食べながら感想・気づいた点を回答してもらい、Webアンケートに転記してもらうことで、その時のリアルな感想が反映された回答が得られたそうです。また、試食は3食分提供し、その都度回答してもらうことで、そのたびに感想が変わることも。「どんな料理に使ったか」を記録してもらうのは、それぞれの料理との相性のほか、“どんな料理にドレッシングをかけるのか”というニーズ調査にもつながります。
 
■結果
アンケート結果(下図のとおり)は、「購入したい」「やや購入したい」という回答が約半数、「思っていたより、おいしくなかった」「思っていた通りだった(おいしくなかった)」が4割というシビアな結果に……。

<アンケート結果(before)>

正田醤油 グラフ 改良後
 
ただし、自由回答では参考になる、正直な意見がたくさん集まりました。そこで「舌触りがざらざらする」、「酸っぱすぎる」などのリアルな声を元に、製品の改良を実施。同じモニターに再度試食をお願いし、味を作り込んでいきました。
改良後のアンケート結果(下図のとおり)は、「好き」「やや好き」が9割、「思っていた通りだった(おいしかった)」「思っていたより、おいしかった」が9割に。この結果は見事ですね!

<アンケート結果(after)>

正田醤油 グラフ
 
■成果(商品化)
アンケートに基づくこうした改良のおかげで商品力がアップし、商談での感触も抜群に。大手スーパーでの配下率(店頭にどれだけ陳列されるかの目安)は、通常の約10倍になったそうです。
この商品評価モニターではブログ執筆をお断りしているため、Web上での反応は特にありませんが、紙ベースのアンケートで回答してもらった際に、一緒に手紙が入っていたり、メールで応援メッセージや商品への感想をいただくこともあるそう。さらに、調査した結果を、小売バイヤーが営業する際に持参出来るように資料化しており、仕入れの参考にしてもらうという一工夫も。
正田醤油 商品化

『おからびじん』の商品詳細ページ

 
なお、参加者には、商品化後に、“お礼企画”として商品をプレゼント。ファンの深化にもつなげていますね。モニプラ ファンブログのファンは、“意見を反映してもらって、商品になる”ことを喜んでくれる人が多く、さらに、でき上がった商品を送ると大変喜んでくれるそう。
特にファンには以下の様な特徴があるといいます。
1. 生活を楽しんでいる(自分独自の隠し技や楽しみ方をわかっていて料理上手)
2. 日頃からブログで発信することに慣れているため、説明や写真が上手である
3. 新しいものが好きで、情報感度が高い
4. 熱心に取り組んでくれる
どれも、商品開発に関わってもらうには重要なポイントですよね。
普段、ファンに対して手間をかけたコミュニケーションができているわけではないけれど、商品を一緒に作っていく工程を経ることで、ブランド・企業への意識が高まり、商品に愛情をもって接してもらえている、愛情を持って厳しいことを言ってくれることが、商品開発の役に立っているとのこと。まさに、ファンは、消費者目線をもった商品開発メンバーの一員ですね。
 
 

■株式会社アマタケ(コスメ):アンケートで商品訴求ポイントとキャッチコピーを決定

ファンサイトURL:http://monipla.jp/tricoist/(自然派化粧品 trico-isteファンサイト)
自社サイトURL:http://www.trico-iste.jp/
アマタケ(自然派化粧品 trico-isteファンサイト):アンケートにて商品訴求ポイントとキャッチコピーを決定
 
全飼育期間において、抗生物質、合成抗菌剤等の薬品を使用せずに生産された銘柄鶏『南部どり』と、その加工品を扱う鶏肉メーカーである株式会社アマタケですが、同社は“おいしいとキレイは同じこと。”をコンセプトに、この『南部どり』から抽出したコラーゲンと植物由来の成分を配合した自然派化粧品『trico-iste』も販売しています。
今回は、その『trico-iste』のファンサイト「自然派化粧品 trico-isteファンサイト」で実施した、ユーザーの声をマーケティング施策に活かしたアンケートイベントを紹介します。
 
