インフルエンサーマーケティングの成功事例11選&ポイント解説【施策目的別】ogp

インフルエンサーを企業が活用するインフルエンサーマーケティング。インフルエンサーの存在が一般化するなか、インフルエンサーマーケティングを行う企業も増えています。
そこで今回は施策の目的別にお手本にしたい注目事例をピックアップ。インフルエンサーマーケティングを成功させるポイントについて解説します。

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【認知獲得】目的のインフルエンサーマーケティング成功事例

事例①インフルエンサーの投稿で商品PR&キャンペーン誘導【株式会社おやつカンパニー】

新商品の発売に際して、商品ターゲット層への認知獲得に成功しているのは、食品メーカーの株式会社おやつカンパニーです。
同社は、「美味しく手軽にカラダづくり!」をキャッチコピーにした高タンパク大豆スナック「BODY STAR」のプロモーションで、インフルエンサーを起用。商品のターゲット層である、「糖質が気になる」「筋トレやダイエットに対する意識が高い」ユーザーにリーチしやすい、筋トレやダイエット・ヨガなどについての投稿を行うインフルエンサーを起用して商品をPRしました。

フィットネスモデルとしてInstagramでトレーニングやダイエットに関心のあるフォロワーを多く集めるMaya Miyagawa.A 宮河マヤ( @maya_m0901)さんのインフルエンサー投稿。同社の商品のターゲット層にダイレクトにリーチすることに成功している。

また同時に、Instagramに自宅でできるトレーニング動画を投稿する「60秒サーキットリレー」キャンペーンを開催し、インフルエンサー投稿でもキャンペーンを告知。インフルエンサーを起点にしてキャンペーンを盛り上げ、商品の認知拡大につなげている事例です。

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事例②:Twitterの特性をいかし、プロモーション動画をインフルエンサー投稿で拡散【P&Gジャパン合同会社】

P&Gジャパン合同会社が展開する頭皮ケアシャンプーブランド「h&s」から発売された新ライン「h&s scalp」は、フケ・かゆみに悩む男性に向けた商品です。
同社ではこの商品の認知獲得のために、「アンドー | スパイ(@hscareJapan)」という架空のアンバサダーのTwitterアカウントを開設。キャラクターを起用したユニークなプロモーション動画を制作し、その動画ツイートをインフルエンサーに引用リツイートをしてもらうことでより多くの拡散を生み出し、商品認知の拡大を行いました。

タレントで、Twitterでも95万以上のフォロワーをかかえるつぶやきシロー(@shiro_tsubuyaki)さんのPR投稿。動画に対し、インフルエンサーのキャラクターが垣間見れるコメント付きのリツイートは、高いエンゲージメントを獲得している。

Twitterはインフルエンサーの言動に注目が集まりやすく、またそれが拡散されやすいプラットフォームです。こうしたTwitterインフルエンサーの特性をうまくいかし、インフルエンサーの言葉で語ってもらうことで効果的なPRに成功している事例です。

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【商品理解促進】目的のインフルエンサーマーケティング成功事例

事例③:人気TikToker考案の「#ゼロダンス」で商品のポイントを楽しく訴求【株式会社カネボウ化粧品】

若年層に人気のTikTokを活用したプロモーションで、商品理解の促進を行なったのは株式会社カネボウ化粧品。同社が展開するコスメブランド「KATE」はTIkTok内でユーザーに「#ゼロダンス」をつけた投稿を促すハッシュタグチャレンジを実施しました。
人気TikTokerひかりんちょ(@hkr7140 )さんが歌と振りを考えたこの「#ゼロダンス」は、かわいい振りと歌によって、商品のポイントである「カバー力がある」という点を楽しく効果的に訴求しています。

@hkr7140

私が歌と振りを考えたよ!皆もマネして投稿してね。#ゼロダンス #pr

♬ オリジナル楽曲 – ひかりんちょ👼🏻🦄
ひかりんちょ(@hkr7140)さんの実際の投稿。6万以上のいいねを集めるなど動画に対する反響の高さが窺える。

また、この施策では、複数のTikTokerを起用してさらにハッシュタグチャレンジを盛り上げました。特に、コスメという女性向け商材ながら、女性に人気の男性TikTokerも積極的に起用。ターゲット層に広くリーチしてハッシュタグチャレンジへの参加を促し、商品理解につなげることに成功した事例です。

事例④:商品の違いを視聴者に親しみやすいコンテンツでわかりやすく伝える【かどや精油株式会社】

2つの商品の違いと使い分けのポイントについて、インフルエンサーを起用することでユーザーにわかりやすく訴求しているのは、かどや製油株式会社です。 同社は、レシピ本の出版も行うなど、料理系YouTuberとして人気の1人前食堂さんを施策に起用。「ごま油濃口」と「純白ごま油」の2種類の商品を使い分けたレシピ動画は、動画視聴者に商品の違いをわかりやすく伝え、商品理解を促しています。

