「コラボ機能」や動画視聴環境の整備など、2021年も様々なアップデートが行われたInstagram。
そこで今回は、Instagramの媒体特性や基礎知識をおさえるとともに、最新版のInstagramマーケティングの手法やポイントを解説します!
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1.Instagramのユーザーデータと特性
現在のInstagramのユーザー数は以下の通りです。
- 日本国内におけるアクティブアカウント数は3,300万(2019年3月時点)
- 男女比をみると、男性が43%、女性が57%と女性ユーザーの方が若干多い(※1)
- 10代20代のユーザーが多いものの、30代、40代のユーザーも多く、幅広い層のユーザーと接触が可能(※2)
アライドアーキテクツが2020年12月に実施した調査でも、10代から50代まで幅広い世代が利用していることがわかっています。
Instagramの特徴としては、Twitterと同様に情報検索が多く行われているメディアであるということがあります。Twitterではキーワード検索の利用が最も多いのに対し、Instagramではハッシュタグ検索が盛んに行われていることが特徴で、日本のユーザーはグローバル平均の3倍近い回数のハッシュタグ検索を行っているという調査データもあります(※3)。
また、検索される情報としては、趣味、グルメ、旅行・観光、エンタメ、美容、ファッションが多いという傾向があります(※4)。
リアルタイム性やリアルな情報を求めて情報検索を行うTwitterに対し、Instagramのハッシュタグ検索では、トレンドや流行のヒントや、自分の趣味にあった商品やサービスを求める意識が強く働いていると考えられます。
Instagramのユーザー利用実態をデータでご紹介!
▶【2021年版】Instagramユーザー実態が分かる!調査データまとめ
ー2.Instagramはどんなプラットフォームなのか〜2021年のアップデートから紐解く〜
Instagramでは今年様々な取り組みや新機能のアップデートを行ってきましたが、大きくみると
①様々な立場で利用するアカウント同士の交流を促す
②ビジネスが多様な目的で利用できるような機能追加
③プラットフォームの安全性を高める
以上3つに分類することができます。
①様々な立場で利用するアカウント同士の交流を促す
- ストーリーズ・コラボ機能のテストを日本で開始
- 共通のテーマで投稿をシェアできる「お題スタンプ」がストーリーズでテスト開始
- 好きなリール動画とコラボできる「リミックス」機能の追加
- バッジ機能をアップデートし、アメリカでアフィリエイト機能のテスト開始
- 最大4名でライブ配信ができる「ライブルーム」の導入
- ブランドコンテンツ広告がリールでも配信可能に
②ビジネスが多様な目的で利用できるような機能追加
- Instagramショップのタブ内での広告提供を開始
- リール配信面での広告提供を開始
- リールとライブ配信のインサイトがアプリ内で確認可能に
- Facebook Business Suiteでストーリーズの予約や日時指定投稿が可能に
- Instagram用メッセンジャーAPIの公開
- レストラン予約機能のパートナーの拡充
- アクションボタン「予約する」の利用できる業種に美容サロンを追加
- 地図検索機能の導入
③プラットフォームの安全性を高める
- 「いいね!」数の表示・非表示をユーザーが管理できるように
- センシティブなコンテンツの発見タブへの表示を管理する「センシティブコントロール」の提供を開始
- 認証バッジの申請プロセスアップデート。なりすましアカウントとの区別を明確に。
- 一定の利用時間になると、休憩を促す機能のテスト開始
- 保護者のためのInstagramガイドを一新
- 16歳未満の新規アカウントはデフォルトで非公開アカウントに設定
Instagramには一般のユーザー、クリエイター(インフルエンサーやパブリッシャー)、ビジネス(企業)という大きく3つの立場のアカウントがあります。
Instagramは2021年、この三者がInstagramというプラットフォームを媒介としてより交流を深めそれぞれの目的を実現していけるような機能開発やアップデートに取り組んできました。
長引く新型コロナウイルス感染症のパンデミックの中で、ビジネス(企業)の集客や売上、顧客とのコミュニケーションに役立つ機能の開発も多く、特に中小規模のビジネスでも気軽に利用できるようなアップデートが目立ちます。
また、活躍の場を求めるインフルエンサーが、自分のファンと交流して表現の幅を広げていけるよう、ライブ配信やコラボ機能など様々な機能提供を実施しています。
さらに、プラットフォームの安全性を高める努力も怠っていません。ユーザーが「コミュニケーションの場」として安全にプラットフォームを利用し、そのユーザーとビジネスがクリエイターが安心して繋がりをもてるよう、ユーザー保護に関わる追加の機能を実装しました。
Instagramは、多様な目的をもった立場のアカウントが、それぞれの目的を快適に安心してかなえていくことができる、そういった場となっています。
2021年に行われたInstagramの新機能提供&アップデートをおさらい!
