Instagramマーケティング解説

短尺動画に特化した「Instagramリール」やショッピング機能の充実など、2020年も様々なアップデートが行われたInstagram。企業のマーケティング活用においても、活用の幅が広がってきています。

そこで今回は、Instagramの媒体特性などの基礎知識をおさえるとともに、Instagramマーケティングの手法やポイントなどを事例を交えながら解説していきます。

1.Instagramのユーザーデータと特性

現在のInstagramのユーザー数は以下の通りです。

・日本国内におけるアクティブアカウント数は3300万(2019年3月時点)
・男女比をみると、男性が43%、女性が57%と女性ユーザーの方が若干多い(※1)
・10代20代のユーザーが多いものの、30代、40代のユーザーも多く、幅広い層のユーザーと接触が可能(※2)

Instagramは、Twitterと同様に情報検索が多く行われているメディアです。Twitterではキーワード検索の利用が最も多いのに対し、Instagramではハッシュタグ検索が盛んに行われていることが特徴で、日本のユーザーはグローバル平均の3倍近い回数のハッシュタグ検索を行っているという調査データもあります(※3)

検索される情報としては、趣味、グルメ、旅行・観光、エンタメ、美容、ファッションが多いという特徴があります(※4)

リアルタイム性やリアルな情報を求めて情報検索を行うTwitterに対し、Instagramのハッシュタグ検索では、トレンドや流行のヒントや、自分の趣味にあった商品やサービスを求める意識が強く働いていると考えられます。

2.Instagramはどんなプラットフォームなのか〜2020年のアップデートから紐解く〜

Instagramが今年注力してきた取り組みは

①動画機能の充実
②ショッピング機能の拡大
③楽しく安全なプラットフォーム作り

という大きく3つの分類ができます。

①動画機能の充実

ストーリーズ投稿に好きな曲を追加できるミュージックスタンプの提供を開始
Instagramライブに新しく3つの機能を追加
Instagramライブの設定方法についてまとめた企業向けページを公開
15秒の短尺動画を作成、発見できる新機能「リール」の提供を開始
フィード投稿にInstagramライブなどのイベント情報をタグ付けする機能の提供
ストーリーズやリールで楽しめるARカメラエフェクトに日本国内の人気アニメやキャラクターのデザインを追加
Instagramライブにおけるバッジ機能のテストを日本でも開始
Instagramライブの配信が最大4時間に。ライブ動画をアーカイブする新機能も発表
「リール」専用のタブをアプリホーム画面に追加

②ショッピング機能の拡大

KDDIと共同で次世代のショッピング体験のコンセプトモデルを実証する「フューチャーポップアップストア」を開設
ギフトカード購入や料理の注文など、ユーザーがコロナ禍において打撃をうけているお気に入りの企業への支援を可能にする新機能の提供を開始
料理を注文機能、ギフトカード機能を提供するためのパートナーを拡大
Instagramショップ機能のリリース
Instagramのショッピング機能を利用する際の要件を緩和
おすすめの商品やスポットなどを紹介する「まとめ機能」を導入
IGTV動画においてショッピングタグの利用が可能に
「Instagramショップ」専用のタブをアプリホーム画面に追加

③楽しく安全なプラットフォーム作り

若年層ユーザーの安心安全なInstagramの使い方について考える「#インスタANZENカイギ」の発足
周囲のコミュニティなどに向けて感謝の気持ちを示す「今日の感謝」スタンプをローンチ
いじめや嫌がらせなどネガティブなやり取りを防ぐ2つの新機能を発表
Instagram上で話題になっているトピックを簡単に発見できる新機能「旬の話題」を導入

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、世界的に外出自粛措置がとられた2020年。SNSの利用時間は増加し、Instagramの中ではエンターテイメント性の高い短尺動画が人気を集めました。こうしたニーズに対応すべく、Instagramでは新機能「Instagramリール」の提供や、ストーリーズ、Instagramライブ機能の拡充を行っています。

