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Instagramアカウントのフォロワー数はどうやって増やせばいいの?
どんなKPIをもとに運用すればいいの?
担当者が知りたい、Instagramアカウント運用を成功させるための気になるポイントを解説しました。

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1. Instagramとはどんなプラットフォームなのか

InstagramはMeta Platforms,Inc.(2021年10月、Facebook,Inc.より社名変更)が提供しているビジュアルに特化したSNSプラットフォームです。

世界では月間10億以上のアカウントがアクティブな状態であると言わており2019年10月)、日本国内の月間アクティブアカウント数も3,300万アカウントを突破2019年6月)しています。

その男女比は、男性43%、女性が57%とわずかに女性の方が多くなっていますが、概ね男女問わず利用されていると言えるでしょう。

また、アライドアーキテクツが行なった調査によると、年代別のInstagramの利用率は、

  • 15〜19歳 65%
  • 20代 57.3%
  • 30代 47.8%
  • 40代 40.2%
  • 50代 29.4%

と10代から50代までをカバーしており、幅広い年齢層のユーザーに利用されているプラットフォームでもあることが分かります。

Instagramのユーザー実態を様々なデータを元に解説しています。
【2021年版】Instagramユーザー実態が分かる!調査データまとめ

そんなInstagramには以下のような特徴があります。

特徴①多様な動機をもったユーザーが利用

Instagramには、タイムラインである「フィード」、24時間で投稿が消える「ストーリーズ」、短尺動画に特化した「リール」など、ユーザーに情報を届ける接点が豊富にあり、接点ごとに特色を持っています。
それぞれの接点によって、利用するユーザーの接触態度も異なるため、色々な動機やニーズをもったユーザーとつながることができるプラットフォームです。

特徴②コミュニケーションを豊かにする機能が充実

あわせて、Instagramにはライブ配信機能である「Instagramライブ」、ストーリーズでユーザーからアンケートがとれる「質問スタンプ」、好きなリール動画とコラボレーションができる「リミックス」など投稿やコミュニケーションを豊かにする機能が充実

また、最近では、ショッピング機能の拡充にも力を入れており、Instagramは友人やお気に入りのユーザーの投稿を閲覧する場から、ユーザーの消費購買行動により近いプラットフォームへと変化しています。

Instagramショッピング機能の活用方法をわかりやすく解説しました。
【InstagramでEC売上をアップ!】ショッピング機能を効率的に活用するための5つのポイント

特徴③ひとりひとりの趣味や嗜好に合わせて投稿が表示されるアルゴリズム

Instagramのフィード投稿は、フォローしているアカウントの投稿が時系列で全て表示されるわけではありません。ユーザーそれぞれの「動画の再生」「いいね」「コメント」「保存」といった行動から、そのユーザー好みやInstagram上の行動傾向を導きだし、それに沿って投稿が表示されます。
また、Instagramリールやショッピング機能などでは、フォロー外であっても、そのユーザーにおすすめのもの、好みにあうであろうものをサジェストしてくれるため、ユーザーは自分の「好き」に沿って、新しいアカウントやブランド、商品などに出会うことが可能です。

2. Instagramアカウント運用を企業が行うメリットとは?

では、Instagramで企業が公式アカウントを運用することのメリットにはどんな点があるのでしょうか?

メリット①ビジュアル訴求に効果的

Instagramはビジュアル投稿に特化したSNSです。そのため、視覚的に商品やブランドの訴求をすることに長けています。また近年は「Instagramライブ」や「リール」など動画フォーマットへの対応も強化。いわゆる「インスタ映え」と言われてるような画像でブランドイーメージを伝えるだけでなく、商品のテクスチャや使用感、活用シーンの提案など幅広い訴求軸で視覚的に商品やブランドのPRを行うことができます。

メリット②企業アカウントからの情報への関心も高く、売上貢献にもつながる

Instagramが発表したデータによると、日本国内のInstagramユーザーのうち、およそ80%のユーザーが企業のアカウントをフォローし、さらにInstagramで広告を見たブランドへの関心が50%高まると言われています。

また、アライドアーキテクツが2020年12月に行なった調査では、Instagram上の企業アカウントや投稿をきっかけにした商品購入について、全体の41.5%が経験があると答え、実店舗への訪問についても42.9%のユーザーがしたことがあると答えています。