▶ Instagram(インスタグラム)の新機能&アップデートまとめ・最新版【2022年のInstagram活用のヒントに】
3.Instagramマーケティングで実施できる施策
3-1.公式アカウント運用
Instagramには、フィード投稿、ストーリーズ、Instagram動画、リール、Instagramライブなど、アカウント運用で活用できるフォーマットが豊富にあることが特徴です。
実際フィード投稿だけでなく、例えばストーリーズの質問機能を使ってフォロワーと積極的なコミュニケーションを行い、エンゲージメント向上に繋げている事例もあります。
またInstagramライブを使い、商品の使い方やブランドについての理解を促すような取り組みも効果的です。
また、リール機能は、ユーザーがリールの専用タブから投稿を探すこともできるので、新しいフォロワーとの接点作りにも繋がります。
このように様々な投稿フォーマットを活用することでより充実したアカウント運用を行うことができるのです。
Instagramアカウント運用を成功させるためのコツとは?
▶Instagram(インスタグラム)アカウント運用を成功させるポイントとは?〜フォロワー数アップやKPIの設定など、気になる疑問を解説!
そして、投稿コンテンツに静止画・動画などのビジュアルを伴うものを投稿するInstagramでは、ユーザーの投稿であるUGCを利用したアカウント運用も非常に効果的です。
UGCを活用することで、よりユーザーの目線に立ち、広告的な要素を減らしながら自社の商品やブランドについて伝えることが可能です。
アライドアーキテクツが実施した調査では、60%のユーザーが企業のSNSアカウントが自分の投稿の引用や紹介投稿されると「そのブランドやお店・サービスが好きになる」と答えています。
一方、引用されることに抵抗があるユーザーも11%いるので、掲載前に個別に許諾をとるなど配慮をすることが大切です。
企業のUGC活用について、手法やポイント・注意点を徹底解説した記事はこちら
▶UGCとは?マーケティングにおける活用手法・事例・注意点を徹底解説!
3-2.Instagram広告
Instagram広告は、Facebook 広告と同じプラットフォームから配信することができ、高精度なターゲティングを行えることが特徴です。
配信面は「ストーリーズ」「フィード」「発見タブ」「リール」の4つがあり、それぞれユーザーの接触態度に違いが見られます。
例えば発見タブは、フィードやストーリーズと比較して、能動的に情報が探されている場所です。そのためユーザーのニーズを把握した訴求を行えば、成果につながりやすい配信面だと言えます。
またストーリーズはリアルタイムの生の情報を見るために、フィードは新しいものを探すために使われる傾向があります(※5)。
Instagram広告では、
①精度の高いターゲティングを有効活用する
②訴求内容に適した配信面を選ぶ
この2つがポイントになってくるでしょう。
また、Instagramはユーザーが自分で撮影した動画や静止画を投稿するプラットフォームなので、アカウント運用と同様にUGCを広告クリエイティブとして活用することも効果的です。
画像引用|バルクオムの事例で解説!Instagram広告成功のための3つのキホン|Letro
Instagram広告の特徴、メリット、出稿方法まで徹底的に解説した記事はこちらから
▶Instagram広告の基礎知識と出し方を徹底解説!初心者でもわかる、Instagram広告完全ガイド【2021年度版】
3-3.Instagramキャンペーン
Twitter同様、Instagramもキャンペーン利用が盛んなプラットフォームです。
Instagramで行うことができるキャンペーンは大きく次の3つです。
①フォロー&いいね
②フォロー&コメント(メンション)
③フォロー&ハッシュタグ投稿
画像引用:SNSキャンペーンについて、よくある質問10個に答えてみた!【マーケティング施策の「あるある」一問一答】