動画が投稿されたのは7月の上旬。夏の到来にあわせて、商品を使った夏に食べたい2つのレシピを紹介したこの動画は、20万回以上再生されている。

YouTubeは、ユーザーが動画を観るために訪れるプラットフォームであり、積極的な視聴姿勢が特徴です。そのため、1本あたりの動画再生時間も長く、コンテンツとしてしっかりとしたものが好まれる傾向があります。この施策では、単なる商品PRではなく、自社の商品の特徴をレシピ動画というユーザーが楽しめる形で紹介し、自然な形でユーザーの商品理解を深めることに成功しています。

YouTubeも含めた動画マーケティングについて詳しく解説しています。
動画マーケティングとは?基本から成功ポイントまでを徹底解説【事例あり】

事例⑤:ユニークな漫画コンテンツで商品のポイントを的確に伝える【株式会社フィリップス・ジャパン】

TwitterやInstagramには、漫画を投稿して人気を集める漫画インフルエンサーがいます。この漫画インフルエンサーを起用して商品PRを行なったのは株式会社フィリップス・ジャパン。
同社は、作品がアニメ化されるなど、絶大な人気を誇る漫画インフルエンサー藤井おでこ(@fuxxxxxroxxka)さんを起用した施策を実施。同社の電気シェーバーの「初めてのひげ剃りでも優しく深剃りできる」という特徴の理解を促しました。

「原始時代に商品を使って髭剃りをしたら」という奇想天外な発想で描かれた漫画は、商品PRを含んでいるのに広告色を感じさせることなく、商品の特徴を伝えている。

漫画インフルエンサーはインフルエンサーの個性が発揮されやすく、こうした個性を好んでいるフォロワーが多い特徴があります。この施策では、漫画インフルエンサーの個性を保ちながら、要所で商品のPR要素をうまく組み込み、投稿を見たユーザーを楽しませながら商品理解につなげています。

【販売促進目的】目的のインフルエンサーマーケティング成功事例

事例⑥:インフルエンサー投稿を商品LPに掲載してCVR改善【健康コーポレーション株式会社】

健康コーポレーション株式会社が販売している、泥洗顔市場で6年連続売上金額NO.1として有名な「どろあわわ」。同社ではこの商品のリニューアルのタイミングで、改めて商品の認知獲得を目的とした、インフルエンサー起用施策を実施しました。
この施策では、インフルエンサーを発売記念の限定イベントに招待。インフルエンサーの商品やブランドに対する理解を深めた上で、投稿動機を高めて熱量の高い投稿を促しました。さらにインフルエンサーの投稿は、LP上に掲載。リニューアル後の商品の特徴や実際の使用感を伝え、CVRの改善も実現しています。

インフルエンサー起用企画においては、インフルエンサーとのコミュニケーションも重要です。インフルエンサーに商品やブランドをよく理解してもらい、好きになってもらうことで、インフルエンサーの投稿の質を担保することができます。この取り組みは、事前の限定イベントへの招待などインフルエンサーのモチベーションを高め、結果として良質なクチコミを生み出すことで販促にも成功した事例です。

事例⑦:インフルエンサーがピックアップしたオススメ商品を紹介しながら、クーポン配布で購入促進【株式会社CODE SHARE】

株式会社CODE SHAREが展開しているfifthは、お手頃価格で流行のアイテムが手に入ることが人気のファッションブランドです。同ブランドでは、日頃から積極的にインフルエンサーを起用した施策を行なっています。
その一つが、プチプラファッションを使ったコーディネート紹介で人気のファッションライバー・ももちさん とのコラボ企画です。この施策は、春の新作アイテムの中から、ももちさんがオススメ商品をピックアップし、そのコーディネートを紹介していくもの。動画内では、商品についてももちさんが気に入ったポイントを熱く語っています。

過去に何度もタイアップ企画を実施し、ブランドとの親和性や信頼関係があるインフルエンサーを起用したこの動画は、公開1週間足らずで26万回再生を超えている。

さらにこの施策では、動画を見た人に特別割引クーポンのURLを発行しています。好きなインフルエンサーのピックアップアイテムによってユーザーの興味を喚起し、着こなしを説明して商品理解を促進クーポンによって購買動機を高めている施策です。

企業の販促担当者が今注目している施策とは?アンケート調査をもとにまとめました
販促プロモーション担当者に聞いた!集客効果があった販促施策&2021年の注力施策とは?

