Web広告の世界は、日々進化し続けるデジタルマーケティングの中でも特に競争が激しい分野です。新しくWeb広告担当者になった方や、すでに中堅担当者として活躍している方も、業界用語や最新のトレンドを常にキャッチアップしておくことが重要です。
しかし、時には「専門用語が多すぎて戸惑ってしまう」と感じる場面もあるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、初心者向けにWeb広告とEC・D2Cに関連する基本用語を約50選ピックアップし、分かりやすく解説していきます。
これを機に、自分の知識を確認し、理解を深めていただければ幸いです。
TOPICS
- Web広告に関連する用語
1.インプレッション
2.CTR(クリックスルーレート)
3.コンバージョン
4.CVR(コンバージョンレート、コンバージョン率)
5.CPA(コストパーアクイジション)
6.CPC(コストパークリック)
7.CPM(コストパーミル)
8.リターゲティング
9.リマーケティング
10.セグメント
11.ターゲティング
12.デバイスターゲティング
13.Cookie(クッキー)
14.バナー広告
15.ネイティブ広告
16.リスティング広告
17.プログラマティック広告
18.RTB(リアルタイム入札)
19.DSP(デマンドサイドプラットフォーム)
20.SSP(サプライサイドプラットフォーム)
21.アドサーバー
22.アドネットワーク
23.アフィリエイト
24.インフルエンサーマーケティング
25.KPI(キーパフォーマンスインジケーター)
26.ROI(リターンオンインベストメント)
27.ROAS(リターンオンアドスペンド)
28.クリエイティブ
29.ランディングページ
30.記事LP
31.アンケートLP - 広告の分析に関連する用語
1.ユニークユーザー
2.セッション
3.エンゲージメント
4.ページビュー
5.A/Bテスト
6.UTMパラメータ - EC・D2Cに関連する用語
1.EC(電子商取引)
2.D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)
3.ブランディング
4.ユーザーエクスペリエンス(UX)
5.ユーザージャーニー(カスタマージャーニー)
6.パーソナライゼーション
7.リピート率
8.リテンション率
9.ロイヤルティ
10.解約率(チャーンレート)
11.F1(エフワン)
12.F2(エフツー)
13.MRR(Monthly Recurring Revenue)
14.ARR(Annual Recurring Revenue)
15.CRM
16.オムニチャネル
17.LTV(ライフタイムバリュー) - Web広告とEC・D2Cビジネス用語を共に理解し、担当者としての強みにしよう
Web広告に関連する用語
Web広告業界には数多くの専門用語が存在し、これらの用語を正しく理解することは業界でのコミュニケーションや戦略立案に欠かせません。Web広告に関連する基礎用語をピックアップし、一つずつわかりやすく解説していきます。
1.インプレッション
ユーザーに対して広告が表示される回数のこと。
この指標は、特にWeb広告の効果測定で重要な役割を果たします。
たとえば、広告キャンペーンを立ち上げた際、その広告がどれだけのユーザーに届いているのかを把握するために、「インプレッション数」をチェックします。より多くのインプレッションを得ることは、広告の露出度を高め、ブランド認知度を向上させるための一つの目標とも言えます。
2.CTR(クリックスルーレート)
Click Through Rateの略。通常「シーティーアール」と読み、ユーザーに広告が表示された回数のうち、実際にクリックされた回数の割合を指します。
CTRは特に、広告のパフォーマンス評価に用いられます。
CTRが高いほど、広告がユーザーの関心を引き、クリックにつながっていることを示します。そのため、CTRの向上は広告主の主な目標の一つとなります。
また、CTRは広告の質や効果的なターゲティングを評価するための重要な指標でもあります。
3.コンバージョン
広告から成果(購入や問い合わせ)を獲得すること。
コンバージョンは広告などマーケティング施策の最終的な成功を測定する重要な指標です。ユーザーが広告をクリックしてWebサイトを訪れた後、特定のアクション(製品の購入、資料ダウンロード、メルマガ登録など)を完了すると、それが「コンバージョン」としてカウントされます。
マーケティングの最終的な目的は、単にウェブサイトへのトラフィックを増やすだけでなく、実際にビジネスの成果につながる「コンバージョン」を達成することです。コンバージョン率(訪問者数に対するコンバージョン数の割合)アップは、デジタルマーケティング戦略の主要な目標とされています。