このように、Instagramは企業から発信される情報が受容されやすく、また購入や来店などその先のアクションにもつながるプラットフォームであることがわかります。

Instagramで知った商品の購入やサービスの申し込み経験

Instagramユーザーの実態を様々なデータから徹底分析しました
【2021年版】Instagramユーザー実態が分かる!調査データまとめ

メリット③親和性の高いユーザーとの新しい接点を創れる

Instagramの特徴でも述べたとおり、Instagramに表示される投稿やおすすめは、ユーザーの趣味や嗜好に基づいてカスタマイズされています。
これは企業にとっては、より自分たちのブランドや商品と親和性の高いユーザーに情報をとどけたり、つながりを持つことができる可能性が高いということです。

さらに、Instagramではハッシュタグ検索が盛んに利用され、その動きは特に日本において顕著です。Instagramによると日本のInstagramユーザーがハッシュタグ検索をする回数は、グローバル平均のおよそ5倍であると言われています。

また、株式会社コムニコと株式会社アゲハが実施した調査では、18〜39歳の女性ユーザーのうちおおよそ半分のユーザーが、店名やプランド名などの固有ハッシュタグを使い、最新情報を確認したり、クチコミを検索しているこという結果になっています。同時に、ハッシュタグから最新トレンドを探すユーザーも34.8%に及んでいます。

このようにInstagramは、ユーザーはカスタマイズされて表示される投稿やおすすめ、ハッシュタグによって自分の好みや好きなものに出会うことができ、企業はこうしたユーザーに「発見してもらえる」可能性があるプラットフォームなのです。

ハッシュタグ使い方 アンケート回答図
参照元:コムニコ/アゲハ「18~39歳女性のSNS利用スタイル調査」(2018年12月)データよりアライドアーキテクツ作成

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3. Instagramアカウント運用を始める前におさえておきたいポイント

ここからは、実際にInstagramアカウント運用のポイントについてご紹介していきます。
まず、Instagramでアカウント運用を始める前におさえておきたいポイントです。

3-1. Instagramの機能や特徴を正しく理解する

Instagramは前述の通り様々な機能や投稿フォーマットがあります。当然、それぞれの機能や投稿が表示される場所によって、それぞれを利用する際のユーザー心理や態度は異なってきます。また、多様な接点を組み合わせて利用することで、ユーザーとの関係を深めたり、より自分たちの商品やブランドについて理解してもらうことも可能です。

Instagramを使って効果的に情報を発信するには、まずはその特徴や機能について正しく理解し、把握することが大切となります。

<投稿が表示される場所>

Instagram 投稿が表示される場所

① フィード:Instagram上のタイムラインにあたるフィード。動画や静止画、複数枚の画像を同時に投稿できるカルーセルなど、様々なフォーマットが利用できるのが特徴です。また、リールに投稿された動画も、タイムライン上に表示されます。
そして、フィード上の投稿はハッシュタグ検索を利用した情報収集にも活用されています。最適なハッシュタグをつけて運用することで、ブランドや商品を見つけてもらうきっかけ作りにも繋がるでしょう。

② ストーリーズ::動画が静止画がフルスクリーンで表示されることによるインパクトや没入感が特徴のストーリーズ。スマホの画面いっぱいにダイナミックに投稿を表示させて印象付けることができます。また、アンケート、質問、クイズ機能によるコミュニケーションや、リンクスタンプによって外部サイトへ遷移させるなど、情報を届けるだけでなくその後のアクションを促しやすい場所です。

③ 発見タブ:ホーム画面の下にある虫眼鏡のマークをタップすると開く発見タブ。ユーザーがフォローしているアカウントや、「いいね!」や保存した投稿の傾向から、ユーザーにおすすめのまだフォロー前のアカウントのコンテンツが表示されます。ハッシュタグ検索よりニーズが顕在化していないものの、自分の好みや趣味にアカウントと出会いたいという動機をもった能動的なユーザーに投稿を届け、新しいフォロワーを獲得できる場所です。表示されるが、フィード投稿、リール、IGTV、ショッピング投稿など複数種類に対応しているのも特徴です。

④ リール:Instagram内での動画コンテンツ需要に対応し、2020年にリリースされたの15秒〜30秒以内の短尺動画を共有する機能であるリールです。限られた尺の中で見ているユーザーを惹きつけるようなクリエイティブでエンターテイメント性の高い動画が投稿されているのが特徴。商品を使った際のビフォーアフターや、テクスチャなどを短い動画を活用してカジュアルに伝えることができます。