さらに、外出自粛によるEC需要の高まりを受けて、ユーザーにInstagram上での新しい購買体験を提供する動きも強めています。実際、Instagramでは自分がフォローしているインフルエンサーを通して新しいブランドや商品を発見するユーザーも増えていると言います。

そしてもうひとつ、ユーザーが安心・安全に動画やライブ配信を楽しんだり、ショッピングを楽しんだりするプラットフォームにしていくための対策も積極的に取られています。

Instagramは、ユーザーがトレンドや流行をキャッチアップし、動画やライブ配信、ショッピングを通して安全にプラットフォームを楽しむ場となっているのです。

3.Instagramマーケティングで実施できる施策

3-1.公式アカウント運用

Instagramには、フィード投稿、ストーリーズ、IGTV、リール、Instagramライブなど、アカウント運用で活用できるフォーマットが豊富にあることが特徴です。

実際フィード投稿だけでなく、例えばストーリーズの質問機能を使ってフォロワーと積極的なコミュニケーションを行い、エンゲージメント向上に繋げている事例もあります。

またIGTVやInstagramライブを使い、商品の使い方やブランドについての理解を促すような取り組みも効果的です。

化粧品ブランド・コスメデコルテの公式Instagramアカウントでは、メイク術やテクニックを解説するInstagramライブを実施。
コロナ禍においてカウンターでの直接的な接客機会が減少するなか、Instagramライブを通した取り組みでエンゲージメントを高めている。また、動画はIGTVにアーカイブとして残すことで、より多くのフォロワーの視聴を促している。

また、リール機能は、ユーザーがリールの専用タブから投稿を探すこともできるので、新しいフォロワーとの接点作りにも繋がります。
このように様々な投稿フォーマットを活用することでより充実したアカウント運用を行うことができるのです。

そして、投稿コンテンツに静止画・動画などのビジュアルを伴うものを投稿するInstagramでは、ユーザーの投稿であるUGCを利用したアカウント運用も非常に効果的です。
UGCを活用することで、よりユーザーの目線煮立ち、広告的な要素を減らしながら自社の商品やブランドについて伝えることが可能です。

アライドアーキテクツが実施した調査では、60%のユーザーが企業のSNSアカウントが自分の投稿の引用や紹介投稿されると「そのブランドやお店・サービスが好きになる」と答えています。
一方、引用されることに抵抗があるユーザーも11%いるので、掲載前に個別に許諾をとるなど配慮をすることが大切です。

企業のUGC活用について、手法やポイント・注意点を徹底解説した記事はこちら
UGCとは?マーケティングにおける活用手法・事例・注意点を徹底解説!

3-2.Instagram広告

Instagram広告は、Facebook 広告と同じプラットフォームから配信することができ、高精度なターゲティングを行えることが特徴です。

配信面は「ストーリーズ」「フィード」「発見タブ」の3つがあり、それぞれユーザーの接触態度に違いが見られます。

例えば発見タブは、フィードやストーリーズと比較して、能動的に情報が探されている場所です。そのためユーザーのニーズを把握した訴求を行えば、成果につながりやすい配信面だと言えます。
またストーリーズはリアルタイムの生の情報を見るために、フィードは新しいものを探すために使われる傾向があります(※5)

Instagram広告では、

①精度の高いターゲティングを有効活用する
②訴求内容に適した配信面を選ぶ

この2つがポイントになってくるでしょう。

また、Instagramはユーザーが自分で撮影した動画や静止画を投稿するプラットフォームなので、アカウント運用と同様にUGCを広告クリエイティブとして活用することも効果的です。

バルクオム 広告のクリエイティブにUGCを利用
メンズコスメブランド・バルクオムではInstagram広告のクリエイティブにUGCを利用し、広告効果の改善に成功している。
画像引用|バルクオムの事例で解説!Instagram広告成功のための3つのキホン|Letro