4.CVR(コンバージョンレート、コンバージョン率)
Conversion Rateの略。「シーブイアール」とも呼ばれる、一般的にサイト訪問数(セッション数)や広告のクリック数に対してのCV数の割合を指します。
CVRは、マーケティングや広告の効果を測る重要な指標です。具体的には、広告を見たユーザーが実際に目的のアクション(購入、申し込み、登録など)を完了した割合を示します。CVRが高い場合、広告やウェブサイトの魅力や効果が高いと判断できます。
5.CPA(コストパーアクイジション)
Cost Per Acquisitionの略。「シーピーエー」とも呼ばれ、特定のコンバージョンやアクションを達成するためにかかる平均コストを指します。デジタルマーケティングにおいて、広告キャンペーンの効率性や効果を測る重要な指標です。
CPAは、特定の期間内に獲得した顧客数やコンバージョン数を総コストで割ることで計算されます。この指標は、マーケティング活動の財務的なパフォーマンスを把握し、広告戦略の投資対効果(ROI)を評価するうえで役立ちます。
CPAを最適化するには、顧客の獲得コストを最小化しながら、望ましいコンバージョンやアクションの最大化を目指す必要があります。CPAを追跡しながら、マーケターは効果的に予算を配分し、キャンペーンのターゲティングを最適化し、全体的なキャンペーンのパフォーマンスを向上させる取り組み(広告運用)を行っていく必要があります。
6.CPC(コストパークリック)
Cost Per Clickの略で「シーピーシー」とも呼ばれ、広告主が1クリックあたりに支払う費用のことです。
Web広告出稿時に広告主は、広告がクリックされるたびに支払う金額を設定します。その金額に基づいて広告プラットフォームに対して広告費が支払われます。広告主は、CPCを低く抑えながら、クリック数やトラフィックの増加を目指す必要があります。
CPCはキャンペーンの成功度や広告主の広告費用対効果を評価するための重要な指標です。
広告主は、CPCを最適化するために広告メッセージやターゲットオーディエンスの選定、キーワードの最適化などの戦略を検討することが重要です。
関連記事:
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7.CPM(コストパーミル)
Cost Per Milleの略で、「シーピーエム」 とも呼ばれます。広告を1,000回表示させるごとにかかる費用のことです。
CPMモデル(Web広告の課金体系)では、広告主はクリック数やコンバージョン数に関係なく、広告が千回表示されるごとに一定の金額を支払います。主にディスプレイ広告などの場面で利用され、広告主は広告を広範なユーザーに表示し、露出度や知名度を高めることを目指します。
CPMを最適化するには、予算内で効果的な広告露出と広告費用を実現することです。異なる広告プラットフォームやキャンペーン間でのCPM率を比較し、広告キャンペーンの費用対効果や到達範囲を評価します。
8.リターゲティング
過去にサイト訪問履歴のあるユーザーを再ターゲティングする広告手法のことです。
特徴として、以下の点が挙げられます。
- 興味関心の再喚起: 過去に興味を示したユーザーに対して広告を再表示し、関心を再喚起します。
- ターゲットの絞り込み: 過去の行動や訪問履歴に基づいてユーザーセグメントを作成し、ターゲット広告を配信します。
- カスタマイズされたメッセージ:ユーザーの過去の行動に基づいて、カスタマイズされた広告メッセージを提供します。
- コンバージョンの促進:関心を示したユーザーに再度広告を提示し、購買やコンバージョンの可能性を高めます。
リターゲティングは、ウェブサイトの訪問者を顧客に転換するための効果的な手法であり、広告キャンペーンの成果を最大化するうえで役立ちます。
9.リマーケティング
Webサイトを訪れたユーザーに対して、その後のオンライン体験中に広告を再表示する手法のことです。
特定のアクション(購入や問い合わせなど)を行わなかったユーザーに対して、関連する広告を提示することで、彼らの関心を再喚起し、行動につなげることを目的としています。
リマーケティングは、ユーザーの行動履歴やCookie情報を活用し、広告を配信します。たとえば、特定の商品ページを訪れたが購入に至らなかったユーザーに対して、その商品の広告を表示することで、興味を再喚起し、購買意欲を高める効果があります。
この広告手法の利点は、興味を持ったユーザーに対して継続的にブランド・商品をリマインドすることで、彼らが再度Webサイトを訪問した際に、コンバージョンする可能性を高めることです。また、リマーケティングは、既存の顧客との関係を深めたり、購買サイクルを短縮したりするためにも利用されます。