事例⑧:アンバサダー投稿×InstagramショッピングタグでECへの導線を設計【株式会社マイナビ】

株式会社マイナビが運営する、日々の家事をラクにする生活雑貨のショッピングサイトkurasso(クラッソ)も、インフルエンサーを活用して販売促進施策を行なっています。 同社では、家事などについて発信しているインスタグラマーたちをkurassoファミリーというアンバサダーに任命して、Instagramでの商品情報の発信を促しています。同社のアンバサダーの投稿は、それぞれのインフルエンサーの視点でしっかりと商品の良さを伝えているのが特徴です。また、同社ではこの投稿を公式Instagramアカウントの運用にも活用。フィード、Instagramリールやまとめ内においてショッピングタグ付きで紹介し、ダイレクトに同社のECヘの導線を作っています。

Instagramのショッピング機能についての詳細はこちらの記事でご紹介しています。
【InstagramでEC売上をアップ!】ショッピング機能を効率的に活用するための5つのポイント

同社のInstagramリールの投稿例。アンバサダーの投稿を再活用し、ショッピングタグを付与して商品詳細を表示し、ECへ誘導している。

Instagramはショッピングタグ活用したショッピング投稿など、オンライン上での商品購入の場として活発に利用されているプラットフォームです。こうしたショッピング投稿においても、生活者の目線にたったインフルエンサーの投稿コンテンツを利用することで、より生活者に親近感や納得感をもたせ、商品の購買へ効果的につなげていくことができます。

【ファン作り・LTV 向上】目的のインフルエンサー成功事例

事例⑨:楽しさが伝わるハッシュタグチャレンジでブランディング【コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社】

ストレスがたまりがちなコロナ禍による外出自粛中に、TikTokを活用してユーザーを楽しませる企画を行なったのは、コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社です。
同社は、STAY HOME中に自宅で楽しめるダンス動画を複数パターン制作し、「 #おうちでリフレッシュ」のタグをつけてユーザーに投稿を促すハッシュタグチャレンジを実施。この動画のPRに複数の人気TikTokerを起用しで、ハッシュタグチャレンジの活性化に成功しました。

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肉球ボクササイズやってみたよ!楽しいからみんなもやってみて!#おうちでリフレッシュ#PR

♬ #おうちでリフレッシュ – チームコカ・コーラ
肉球ボクササイズやおにぎりウォーク、ガッツポーズツイストなど、ダンスのタイトルもユニークなものが多く、インフルエンサー投稿の効果もあいまって、ユーザー思い思いのハッシュタグチャレンジ投稿が生まれた。

2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大によって、生活者の意識は大きく変化。その中で、企業姿勢や企業人格を重視する生活者が増えています。一方でこうした企業姿勢や企業人格はその伝え方が難しい面もあります。この取り組みは、押し付けがましくなく楽しいコミュニケーションで企業姿勢を伝え、インフルエンサーの力を借りながらそのメッセージをより多く生活者に届けた事例です。

コロナ禍において参考にしたい企業のコミュニケーション事例をまとめました
【withコロナ時代に実施したい】企業がSNSでとるべきコミュニケーション事例10選

事例⑩:自社アプリ内のコミュニティをインフルエンサーで盛り上げる【株式会社ファーストリテイリング】

アパレルブランド、ユニクロやジーユーを展開する株式会社ファーストリテイリングが提供するアプリ「StyleHint」は、ユーザーが投稿したユニクロ、ジーユーの商品を用いた着こなしやコーディネートを簡単に検索したり、自ら着こなしを投稿することができるアプリです。ユニクロブランドを好きな人のコーディネートが、日々共有されている場です。
このアプリの利用・着こなし投稿を促進し、コミュニティの活性化に一役買っているのが、アプリ内のインフルエンサー。アプリ内にいる、Instagramなどで人気のファッション系インフルエンサーの投稿は、一般ユーザーの投稿のお手本となり、着こなし検索を行う動機付けにもつながります。また、アプリでは気に入ったコーディネートに使われている商品はシームレスにオンライン購入も可能です。

着こなし発見アプリ|StyleHint
アプリのイメージ。着こなしを知りたいアイテムの画像を用いた写真検索で、世界中のインフルエンサーやユーザーの着こなしをチェックできるほか、人気の着こなしや、注目ユーザー、人気のハッシュタグなど、様々な角度でコーディネートのヒントを探し、さらに購入への導線もあるアプリとなっている。
画像引用:着こなし発見アプリ|StyleHint 着こなし発見アプリ|StyleHint