<主な投稿フォーマットや付加機能>

写真:静止画を投稿のビジュアルとして利用する投稿です。インパクトのある1枚のクリエイティブを利用するほか、複数枚の静止画や動画を組み合わせて使うカルーセルを利用すれば、商品のストーリーや使用方法など説明的なコンテンツを自然に伝えることができます。

動画:フィード、ストーリーズ、リールなど色々な投稿に活用できる動画フォーマット。とくに、スマホの画面いっぱいに広がるストーリーズやリールは、スマホでの閲覧が主となっているInstagramの特徴を利用し、投稿を魅力的に伝えることができるフォーマットです。

ショッピング投稿:Instagramでは、投稿にショッピングタグを付与することができます。ショッピングタグがついた投稿の中の商品は、商品の詳細や購入ページのリンクを貼ることができ、商品に興味をもったユーザーのスムーズな商品購入を促すことができます。ショッピングタグは現在、フィード、ストーリーズ、リール、IGTVで利用が可能です。

Instagramライブ:ユーザーとより直接的なコミュニケーションをとる手段として注目されているのがInstagramライブです。様々な企業が、商品や店舗の紹介などをInstagramライブを利用して行っています。また、他のビジネスアカウントやインフルエンサーのアカウントとのコラボ配信をうまく行うことによって新規フォロワーやファンの獲得に成功しているアカウントもあります。

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3-2. Instagramアカウント運用の目的(KGI)を明確にする

Instagramのアカウント運用を行うことが目的となってしまい、ただ毎日投稿を繰り返しているだけでは「これは何の効果があるのか」が不明瞭となり、結果として「うまく運用できていない」「活用できていない」といった不満につながってしまいます。また、SNSは運用を継続していくことが大切ですが、成果がでていると感じられないと、運用を続けることも難しくなります。

そのため、Instagramアカウント運用を始める前に、自分たちのビジネスのゴールに対してInstagramアカウントの運用がどのような貢献をすることを期待しているのか、アカウント運用で達成したいゴール(KGI)を設定することは非常に大切です。
さらに言えば、それぞれのKGIによってその後のアカウント運用のコミュニケーション設計も異なってくるため、この目的(KGI)の設定無くして、適切なアカウント運用は実現できないと言っても過言ではありません。

例えば、ECを主軸としているビジネスの場合は、「EC売上」「EC購入数」などがKGIの候補となります。ショッピング投稿やストーリーズ投稿のリンクを経由して自社ECヘユーザーを送客することを最終目標とし、そこに結びつくようなコミュニケーション設計を行う必要があります。Instagramライブなどを活用し、直接ユーザーに商品の魅力を伝えるアプローチも効果的です。

また、実店舗をもつビジネスの場合には「店舗来店数」を最大化するためにアカウントを運用していくべきでしょう。2021年5月にリリースされた「地図機能」を利用したユーザーに見つけてもらうため、投稿に位置情報を付与したり、プロフィール画面に「予約する」のCTAを置くなど、来店へつなげる導線を利用しながら、ユーザーに足を運んでもらう仕組みづくりを実施することがが重要です。

プロフィール画面の設定についてはこちらで説明しています。

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自分たちのビジネスのゴールに対して、Instagramをどう生かしていくのか、それぞれの立場にあった目的設定を行いましょう。

3-3. Instagramアカウント運用のターゲット層を具体的に思い描く

目的を明確にしたら、Instagramアカウント運用を通してどのようなユーザーと繋がりたいのかを具体的に思い描くようにしましょう。

具体的には

  • ユーザーの年齢
  • ユーザーの性別
  • 趣味、嗜好
  • Instagramをどう活用しているのか
  • どんなアカウントをフォローしているのか

などがそれに当たります。

Instagramはユーザーのエンゲージメントが高い投稿が表示されたり、親和性の高い投稿コンテンツがオススメされるという特徴があります。そのため、ターゲットのペルソナをより具体的に設定し、Instagramでどの行動を取るのかを想定することで、ユーザーとのミスマッチを減らし、より効率的なアカウント運用に繋げることができます。

3-4. Instagramを運用する体制を整える

Instagramに限らず、SNSのアカウント運用を成功させるためには継続的に決まったペースで更新し続けることが大切です。そのため、1週間の中でどの作業にどのくらいのリソースを割くのか、どのようなフローで投稿を行うのかを定め、無駄のないアカウント運用を実現するのがポイントとなります。

