ソーシャルメディア・マーケティング(以下SMM)に積極的に取り組んでいる企業の担当者に、現場でのSMM活動について聞くインタビューシリーズ【企業担当者に聞くSMM最前線】。今回は、Instagram上に投稿された写真をECサイトの集客用コンテンツとして活用し、アクセス数アップなどに成功した株式会社ナノ・ユニバースに話をうかがいました。

 
集客・CVR・売上がアップ!Instagramの投稿写真をECサイトの集客に活用するナノ・ユニバース【企業担当者に聞くSMM最前線】
 
アパレルのセレクトショップを全国展開する株式会社ナノ・ユニバースは昨年10月、バイヤーや店舗スタッフが運用するInstagramアカウントの投稿写真をECサイトの集客に活用する取り組みを始めました。写真を特集ページに一覧で掲載し、ECサイトの商品ページにリンクを貼ることで、集客アップとコンバージョン率アップ、さらには売上アップに成功しています。
施策の具体的な内容や成果などについて、株式会社ナノ・ユニバースの経営企画部WEB戦略部・越智 将平部長と、WEBグループ・田口 紘子氏に語っていただきました。
 

集客数やコンバージョン率の改善に手応え

 
――本日はよろしくお願いします。まずは御社のEC事業について簡単に教えてください。
越智:公式オンラインショップをはじめ、ZOZOTOWNやマガシーク、楽天市場といったモールにも出店しています。ECを開始したのは創業から約3年が経過した2005年。まずは「ZOZOTOWN」に出店し、2010年に直営オンラインショップを開設しました。近年はCRMやプロモーション施策、デジタルマーケティングに特に注力しています。
 
――近年、積極的にデジタルマーケティングを推進していらっしゃるようですね。
越智:公式オンラインショップの売り上げを伸ばすには、デジタルマーケティングに本気で取り組まなくてはいけません。近年、アパレル業界では直営オンラインショップの重要性が高まっています。弊社としても、そこをしっかり強化していきたいと考えています。
 
株式会社ナノ・ユニバース 経営企画本部 WEB戦略部長 越智 将平氏

株式会社ナノ・ユニバース 経営企画本部 WEB戦略部長 越智 将平氏

 
――デジタルマーケティングの一環として、Instagram上に投稿された写真をECサイトの集客用コンテンツとして活用していますね。
越智:本社のバイヤーや店舗スタッフがInstagram上に投稿したコーディネート写真などをWEB上の特設ページに一覧で表示し、写真をクリックすると公式オンラインショップの商品ページに飛ぶ仕組みを作りました。ユーザーの購買意欲を喚起し、そのままECサイトの商品ページへと誘導することを狙った施策です。
 
――ECサイトへの集客や売り上げに効果はありましたか?
越智:特設ページからリンクを貼った商品ページは、集客数やコンバージョン率が施策開始前と比べて改善しています。また、特定の商品をピックアップするキャンペーン企画などを実施すると、その商品の特設ページ経由の売り上げが通常の約10倍に跳ね上がるなど、売り上げにつながることも実証されました。EC売上高全体に対するインパクトはまだ小さいものの、有効なプロモーション手段であると感じています。
 
Instagramの投稿画像から商品購買を喚起するブツドリソーシャルの「TAP2BUY」機能

Instagramの投稿画像から商品購買を喚起するブツドリソーシャルの機能

 
――Instagram上の写真を収集する方法として、弊社のブツドリソーシャルをご利用いただいています。使い勝手などはいかがですか?
越智:とても便利なサービスだと感じていますよ。Instagram上の画像の収集や管理、特設ページへの表示、アクセス解析まで一元管理できますから。弊社のバイヤーや店舗スタッフが運営しているInstagramアカウントは50以上もあるため、専用のサービスを利用しないと写真の収集や管理が大変ですからね。
 
 

SNSアカウントを集客に活用、課題を武器に変えた逆転の発想

 
――Instagramの投稿写真を集客用コンテンツとして活用しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
越智:実は、「ブツドリソーシャル」をアライドアーキテクツさんからご提案いただいたことが直接のきっかけです。弊社はたくさんのInstagramアカウントを持っていて、日々たくさんのコンテンツを投稿しているにもかかわらず、それをマーケティングに生かしきれていないことが近年の課題でした。そんな折、アライドアーキテクツさんから「ブツドリソーシャル」のご提案をいただきました。サービスの説明を聞いてみて、「ブツドリソーシャル」を使えば弊社の課題を解決できそうだと感じ、契約しました。
 