10.セグメント
広告やマーケティングの効果を最大化するために、大規模な顧客集団をより具体的なサブグループに分類する手法です。
セグメントは、さまざまな要素に基づいて作成されます。一般的なセグメント化の要素には、以下のようなものがあります。
デモグラフィック属性:年齢、性別、地域、所得などの人口統計情報に基づく属性。「若年層」「女性」「都市部のユーザー」など
行動パターン:ウェブサイトの訪問履歴、購買履歴、行動データなどに基づく属性。「特定の商品カテゴリに関心を示すユーザー」「頻繁に購入するユーザー」など
心理的要素:興味関心、価値観、ライフスタイルなどの心理的な要素に基づく属性。「アウトドア愛好家」「健康志向のユーザー」など
セグメント化によって、広告主はターゲットユーザーをより具体的に理解し、個別のセグメントに合わせたメッセージや広告を提供することができます。これにより、広告のパーソナライズやターゲットマーケティングの効果を高め、広告の成果を最大化することができます。
11.ターゲティング
広告を表示させる対象ユーザーを絞り込むことです。
ターゲティングは、広告主が広告を配信する対象ユーザーを明確に定義し、より効果的に広告を届けるために使用されます。
12.デバイスターゲティング
「スマホ」「PC」などのデバイス別にターゲティングを行う手法のこと。
13.Cookie(クッキー)
ユーザーの行動履歴を記録・追跡するためのテキストファイルのこと。近年はWeb広告業界において、プライバシー保護の観点からの「Cookie規制」が施策実行上の大きな課題となっている。
関連記事:
・Cookie(クッキー)規制・IDFA変更で何が変わる?アンチトラッキングの概要・影響範囲と今後の対策を解説!
14.バナー広告
画像やアニメーションを使った広告のこと。
視覚的な要素を活用し、目に留まりやすく、クリエイティブな表現が可能です。
効果としては、ブランド認知とイメージ向上、トラフィックとクリック数の増加、コンバージョン率の向上が挙げられます。
15.ネイティブ広告
Webメディア内の一般記事に溶け込む形で表示される広告のこと。
ユーザーに対して広告としての意識を最小限に抑えつつ、関心を引き、商品・サービス理解やエンゲージメントを促します。
記事の一部や関連記事のような形で表示され、ユーザーはスムーズに広告コンテンツにアクセスできます。
ネイティブ広告のメリットは、広告の受容性とエンゲージメント向上、ブランドの信頼性と親近感の構築、広告のブロッキング回避などがあります。
16.リスティング広告
検索結果に表示されるテキスト広告のこと。
通常、検索キーワードに関連した広告が表示され、検索結果の上部や側面に配置されます。
広告主が入札やキーワード設定などを通じて表示される位置や順位を競い、クリックされた場合にのみ料金が発生します。
ユーザーがキーワードに関連する検索を行った際に、関連性の高い広告が表示されるため、効果的なターゲティングが可能です。
メリットは、検索エンジンの利用者に直接アプローチできること、効果的なキーワードターゲティングが可能であること、成果に基づく報酬体系があることなどが挙げられます。
17.プログラマティック広告
自動入札やリアルタイムのデータ分析を活用して、広告の購入と配信を効率化する広告手法です。
広告主は、特定の目標や条件に基づいて広告のターゲットや予算を設定し、プログラマティック広告プラットフォームを通じて自動的に広告の購入を行います。
広告配信は、ユーザーの属性や行動データ、コンテキスト(文脈)などをリアルタイムで評価し、最適なタイミングや場所で広告を表示します。
利点は、広告の精度と効率の向上、広告キャンペーンのリアルタイムな最適化、広告主と媒体パートナーの連携の促進などがあります。
18.RTB(リアルタイム入札)
Real-Time Biddingの略で「アールティービー」とも呼ばれます。広告インプレッションのリアルタイムオークションを可能にする広告技術です。
広告主とパブリッシャー(広告枠の供給元)が自動化された入札システムに参加し、広告スペースの価格をリアルタイムで競り合います。固定されたレートではなく、各インプレッションに対して広告主が個別に入札し、ターゲティング条件と予算に基づいて競います。
精度の高いターゲティング、広告の購買および販売の効率化、リアルタイムのパフォーマンスデータに基づくキャンペーンの最適化などの利点があります。
広告主は目的とするターゲットへ効果的にリーチし、パブリッシャーは広告在庫の価値を最大化することができます。
19.DSP(デマンドサイドプラットフォーム)