また同時に、運用を効率化できるような外部ツールを導入することの検討も行うと良いでしょう。ツールと一口に言っても運用の成果を分析するものや、自社のターゲットフォロワーの投稿に自動でいいねをする自動ツール、クリエイティブ制作を助けるクリエイティブツールまで様々な種類があり、利用料金も無料から月額のものまで様々です。

運用体制を整える際に、自分たちの運用体制ではどの作業のどの部分を効率化すると成果に結びつきやすいかを考えて導入ツールを検討することをおすすめします。

なお、アライドアーキテクツでは、InstagramなどSNSアカウント運用に利用できる動画を誰でも簡単に制作することができる動画制作ツール「LetroStudio」を提供しています。無料の資料請求もございますので、ぜひご利用ください。

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4. 効果的なInstagramアカウント運用に欠かせないフォロワーを増やすためのポイント

Instagramアカウント運用を行う上で、欠かせないのが「フォロワー」の存在です。InstagramにはTwitterのリツイートのように、大規模に情報を拡散する機能がありません。そのため、情報を届けるには、ターゲットユーザーにフォローされ、しっかりと接点を作っていくことが必要不可欠なのです。

4-1. Instagramアカウントがフォローされる流れ

Instagramアカウントのフォローの多くは、以下の2つのステップをもとに発生します。

① ユーザーがフォローしているアカウント以外の投稿やアカウントと出会う
② プロフィールページを確認してアカウントをフォローするか判断する

Instagramユーザーは、ハッシュタグ検索や、発見タブなどの接点から、自分の好みや興味と一致するアカウントと出会います。さらにそこから、そのアカウントのプロフィールを見てアカウントをフォローするのかを決めているのです。
よって、効率的にフォロワーを増やしていくためには、

① ターゲットユーザーに投稿やアカウントを知ってもらう
② フォローしたくなるプロフィールを設定する

この2つの要素が必要となってくるのです。

4-2. ターゲットユーザーに投稿やアカウントを知ってもらう【事例あり】

Instagramで接点を持ちたいユーザーに投稿やアカウントを知ってもらうためには、いくつかの方法があります。

① ハッシュタグの活用

Instagramで欠かせない「ハッシュタグ」。ハッシュタグを上手に活用することで、アカウントからの投稿をよりたくさんのユーザーに見てもらったり、Instagram内で情報を探している顧客に商品やブランドを知ってもらうことができます。

自分たちのターゲットとするユーザーが日頃どんなハッシュタグに反応しているのか。自分たちの投稿にあったハッシュタグはどのようなものなのか。どんなハッシュタグを好むユーザーならば投稿に興味をもっていくれるのかを仮説立て、活用するハッシュタグを決めましょう。

また、Instagramにはハッシュタグフォロー機能というものがあり、ユーザーは自分の興味関心のある特定のハッシュタグをフォローして特定の話題についての投稿をチェックすることもできます。ターゲットユーザーがフォローしそうなハッシュタグを選んで投稿することで、ターゲットユーザーにアカウントに気づいてもらえる可能性も高くなるのです。

輸入およびオリジナルの衣料品や雑貨の販売を行なっているビームス(BEAMS)。 同社のキッズラインである「こどもビームス」のInstagramアカウントでは、同社が扱うおすすめ商品の紹介 。投稿ではブランドのハッシュタグの他に、紹介する商品に関連する「 #出産祝いにおすすめ」など商品ごとにフォロワー以外の接点創出に取り組んでいる。

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② インフルエンサーの活用

Instagram上で影響力のあるインフルエンサーの活用も、アカウントを知ってもらうための一つの方法です。インフルエンサーに、@をつけて自分たちのアカウントをメンションしてもらったり、タグ付けしてもらったりすることで、そのインフルエンサーをフォローしているユーザーに自分たちのアカウントを知ってもらうことができます。

ただし、インフルエンサーの起用には様々な注意も必要です。
具体的には、

  • インフルエンサーによる投稿には必ず「#PR」を明記してもらう。
  • インフルエンサーのフォロワー数の多さだけでなく、自分たちのターゲットとなるユーザーに支持されているかで判断する。
  • 投稿の細かな内容はインフルエンサーに委ねる。

