タイムライン導入後のFacebookページは、コミュニケーション重視になるほど、そこでどんなストーリーが語られるかが重要となります。企業には、単なる運用方針の転換ではなく、より“人間”的にストーリーを語れる「ブランド」が求められるのではないでしょうか?



こんにちは、SMMLabの藤田です。
ソーシャルメディアでは、企業やブランドにも、より親しまれ、愛される「人間性」が必要とされます。そのため、コミュニケーションを醸成するには、共感し、シェアしたくなる、良質なユーザー体験を提供することが求められます。
参考記事:
・Red Bullに学ぶ ソーシャルメディア好みのコンテンツを作るマインドセットとは?
http://smmlab.jp/?p=435
・あなたのコンテンツがソーシャルネットワークでシェアされない9つの理由
http://smmlab.jp/?p=5436
しかし、タイムライン導入後のFacebookページで、ファンが自ら望んで参加したくなるような共感型コミュニケーションを実現することは、なかなか難しいのではないでしょうか?
『Facebookページのタイムライン化でキャンペーンアプリは終わるのか?』では、ファンの興味・関心を高める施策として「キャンペーンアプリ」の活用をおすすめしましたが、さらに一歩踏み込んで、「ブランディング」にFacebookアプリを活用する事例についても考えてみたいと思います。
 

進化した「ブランデッドエンターテインメント」による共感型コンテンツ

 
共感型のコミュニケーション手法としては、エンターテインメント性の高いコンテンツの中でブランドの価値を効果的に伝える、「ブランデッドエンターテインメント」が古くから知られていますが、テクノロジーの進化は、ただ物語の中に自社の商品やサービスを登場させるだけに留まらない、新しいコンテンツの創出を可能にしました。
参考:ブランデッドエンターテインメントとは
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Keyword/20080408/298318/
そこで今日は、テクノロジー・ブランドの代表とも言えるインテル株式会社が今、新しい「ブランデッドエンターテインメント」として取り組んでいる、Facebookアプリの事例をご紹介します。
“愛”を誓う日であるバレンタインデーからスタートした“ SHAPE OF LOVE ”(シェイプ・オブ・ラブ)は、テクノロジーの力で「もし“愛”の形が目に見えたら?」を実現するソーシャルメディア・プロジェクトです。
今まで『The Museum of Me』『Ultrabook? POP-UP THEATER』で、ユーザーを楽しませながら最先端の技術を効果的にアピールする、「ブランデッドエンターテインメント」を提供してきたインテルですが、今回は誰もが共感するであろう“愛”をテーマに、人間性が求められるソーシャルメディアをより強く意識した、人間的なユーザー体験の提供を目指しています。
shapeoflovetop
Facebookでマイページに登録されている家族や友達、アルバムに保存しているペットや風景などの写真との関係を、“愛”を象徴するハート形のモチーフで表現。画像が合成されるまでの5秒間は、大切な人やモノを想う時間として提案され、ユーザーにとって世界でただ1つとなるハート型モチーフがデザインされます。
shapeoflove
出来上がったハート型モチーフはFacebookでシェアしたり、ダウンロード出来るほか、“SHAPE OF LOVE”ギャラリーにも記録されます。そして、世界中でこのプロジェクトに参加したユーザーの「想い」が詰まったハート型モチーフと一緒に、大きなハートが形どられる時、ソーシャルメディアを通じた「つながり」の温かさや、大切さといった人間味を感じるシナリオとなっています。
普段「ヒューマニティー」とは対極に思われがちな「テクノロジー」ブランドであるインテルが、最も人間的な感情である“愛”を感じる時間をサポートする。“SHAPE OF LOVE”は、このストーリーを伝えるために、「世界が温かなハートで満たされていくように…」というコンセプトで作られました。そのため、デジタルな技術のアピールは極力控えられ、音楽やハート形モチーフなどが温かみのある手作り感を意識してデザインされており、人間的な柔らかい表現にこだわっています。
 

Facebookページのコミュニケーションで継続的なコンテンツに育てる

 
また、このプロジェクトは日本発のグローバル展開ということで、リリース前に女性ブロガーを集めたブロガーミーティングを開催。女性ならではの感性から出された様々なアイディアが取り入れられました。
Intel Bloger Meeting
さらに、リリース後はFacebookページのウォールで、コンセプトや利用シーンを紹介する等のフォローアップを行い、一過性のコンテンツとして終わらない継続的な運用を目指しています。
Inter Facebookページ
インテル株式会社Facebookページ https://www.facebook.com/IntelJapan
 
 
このように、「ブランデッドエンターテインメント」で良質のユーザー体験を提供し、そこに生まれた「ブランド」のストーリーでコミュニケーションの質を高め、継続的なエンゲージメントを育てていく取り組みは、今後のFacebookページの運用方法を、改めて考える参考になるのではないでしょうか。
今日、3月14日は“愛”に感謝する「ホワイトデー」。
ソーシャルメディアを通じて、大切な人やモノとの絆が今よりもっと深まるように、あなたも「想いを馳せる5秒間」のユーザー体験をぜひ試してみてください。
 
 
■参考記事
・Red Bullに学ぶ ソーシャルメディア好みのコンテンツを作るマインドセットとは?
http://smmlab.jp/?p=435
・あなたのコンテンツがソーシャルネットワークでシェアされない9つの理由
http://smmlab.jp/?p=5436
・Facebookページのタイムライン化でキャンペーンアプリは終わるのか?
http://smmlab.jp/?p=5950
・多様化するソーシャルメディアを使いこなす!(前編)
~ブログ、Twitter、Facebook、mixi、Google+の違いを5つの観点から整理する
http://smmlab.jp/?p=3903