ブランドのファンコミュニティを盛り上げていくうえで、そのコミュニティを先導していくようなインフルエンサーの存在はとても心強いものです。この施策は、インフルエンサーの存在をうまく生かし、ファンコミュニティを活性化。ブランドや商品との接触機会を増やして、ファンの熱量を高めていくことに成功している事例です。

ファンマーケティング成功事例を紹介した記事はこちらです
ファンとの積極的なコミュニケーションに取り組んでいる施策事例10選

事例⑪PRから商品開発まで・フォロワー数ではない、ブランドを愛するアンバサダーと共にブランドを作る【ベースフード株式会社】

ベースフード株式会社が販売している、からだに必要な栄養素が入った完全食の主食「BASE FOOD」。
商品自体が新しく、まだまだ馴染みのあるものではないなか、同社はブランドに共感してくれるアンバサダーの投稿で、商品認知や理解促進を行なっています。
同社が起用するアンバサダーの特徴は、フォロワー数の多さや少なさではなく、本当に商品を愛用して進んで発信してくれる人かどうかで選ばれている点です。こうしたマイクロ/ナノインフルエンサーは、フォロワーとの距離が近く投稿に対する「いいね」や「コメント」といったエンゲージメントも高い傾向にあります。そして、しっかりとブランドや商品の魅力・特徴を理解し信頼感を持ってもらうには、フォロワーが親近感を持ちやすい存在からの情報発信は効果的です。

アンバサダーの投稿。特定のコミュニティの中で影響力があるインフルエンサーが、自分の言葉でオススメする商品は、フォロワーにとって信頼感がある。

また、同社はアンバサダーに投稿を依頼するだけでなく、商品開発やレシピの考案に加わってもらったり、新商品の試食イベントや交流会を実施したりしています。アンバサダーと関係性を深め、その声をよりよい商品開発やメッセージ発信に生かしてブランドを育ている事例です。

ベースフードのマーケティング戦略についてインタビューした記事はこちらです
【施策の中心にはいつもお客様の声】BASE FOODから学ぶ、顧客との繋がりを生かした「運用型マーケティング」のススメ

インフルエンサーマーケティングを成功させるための5つのポイント

最後に、成功事例から考察する、インフルエンサーマーケティングを成功させるためのポイントについて解説します。

1:目的とターゲット層を明確にする
インフルエンサーにはそれぞれ影響力をもつコミュニティや年齢層、趣味嗜好があります。また、プラットフォームごとに届きやすい情報や好まれるアプローチも違います。インフルエンサーを起用した施策で、何を目的とするのか、どんな層をターゲットにするかを明確にすることは、インフルエンサーの選定の基本です。

2:ブランドや商品にあったインフルエンサーを起用する
また、インフルエンサーを起用する際は、インフルエンサーのフォロワー数だけに気を取られてはいけません。そのインフルエンサーが、本当に自分たちのブランドや商品にあっているか、生活者に対してとっていきたいコミュニケーションに適しているかを見極めることで、よりフォロワーに響く施策となります。

3:インフルエンサーとのコミュニケーション
インフルエンサーマーケティングが浸透し、企業から依頼されたPR案件に対する生活者の目は厳しくなっています。投稿の文言や写真の撮り方など、細部にわたって投稿を指定するのではなく、インフルエンサーを信頼し、ある程度インフルエンサー自身の表現方法に委ねることが大切です。そのためには、インフルエンサーに商品やブランドを理解してもらい、好きになってもらうコミュニケーションを心がける必要があります。

4:PR表示はしっかりと明記
生活者に信頼してもらうインフルエンサーマーケティングには、これがPR案件であることをしっかり明記することが欠かせません。その線引きを曖昧にすると、不信感につながり、施策自体の効果が下がるだけでなく、商品やブランド、企業そのものに対する信頼を損ねる可能性がありますので注意が必要です。

5:インフルエンサー投稿のみではなく、それを全体のマーケティング施策のどこに生かすのかを考えて施策設計を行う
インフルエンサーマーケティングを実りのあるものにするためには、それがマーケティング施策全体のどこに生かされるのかという視点を持つことが大切です。単純に投稿してもらって終わるのではなく、その投稿によって何を促したいのか、どんな成果を得たいのかを考え、施策設計を行いましょう。

インフルエンサーの投稿をお手本とし、その投稿を起点にUGCやクチコミを増やしていく施策も一つの例です。広告や企業発信のメッセージが届きにくくなっているなか、インフルエンサーだけでなく一般ユーザーのクチコミを活用して、商品の認知獲得や理解促進、購買への後押しを行うことは効果的です。

アライドアーキテクツでは、企業のUGC活用における実態調査を行いました。UGCを活用した施策によって実際に成果があがっているのか、どのような課題があるのかなど、気になる他社の活用実態をまとめています。ぜひ、ご一読ください。