などの点に気をつけましょう。

資生堂が展開する日焼け止めブランドANESSAでは、新商品である「オールインワン ビューティパクト」のPRのためにインフルエンサーを起用。商品についてインフルエンサー自身の言葉でしっかり紹介してくれるインフルエンサーの投稿によって、そのフォロワーに商品の魅力や特徴を伝えることに成功している。

インフルエンサーマーケティングの手法や事例についてはこちらの記事で解説しています。
インフルエンサーマーケティングの成功事例11選&ポイント解説【施策目的別】

③ 既存フォロワーとのエンゲージメントを高める

Instagramでターゲットとなるユーザーに自社アカウントの投稿をおすすめしてもらうためには、ターゲットユーザーと類似しているユーザー(=既存フォロワー)との関係性の深化も大切です。既存フォロワーとのエンゲージメントの高いアカウントとInstagram側に認識されることで、既存フォロワーの類似となるユーザーに投稿をおすすめしてもらえるのです。

そのためには、「コンテンツの質の担保」や「丁寧なコミュニケーション」を心がけるとよいでしょう。ユーザーの投稿であるUGCを活用したコミュニケーションも、ブランドへの親近感や好意度をあげるのに効果的です。

文房具やオフィス用品を扱う、「コクヨのぶんぐ」の公式Instagramアカウントでは、日頃からストーリーズの質問や投票機能を使ったユーザーとのやりとりや、コメントへの丁寧な返信など、フォロワーのエンゲージメントを高めるコミュニケーションに注力している。

InstagramのUGC活用については、こちらで説明しています!

④ キャンペーンの実施

ターゲットとなるユーザーに魅力を感じてもらえるキャンペーンを設計し、キャンペーンをきっかけとして新規フォロワーを増やしていく手法もよく行われています。

Instagramでは日々、フォロー&コメントキャンペーン、フォロー&ハッシュタグ投稿キャンペーンなど、アカウントのフォローを条件としたキャンペーンが多数実施されています。
そのためキャンペーンへの参加に伴う企業アカウントのフォローはInstagramユーザーに違和感なく、フォローへのハードルが低いフォロワー獲得手法だと言えます。

また、アライドアーキテクツが行なった調査でも、Instagramユーザーのほぼ半数は、企業の実施するキャンペーンに参加したことがあると答えていることから、キャンペーンへの参加はInstagramユーザーにとっても馴染みのあるものであるため、効率的にフォロワーを増やすのに適しているのです。

雪印メグミルクのInstagramアカウントで実施されたキャンペーン。チーズの日にちなみ、同社のチーズ製品を紹介しながら、アカウントフォローといいねで応募ができるという気軽さで、Instagramのフォロワー増加を狙っている

⑤ 企業間コラボ

Instagramキャンペーンや、Instagramライブなど、Instagramの施策を他の企業アカウントと共同で実施することで、フォロワー以外のユーザーにリーチすることができます。

コラボを行う際は、お互いのビジネスがどのような業界であっても「お互いのフォロワー」がもつインサイトが共通していることが大切です。ここに相違があると、いくらコラボ先の企業アカウントのフォロワーの数が多くとも、新しくアカウントをフォローしてもらえる可能性は低くなってしまいます。
好む生活様式や、趣味・嗜好など、ターゲットユーザーのペルソナ設計をした際の仮説を参考にして、コラボ先を選定すると良いでしょう。

ロート製薬LOHACOのInstagramアカウントで実施されたコラボライブ配信。ブランドと総合通販とがコラボすることで、紹介した商品の購入導線を作りながら、お互いのアカウントへの相互送客をした。

4-3. フォローしたくなるプロフィールを設定する

次に、アカウントをフォローするかどうかの大きな判断材料である「プロフィール」の設定です。
Instagramは、アカウントのプロフィールを見に来るユーザーの3分の2がフォロワー外からだと言われています。言い換えれば、プロフィールを見に来ているユーザーの半数以上が、投稿からアカウントに興味を持ち、フォローするかしないかを決めるためにプロフィールに訪れているのです。

Instagramのビジネスアカウントのプロフィールで設定するのは主に以下の項目。

① 名前:ブランド名、会社名、商品名などアカウントを通してユーザーに覚えてほしい正式名称を設定します。また、企業の公式カウントであることが伝わるように「公式」であることを明記することで、ユーザーに安心してフォローしてもらうことができます。