株式会社ナノ・ユニバースの経営企画部WEB戦略部・越智 将平部長と、WEBグループ・田口 紘子氏
 
――SNSをビジネスにどう活用するかという問題は、多くの企業が課題に感じていることだと思います。御社はその課題を上手く解決しているように見えます。
越智:弊社もここまでに紆余曲折はありましたよ。「ブツドリソーシャル」を契約する以前、店舗フタッフが運営しているInstagramアカウントを全て廃止しようとしたことがあったんです。「ナノ・ユニバース」のアカウントがたくさん存在すると、お客さまが混乱してしまうのではないかと懸念したためです。
アカウントを廃止する方針を各店舗に伝えたところ、多くの店舗スタッフから「Instagramをやめたくない」という意見が寄せられました。楽しんでやっているから続けさせて欲しいという声が多く上がってきたんですよ。
現場からそうした意見が寄せられたことで、アカウントを廃止する方針は撤回しました。とはいえ、たくさんのアカウントが存在するとお客さまが混乱するという課題は残ったままです。どうすべきか思案していたとき、御社から「ブツドリソーシャル」をご提案いただきました。すごくいいタイミングでサービスに出会えたと思います。
 
――課題だと思っていたことが、逆に強みになったわけですね。
越智:そうですね。Instagramの投稿写真を活用することで、以前は不可能だったブランディングの形が実現しつつあると感じています。
 
 

UGCを商品ページのクチコミとして活用することも視野に

 
――店舗スタッフに対して、投稿写真のクオリティコントールは行っていますか?
田口:本社主導でテーマを設定し、投稿を促すことはありますが、撮影指導などは特に行っていません。以前から店舗ブログを運営しており、写真撮影にはある程度慣れていますから。
また、強制的に投稿させると写真に面白みが無くなってしまうので、基本的には現場に運用を任せています。Instagramの投稿はスナップっぽい写真の方が、お客様の反応が良かったりもします。親近感を感じてもらえているのかもしれませんね。
 
株式会社ナノ・ユニバース WEBグループ デザイン 田口 紘子氏

株式会社ナノ・ユニバース WEBグループ デザイン 田口 紘子氏

 
――SNSマーケティングに取り組む企業が直面する課題として、SNSに投稿する社員のモチベーションが上がりにくいという話も聞きますその辺りはいかがですか?
越智: Instagramに店舗の情報をアップすれば、お客さまを店頭に誘導する効果もあります。InstagramはECサイトのためだけでなく、店舗の集客にも役立つという共通認識を持ってもらっています。
田口:スタッフによってモチベーションに差があるとは思いますが、弊社の場合はInstagramを楽しんでいる店舗スタッフも多いですよ。投稿される写真のクオリティーもどんどん上がっています。良い写真を増やすためには、本人が楽しむことが大切ですよね。
 
――「ブツドリソーシャル」を利用している企業は、ユーザーが投稿したコンテンツ(UGC)を口コミのような役割で活用するケースも多いです。今後、エンドユーザーが投稿したコンテンツを活用する可能性もありそうですか?
越智:お客さまが投稿した写真を「お客様の声」のような形で活用する取り組みは、いつかやってみたいと思っています。ユーザーが投稿したコーディネートをクチコミのようなイメージで商品ページに掲載できれば、すごく効果的だと思いますから。いずれ挑戦してみたいですね。
 
――フォロワーが増えてきたInstagramアカウントを、ビジネスにどう活用するか悩んでいる企業にとって、御社の取り組みはとても参考になったと思います。貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
 
 
<プロフィール>
越智 将平氏
株式会社ナノ・ユニバース 経営企画本部 WEB戦略部長
田口 紘子氏
株式会社ナノ・ユニバース WEBグループ デザイン
ナノ・ユニバース公式通販サイト
https://store.nanouniverse.jp/jp/
ナノ・ユニバースInstagram公式アカウント
https://www.instagram.com/nanouniverse_official/
インタビュアー:久保田 潔
アライドアーキテクツ株式会社
記事構成・執筆:渡部 和章
ライトプロ株式会社
http://writepro.co.jp/
 


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