3-3.Instagramキャンペーン

Twitter同様、Instagramもキャンペーン利用が盛んなプラットフォームです。
Instagramで行うことができるキャンペーンは大きく次の3つです。

①フォロー&いいね
②フォロー&コメント(メンション)
③フォロー&ハッシュタグ投稿

Twitterよりも拡散性は低いInstagramですが、「フォロー&コメント」形式でコメントをする際に、「@xxxxx ちゃんと一緒に行きたい」など、友達のアカウントのメンション(※)を付けてコメント投稿してもらうことで、拡散性をカバーするキャンペーンを行っているアカウントもあります。

また、参加ハードルはあがりますが、商品購入を前提とするマストバイ型の「フォロー&ハッシュタグ投稿」キャンペーンでは、商品を利用したUGCを発生させることができ、その後のUGC活用施策にも繋げることができます。

ドミノピザの公式Instagramアカウントで行われたフォロー&ハッシュタグ投稿(マストバイ)形式のキャンペーンでは、「#ドミノスパイシーフェイスコンテスト」をつけたたくさんのユーザー投稿があつまった。

※メンションとは:投稿やコメントの文章の中に、「@」をつけてユーザー名を記載する投稿です。Instagramではメンション投稿を行うと、記載されたアカウントのユーザーに通知がいきます。

3-4.Instagramショッピング

Instagramが2020年の機能アップデートで力をいれてきた「ショッピング機能」。アライドアーキテクツの調査では、ECサイトでの商品購入のきっかけとなったSNSとして最も多かったのがInstagramで、60%がInstagramをきっかけとした商品購入の経験があると答えています。

また、「SNSの広告や投稿を見て初めて知り、その場でSNSからECサイトの購入画面を開いて商品購入をしたことがあるか(パルス型消費行動の経験有無)」を尋ねたところ、Instagramが最多で42.7%が「ある」と回答。Instagramはビジュアルで訴求できるため、特にパルス型消費行動を起こしやすいと考えらます。

InstagramはユーザーにとってSNSのなかでも特に購買行動と密接に関わるプラットフォームだと言えます。

こうした背景もあり、InstagramのEC化は加速し、利用審査を通過したビジネスアカウントは、様々なショッピング機能を利用してInstagram上で商品の販売を行うことができます。

またInstagram内で決済を完了するチェックアウト機能など、まだ日本での提供が開始していない様々な機能やサービスもあり、今後もInstagramのショッピング機能は充実していくと思われます。

Instagramショッピングの機能と活用ポイントについて詳しく知りたい方はぜひこちらの記事もご覧ください。
【InstagramでEC売上をアップ!】ショッピング機能を効率的に活用するための5つのポイント

SABON Japan Instagram まとめ記事
スキンケアやヘアケア商品を販売するSABON Japanの公式Instagramアカウントでは、まとめ機能なども活用しながら、Instagram×EC化施策にとりくんでいる。

いかがでしたか?今回はInstagramマーケティングについて、徹底的に解説しました。

ライブ配信を含んだ「動画」とSNSプラットフォームならではの購買体験を提供する「ショッピング」はInstagramマーケティングを考えるうえで今後ますます注目の施策となりそうですね。

ぜひ、2021年のInstagramマーケティング施策設計にお役立てください。

Instagramを含めたSNSマーケティングのポイントについて徹底解説した記事はこちら
SNSマーケティングとは?特徴・施策・媒体別活用ポイントを徹底解説【2021年度版完全ガイド】

※1)カンタージャパンによるFacebook委託調査、2018年5-6月|Facebook社
※2)モバイル&ソーシャルメディア 月次定点調査(2020年6月度)|株式会社ジャストシステム
※3)Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破|Facebook社
※4)モバイル&ソーシャルメディア 月次定点調査(2020年6月度)|株式会社ジャストシステム
※5)Instagramのストーリーズとフィード: イメージと使われ方の違い|Instagram for Business