Demand-Side Platformの略で、「ディーエスピー」とも呼ばれます。DSPは、広告主や広告代理店がデジタル広告キャンペーンを管理・最適化するために使用する広告技術プラットフォームです。複数のアドエクスチェンジ(広告配信が可能なメディアやWebサイトをまとめ、広告主の代わりに広告掲載媒体と広告主をつなげる役割をする仕組み)や広告枠供給元における広告在庫の購入と管理を一元化するためのインターフェースを提供します。
特定のターゲットへの広告配信や入札戦略の設定、リアルタイム入札(RTB)を通じた購買プロセスの自動化を可能にします。
ディスプレイ広告、モバイル広告、動画広告、ネイティブ広告など、幅広い広告在庫にアクセスすることができます。
高度なターゲティング機能、データに基づく洞察、キャンペーン最適化ツールを提供し、広告キャンペーンの効果と効率を最大化します。
DSPを活用することで、広告主は目的のターゲットにリーチし、広告パフォーマンスを向上させ、マーケティング目標を達成することができます。
20.SSP(サプライサイドプラットフォーム)
Supply-Side Platformの略で、「エスエスピー」とも呼ばれます。メディア(媒体)側の広告管理プラットフォームのこと。広告枠供給元や、メディア企業が広告在庫を管理・最適化するために使用する広告技術プラットフォームです。
SSPを使用することで、広告枠供給元はリアルタイムオークションで広告インプレッションを販売し、プログラマティック広告を通じて広告収益を最大化することができます。
SSPは、広告枠供給元が在庫を管理し、価格設定ルールを設定し、特定のターゲットオーディエンスセグメントを対象にするためのさまざまな機能とツールを提供します。
広告パフォーマンス、オーディエンスデータ、収益最適化などの情報を提供し、広告枠供給元が情報に基づいた意思決定を行い、広告スペースからより高い収益を生み出すことを支援します。
SSPは、広告枠供給元と広告主の間で広告インプレッションの売買を円滑に行う重要な役割を果たし、デジタル広告エコシステムにおいて効率的かつ透明な取引を実現します。
21.アドサーバー
広告の配信・管理を行うサーバーのこと。Webサイトやアプリ内で広告を表示するために使用されます。
アドサーバーは広告主や広告代理店が広告を配置し、ターゲットに対して正確に配信するうえで必要です。広告表示のタイミングや表示頻度、セグメントなどを設定し、広告キャンペーンの効果測定や報告も行います。また、広告主や広告枠供給元が複数のアドネットワークやアドエクスチェンジを管理するための中央集権的なシステムとしても機能します。
アドサーバーは広告の追跡や制御、広告収益の最適化など、広告業界における重要な役割を果たしています。
22.アドネットワーク
複数の広告媒体をまとめて管理するプラットフォームのこと。複数の広告媒体(Webサイト、アプリ、メディアなど)を一括して管理し、広告主が効果的に広告を配信するためのプラットフォームです。
アドネットワークは、広告主が広告を配信したいターゲットにアクセス可能な媒体を提供し、広告主は一つのプラットフォームを通じて複数の媒体に広告を掲載できます。広告の選択肢を拡大し、広告のターゲティングや効果測定を行い、広告主のキャンペーンの管理と最適化を支援します。
広告媒体も広告ネットワークに参加することで、広告収入を最大化し、多様な広告主の広告を掲載できます。
23.アフィリエイト
成果報酬型の広告プログラムのこと。
広告主とアフィリエイトパートナー(ブロガー、Webサイト運営者など)の間での提携を指します。
アフィリエイトパートナーは自身のWebサイトやメディアで広告主の商品やサービスを紹介し、訪問者や顧客を広告主のWebサイトに誘導します。
成功報酬が発生するのは、アフィリエイトパートナーが紹介した訪問者が広告主のウェブサイトで特定のアクション(購入、登録、申し込みなど)を行った場合です。
アフィリエイトは広告主にとってリスクの少ない広告手法であり、アフィリエイトパートナーには成果報酬を得る機会があります。
24.インフルエンサーマーケティング
SNSやブログなどで影響力を持つインフルエンサーを活用したマーケティング手法のこと。
広告主がターゲットオーディエンスにリーチするために、インフルエンサーと提携し、彼らのフォロワーや視聴者に商品やブランドを紹介してもらいます。
インフルエンサーの信頼性や影響力を活かし、彼らのファンやフォロワーに製品やサービスについての情報を提供します。
広告に比べてよりパーソナライズされたメッセージや高いエンゲージメントを実現し、プロモーション効果の向上を図ることができます。
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25.KPI(キーパフォーマンスインジケーター)