② ユーザーネーム:英数字とアンダーバーで構成されるアカウント名です。@をつけてユーザーネームを記入するとメンションしてもらうこともできるので、覚えやすく、簡単に記入できるものがおすすめです。

③ 連絡先:ビジネスアカウントの場合、店舗の電話番号やメールアドレスなど連絡先を設定することができます。設定した連絡先はプロフィール欄に「問い合わせ」「電話する」「ビデオチャット」「メール」などのCTAボタンとともに表示されます。

④ ウェブサイト:プロフィールを訪れたユーザーがクリックすることができるURLを設定します。ブランドの公式サイトやECサイトなど、Instagramをきっかけにユーザーに訪れてほしいウェブサイトのURLを入力しましょう。

⑤ 自己紹介:アカウントの説明を書く自己紹介欄には、150文字の制限があります。そのため、簡潔にどのようなアカウントなのか、アカウントをフォローすることでユーザーにどんなメリットがあるのかが伝わるような文章にする必要があります。また文体や絵文字の有無など文章の内容以外でも「自分たちらしさ」を表すことが大切。ユーザーに利用して欲しい独自ハッシュタグを含めることも有効です。

⑥ プロフィール画像:アカウントを見た時に一番最初に印象に残るのがプロフィール画像です。企業アカウントの場合は、企業やブランドのロゴを使用することがおすすめです。そのほかのSNSやWebページと統一感のある画像を選びましょう。

⑦ ストーリーズのハイライト:Instagramストーリーズは24時間で投稿が消えてしまうことが特徴ですが、過去のストーリーズをアーカイブしてプロフィール画面に表示させることができます。これをハイライト機能と呼びます。このハイライトの内容も、どんなブランド、どんなアカウントなのか理解してもらうための大切な要素なので、しっかり活用するとよいでしょう。

和光堂のInstagramアカウントのプロフィール
ベビーフードなどの販売を行う和光堂のInstagramアカウントのプロフィール。ハイライトには、赤ちゃんの月齢別におすすめの離乳食レシピをまとめ、育児中のユーザーに役立つ情報を発信しているアカウントであることを伝えている。

5. Instagramアカウントで発信すべき情報とは?運用の成果を出すためのポイント

Instagramアカウントを運用しようと思った時に、避けて通れないのが「どのような情報を発信するか」=コンテンツ設計です。

5-1. ターゲットユーザーと目的に沿ったコンテンツ設計

Instagramではターゲットユーザーがどのようなコンテンツを望んでいるのかを導きだし、コンテンツの設計を行うことが大切です。

Instagramで届けられる情報には

  • 商品やサービスについての具体的な説明
  • 商品やサービスを利用した時の使用感
  • 商品やサービスを通して得られる具体的なメリット
  • 商品やサービスの利用を検討しているユーザーへのお得な情報
  • 商品やサービスを利用しているユーザーの生の声

といった、コンバージョン(商品購入)に近いものから

  • 商品やサービスを好むであろうターゲットユーザーに役立つ知識
  • 企業やブランドが重視していることなど、企業人格が伝わる取り組み
  • ユーザーとの距離を縮めるカジュアルなコミュニケーション

など、一見するとコンバージョン(商品購入)には結びつきにくいものの、ブランドとユーザーの関係性を深めたり、ブランド好意度を高めるようなものがあります。

自分たちのターゲットとするユーザーのペルソナ、Instagram上の行動傾向とともに、Instagramアカウントで達成したいゴールから、どのようなバランスで情報発信するか投稿設計を行い、それに基づいてアカウントを運用すると良いでしょう。

5-2. 利用する配信面に適した投稿クリエイティブの作成

フィードとストーリーズ、リールなど、投稿が表示される場所によってユーザーが望むコミュニケーションに違いが生じます。

例えば、同じ動画クリエイティブを利用した場合でも、フィードよりはストーリーズ、ストーリーズよりはリールの方がよりカジュアルなものが好まれる傾向があります。

また、レシピやスタイリングの提案など、ユーザーが「保存」して後から見返したいと思うコンテンツであれば保存ができるフィード投稿が向いていますし、反対にアンケートや質問募集などライトなコミュニケーションを行うのであれば、24時間で投稿が消えてしまうストーリーズの方がユーザーのリアクションも集まりやすくなります。