Twitterよりも拡散性は低いInstagramですが、「フォロー&コメント」形式でコメントをする際に、「@xxxxx ちゃんと一緒に行きたい」など、友達のアカウントのメンション(※)を付けてコメント投稿してもらうことで、拡散性をカバーするキャンペーンを行っているアカウントもあります。
また、参加ハードルはあがりますが、商品購入を前提とするマストバイ型の「フォロー&ハッシュタグ投稿」キャンペーンでは、商品を利用したUGCを発生させることができ、その後のUGC活用施策にも繋げることができます。
TwitterやTikTokの事例も紹介
▶ 【2022年のSNSキャンペーン設計のヒントに】2021年注目されたSNSキャンペーン事例まとめ14選
※メンションとは:投稿やコメントの文章の中に、「@」をつけてユーザー名を記載する投稿です。Instagramではメンション投稿を行うと、記載されたアカウントのユーザーに通知がいきます。
3-4.Instagramショッピング
Instagramでは2020年から「ショッピング機能」の充実に取り組んでいます。アライドアーキテクツの調査では、ECサイトでの商品購入のきっかけとなったSNSとして最も多かったのがInstagramで、60%がInstagramをきっかけとした商品購入の経験があると答えています。
また、「SNSの広告や投稿を見て初めて知り、その場でSNSからECサイトの購入画面を開いて商品購入をしたことがあるか(パルス型消費行動の経験有無)」を尋ねたところ、Instagramが最多で42.7%が「ある」と回答。Instagramはビジュアルで訴求できるため、特にパルス型消費行動を起こしやすいと考えられます。
InstagramはユーザーにとってSNSのなかでも特に購買行動と密接に関わるプラットフォームなのです。
こうした背景もあり、InstagramのEC化は加速し、利用審査を通過したビジネスアカウントは、様々なショッピング機能を利用してInstagram上で商品の販売を行うことができます。
またInstagram内で決済を完了するチェックアウト機能やInstagramライブでのライブショッピング機能など、まだ日本での提供が開始していない様々な機能やサービスもあり、今後もInstagramのショッピング機能は充実していくと思われます。
Instagramショッピングの機能と活用ポイントについて詳しく知りたい方はぜひこちらの記事もご覧ください。
▶【InstagramでEC売上をアップ!】ショッピング機能を効率的に活用するための5つのポイント
Instagramを活用した販促施策からInstagram運用戦略をインタビュー
▶ 【共感をよぶアカウントを目指して】東急ハンズがInstagram活用で大切にしているコトとは?【2021/Instagram×EC・最前線③】
いかがでしたか?今回はInstagramマーケティングについて、徹底的に解説しました。
認知からコンバージョンまで。Instagramを活用したマーケティング施策の幅はますます広がっていきそうですね!
ぜひ、2022年のInstagramマーケティング施策設計にお役立てください。
Instagramを含めたSNSマーケティングのポイントについて徹底解説した記事はこちら
▶SNSマーケティングとは?特徴・施策・媒体別活用ポイントを徹底解説【2022年度版完全ガイド】
※1)カンタージャパンによるFacebook委託調査、2018年5-6月|Facebook社
※2)モバイル&ソーシャルメディア 月次定点調査(2020年6月度)|株式会社ジャストシステム
※3)Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破|Facebook社
※4)モバイル&ソーシャルメディア 月次定点調査(2020年6月度)|株式会社ジャストシステム
※5)Instagramのストーリーズとフィード: イメージと使われ方の違い|Instagram for Business
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