Key Performance Indicatorの略で、通常「ケーピーアイ」と呼びます。Web広告やビジネスの目標達成度合いを定量的に評価する指標のことです。
一方、KGI(Key Goal Indicator)は、KPIとは異なり、主要なビジネスゴールを測るための指標です。KGIは、企業や組織の大きな目標や戦略に関連し、より広範な成果を示す役割を果たします。
つまり、KPIは具体的な目標の達成度を測るための指標であり、KGIはより大局的なビジネスゴールを測るための指標として使われます。
KPIはKGIの下位概念として位置づけられ、具体的な成果の測定や目標達成の評価に重点を置いています。
26.ROI(リターンオンインベストメント)
Return on Investmentの略で、通常「アールオーアイ」と呼ばれます。特定の投資に対して得られる利益の割合を示します。
ROIは、投資した資金やリソースに対して実際に得られた利益や収益を考慮し、その効果や効果的な利益を評価するために使用されます。特にマーケティングや広告活動において重要で、投資した広告費用に対する収益や利益を測定するために利用されます。
ROI=(投資によって得られた利益)÷(投資したコスト)×100
100%以上のROIは、投資が収益を生み出していることを示します。
ROIの理解と計算は、ビジネスやマーケティングの成果を評価し、効果的な意思決定を支援する上で重要な役割を果たします。
27.ROAS(リターンオンアドスペンド)
Return on Advertising Spendの略で、「ロアス」と呼ぶこともあります。 広告費用対効果(広告支出に対する売上の割合)の指標です。
ROASは、特定の広告キャンペーンや広告チャネルの効果を評価するために使用されます。ROIとは異なり、ROASは広告費用と売上の関係性に焦点を当てています。ROASが高ければ、広告費用に対してより多くの売上が生まれていることを示し、広告活動の効果的な運用を示唆します。
ROAS = (広告からの売上)÷(広告費用)×100
ROASの理解と計算は、広告効果の評価や広告予算の最適化に役立ちます。高いROASを達成することは、効果的な広告戦略と広告予算の適切な配分を示す重要な指標となります。
28.クリエイティブ
広告のデザインやコンテンツに関する要素を指します。画像や動画、テキスト、色彩、レイアウト、フォントなどが含まれます。
29.ランディングページ
「LP(エルピー)」と呼ばれることも多く、ユーザーが広告をクリックした際にまず着地する、集客やコンバージョン獲得を主目的としたWebページのことです。
ランディングページは、広告やキャンペーンのメッセージや目的に合わせてデザインされ、特定のアクションを促すコンテンツやコールトゥアクション(CTA)が配置されます。例えば、商品の購入、問い合わせフォームの送信、メール登録などです。
ランディングページは、ユーザーの関心を引き付け、商品・サービスへの理解を深めることで、広告からの訪問者を具体的なアクションに誘導する役割を果たします。
明確なメッセージ、魅力的なデザイン、簡潔なフォームなどを通じて、高いコンバージョン率を実現することを目指します。
効果的なデジタルマーケティングキャンペーンにおいて重要な要素となります。
30.記事LP
ユーザーの共感を深めたうえでコンバージョンへと導く、読み物(記事)型のLPのこと。ユーザーの関心を引きつけるコンテンツを通じて、ブランドや商品に対する理解を深め、信頼感を醸成します。ストーリーテリングや具体的な使用シーン、第三者評価(レビュー、クチコミ)などを活用し、読者の興味を引き付け、エンゲージメントを促すことで、効果的なコンバージョンを実現します。
31.アンケートLP
短いアンケート設問をLP内に盛り込み、ユーザーの商品理解を深めたうえでコンバージョンへと導くLPのこと。
アンケートには商品に関する質問やユーザーのニーズや好みに関する設問が含まれます。
ユーザーはアンケートに回答することで自身の意見や要望を表明し、商品に対する理解を深めることができます。同時に、アンケートの回答結果は広告主にとって貴重な情報となり、ターゲットのニーズに合わせた個別のメッセージやオファーを提供するための基盤となります。
エンゲージメントを高め、コンバージョン率の向上を図るうえで効果的な手法です。
【デジタル販促やSNS広告の基本も理解しよう】
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広告の分析に関連する用語
広告の分析は、効果的なWeb広告戦略を立てるうえで欠かせないスキルです。特にデータを正確に解釈し、適切な意思決定に繋げることが重要です。この章では広告の分析に関連する重要な用語をピックアップして解説します。
1.ユニークユーザー