この情報はどこで発信すべきか、このコミュニケーションはどこで行うべきか、配信する場所によって投稿内容を変えていくことが大切です。

配信面にあったクリエイティブ活用の重要性について話しています。
コスト削減だけではない!手軽に作れる「カジュアル動画」を活用すべき本当の理由

5-3. UGCの活用

Instagramではハッシュタグを活用した検索が盛んであることはすでにご紹介しましたが、企業独自のハッシュタグをつけた投稿(=UGC)の活用も、Instagramアカウント運用を効果的にするためのアイディアの一つです。

InstagramでのUGC活用には様々なメリットがあります。

① SNS上のクチコミとしてのUGC

Instagramのハッシュタグ検索で、気になる商品やブランド、お店を検索するユーザーは多く存在します。こうしたユーザーがハッシュタグ検索を行なった時に、Instagramの中に一定数の投稿(=UGC)が存在する状態を作り出すことで、商品が気になっているユーザーや購入・利用を検討しているユーザーの後押しをすることができます。

② 投稿クリエイティブとしてのUGC

Instagramの投稿クリエイティブには、それぞれ表示される場所に応じたクリエイティブを利用することが大切です。その点においても、ユーザー自身によってInstagramに投稿されたUGCを投稿クリエイティブに活用することは、それぞれの配信面において違和感を与えないクリエイティブを活用できるという点で優れています。

同時に、投稿するクリエイティブの撮影にリソースを割くことが難しかったり、自分たちで制作するクリエイティブの数の担保が難しい場合も、UGCを投稿クリエイティブに活用することで、クリエイティブ数を確保することができます。

③ 広告クリエイティブやLPなど外部コンテンツへの利用

また、Instagram上のUGCを広告クリエイティブ、広告LPやECサイトに利用する企業も増えています。企業に寄せられた「お客様の声」は編集が可能ですが、SNSのUGCを利用する場合は、ユーザーの投稿に手を加えることはできません。逆に言えば、広告のLPやECサイトに遷移して購入を検討しているユーザーにとって、SNSのUGCは、実際に商品を利用しているユーザーのリアルな感想であると言えます。
そのため、SNS上のUGCはクチコミとしての信憑性が高く、活用する意義があるのです。

④ UGCをきっかけとしたコミュニケーション

UGCをSNS投稿や広告クリエイティブ、LPに活用する際は、ユーザーに許諾をとる必要があります。一見手間がかかるように思えるこの許諾作業ですが、ユーザーとのコミュニケーションという点では非常に大切なアプローチです。
そもそも、その企業に関連するハッシュタグをつけて投稿をしているという時点で、ユーザーはその企業やブランド、商品に対して好意的な感情を持っています。その上で、「素敵な投稿をぜひ使わせてください」というコミュニケーションは、ユーザーのブランドや商品に対する好意度を高める作用があるのです。

東急ハンズのInstagramアカウント ハイライト
東急ハンズのInstagramアカウントでは、「#ハンズでみっけ」というハッシュタグの利用を促進。ユーザーに東急ハンズで見つけたおすすめのアイテムに関する投稿をしてもらい、それをストーリーズでシェアし、コミュニケーションを取っている。また、投稿はアーカイブに残すことで、アカウントに訪れたユーザーが同社で取り扱う商品の口コミを調べたり、幅広い商品を取り扱っている同社の特徴を表現している。

UGCはどのように増やせばいいのか?その手法を事例を元に解説しました。
【事例で解説!効果的なUGCの増やし方】認知拡大から継続購入まで、目的に応じたUGC生成方法とは

5-4. 投稿文やコメントのトンマナの統一

SNSを利用するユーザーは基本的に個人で自分のアカウントを保有し、投稿を行なっています。そのためアカウント=ひとつの人格と捉える意識が働きやすいプラットフォームという特徴があります。

もちろん、企業のSNSアカウントは複数の担当者によって運用されているケースもたくさんありますし、ユーザーも1人の担当者が運用しているとは思っていないでしょう。

しかし、例えば普段の投稿では丁寧な口調なのに、コメントの返信になると突然フレンドリーになりすぎる、といったコミュニケーションをとってしまうと、ユーザーも戸惑ってしまいます。そのため、アカウントとして、投稿する文章やコメントへの返信トンマナ(文体や、絵文字の使い方など)を統一することは大切なのです。

ユーザーがそれを見た時に、違和感を感じることのないよう、トンマナを揃えることに注意しましょう。複数人で運用する時は、言葉や絵文字の使い方について簡単なルールを定めておくのも良いでしょう。

