Facebookページを活用したマーケティング活動とは、魅力的なページを作り、共感するコンテンツを投稿し、ファンを増やして、エンゲージメントを高めること。それをどうやって評価するのか?そしていよいよ核心に迫る、Facebookマーケティングの本質とは?

 
 
こんにちは、SMMLabの藤田です。
日本で初めて開催された、企業のマーケティング担当者向けカンファレンス「fMC Tokyo」の模様をお伝えするレポートの最終回は、「新しいインサイトの活用方法」と「Facebookマーケティングの本質を理解するための基本思想」をご紹介します。
 

前回までの記事はこちら
・【fMC Tokyo 2012レポート】Facebookが目指すマーケティングの本質とは?(1)http://smmlab.jp/?p=6302
・【fMC Tokyo 2012レポート】Facebookが目指すマーケティングの本質とは?(2)http://smmlab.jp/?p=6322
 
 
まず、アジアパシフィックディレクター ステファン・ドーラン氏による「新しいインサイト」についての解説と活用方法の紹介です。

 

<インサイトの基本原理>

新しいインサイトのキーワードは「人」
・人に注目
・シンプル
・アクション可能
新しいインサイトは人に注目したより信頼出来るデータを元に、シンプルかつ素早いアクションを可能にしました。
 

 
ページに対してアクションをしてくれた人を意味する「話題にしている人」の数が、ページに「いいね!」している人の数よりも重要。このデータにより、ファンの関与度、関心度、エンゲージメント度が分かります。
 

・Facebookページは、一方的な情報発信の場ではなく、「対話」に参加するためのコミュニティを築くためのもの。
・コンテンツを関係性で重み付けしていくことが大切。
 

 
・今までの広告のメッセージは、「新発売!」「大好評!」など、すべて「!」で終わっていた。
しかし、Facebookでは「いかがですか?」というように、「?」で終わらせることが大切。
 
 

<成功につながるインサイト>

 
・多くのファンにシェアされ、成功した投稿とそうでない投稿の差は「話題にしている人」の数。

・投稿に「いいね!」が沢山ついているだけではダメ。「話題」にされて「シェア」されることでリーチが広がる。
・しかし、クチコミリーチだけが違いの全てではない。スポンサー記事によって「シェア」のパワーを後押しする事が必要。
・「話題にしている人」のインサイトは投稿タイプでソートが出来るので、どんなコンテンツがファンに受けているのかが分かる。
・一般的にはリッチコンテンツ(動画や画像)がエンゲージメントが高い。また、企業・ブランドからの「感謝」を表した投稿もエンゲージメントを高める。
・まずはタイムラインに投稿してみて、インサイトでその反応度を確かめることで、訴求度の高いメッセージはなにかをテスト出来る。
・訴求度の高いコンテンツを、「スポンサー記事」や「Facebook広告」で後押しすることで、オーガニックリーチを拡大していくのがベストプラクティス。
 
 

<リアルタイムインサイト>

 

・「ファン」のプロフィールにも注目。ターゲットとしているユーザー像と実際のファンのプロフィールが乖離していないか?
・「ファン」をベースに、本当のターゲットにチューニングしていく。
・新しいインサイトはコミュニケーション戦略を見直すためのツール。
 
 
最後のセッションはアジアパシフィック地区のマーケティングを担当する、メグ・スローン氏。「シェアの心理」を紐解きながら、Facebookマーケティングの本質を理解するための基本的な思想を紹介してくれました。
 

 

<Facebookには新しいルールが必要なことを理解する>



・「マーケティング担当者」「広告担当者」はFacebookについて誤解している。
・既存のメディアの手法を新しいメディアに適用しようとしている。
・Facebookには、新しいルールが必要な事を忘れがち。
・Faceookを使うという事は、社会的な行動であり、友達と楽しむパーティーみたいなもの。そこで人々はリッチなソーシャルエクスペリエンスを体験している。
・だからFacebookでは、企業のライバルは利用者の「友達」
・「注目を集める」「利用者の邪魔をする」といった従来のやり方ではなく、変わっていかなくてはならない。
・Facebookの核となるのは「関係」。関係は、時間をかけて、軽いやりとりを通して構築される。
・自分が使っている歯磨き粉は、いきなりお気に入りになったのではなく、自分の母親が使っていて良かったから自分も使い始め、長い時間をかけてお気に入りになった。
・大切なのは、頻繁かつ軽量なインタラクション「Frequency Light Interaction(F.L.I.)」つまり、気軽に交流すること。
 

<人はなぜ話すのか?>

 
1.生活を円滑にする
・自分の生活の中で起きたちょっとした問題を解決したい
2.共通のつながりを見つける
・同じ趣味、同じ買物、同じバックボーンなどつながりを見つけたい
3.他の人を助ける
・見返りを求めるのではなく、関係性の中で「助けたい」と思う気持ち
4.自分の個性を築く
・会話を通じて自分の考え方を知る。
・どの「ブランド」が好きかは、その人のアイデンティティーとなりうる。
この4つのモチベーションを意識し、「どうすれば会話が生まれるか?」「人が話したくなるコンテンツとはなにか?」「人がシェアしたくなるか?」を考える。
・人々の「会話」の一部となることが大切。
・「人はなぜ話すのか?」を忘れない。
 
 
最後に、Facebookアジアパシフィック担当副社長エリック・ジョンソン氏が再び登場。

エンゲージメントを高めると「質問」が湧いてくる。それに答える事で「会話」となる。ShereとCare、共感と関心が、Facebookでのマーケティングを考える時に重要なこと。「なぜFacebookページを作っているのか?」を常に問い続けてほしいと締め括りました。
 
 
今回の「fMC Tokyo」では、一日を通して、「人」「つながり」「関係」というキーワードが、かなり頻繁に使われていたのが印象に残りました。
Facebook 日本担当グロースマネージャー児玉氏から「コミュニケーションにはきっかけが必要。Facebookはきっかけの宝庫」という言葉がありましたが、その「きっかけ」に気付けるかどうかが、企業やブランドのFacebookマーケティングの成否を分けるのでは無いかと感じました。
人と人が互いを理解して友達になるのと同じように、企業やブランドが理解してもらい、好きになってもらうためには「会話」と「時間」が必要です。
インターネットの進化は、「コミュニケーション」のコストを圧倒的に下げたと思われていますが、Facebookマーケティングではコストの種類と質が変わったことを理解する必要があります。ユーザーのインサイトに対する深い理解と分析、熱意ある運用のためには人的、時間的なコストがかかります。また、ソーシャルメディアの中での情報拡散を増幅するには、やはり広告が必要不可欠のようです。
直近の売り上げではなく、長期的な視点でのブランディング構築を目的とした、コミュニケーション戦略が取れなくては、Facebookをビジネスに利用するメリットは少ないというのが、今回語られた「Facebookマーケティングの本質」だったのではないでしょうか?
あなたは、今回の「fMC Tokyo」で語られたFacebookのマーケティングの考え方について、どのように感じましたか?ぜひご意見・ご感想をお聞かせ下さい。
 
 
■【fMC Tokyo 2012レポート】
・Facebookが目指すマーケティングの本質とは?(1)http://smmlab.jp/?p=6302
・Facebookが目指すマーケティングの本質とは?(2)http://smmlab.jp/?p=6322
・Facebookが目指すマーケティングの本質とは?(3)http://smmlab.jp/?p=6364
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