■イベント内容
“メーカーが考えても、購入するのは消費者の意思。作り手本位になってしまう訴求をしたくない”という思いの下、製造者の想いと消費者の考えが乖離させないための商品訴求ポイントや、キャッチコピーについてアンケートを実施。モニプラ ファンブログのファンは、普段からインターネットで様々なサイトを閲覧したり、日常的に比較・検討などをしていることから、参考になる意見がもらえると考え、企画したそうです。
工夫したところは、消費者に響くキーワードを調査するため、2段階のアンケートにてリサーチしたこと。
・アンケート1:お肌のお悩み・スキンケアの重要点についてリサーチ。年代ごとの訴求ポイントを調査。
・アンケート2:自社商品の魅力のリサーチ。キャッチコピーを細かい表現方法まで調査。
アマタケ アンケート
アンケート結果をもとに方向性を作成し、5, 6個の訴求軸を集めて、それに合うコピーを作成。また、同じ訴求軸でも、表現によって感じ方が異なると予測し、いくつかのパターンを作成したそう。
そして、イベントでは1回ごとに参加してくる人が異なり、また、同じ人であっても、2ヶ月前と3ヶ月前だと違うことを考え、感じると想定して、同じアンケートを数回に分けて調査。アンケートはそのときの気持ちに左右されやすい、というマイナス面を考慮した調査設計は、一人ひとりのユーザーの声を大切にしながら、最適な判断につなげる“声の数”を集める工夫をしていますね。
 
■結果
商品訴求ポイントとキャッチコピーを決定し、その内容をLP、メルマガへ反映。
アマタケ キャッチコピー

決定したキャッチコピーを反映したLPページ

 
目に見えて結果が出たのは、サンプル購入者1, 500名に対して送った定期購入のメルマガでした。なんと、CVRが10%→30%に上昇。開封率:10%、購入率:30% の結果を得られたそうです(通常平均10%)。
自社商品の訴求ポイントから表現方法まで、消費者の意見をいかしたことが、購入率アップにつながったと言えますね。
 
同社は、こうしたアンケートイベントで、“エンドユーザーを知ること”を継続していきながら、親子モデル募集イベントなど、更にファンを巻き込んだ共創的な取り組みも進めています。イベントで撮影された画像は、商品送付の際の同梱紙などに2次活用しているとのこと。
また、定期的にイベントを実施する中で、モニター商品を送る際に手書きの手紙を入れたり、メールでやり取りをしたりと、コミュニケーションに力を入れています。普段からコミュニケーションをとっていると、オファーイベント等や細かい条件のイベントの際助けてくれる、そういった関係性のファンを育てて行くことが、それぞれのイベントの盛り上がりにつながると感じているようです。
そして、モニプラ ファンブログのファンは、積極的に商品理解をしようとしてくれたり、協力的な方が多く助かっているとのこと。イベントなどで、メーカーとして商品への想いや、商品の今後について話すことがありますが、そうしたセールス的な話でもとても真剣に聞いてくれ、発信の際にはその想いを理解した上でレポートや感想を書いてくれるそう。また、『トリコイスト』を他のSNSや媒体等でも勧めてくれるだけでなく、会社全体の取組みに共感しブログ等で紹介してくれたり、本業の「南部どりを食べました」という連絡をくれたというエピソードもあるといいます。化粧品ブランドを超えて、会社全体のファンになってくれていますね。
なお、モニプラ ファンブログの『2014年ファンサイトオブザイヤー』では、心に残るグッときたエピソードを投稿してくれたファンに贈られる「エンゲージ賞」でも、同社のイベントでのエピソードが選出されています(参照:smaffieeさん)。
イベントごとにファンの深化につなげているので、また次のイベントも盛り上がる、そんなプラスのスパイラルになっていますね。
 
 

まとめ

いかがでしたか。
よりよいものを作ったり、魅力的な写真を集めたり、響くキーワードを抽出したりと目的は色々ですが、いずれもファンの声を大切にし、それを活かすことまでをしっかり考えられた施策ばかりだったのではないでしょうか。企業側のそうした熱意が、自然と参加者たちを動かし、たくさんの効果を生み、WIN×WINの関係構築につながっているのです。
特筆すべきなのは、真のファンになってくれると、温かい声はもちろんのこと、厳しい声もきちんと伝えてくれるということ。それを真摯に受け入れ、よりよいアウトプットに展開することが出来れば、効果となって現れることはもちろん、その姿勢までもがブランドイメージの向上につながるでしょう。
ブロガーは、お客様であり、企業の『応援団』です。“消費者”という大きなくくりではなく、ファン一人ひとりを意識してみませんか。
 
Thanks To・・・
■株式会社ebip   山岡様・鍵山様
■正田醤油株式会社 柏木様
■株式会社アマタケ 松山様
■インタビュアー:
佐藤瞳(ソーシャルメディアマーケティング事業第一本部)
田中美来(ソーシャルメディアマーケティング事業第一本部)
 
 


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