5-5. コメント返信やいいねなどのコミュニケーションは丁寧に

SNSは、そもそもがCGM(Consumer Generated Media)、企業だけでなく一般のユーザーが自由に発信し、双方向的なコミュニケーションを行う場所です。
こうした背景を考慮すると、ユーザーからのコメントなど、投稿への反応については、できる限り、実際に接客をおこなっているつもりで丁寧に対応すべきです。

また、Instagramのコメント欄は、コメントを書き込んだユーザー以外の他のフォロワーも見ることができる公共のものなので、そこでの誠実なコミュニケーションは、コメントしたユーザー以外、その投稿をみているInstagramユーザーにアカウントへの安心感や信頼感を生み出すことにもつながります。

もし、どうしても返信を行えないなどの事情がある場合は、その旨をプロフィール文にしっかり明記しておくようにしましょう。

5-6. アカウント運用のKPIを設定する

Instagramアカウントの投稿やコミュニケーションをうまく行なっていくためには、KPIを設定し、その数値の推移によって今のアカウントや投稿の状態が望ましい状態なのかどうかを測っていくことが必要です。

Instagramで指標とできる主な数値(KPI)には以下のようなものがあります。

  • フォロワー数:アカウントをフォローしたユーザーの数。ハッシュタグ検索や広告経由、発見タブ以外で、自分たちの発信した情報を受け取る可能性のあるユーザーの母数です。
  • 投稿数:Instagramで一定期間に投稿した総数です。
  • プロフィールビュー数:アカウントのプロフィールを表示したユーザーの総数です。
  • インプレッション数:投稿など発信した情報が、ユーザーに表示された延べ回数です。同じユーザーに複数回表示されることもあります。
  • リーチ数:投稿など発信した情報を閲覧したユニークアカウントの総数です。同じユーザーが同じ投稿を複数回閲覧しても、リーチ数は1となります。
  • いいね数:投稿にいいねをした数です。
  • コメント数:投稿についたコメントの数です。
  • 保存数:投稿をユーザーが保存した回数です。
  • 動画再生数:投稿した動画が再生された数です。
  • エンゲージメント数:いいね、コメント、保存、動画再生の数の合計数です。
  • ハッシュタグ投稿数:企業に関するハッシュタグ投稿がされた総数です。
  • ウェブサイトクリック数:プロフィールに設定したリンクや、ストーリーズでリンクを設定した先へのクリック数です。

これらの中でも、特に重要となってくるのは「フォロワー数」「投稿数」「エンゲージメント数(率)」です。

「フォロワー数」は投稿が届く可能性のある母数です。当然その母数が少なければアカウントからいくら発信をしたところで、なかなかその投稿をユーザーに見てもらうことができません。そのため、「フォロワー数」を増やしていくことは大切です。
また、Instagramのインプレッションは「投稿数」×「1投稿あたりのインプレッション」で測るため、継続的にある程度の投稿数を担保していくことが重要です。「投稿数」を指標とし、アカウントの運用が計画的に進んでいるかを確認しましょう。

そして、投稿がフォロワーのフィードに表示されたり、フォロー外のユーザーにおすすめされるためには、投稿に対するエンゲージメント(いいね、コメント、保存など)を高めていくことが必要です。これは、エンゲージメント数をひとつのシグナルとして、Instagramのアルゴリズムが働き、フォロワーのフィードの上に表示されたり、発見タブに表示されたりするためです。フォロワー数を増やし、たくさん投稿を行なっても、実際に投稿がユーザーに表示されなければ意味がありません。投稿内容がユーザーの望むものであるのか、良質なコンテンツであるのかを測るためにも、エンゲージメント数は非常に大切な指標であると言えます。

同時に、Instagramでは複数のKPIを比較することで、改善すべきポイントを洗い出すことができます。

例えば、フォロワー数が思うように増えないという課題を抱えている場合、プロフィールビュー数は増えているのにフォロワー数が増えていかないのであれば、プロフィールを見直すことで改善が見込まれる場合があります。

Instagram運用を成功させるためには、KPIを複合的にみて、自分たちのアカウントにどのような改善の余地があるのかを見ていくことが大切なのです。

いかがでしたか?今回はInstagramアカウント運用のポイントについて解説してきました。ぜひ日々のInstagramアカウント運用の効率をあげるためのアイディアとして、お役立てください!