同一人物と判定されるユーザーの集計単位。広告を見たり、エンゲージメントした個別のユーザー数を示します。同じユーザーで複数セッションやページビューがあった場合、重複排除して数えられます。
広告の到達範囲やユーザーの興味関心を把握するために活用される集計単位です。
2.セッション
Webサイト訪問の1回のまとまりのこと。
通常「セッション」とは、ユーザーがWebサイトにアクセスしてから一定時間(一般的には30分)経過するまでの間、または、ブラウザを閉じるまでの期間とされます。ただし、Webサイト運営者がセッションの期間を独自に設定する場合もあります。
セッションは、ユーザーのWebサイトの滞在時間や行動パターンを分析し、サイトのパフォーマンスやユーザーエンゲージメントの評価に活用されます。
3.エンゲージメント
ユーザーがコンテンツに対してどれだけ関与しているか(SNSでの「いいね」「リツイート」など)を示す指標。
ユーザーがコンテンツに興味を示し、相互作用を行う程度を測ることで、コンテンツの人気度や影響力を評価するために利用されます。
エンゲージメントの高いコンテンツは、ユーザーの関心を引き付け、共感や共有を促し、ブランドやコミュニティの拡散に寄与することが期待されます。
4.ページビュー
Webページが閲覧された回数のこと。複数回の閲覧があった場合でも、各閲覧ごとにページビューがカウントされます。
Webサイトのトラフィックや人気度を評価するために使用され、特定のページの閲覧回数や人気度を把握することができます。
ページビューのデータは、ウェブアナリティクスや広告効果の評価など、Webページのパフォーマンスやコンテンツの改善に役立ちます。
5.A/Bテスト
「エービーテスト」といいます。広告クリエイティブ、LPのファーストビューなど、 複数のバリエーションをユーザーに見せて反応を比較し、最適な見せ方を検証するための手法です。
ユーザーの反応や行動データを分析し、クリック率やコンバージョン率などの指標を評価することで、より効果的なデザインやコンテンツを特定します。データに基づいた意思決定を支援し、広告やウェブサイトの改善に貢献します。
6.UTMパラメータ
「ユーティーエムパラメータ」と呼びます。また、単に「パラメータ」という場合も。 広告の効果測定に使用するURLの付加情報のことです。
広告のクリック元やキャンペーン名、媒体などの情報をURLに追加することで、広告の効果やトラフィックの分析を容易にします。
Google Analyticsなどのアクセス解析ツールや、広告効果測定ツールで利用され、広告の成果や適切なマーケティングチャネルの特定に役立ちます。
【2023年に押さえるべきポイントをサクッと理解】
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EC・D2Cに関連する用語
EC(電子商取引)とD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)は、特にコロナ禍以降で急速に普及し、多くの企業が取り組んでいる戦略です。これらの分野では、消費者との直接的なコミュニケーションが重視され、ビジネスの成果を上げるためにさまざまな技術や戦術が用いられています。
そこでこの章では、EC・D2Cに関連する用語をピックアップし、一つずつわかりやすく解説していきます。
1.EC(電子商取引)
通常「イーシー」と呼ぶ。「イーコマース」と呼ばれることも。 インターネットを使った商取引のこと。
オンライン上で商品やサービスの販売・購入が行われる仕組みであり、オンラインストアなどが代表的な形態です。24時間いつでも利用できることや、広範な商品の選択肢、比較的低い運営コストなどが特徴です。
また、ECではオンライン決済や配送などの仕組みが重要な役割を果たします。
ECは現代の商取引において重要な役割を果たし、ビジネスの拡大や顧客の利便性を向上させることに貢献しています。
2.D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)
「ディーツーシー」と呼ぶ。メーカーが直接消費者に製品を販売するビジネスモデルのこと。
従来の流通チャネルを経由せず、メーカーが自社のオンラインストアや直営店舗などを通じて製品を直接販売することが特徴です。
D2Cビジネスモデルでは、メーカーは顧客とダイレクトな関係を築き、商品のブランドストーリーや付加価値を伝えることができます。また、データ収集や顧客のフィードバックを活用して製品改善や新商品開発にも積極的に取り組むことができます。
D2Cは効率的な販売とマーケティングの手法として注目され、消費者のニーズに合わせて個別化された商品やサービスを提供することができます。
3.ブランディング
企業や商品のイメージを向上させる取り組みのこと。
広告、デザイン、マーケティング戦略などを通じて、特定のブランドに対する認知や評価を高めることを目指します。
顧客に対してブランド価値や差別化を伝え、顧客とのつながりを築くことで、長期的なロイヤルティ(忠誠度・愛着)醸成を図ります。一貫性のあるメッセージやビジュアルを通じてブランドアイデンティティやストーリーを伝え、顧客の信頼・好感度を高めることが重要です。
また、企業や商品の競争力を向上させ、市場での差別化や価値提供を促進します。
4.ユーザーエクスペリエンス(UX)
「ユーエックス」と呼ぶことも。ユーザーがウェブサイトやアプリ上などで得る体験のこと。
※派生で以下の用語が使われる場合もある。
- 「CX(カスタマーエクスペリエンス)」:顧客体験
- 「BX(ブランドエクスペリエンス)」:ブランド体験
UXは、ユーザーがサービス・製品を使う際の使いやすさ、満足度、感情的な経験などを重視し、それらの要素を最適化することを目指します。良好なUXは、ユーザーが効率的に目的を達成し、ストレスや混乱を感じることなく、快適で意義のある体験を提供します。
UXは顧客体験(CX)やブランド体験(BX)とも関連し、ビジネス成功において重要な要素となっています。
5.ユーザージャーニー(カスタマージャーニー)
ユーザーが製品・サービスにたどり着くまでの、一連の過程・経験を指します。ユーザーが最初に製品やサービスを知り、関心を持ち、情報収集や検討を行い、最終的に購入や利用の決定をするまでの流れのことです。
ユーザーの視点から見た体験や感情を考慮し、その中でのユーザーのニーズや痛点(ペイン、ストレス)を理解するために活用されます。
ユーザージャーニーを理解することは、製品・サービスのデザインやマーケティング戦略を最適化し、ユーザーエクスペリエンスを向上させるうえで役立ちます。
6.パーソナライゼーション
ユーザー個々の属性や趣味嗜好に合わせて、コンテンツや製品・サービスを最適化する手法のこと。ユーザーのデータや行動履歴を活用し、個別のニーズ・関心に基づいて配信や提案の内容をカスタマイズします。
ユーザーエクスペリエンスを向上させ、ロイヤルティや売上を増加させる効果があります。
また、ターゲット精度の向上や、効果的なコミュニケーションの実現にも寄与します。
7.リピート率
顧客が繰り返し商品・サービスを購入する割合のこと。
高いリピート率は、顧客のロイヤルティ・信頼を反映し、企業の長期的な成功に寄与します。販売の安定性や収益性の向上にもつながります。
企業はリピート率を向上させるために、顧客満足度向上やリピート購買の促進策を検討することが重要です。
8.リテンション率
顧客が継続してサービスや製品を利用する割合。顧客満足度やサービスの価値を評価する指標。
高いリテンション率は、顧客のロイヤルティやエンゲージメントを反映し、企業の成長と持続性に寄与します。また、顧客獲得のコストを削減し、収益の増加につながります。
企業はリテンション率を向上させるために、顧客満足度向上、ロイヤルティプログラムの提供、優れたカスタマーサポートなどの取り組みを行うことが重要です。
9.ロイヤルティ
顧客が特定のブランドや商品に対して抱く忠誠心・愛着のこと。高いロイヤルティは継続的な利用やリピート購入につながります。
顧客がブランドに強いロイヤルティを持つ場合、継続的な利用やリピート購入が促進されます。企業にとって長期的な成功や競争優位性を築くために重要な要素となります。
企業はロイヤルティを向上させるために、顧客エンゲージメントの促進、カスタマーサービスの向上、特典やプログラムの提供などの取り組みを行うことが求められます。
10.解約率(チャーンレート)
サブスクリプション型サービスで、顧客がサービスを解約する割合のこと。解約率が低いほど、サービスの継続性や顧客満足度が高いことを示します。
解約率の低下は、サービスの品質向上や付加価値の提供、顧客エンゲージメントの促進などを通じて実現されます。また、解約率の把握と分析は、サービスの改善や顧客ロイヤルティ向上のための重要なデータとなります。
企業は解約率を管理し、顧客の長期的な継続利用を促進するために積極的な取り組みを行うことが求められます。
11.F1(エフワン)
ファーストオーダー(初回購入)のこと。新規顧客獲得やマーケティング効果を評価する指標。
12.F2(エフツー)
セカンドオーダー(2回目の購入)のこと。リピート購入のきっかけをつかむために重要なステップ。
F1(ファーストオーダー)からF2(セカンドオーダー)へと顧客の引き上げができた割合を「F2転換率(エフツーてんかんりつ)」と呼び、EC・D2C領域で頻出する重要用語。
「F3(エフスリー、3回目の購入)」「F4(エフフォー、4回目の購入)」「F5(エフファイブ、5回目の購入)」など同様の派生用語もあり、リピート購入の状況を把握するために使用されます。
これらの指標を分析することで、顧客がどの程度の頻度でリピート購入を行っているか、リピート購入の傾向やパターンを把握できます。また、これらのデータをもとに、マーケティング戦略やリテンション施策を最適化することも可能になります。
13.MRR(Monthly Recurring Revenue)
Monthly Recurring Revenueの略で、「エムアールアール」と読み、サブスクリプション型サービスで毎月安定して得られる収益のことです。顧客が定期的に支払う月額料金による収益を表し、収益の予測やビジネスの成長性を評価する際に重要な指標となります。MRRの向上は、新規顧客獲得や既存顧客の継続利用促進によって実現されます。
MRRは収益の安定性や予測性を高めるために重要で、企業の成長戦略やビジネスモデルの評価にも活用されます。MRRの増加を目指すためには、顧客獲得施策や顧客満足度の向上、アップセルやクロスセルの実施などの取り組みが重要です。
MRRの計測と分析を通じて、収益の安定性や成長性を把握し、ビジネスの持続的な成功を実現することが目指されます。
14.ARR(Annual Recurring Revenue)
Annual Recurring Revenueの略で、「エーアールアール」と呼ぶ。サブスクリプション型サービスで毎年安定して得られる収益のこと。顧客が定期的に支払う年額料金による収益を表し、収益の予測やビジネスの成長性を評価する際に重要な指標となります。
ARRは、MRR(Monthly Recurring Revenue)の年間合計額を示し、収益の安定性や予測性を評価する際に使用されます。ARRの向上は、新規顧客獲得や既存顧客の継続利用促進によって実現されます。
ARRの計測と分析を通じて、ビジネスの収益性や成長性を把握し、戦略的な意思決定に役立てることが目指されます。
15.CRM
「シーアールエム」と呼びます。 顧客情報を一元管理し、販売促進やサポートを効率化するシステムのことです。CRMシステムは、顧客の基本情報、購買履歴、コミュニケーション履歴などを管理し、顧客との関係構築やマーケティング活動を支援します。
あるいは、顧客との関係を育成する取り組み・活動そのものを指す場合も非常に多いと言えます。顧客との関係を重視し、長期的な顧客満足度とロイヤルティの向上を目指します。
企業はCRMを活用して顧客との信頼関係を築き、顧客価値の最大化とビジネス成果の向上を図ることが求められます。
16.オムニチャネル
「オフライン」「オンライン」など複数の販売チャネルを統合し、顧客に一貫した体験を提供する戦略のこと。
顧客は自由にチャネルを切り替えながら商品やサービスを利用でき、シームレスな購買体験を享受できます。顧客のニーズ・行動に合わせてマーケティングや販売を展開することで、顧客満足度の向上や顧客ロイヤルティの構築を目指します。
また、オムニチャネルは販売チャネルの垣根を取り払い、企業の競争力や収益性の向上にも寄与します。
17.LTV(ライフタイムバリュー)
Lifetime Valueの略で、「エルティーブイ」と呼ぶ場合が多い。 顧客が長期的にブランドにもたらす利益の期待値のこと。
近年、EC・D2C業界ではこの「LTV」を最重要指標と位置づけるケースが増えています。
顧客が企業から繰り返し商品やサービスを購入することによって生み出される経済的な価値を示す指標です。
LTVは顧客のロイヤルティや継続利用の度合いを反映し、企業の成長や収益性の評価に使用されます。LTVの向上を図るためには、顧客ロイヤルティの強化、クロスセルやアップセルの推進、顧客満足度向上などの施策が重要です。
Web広告とEC・D2Cビジネス用語を共に理解し、担当者としての強みにしよう
Web広告、EC、およびD2Cビジネスに関連する用語をセットで理解することには、さまざまなメリットがあります。
まず、マーケティング活動全体を俯瞰で捉えたうえで一貫性のある戦略立案が可能となり、効果的な広告配信・施策投入につながります。
また、顧客の購買プロセスを理解することで、広告配信の最適化も推進できます。
さらに、オムニチャネル戦略の推進も可能となり、顧客体験の向上やブランドイメージの強化が期待できます。
企業によっては、広告担当と通販担当が分業されている場合も見られますが、広告とEC・D2Cの知識を統合的に理解することで、マーケティング活動全体の効果を最大化でき、担当者としての強みを持つことができます。
このような観点から、Web広告とEC・D2Cビジネスの用語をともに理解し、効果的なマーケティング戦略を立案していくことが重要です。
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